第15回 奈良県食品安全・安心懇話会

第15回   奈良県食品安全・安心懇話会
 
  平成23年3月14日(月)
午後2時~午後4時

 於:猿沢荘(奈良市池之町)  

 

出席委員

今村委員 小松原委員 松村委員 山本(八)委員 山本(將)委員

森委員 谷口委員 木内委員 野村委員 中井委員 (10委員)

次第
  • 議事 

    1. 平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)について
    2. 意見交換会「安心して食べられる食品って何?」の結果について
    3. 奈良県の食品安全行政の課題とその具体化について
    4. 農畜産物の生産現場における安全・安心の取り組みに関するシンポジウムの開催について
    5. トランス脂肪酸について

資料

  1. 平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)の改正ポイント及び計画(案)

○事務局
 開始前に、3月11日に三陸沖を震源として発生した東日本大震災の犠牲となられました方々へ黙祷。
○消費・生活安全課長
 平素は、県政推進のため、ご尽力いただきましてありがとうございます。まずは、去る11日の東北地方太平洋沖地震につきまして、若干お話させていただきたいと思います。14日、本日正午の現在におきまして死者が1,600人を超えたということですし、行方不明の方が1,700人を超えているという状況です。被害は更に拡大する見通しとのことでございます。亡くなられた方につきましてはご冥福をお祈り申し上げますと共に、行方不明の方々につきましては、一人でも多い生存者の方がおられることをお祈りしているところでございます。また、避難されておられる方々が約37万人を超えているという状況で、これらの方についてはお見舞い申し上げます。行政としては出来る限りの支援等を行うべく、現在、情報収集等にあたっているところでございますし、また準備に取りかかっているところでございます。つきましては、各位、各団体におかれましても、支援等についてご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。それでは、当懇話会の本題の方に戻らさせていただきます。今回の懇話会におきましては、本県におきます生産から消費にわたる食の安全確保のための施策の一つである食品衛生監視指導計画を中心に、県民の代表である委員の皆さま方からご意見を頂き、かためさせていただきたいと考えているところです。ちなみに今年度一年を振り返りますに、宮崎の口蹄疫や各地におきます鳥インフルエンザの発生、本県におきましても鳥インフルエンザが発生しました。食肉や卵の安全性等がクローズアップされる事態となったところでございます。関係の畜産農家の方々には、大変なご苦労もなさいましたし、お見舞い申し上げるところでありますけれども、幸いながら、消費者の方々におかれましては、その安全性について十分認識されておられまして、特に混乱といったことはなかったところでございます。また、奈良県産の青ネギ、しゅんぎく等の残留農薬基準違反も発生したところです。再発の無いよう、生産者に対する指導等を徹底いたしたところでございます。また、鳥のタタキ等、生食提供を原因としますカンピロバクター食中毒が全国的に流行した年でもありました。幸い本県では5件程度でした。食中毒全体を見ましても21年度が16件、22年度は8件と、半減いたしております。また、22年度も監視指導計画の重点項目でありました平城遷都1300年祭での食中毒の発生といったこともなく、無事に終えさせていただくことができました。これらは、保健所並びに食品衛生監視員、あるいは指導員等々、関係各位の日頃のご努力の結果と感謝致している次第でございます。
 これらの事柄を議事の参考としていただきまして、来年度の監視指導計画等について、ご審議、ご意見を賜れればと考えているところです。よろしくお願い申し上げます。
○座長
 それでは議事の方を進めさせていただきます。まずは、事務局の方から黙祷がございましたけれども、奈良県食品安全・安心懇話会を代表いたしまして、この地震に被災された方々に心から哀悼の意を表しますとともに、現在、救助活動に当たられている方々に心からおねぎらいと感謝を申し上げます。こういう非常時にこの会が開かれるべきかどうか、考えるところもあったのですが、被災しなかった人間は日常生活を滞りなく営む義務があると私は考えますし、日本の国台を維持することがなにより大切であると思いますので、日常生活の維持に我々は努める必要があると考えます。その意味でも、この会を予定どおり開いて、求められるべき成果を、会として出していければと考えます。それでは、議事の方に入りたいと思います。
 最初の議題として、平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)について事務局から説明をお願いします。

