意見書第8号

意見書第8号

     警察官の増員に関する意見書

 本県は、法隆寺や東大寺等の歴史文化資源を数多く有する国際観光県であるが、現下の治安情勢を見ると平成10年に刑法犯発生件数が初めて2万件を突破、昨年は、史上最悪の3万2千件を記録するなど誠に憂慮すべき状況にある。
 その態様も強盗事件、暴力団や外国人による組織犯罪、薬物・少年犯罪に加え、ストーカーやDV、「ひったくり」など県民に身近な犯罪が急増している。
 交通事故による死者は、昭和45年の156名をピークに昨年は、87名まで減少したものの負傷者は4年連続、1万人を超えるなど交通情勢も厳しい状況にある。
 このような深刻な治安情勢に対し、県警察では、昨年「奈良県警察犯罪抑止総合対策本部」を設置し、警察本部長以下全職員が一丸となって、県民の安全と安心の確保に努めており、国におかれても、その実情を理解され3年連続して警察官の増員を認められたところである。しかしながら、本県における警察官一人当たりの人口負担率は、630人で全国平均の533人を百人近く上回っており、引続き、第一線の警察官は、厳しい勤務を強いられている。
本県警察が、増加する事件・事故に的確に対応し、県民の要望にこたえつつ、県民が安全で安心して暮らせる社会を実現していくには、さらに一層の体制強化が望まれる。
 よって、国におかれては、本県の実情を十分理解いただき、県民の安全な生活確保と観光客が安心して観光できる街づくりのため、引続き警察官の増員が図られるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成15年7月2日

        奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国家公安委員会委員長