試験研究の背景
本県の花き生産は、本県農業産出額(H18)の約10%(47億円)を占めており、その比重は全国的にも高くなっています。また、切り花と鉢花・花壇苗の生産額構成では、両者は同程度で、ともに重要な柱となっています。切り花では、キク類(全国7位、小ギクでは2位)、切り枝(全国10位)、バラ(全国20位)、球根切り花(ダリア、チューリップ、アイリス、フリージア、ユリ等)が主に生産されています。鉢花・花壇苗では花壇苗類(全国5位、パンジーでは4位)、シクラメン(全国15位)をはじめ多様な品目が生産されています。これらの中には、生産者育種や商品開発の努力によって、ダリアや二輪ギク、フリンジ咲きニチニチソウや木立性サイネリアなど全国のトップブランドとなっている品目もあります。
しかし2000年以降、全国的な花き消費の低迷、輸入切り花の急増、原油高騰による経費増大など経営環境は厳しさを増しています。その中で、大規模量販店での花きの取り扱い比率が増えるにつれ、ホームユース向けの切り花需要が強まっており、産地には計画的な生産・出荷だけでなく、輸入に対抗できる低コスト生産技術が求められています。また、他産地にない特徴的な品目や栽培法によって差別化された商品は、比較的安定して取引されており、今後の産地振興には商品の付加価値を高める技術開発が求められています。
|