○事務局
 事務局から説明させていただきます。監視指導計画につきましては、食品衛生法で年度ごとに策定することが規定されております。原案を作成し、1ヶ月の間、意見募集パブリックコメントを実施し、修正した案を3月の懇話会でお示しし、意見を調整した上で、策定しております。配付した資料の中には、資料3として奈良市の監視指導計画も含まれておりますが、中核市である奈良市は、独自に計画を策定しておりますので、ここでは県の監視指導計画等についてご報告申し上げます。資料1、平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)の改正ポイントをご覧ください。今回の監視指導計画(案)の改正ポイントを要約したもので、主な点が2つあります。1つは、一昨年に発生した全国規模のO157食中毒事件、また昨年全国的にカンピロバクターによる食中毒事件が頻発したことから、食中毒予防対策に関する事項について追記しました。もう1つは、食品表示の確認に関する事項について、関係機関部局間で連携し適正な表示の徹底を行うよう追記しました。続いては、資料1の2ページをお開き下さい。平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)について、ご説明させていただきます。今年度は大きな変更点はございませんが、パブリックコメントを実施した際に頂いたご意見とその対応について説明させていただきます。資料2、平成23年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)に対する意見募集結果についてに、ご意見と奈良県の考え方をまとめております。両方を見比べながらご覧下さい。なお、パブリックコメントにつきましては、平成23年1月24日から2月28日までの約1ヶ月間実施し、3名の方々から12項目についてのご意見を頂きました。資料2に、意見募集の結果についてまとめております。上から順次説明してまいります。まず1番上の項目です。(4)食品表示の確認に関する事項について、「アレルギー物質について、コンタミネーションの事例紹介等を含め、アレルギー物質の管理についての情報提供及び指導をお願いします。」とのご意見を頂きました。資料1計画(案)の5ページ(4)食品表示の確認に関する事項をご覧ください。下から4行目以下で「アレルギー物質については、ごく微量でアレルギーを引き起こす恐れがあることから、製造・販売に係る関係書類の確認を行うとともに、防止策を講じてもコンタミネーションの可能性が排除できない場合には、注意喚起の表示を行うよう指導を行います。」という一文を追記し、対応しております。次に、監視指導の実施体制に関する事項についてです。「昨年より食品衛生監視員の人数が減っていることに対し、監視体制は十分ですか。」とのご意見を頂きました。資料1の6ページ、3 監視指導の実施体制に関する事項の(1)監視指導の実施体制に関する基本事項をご覧ください。主たる業務が監視指導員である人数につきましては、食品監視に携わっている人数のことですが、前年度と変更はございません。今後とも重点的かつ効率的な監視指導を実施し、監視体制の充実に努めてまいります。次に、連携確保に関する事項について、「消費者庁が設置されて一年半経ちました。消費者庁関連部局と連携して情報提供や啓発を計画に盛り込むと具体的な進展が期待できそうですが、いかがですか。」というご意見です。この監視計画は、食品衛生法に基づく監視指導計画でありますので、消費者庁が所管するすべての法律については言及しておりませんが、本県では、平成16年度よりすでに食品安全行政と消費者行政を一元化しており、消費者庁が設置されてからも、消費者庁関連部局と連携を行っております。次に、立入検査の方向性について、「HACCPの概念を取り入れた自主管理体制の強化促進とあるが、奈良県内ではHACCPの認証の実績は極めて少なく、HACCPの概念の導入施設の促進は難しいと思われます。HACCPの概念の普及がなかなか進まない原因を究明するとともに、奈良県独自のHACCP認証制度を創設することが必要ではないでしょうか。」とのご意見をいただきました。資料1の7ページ4 施設への立入検査及び食品等の収去検査等に関する事項(1)立入検査の方向性をご覧ください。県版HACCPは、奈良県の食品等事業者の自主衛生管理を推進し、県産食品の安全性と信頼性を高めるために重要な手段であると考えております。しかしながら、県内の事業者は中小で少量多品目を生産する者が多く、導入効果の理解が得にくいこと、また認証機関として県内で協働できる第三者機関となる団体が希薄であることから制定に至っていません。今後とも県民及び食品等事業者が望む奈良県版HACCPとは何かを引き続き検討していきます。続きまして、収去検査等実施計画について「直売所は地産地消を背景に消費者に人気があり、直売所イコール安全・安心と捉えられている節があるが、農薬や生産方法に不安があることも否めません。消費者に安心していただくだけでなく、県内農産物の価値を高める意味でも青果の検査の充実と管理の強化を求めます。」とのご意見です。資料1の9ページの(4)収去検査等実施計画をご覧ください。現在、農林部と協力いたしまして、直売所において出荷前における県内産農産物の検査を実施しております。次に、「収去検査数の増減比較とその根拠、収去検査項目はどのように決めているのかの根拠を示していただきたい。」とのご意見です。これにつきましては、当消費・生活安全課、各保健所、食品衛生検査所の市場食品検査課及び保健環境研究センターが収去に関する会議を開催し、最近の食品に係る違反状況を考慮し、総合的に検査数及び検査項目等を決めております。なお、直売所における出荷前農産物のモニタリング、あるいは流通している農産物の収去検査に関しまして、以前より当懇話会にて野菜の残留農薬検査を充実するようにとのご意見を頂いております。これにつきましては、鋭意取り組んでいるところでごさいますが、他府県に比べまして県内の対象店舗数が少ないことなどにより対応には大変苦慮している次第でございます。つきましては、本日参加されておられるJA様あるいは、ならコープ様の皆様方に、この場をお借りして収去の実施のご協力をお願いを申し上げたいと思います。ご協力の方、よろしくお願いいたします。続きまして、裏面の2つ目、「自主回収についても公表が必要と思われます。」とのご意見です。資料1の12ページ(7)違反食品等の公表についてをご覧ください。自主回収を行うもので法違反に該当するものは何らかの形で公表の手段をとるように検討していきたいと思っております。続いて、「食品の異臭や異常に対する通報への対応など「フードディフェンス」に対する対策はどうなっているのですか。また、「毒劇物迅速検査キット」は活用しないのですか。」というご意見です。これにつきましては、資料1の13ページ7 食中毒等健康危害発生時の対応に関する事項をご覧ください。まず、フードディフェンスに対する対策についてですけれども、不良食品について保健所へ届出があった場合には、原因究明を実施し、その原因となった事業者には、再発防止策を講じるよう指導しています。また、「毒劇物迅速検査キット」につきましては、近年使用実績がないことからパブリックコメント時の案では削除しておりましたが、必要となった場合には活用していく予定でございます。今回ご意見をいただきましたので、昨年と同様、計画に記載することとしました。次に、同じページの8 食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に関する事項について、「自主回収の報告については、実施上の義務づけとのことですが、法的な拘束力はどれほどあるのですか。」というご意見です。「自主回収の報告」につきましては、奈良県条例において義務づけています。食品衛生法第50条第3項におきまして、条例に定められた基準は遵守することとされており、また、これに違反した場合には、法第55条により処分されることになっております。次に、「ホームセンター等、従来大きく食品を取り扱ってこなかった事業者で、生鮮食品の取扱いを拡充しているところがあるので、仕入れ基準や産地表示に関する情報提供及び指導をお願いします。また、今後、新規参入、NPOなど市民グループによる食品販売が増えてくると思うので、経験のない事業者等へのマニュアル整備、指導等についてもお願いします。」というご意見です。ホームセンターや個人店等に関わらず、食品を取り扱う場合は、営業許可や届出の対象となっておりますので、監視指導は実施しております。また、申請時あるいは監視指導の機会をとらえ、適切な食品の取扱い等の指導や表示の相談にも応じております。続きまして、同じページの9 関係者相互間の情報及び意見の交換の実施に関する事項で、「具体的な計画の記載が必要ではないですか。」とのご意見ですけれども、シンポジウムや講習会等の開催の頻度や内容については、計画策定時には決定しておりませんので記載はしておりませんが、これまでも、奈良県食品・安全安心懇話会に意見を求めるなど、毎年実施しています。本年度も2月に意見交換会を実施いたしました。詳細につきましては、次でご報告申し上げます。最後に、資料1の14ページ10 食品衛生に係る人材の養成及び資質の向上に関する事項について、「優良事業者への表彰制度には取り組まれないのですか。」とのご意見です。これにつきましては、資料1の13ページの8 食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に関する事項の(4)に記載しているとおり、表彰については、すでに取り組んでいるところでございます。
