意見書第14号

意見書第14号

      義務教育費国庫負担経費の確保に関する意見書

 子どもたちの夢と希望があふれる、生き生きとした活力ある社会を実現することが大人に課せられた責務であり、教育の果たす役割は極めて重要である。日本国憲法には、「すべての国民がひとしく教育を受ける権利を有すること、保護者に対しては子どもに普通教育を受けさせることを義務づけること、義務教育は無償とすること」を定めている。
 政府は6月「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太方針2003)を決定した。その中の国庫補助負担金見直しのひとつに義務教育費国庫負担制度が上げられている。一部に義務教育費国庫負担制度が地方の独自性の発揮を妨げているとの指摘がある。現状の本県財政状況からして、地方独自の施策は、国の最低保障としての40人学級を担保するための財政基盤である義務教育費国庫負担経費が確保されてこそ実現できるものである。
 「骨太方針2003」では、義務的な補助負担について「徹底的な効率化を図った上で、その所要の全額を税源移譲」となっている。しかし、税源には偏在性があることから、東京を中心とした都会に厚く配分され地方がより圧迫される。地方交付税総額も抑制されることになっていることから、義務教育費を削減せざるを得なくなることは必至であり、多くの県で現状の教育水準が維持されなくなる恐れがある。
 よって、国におかれては、少なくとも現行の義務教育費国庫負担経費の確保に係って、次の事項に特段の配慮をされるよう強く要望する。
1 全国どこでも子どもたちに同じ教育水準を保障するため義務教育費国庫負担経費を確保すること。
1 学校事務職員・学校栄養職員について、国が負担すべき経費から除外することのないようにされたいこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成15年10月9日

        奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