意見書第7号
警察官の増員に関する意見書
本県は、法隆寺や東大寺等の世界遺産に代表される歴史的・文化的資源が数多く残され、「国際文化観光・平和県」への着実な進展を目指しているが、治安情勢については、刑法犯認知件数が、平成10年以降7年連続して2万件を超えており、大変厳しい状況にある。
その内容をみても、全国民を震撼させた女子児童誘拐殺人事件をはじめとした凶悪犯罪の多発、少年による凶悪犯罪の増加や来日外国人等による組織的犯罪のほか、携帯電話やインターネット等を利用した「振り込め詐欺」などの新たな形態の犯罪も増加傾向にあり、県民が身近に不安を感じる犯罪の発生が高水準で推移している。
さらに、交通人身事故件数は、昨年、再び9千件を超え、交通事故による負傷者は、6年連続で1万人を超える厳しい状況が続いている。
本県警察は、こうした厳しい治安情勢のなか、「県民の期待と信頼にこたえる力強い警察」の実現を運営指針に掲げ、全警察職員が一丸となって、全力で県民や古都奈良を訪れる観光客の安全・安心の確保に努めており、国におかれても、5年連続して警察官の増員を認められている。
しかしながら、本県警察官1人当たりの人口負担率は608人で、全国平均の520人を大きく上回っており、依然として第一線の警察官は厳しい勤務を余儀なくされている。
このような厳しい状況に対応し、県民を犯罪や交通事故から守り、観光客が安心して観光できるまちづくりを実現するためには、「世界に誇る安全安心の奈良県」の創造に向けて、一層の治安体制の強化を図ることが強く望まれる。
よって、国におかれては、このような本県の実情を十分理解して頂き、引き続き本県警察官の増員を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年 6月30日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
警察庁長官
総務大臣
財務大臣
国家公安委員会委員長