 以上、頂いたご意見につきましては、反映させていただくところは反映させていただいた上、計画案として作成し、今回、ご呈示していることをご報告いたします。以上でございます。
○座長
 ご説明ありがとうございました。それでは今のご説明に対してのご意見、ご質問等ありましたらお願いいたします。
○委員
 資料のパブリックコメントに関わる2項目ですが、食品衛生監視員の人数が減っているという認識で意見を出されてますが、これは事実誤認ということですか。
○事務局
 昨年度の実際の計画を見て、数字を比較頂いておりますので、頂いたご意見の数値的には間違いないですが、有事の場合に備えまして、通常は食品衛生監視員の業務をしていない保健所内の他の係の職員にも資格を与えておりますので、見た目の数字は減っているとのご指摘を頂いたのですが、主たる業務を食品衛生監視に携わっている人数には変更はないので安心してくださいという回答です。
○委員
 資料1 6ページの担当の表について、3 監視指導の実施体制で、この中に食品衛生監視員の数は変わっていないということでよろしいですか。
○事務局
 食品衛生監視員の記載の人数が若干減っているという指摘を頂きましたが、それは事実です。事実ですが、事件・事故が多発した場合に、有資格者でないと立入権限がございませんので、あらかじめ余裕を持って人数を与えているいう部分がございます。ですので、通常時、食品衛生監視に携わっている人数には変更はないのですが、余裕を見て資格を与えている人数には若干変更があったので、このような質問を頂いたということです。
○委員
 数字自体は減っているということですね。それと、食鳥、鳥インフルエンザの問題もあると思うのですが、兼務というのは、食品衛生監視員の方が、時に応じて兼務しているということですか。
○事務局
 そういう形になります。例えば、と畜検査員と食鳥検査員は獣医師でなければなれません。食品衛生監視員は医師、歯科医師、薬剤師、獣医師となっています。保健所の獣医師には、と畜検査員と食品衛生監視員の資格両方与えているという形になっております。通常は、と畜と食鳥を中心に業務している職員にも食品衛生監視員を与えているので、去年との差で見ると、例えば郡山保健所の食品衛生監視員は10名から今年は9名になっており、減っているというご意見を頂いたのですが、今ご説明しましたとおり主たる業務を食品衛生監視としている監視員には変更はないのでご安心くださいという回答をさせていただきました。
○委員
 つまり、専任の方は減っていないということですね。兼務、つまり有事の場合に助けてくれる方がついているので、重点的かつ効率的な監視指導につながるということですね。
○委員                                                                 
 3つ質問がございます。1つ目は、奈良県で発生した鳥インフルエンザへの対応です。殺処分等の処理に、県の職員の方やJAならけんの職員の方が、相当頑張ってやっていただいて拡大を防止されたということで大変評価出来ると思います。ひとつは「風評被害が無くて良かった」ということですが、実際に卵や鶏肉の消費量に変化はなかったのかお伺いしたいのと、それに関連して、県の養鶏組合等は結成されておりますが、消石灰等の使用の実態と、県からの補助や業界で使用されるものとのミスマッチがあり、量がかなり不足していると聞いていたのですが、実際には必要量が確保されたのかどうかをお伺いしたいと思います。2つ目は、ねぎとしゅんぎくの基準に問題があったという事例が紹介されましたが、この問題が発生した要因・原因は何であったのか。県行政の対応、教訓はあるのかないのか、再発防止策はあるのかをお伺いしたいと思います。3つ目、計画の6ページで、近畿府県市との連絡連携体制でしっかりやっていますとのことでしたが、奈良県は関西広域連合に不参加ということもあり、このあたりで問題はないのか。具体的な連絡はどのようにされているのか。例えば、土日祝日等の連絡体制についてはどうか、また事務局は存在するのか。近畿府県市との連携体制は奈良県、奈良市はどのような参加スタンスなのかをお伺いしたいと思います。
○座長
 3点あわせて、お願いします。
○事務局
 鳥インフルエンザの風評被害等が無かったことにつきまして、いわゆる以前から発生いたしましたように鶏肉で健康危害が起こるとか、スーパーや販売店で奈良県産の鶏肉は販売していませんなどの風評を起こすような事案については、スーパーの点検等、苦情においてなかったということを説明させていただきました。新聞社等から販売量についての照会もありましたが、当課は安全部局ですので、タイムリーな販売数量等については、把握していないと回答しております。生産量については、畜産課からお願いします。
○畜産課
 今回は、県内で鳥インフルエンザが発生しまして、県民の方には色々ご迷惑をおかけしましたのですが、冷静な対応をしていただきましてありがとうございました。では、概要を説明させていただきます。2月28日の朝9時に、今回発生のあった農家から死亡鶏が増えているという通報がありました。10時50分に家畜保健衛生所がその農家へ出向き、10羽調べたところ、10羽とも簡易検査で陽性でした。その後、20時50分に遺伝子検査の結果でH5亜型が決定しました。それで、奈良県で初めて鳥インフルエンザが発生したということになりました。農家の概要としましては、五條市で、鶏約105,000羽という県内で一番多く飼養されている農家での発生ということです。先程、委員がおっしゃった防疫措置の状況ですが、延べで約2,100名の県、あるいは五條市、国、今日おられますJAならけん等の応援を受けて、3月7日に防疫措置を完了しました。今後の予定ですと、防疫措置から21日間、移動制限半径10キロで、15戸の養鶏農家がありますが、3月29日午前0時をもって移動制限を解除するということで、監視体制下においているという状況です。先程、風評被害の話がありましたが、安全部局からお答えがあったように、以前に京都で発生した件でしたら、畜産課に「鶏卵・鶏肉が安全なのか」という相当な数の電話があったのですが、今回はほとんどありませんでした。今ではインフルエンザに汚染された鶏を食べても、人には感染しないということを消費者の皆さまが理解されているからであると考えています。それと2点目、消石灰の話ですが、今後の予定でいきますと、県内で発生したばかりですので、現時点で家畜保健衛生所や県が農家を回って配ることには問題があると思いますので、今はまだ回っておりません。もう少し落ち着きましたら、県の方から肩掛け噴霧器、消石灰、液体の消毒薬、またネズミが一つの原因と言われていますので殺鼠剤の配付なども予定はしております。
○座長
 続いては、ねぎとしゅんぎくに関してお願いします。
○農業水産振興課
 ねぎにつきましては、植木の害虫防除に使用した散布器具を洗浄しないでねぎの防除に使用したため、基準値を超える農薬が検出されました。しゅんぎくにつきましては、使用者がラベルをきっちりと確認しなかったことで使用不可な農薬が検出されました。これらについては、その後、個人を指導するとともに、出荷者を対象に出前トーク等を開催し、農薬の適正使用の徹底について啓発させていただきました。
○座長
 もう1点についてお願いします。
○事務局
 有事の際の広域連携につきましては、全国の食品衛生の担当の連絡網、携帯電話を含めまして、都道府県、政令都市、中核市、保健所設置市、保健所のある自治体は東京23区を含めまして、全国に160ございまして、その一覧リストを常日頃持っているところです。発生した場合は、それに基づいて県へ一報があり、県において整備している連絡体制により動き出すことになっています。それにより、24時間連絡が入る体制を整備させて頂いております。

