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北村豊之助氏の文化庁長官表彰について

北村豊之助氏の文化庁長官表彰について



 

表彰の概要
文化活動に優れた成果を示し、文化の振興に貢献された個人・団体に対し、その功績をたたえ文化庁長官が表彰する。

 奈良県在住の文化財建造物修理者である北村豊之助氏は、永年にわたり、多数の国宝・重要文化財建造物の保存修理事業に携わり、我が国の文化財保護に多大な貢献を果たされたことから、このたび、平成26年度文化庁長官表彰の被表彰者となることが決定した。



北村豊之助氏近影

文化財建造修理技術者 北村豊之助氏


功績概要

 同人は昭和4年奈良県大淀町に生まれた。昭和25年に国宝法隆寺金堂解体修理工事(奈良)に助手として携わったのを皮切りに、重要文化財弥勒寺本堂修理工事(兵庫県)、重要文化財曼陀羅寺本堂修理工事(愛知県)などの現場を転々とする中で、文化財建造物の保存修理技術の基本を学び、昭和36年、奈良県教育委員会事務局に技術職員として採用された。

 奈良県では、重要文化財今西家住宅修理工事をはじめとして重要文化財慈光院書院・茶屋修理工事などの現場を担当し、高度な専門技術・知識を体得し、国宝元興寺極楽坊五重小塔の修理工事において主任となった。

 昭和43年には奈良県文化財保存事務所の工事監督となり、県内における保存修理工事全体を統括する一方、東大寺出張所、般若寺出張所などにおいて保存修理工事の主任を兼務し、保存修理の実務に従事し続けた。特に昭和47年から6ヶ年にわたった東大寺出張所における金堂(大仏殿)の保存修理は、大規模なものであり、同人の修理技術者としての集大成となった。

 昭和47年には奈良県技術吏員を併任し、昭和53年には文化財保存課主幹となって、寺院等所有者との調整や後進の技術指導、助言に精力的に尽力し、奈良県内の国宝・重要文化財建造物の保存に大きく貢献した。

 昭和62年3月に退職後は、在職中の経験を活かし、(株)浅川組の建築部参事として社寺建築部門を率いて、未指定の社寺建造物数棟の修理等を手がけた。

 また、平成10年9月の台風7号による大規模な被害の際には、奈良県文化財保存事務所の嘱託職員に補され、県指定文化財天満神社本殿の復旧事業において現場での指揮を執り、後進への技術指導に努めている。

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