人権教育のための国連10年 決議

人権教育のための国連10年・決議

 

(財)人権教育啓発センター仮訳

 

 国際連合総会は、 国連憲章及び世界人権宣言に込められた基本的かつ普遍的理念に導かれ、世界人権宣言第26条が述べる「教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化を目的としなければならない。」を再確認し、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第13条、児童の権利に関する条約第28条など、先に述べた条項の目的を反映する、他の人権諸条約の規定を想起し、人権委員会が、理論的次元と実際の応用面、両面についての、人権の知識を教育政策における優先事項として確立されねばならないことを勧告した、1993年3月9日付決議1993/56を考慮し、人権委員会が国連人権高等弁務官に対し、その特別目的のうちに「人権教育のための国連10年」のための行動計画を含め、事務総長に対しては、国際連合総会第49会期において、経済社会理事会を通じ人権教育のための国連10年行動計画を提出を促すよう奨励した、1994年3月4日付人権委員会決議1994/51を考慮し、人権教育は情報の供給以上の関与を行い、また開発のあらゆる段階、及び社会のあらゆる階層にある人々が、あらゆる社会において、他者の尊厳の尊重、及びその尊重を保証するための手段と手法を学ぶための、生涯を通じての総合的なプロセスを構成すべきであることを確信し、また、人権教育は、子供、先住民、少数者及び障害者など、社会の多様な部分を評価する、あらゆる年齢層の女性と男性の尊厳に矛盾しない、開発の概念に貢献することをも、確信し、世界のあらゆる部分において、教育者及び非政府機関、並びに国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)、国際労働機関(ILO)、及び国際連合児童基金(ユニセフ)を含む、政府間機関が行う人権教育の振興の努力を評価し、女性、男性、子供はそれぞれ、人間として十分な可能性を実現するため、市民的、文化的、経済的、政治的、及び社会的人権のすべてについて、知らしめらるべきであるとを確信し、人権教育は、女性の人権の振興と保護を通じ、性差別の撤廃、及び機会の平等の保証のための、重要な手段を構成すると信頼し、国際連合教育科学文化機関が、1993年3月8日から11日まで、モントリオールで開催した、人権と民主主義のための国際会議が採択した、「人権及び民主主義のための教育の世界行動計画」、及び「人権教育と民主主義はそれ自身人権であり、人権の実現のための必要条件である」とする会議のステートメントを考慮し、関連する国際連合教育及び広報プログラムの調整は、人権高等弁務官の責任であることを想起し、国際連合人権高等弁務官の報告書において、弁務官が調和ある地域社会間の関係の奨励、相互的寛容と理解、及び究極的には平和のために、人権教育が必須であると明言したことに注目し、国連エルサルバドル監視団(ONUSAL)や、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)を含む、国連平和維持活動における人権教育についての経験を意識し、1993年6月25日、「世界人権会議」で採択された、「ウィーン宣言及び行動計画」、特にそのセクションII、第78節から82節までに注意を払い、

1.1993年12月20日付総会決議に含まれた要望に従って提出された、人権教育に関する事務総長報告に、感謝をもって注目する。

2.1995年1月1日に始まる「人権教育のための国連10年」の10年間の期間を宣言する。

3.事務総長報告に盛り込まれた1995-2005の、「人権教育のための国連10年行動計画」を歓迎する。併せて、各国政府の「10年行動計画」の補遺に関するコメントを要請する。

4.事務総長には、第3節に掲げた目的のため、各国が示した見解を考慮して、提案を提出するように要請する。

5.すべての政府に対し、この行動計画の実施に貢献し、非識字者をなくし、及び人格の完全な開発を目指した、教育の方向付け、並びに人権と基本的自由の尊重の強化のための、努力を促進するよう、表明する。

6.政府、及び非政府の教育機関に対し、行動計画のなかで勧告された、人権教育プログラムの、確立と実施へむけた努力、特に人権教育のための、各国計画の取りまとめと実施を強化するよう、強く求める。

7.国際連合人権高等弁務官が、「行動計画」実施の調整を行うよう、求める。

8.国際連合事務局の人権センター及び人権委員会に対し、加盟各国、人権条約監視団体、その他適切な団体、及び権限をもつ非政府機関と協力して、国際連合人権高等弁務官が行う、行動計画の調整努力を支援するよう、求める。

9.事務総長に対し、非政府機関が行う人権教育を特別に支援するため、国際連合事務局人権センターが管理する、人権教育ボランティア基金の設立を考慮するよう、求める。

10.特別機関及び国際連合プログラムが、その権限範囲において、行動計画の実施を行うよう、要請する。

11.事務総長は、この決議について、国際社会のすべてのメンバー、並びに人権教育に関与する政府間機関、非政府機関の関心を喚起するよう、求める。

12.国際機関、地域機関及び各国非政府機関、とりわけ女性、労働、開発と環境並びにその他すべての社会正義集団、人権唱道者、教育者、宗教団体及びメディアに関わる者に対し、人権に関する公式及び非公式教育への関与の増加と、「人権教育のための国連10年」の実施のための、人権センターとの協力を、訴える。

13.現在ある人権監視団体に対し、加盟各国による、その国際的な義務である人権教育の振興の実施について、強調するよう、求める。

14.このことについては、国際連合総会第50会期において「人権質問」の標題の下で、考慮することを、決定する。


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