○座長
 広域の不参加は、食品のことに対しての何か影響はあるのですか。
○事務局
 今、我々が承知している広域連合の所掌事務の中には、食品衛生関係の業務は入っていないという形で認識しています。ただし、調理師と製菓衛生師の試験の合同化だけ入っております。
○座長
 では今、広域連合に入らなかったとしても、食品の連絡体制に直接影響があるわけではないということですね。
次に2つ目の議題であります、平成22年度の意見交換会「安心して食べられる食品って何?」の結果の説明をお願いします。
○事務局
 事務局からご報告させていただきます。では、資料5をご覧ください。平成22年度意見交換会「安心して食べられる食品って何?」は、今年2月9日(水)奈良県橿原文化会館小ホールにて、107名のご参加をいただき、無事に開催することができました。昨年は本懇話会会長の今村先生にご講演とコーディネーターをお引き受けいただき、上田委員、森委員にパネリストとしてご協力いただきましたが、本年度は、畿央大学の北田教授に「食品の安全・安心とリスクについて」をご講演いただきました。またコーディネーターを財団法人関西消費者協会理事長の惣宇利紀男先生にお願いし、パネリストには、事業者代表として、花王株式会社、江崎グリコ株式会社の方々に、また消費者代表として、当懇話会委員である野村委員にご協力いただきました。今年も、参加された方々にアンケートを実施し、ご回答いただきましたので、結果についてご報告致します。アンケート結果ですが、80名の方にご協力いただきました。男女比は60%が女性で、50代、60代で3分の2を占めていました。職業は、消費者の方が半数近くでした。この会を何でお知りになったかというと、「関係者からのご案内」が一番多く、次いで「案内ちらしで知った」という順番で、昨年度と同じでした。参加理由としては、「食品の安全・安心に興味があったから」が1番多く、次いで「食品のリスクについて理解を深めるため」でした。次のページ裏面をご覧ください。内容や進め方についての結果を棒グラフで表しておりますが、概ね満足いただけたのではないかと考えます。それから、全体を通してご意見ご感想を頂いておりますので、いくつかご紹介させて頂きます。「北田先生のご講演について、大変分かり易くて良かった」というご意見と「コーディネーターの進め方がとても良かった」という意見が多数ございました。その他、「リスク、ハザードについて理解しやすかった」、「安全、安心について参考になりました」や「メーカーの方の話が聞けてよかった、興味深かった」などという意見がございました。また、今後の課題となる意見として、逆に「理解するのに手間取っている、分かりにくい箇所があった」、「パネルディスカッションの時間が短い、もう少し長く時間をとってほしい」、「どのように参加募集しているのか、もっと多くの人、特に若い人の参加を!」など、他にもご意見がたくさんありました。これらのご意見は、貴重なご意見として今後の開催に役立てていきたいと考えております。また、本意見交換会の結果については、準備でき次第、ホームページに掲載する予定にしております。以上です。 

○座長
 今のご報告に対して、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。これは、今年も滞りなく進んだということでよろしいでしょうか。
 それでは3つめの議題として、「奈良県の食品安全行政の課題について」委員から3つほどご提案いただいておりますので、提案趣旨について委員からご説明をお願いします。

○委員
 前回にも少し質問させていただきましたが、米のトレーサビリティのところで、県内の状況が進展していると思っておりますが、安全確保という点で今どのような状況にあるのかということをお伺いします。2つ目は、昨年は平城遷都祭で奈良県にたくさんの方が訪問されて、奈良県に関心をお持ちだと思いますので、この機会に、貴重な地産であります奈良特有の野菜、「大和野菜」と呼ばれているのものの流通を積極的に取り組んでいきたいと思っておりますが、その様な取組みがどういう現状であるのか、あるいは県内で農産物の直売所が大変な盛況ぶりですので、そういう状況も踏まえて育成の方向を取る必要があるのではないかと、私は思っておりますので、その辺りの実態をお知らせ下さい。お茶や柿や米や柿の葉寿司、奈良漬、素麺なども含めて奈良の特産品の食品衛生指導についてどのような課題を持っているのかについてお聞きしたい。3つ目に、県内の食品企業に頑張っていただいていると思うのですが、そこで取り扱われている食品関連事業者の輸入食品の取り扱い実態や、あるいは海外に特産品を今後出していくという取り組みなどが行われる場合、行政的な支援策はあるのかということで、支援をしていただければと思い、質問させて頂きました。
○座長                                                                   
 3つのご質問のうち、初めの2つである流通の内容についてまとめて回答お願いします。
○マーケティング課
 1つ目の米トレーサビリティ制度の導入後の安全・安心の確保の状況についての質問でございます。制度導入後の対応につきましては、平成22年10月から平成23年6月末までは、暫定措置と致しまして、国が立ち入り検査を実施することとしております。この間において、県と国は検査対象者リストの整備を行うとともに、県においては、国の立入検査を参考にしまして検査手法の取得に努めるということにさせていただいております。
平成23年7月以降においては法制度の完全実施、これは消費者への産地情報伝達についてですが、これが開始されます。関係機関各課と共同して立入検査を実施することと致しております。こういった状況と、本年7月からの産地情報伝達の開始に向けまして、国はチラシの配布及び説明会を行い、法制度の普及啓発を行っているところでございます。以上が米トレーサビリティ制度についての質問へのご回答です。2つ目の大和野菜につきましては、まず「地の味土の香」の29カ所の協定直売所については、県下での改善指導等に関する指導を行いますとともに、協定を結びます時に食の安全・安心に関する責務を課すことで、直売所自らも食の安全・安心に関する行動を取るよう指導を行っているところでございます。協定の内容につきましては、直売所の運営者が生産記録、農薬安全指導に関する講習会を実施すること。また、出荷者においては講習会を受講するとともに、実際に記帳を行うこと、直売所においては定期的に記帳等の指導を行う。出荷者が販売時に、消費者に向けて出荷物に出荷者の名前を記載すること等が含まれております。そして、これら以外に、直売所に対しまして、県に向けて、経営状況を含む活動状況の報告を求めています。ご質問の中にありました大和野菜の流通等につきましてですが、平成20年度までの状況については、20品目については金額ベースで把握しているところでございます。ただし、大和野菜以外の奈良の特産品等の流通につきましては把握がなかなか困難でありますが、協定直売所に限りまして、協定している20数カ所を金額で把握しておりまして、売り上げ高はおおむね20億円程度、それから20年から21年への、経年変化は7%の利益金額の上昇というところで把握しております。

○座長
 ご説明有難うございます。まず、この2点について、委員から何か追加でありますでしょうか。
○委員
 米の問題は、とにかく今年は質が悪いということがありましたが、とにかく食べられる量が確保されることと、来年の生産のこともありますけど、ずっとありましたのは新米が入っていたり、コンタミが入る場合も多いけれども、偽装でもあったこともありますので、その辺りの指導をよろしくお願いします。
 2点目の問題で申し上げますと、全部は把握できないとは思いますが、直売所がたくさん設置されているように思いますので、そこへの監視というか、販売促進というような育成していく方向は非常に大事な、県内の小規模な農家が多い中で、野菜の生産に励まれるということは大変価値があることですので、できる限り行政シーンを行っていただきたいという趣旨ですので、よろしくお願いいたします。

○座長
 直売所のことですが、先程の監視指導計画の中にも話がありましたが、これも強化していくということで、よろしいでしょうか。
○事務局
 直売所の人気が出ているので、その辺りの安全・安心の確保の観点から農薬の検査等の強化でということの御意見ございました。監視指導計画の来年度の話をさせていただきましたが、その点につきまして、販売店、コープであればコープの場所を活用してJAと連携して直売所をされている場合や、農林部が説明しました地の味土の香の販売所等あります。これらを含めまして、検査を強化してまいりたいと考えています。このような生産段階の調査については、JA、コープにご協力いただきまして、すでにモニタリング検査を実施しておりますが、モニタリングの強化の意味からも、ほ場からの最初の出荷前に検査をするという取組みを「地の味土の香」では実施させて頂いて、その安全確認ができてから、ほ場から出荷するといったモニタリングをさせていただいています。JA、コープには色々ご協力いただいていますので、またご相談にあがりたいと思いますが、ほ場単位で、出荷の前にそういった取組みができるのかどうかということについて、来年度の計画の前にご相談にあがり調整を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○座長
 委員それでよろしいでしょうか。
○委員
 生産者団体であるJAを代表しまして、今言われておりますように生産者の生産する現場で即対応するということで、いろんな場面をとらえ、生産・流通部会、各地域ごとの産地ごとの研修会等で、生産履歴記帳や、GAP(生産管理工程を管理)、いろんな場面を設定して問題となっている残留農薬等の事前の防止という形で、徹底してやっていくということが私たちの努めであると思います。いろんな場面をとらえて、奈良県の農産物は安全・安心であるという認識のもとで消費をお願いしたいと思っております。
○委員
 コープも協力させていただきます。
○座長
 直売所の取り締まりというのは、検査も含めて食品衛生法上は端境の部分です。難しいとは思うのですが、皆さんのご協力のもとに進めていければ、素晴らしいものになると思いますので、よろしくお願いいたします。では続きまして、3つめの回答をお願いします。輸入輸出の実態と今後の取り組みについて担当課よりお願いします。
○事務局
 県内食品企業の輸入と輸出について、事務局から回答いたします。まず、輸入業者につきましては、輸入した食品等をそのまま販売したり、輸入した原材料を加工し食品等を製造するので、食品衛生法に基づく営業許可また奈良県食品衛生法施行細則に基づいて、営業報告書を提出しなければならないことになっています。現在、県下で把握している輸入業者は12社、今年度は最低1回、のべ20回程度監視指導を行っています。また、輸出業者につきましては、これも何らかの食品を製造あるいは販売していることから、営業許可あるいは営業報告書が提出されていますので、定期的な監視指導を行っています。輸出業者につきましては、輸出の際に特に保健所等に手続きが必要というわけではないので、ここが輸出業者であるという把握はしていません。ただし、輸出先の相手国から衛生的に適合している施設であるという旨の証明書の提出を求められる場合があり、その場合に保健所に証明願が申請された事業者は把握しており、県内には6件程あります。
○座長
 今の回答に対しまして、委員いかがでしょうか。
○委員                                                           
 この分野は今後ますます盛んになっていくように考えられますので、行政の把握といいますか、実態を、指導ということではないと思いますが、状況把握をしっかりとして頂くことを期待しております。輸入食品については今後、2国間とか多国間の貿易の関係が出てくると思いますので、地方行政、県行政への責任がある程度発生するような事案が出てくるように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○座長
 他にないようでしたら、4つめの議題に移らさせていただきます。農畜産物の生産現場における安全・安心の取り組みに関するシンポジウムの開催についてということで、委員からご提案頂いております。資料6でございます。委員が今日、所用で欠席されておりますので、簡単に概要を説明させていただきます。懇話会として、シンポジウム、パネルディスカッションをやりませんかというご提案です。これは、前回の懇話会でも委員からご提案、説明があった内容と同様のもので、これについて今回の懇話会でも議論いただきたいというご意見でございます。これに関しては、先程の2つめの議題、本年2月に県の方でシンポジウムが行われたのですが、2月のシンポジウムが計画された時点では、今回の委員の提案はなかったので、2月のものはこれを受けてやっている内容ではないということです。今後の見通し等についてと、委員がどう考えているのかについて、県の方から追加で説明をお願いします。
○事務局
 座長から話のありましたように、委員の方から再度、シンポジウムやパネルディスカッションの開催ということでご提案がありました。座長もおっしゃっていましたように前回10月の懇話会の時点で提案を頂きましたが、その時点では今回の2月9日に行わせて頂いた意見交換会の企画を始めておりましたので、今年度に開催という形にはなりませんでしたけれども、前回、農業水産振興課からも検討させて頂きますという回答をさせていただいておりますので、農林部と連携しまして、どういった形になるか等をよく検討して進めていく方向で考えております。ですので、今年度は開催できませんでしたが、来年度には開催したいと考えております。
○座長
 県の方からのご説明は、委員からご提案頂いた内容にそって、シンポジウムの開催を考えていきたいという回答だったと思います。この点につきまして、ご意見等ございますでしょうか。
○委員
 実は、1点言いたいことがありまして、今年開かれた意見交換会の時にも会場から質問が出されていましたが、例えば、「有機野菜がどこで買えるかがよく分からない」と、「どこにもそれは出ていない」というのがありました。いろいろ取り組まれている県内の販売所もありますが、その辺りのことも含めて、農業に従事されている方への対応ももちろんありますが、消費者がそういった農家の努力を正しく知っておけば、いらぬ不安を持って安全かどうかということについて疑いを持つこともないだろうと思います。県行政として取り組まれている安全・安心農産物の指導行政対応の中身なども、かなり広くアピールをしていただく機会がなかなか設けづらい状況でもあると思います。懇話会として、平成23年度の課題として、これを取り組まれることに非常に意味があると思います。それから委員が、以前からおっしゃっておられ、今回も議事の一番初めの食品衛生監視指導計画(案)の中に加えておりますが、県独自のいろんな安全な取り組みも時代情勢からすると必要性は高まっていると考えられますので、そういうことも含めて消費者と生産者と流通に関わる関係者が意見を交換するということが、非常に世の中を良くし、大事な課題だと思います。今年は色々、原料の調達問題とかなかなか食品の安定の確保が問題となると思われますので、消費者としては広く実態を知って、賢く行動し、事態について対応していくということで、こういう機会がなかなか普段はないので、当懇話会としてはこういった開催が非常に意味のあるものであると思います。よろしくご検討をお願いします。
○座長
 委員からも強く支持するというご意見がありました。
○委員
 要望があります。2月9日の意見交換会にパネルディスカッションにパネリストとして参加させていただきました。大変いい機会であり、勉強することができました。ありがとうございました。来ていただいている方が、壇上から見ましたら、かなりご年配の方が多いように思いました。是非とも、若い、今子育てをしたり、これからのいろいろなことに関わっていただけるような若い方にたくさんお話を聞きに来ていただきたいということを実感として持ちました。是非とも、次回、パネルディスカッションやシンポジウムのようなリスクコミュニケーションを行う機会がありましたら、もっと広い層に見に来ませんか、話を聞きに来ませんかという働きかけをできないものかなと思っております。その辺も加えてご検討いただきたいと思います。
○座長
 その辺の工夫というのは事務局いかがでしょうか。
○事務局
 大変貴重なご意見ありがとうございます。かねてより、私どもも若い世代の方を呼び込みたいのでございますが、なかなかご参加いただけないという状況でございます。一昨年前、座長にコーディネーターいただいたときは、食中毒ということをテーマにしておりましたので、100名の募集に対して、食品の給食関係や食品企業の方が多く来ていただいたということもあって、あっという間に100名を超えてしまって200名になったということでしたが、一般の県民の方はやはり年齢の高い方ということでした。若いお母さん方に来ていただくということになりますと、農林部の出先とか、我々であれば保健所で保育園とか学校単位でそういう企画をして草の根的にやっていくしかなかなか難しいです。土曜日・日曜日に行えば若い人が集まっていただけるかといえば決してそうではないという前例もあります。その辺が非常に難しいと思います。今後とも引き続き、そういった形で呼び込みには努めていきたいと考えています。
○座長
 他にご意見、ご質問はありますでしょうか。それでは、5つめの議題に移らせて頂きます。トランス脂肪酸ということで、委員のご提案でございます。内容について、委員から説明をお願いします。
○委員
 昨年の11月6日の新聞に「トランス脂肪酸の警報」と題しまして、心疾患リスク、メタボ、糖尿病の恐れもあり、ということで、脂肪酸の1日の総カロリーに占める量はカロリーが1%未満に抑えることとなっておりますが、若い30代女性は33%、40代女性は38%となっております。女性の乳がんが増えていたり、若い方が朝食を食べないであったり食べ物に偏りがあって、菓子パンとかを食べているのではないかということで、トランス脂肪酸が危険であるということがあまり知られていないということがあります。その後、何か資料が出るかなと見ておりましたが、それっきりになってしまっていますので、この際、お聞きしたいと思いました。それと、私たちも若い方と接する機会が多いので、その方に伝えていくための資料を頂けたらと思いまして、お願いいたしました。よろしくお願いします。
○座長
 この議題は、2回ほど前にも懇話会で行っておりまして、新しく委員になられた方もいらっしゃいますので、一から説明をお願いいたします。
○事務局
 トランス脂肪酸につきましては、先程座長がおっしゃいましたように2回前の第13回懇話会においても、議題になっておりましたが、最近消費者庁から新たにトランス脂肪酸に関する指針が出ましたので、食品安全委員会と消費者庁の資料をもとにご説明させていただきます。まず、資料7の2ページ目「トランス脂肪酸のファクトシートを更新しました」というページをご覧ください。ここで、「ファクトシート」とは、食品安全委員会が科学的な知見を整理し、情報提供を目的として作成する概要書のことです。そこに書かれていますように、トランス脂肪酸とは、トランス型の二重結合を有する不飽和脂肪酸のことで、マーガリンやショートニングなど、加工油脂やこれらを原料として製造される食品などに含まれています。その作用は、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロールを増加させ、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロールを減少させる働きがあるといわれています。また、動脈硬化などによる虚血性疾患のリスクを高めるとの報告もあります。米国等では1日あたりの平均摂取量も高いことが示されていることから、トランス脂肪酸の含有量について表示をすることが義務づけらています。一方、日本におきましては、食品安全委員会により、トランス脂肪酸の一日あたりの平均摂取量は比較的少ない傾向が示されています。また、FAO(国際連合食糧農業機関)及びWHOの報告書によりますと、トランス脂肪酸は、心血管系を健康に保つため、食事からの摂取を極めて低く抑えるべきであり、その摂取量は、最大でも一日当たりの摂取エネルギー量の1%未満とするように勧告されています。我が国の対応としましては、厚生労働省、農林水産省または食品安全委員会ではそれぞれ情報収集やリスク評価等行い、公表しているところですが、消費者庁では、平成23年2月21日付けで「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を定め、食品事業者に対し、トランス脂肪酸を含む脂質に関する情報を自主的に開示する取り組みを進めるよう要請を行いました。指針のポイントとしましては、資料8の右側をご覧ください。まず、トランス脂肪酸の表示においては、名称と含有量を表示すること。名称は「トランス脂肪酸」とし、栄養表示基準に基づき表示される栄養成分と同様に枠内に表示すること。含有量は100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他1単位当たりの含有量を一定の値により記載し、単位はグラムとされました。次に、強調表示、「含まない」や「低減された」の表示をする場合につきましては、「含まない」旨の表示をする場合は、食品100g当たりのトランス脂肪酸の含有量が0.3g未満であって、食品100g当たりの飽和脂肪酸の量が1.5g未満、又は当該食品の熱量のうち飽和脂肪酸に由来するものが10%未満である場合、「ゼロ」や「ノン」や「フリー」などの表示が可能です。また、「低減された」旨の表示をする場合は、比較対照する食品名であるとか低減量又は割合を表示することとされました。これ以外、分析方法についても定められております。本指針につきましては、当課ホームページに掲載しておりますので、ご覧いただきましたらと思います。
○座長
 ご説明ありがとうございました。なかなか分かりにくい話だと思いますが、委員いかがでしたでしょうか。これが分かるという方は、そうそういないと思いますが。
○委員
 例えば、朝食に、トーストにマーガリンを塗って食べたという場合、トランス脂肪酸はどれぐらいの量になるのでしょうか。
○事務局
 そこまでは、我々も答えを持ち合わせておりません。通常、農薬とか食品添加物ですと、実際の食事で食べるものを作って分析してやっているのですが、このトランス脂肪酸が吸収されてどういう結果であるのかということについては自治体まで報告されていませんので、今日はお答えできません。
○座長
 例えば、マーガリンであったら、だいたい1回3gであったりとか多くても5gで、その中にトランス脂肪酸が何割入っているかといったら1割も含まれていないぐらいだと思います。それであれば、0.3gとかで、総摂取量の1%以下にはほとんど抵触しないという風になると思います。トランス脂肪酸そのものの害についての評価をしているのですけれども、同じ脂肪酸同士のシス型とトランス型で比較すれば、トランス型の方が動脈硬化を起こしやすいということなのですが、不飽和が増えてきたらトランス型が増えていくのですが、不飽和の脂肪酸が増えていくと、どちらかといえば動脈硬化は減ります。だから、動脈硬化を減らすような酸を増やしていくと、このトランス型が増えていって、その効果が薄れるっていう範囲なんですね。だから、単純にこれが危険かどうかという評価以前に、トランス型が増えるっていうよりは不飽和を増やしていくといった過程自身で、もともと飽和が増えてくるということは油分っていうの低い温度でも液体でいけるということになって、動脈硬化が起こりにくいです。高い温度で固形化すると動脈硬化が起こりやすくなるのは、そういったリスクとベネフィットのバランス、考え方が非常に難しい。それで、今まで日本も手を出してこなかったという経緯があったと思います。海外でも表示は、していった方がいいでしょうという状況です。化学式でいったらシス型もトランス型も全く同じものですから、どちらが多いかといったら書いてなかったら分からないので、それは書きましょうということを食品安全委員会は提言し始めた段階でして、極めて危険というようなものではないです。ただ、同じ脂肪酸同士を比較したら、そこに書いてあるように動脈硬化が起こりやすいということですけれども、その前段階で不飽和の脂肪酸を増やしていくということで、動脈硬化が減ってくるという面がありまして、動脈硬化を起こしやすい物質を減らしたから、純粋に100を50に減らしてたと思っていたら、70ぐらいにしか減らなかったという意味のものなんです。ただ、同じ脂肪酸同士で比べたら、確かにこちらの方が動脈硬化が多いというような意味があって、それで、これを出した。食品安全委員会にしろ消費者庁にしろ歯切れが悪いのは、その辺がそもそもリスクがあるんですかという部分で、異議があるからなんですね。なので、非常に難しい問題で、話す人によってはリスクがないよって言うし、話す人によってはリスクがあるよって言うし、客観的に事実だけ見ればリスクがあるという訳ですね。そういう全体の話を見ていくと、減っているのか増えていくのかと言ったら、たぶん減っているだろういう話が見えてきている。なかなか理解しづらい話だと思います。
○委員
 一時期、マーガリンが良いからマーガリンを普及しましょうみたいなことが言われていたことがありましたが、最近それが言われなくなったと思ったら、これが出てきたからなのかなと思いまして。
○座長
 まさにそうですね、バターとマーガリンを比べたら、マーガリンの方が柔らかいですね。それはマーガリンの方が不飽和脂肪酸が多いから柔らかいです。ということは、血液の中で固まりにくいんですね。バターが固りやすくて、マーガリンは固まりにくい。だからマーガリンの方が動脈硬化には優れているっていう話が前段にあって、マーガリンの中でシス型の脂肪酸とトランス型の脂肪酸、実はトランス型が増えていたと、シス型だけだともっともっと減っているはずなのに、トランス型だったら思ったより減らなかったっていう所に戻っていった。でも、実際マーガリンはバターより柔らかい。考えると純粋にリスクが高まったとも考えにくい所があって、禁止とかではなく、表示していこうということになったというのがあります。
○委員
 コーヒーフレッシュも良くないということを聞いたのですが、よく使っている方がいらっしゃるので、どうなのかなと思いまして。言った方がいいのか、言わない方がいいのか。
○座長
 コーヒーフレッシュは、少なくともミルクではないですよね。完全に合成品目ですから、100%添加物というものだと思います。ですから、普通のミルクのリスクとは比較できないものであると思います。その上で、他の添加物と比べて、リスクが高いか低いかでいうと、添加物そのものが持っているリスクと変わらないと思います。ただ、ミルクとフレッシュミルクという添加物を比較するにしても、メリット、デメリットがあって、なかなか難しい。トランス脂肪酸だけに特化してみれば、トランス脂肪酸は当然多くなっていますから、そういう問題はあると思います。ミルクの様にそもそも脂肪酸がどれだけ多いのかといったら、フレッシュミルクの方が少ないと思うので、そのリスクは減る。どっちが多いか少ないかといったら、今まで評価した人がいないので、なかなか難しいんじゃないのかと思います。違う食べ物であるだけに、リスクの評価が難しいという所がフレッシュミルクにはあると思います。
 他にいかがでしょうか。
○委員
 素朴な疑問ですが、昨今、ホームセンターとかドラッグストアに食料品コーナーが増えてきているのですが、これは、営業許可を取っておられると思うのですが、中には、初めの内は袋詰め商品とか賞味期限を書いている商品が多かったのですが、昨今、特にホームセンターにおいて、そのようなコーナーが増えてきて、色んなものを置くようになってきている。行政としての指導や監督がどのようになっているのかが気になっております。店が直接販売するのではなく、店舗の一部を提供して、そこに生産者が直接持ち込んで置いている傾向が最近増えてきているように思う。その辺りの事情をお聞かせ頂きたい。

○座長
 かなり複雑な質問であったと思いますが、法律でカバーする部分とカバーしない部分について説明していただいてよろしいですか。
○事務局
 医薬品を販売している施設につきましては、以前は子どもさんのミルクとか必要最低限のものしか置かなかったですが、医薬品の販売の施設とその他の食品の施設、商品も明確に区分するということで規制緩和なのかも分かりませんけど、販売できるようになったということです。ホームセンター等につきましても、常に作られたものを販売する、お菓子とかラーメンとか飲料水といったものが販売されていることが多いですけれども、これらは届出だけで販売できるという形になっております。委託販売につきましては、店舗の一角で野菜を置いていたりというのが増えてきているのですが、こういったことについては若干危惧しているところであります。
○座長
 届出が必要になってくるのは、先程の薬屋さんは届出が必要であるのかと、ホームセンターが容器包装の加工食品を売るのに届出が必要なのか、またホームセンターが団子を目の前で作って売るというのに届出なり許可がいるのかということについて、もう少し詳しく教えて下さい。
○事務局
 ドラッグストアでラーメンとか飲料水を売るのは、食品衛生法の先程の輸入の販売業の届出とかと同じように販売の届出が必要になります。ホームセンターにおきましても同様であります。乳製品の場合は許可が必要になりますので、ドラッグストアにおいてもホームセンターにおいても、牛乳を売る場合は食品衛生法の乳類販売業の許可が必要になります。肉、魚等の生のものを販売する場合は、それぞれ食肉販売業と魚介類販売業の許可が必要となってきますので、ドラッグストアやホームセンターではそこまで販売している例はありません。ただ、ドラッグストアやホームセンターの駐車場の一角に座長がおっしゃっていました団子を作って売ってたりとかソフトクリームを売ってたりする施設がありますが、それにつきましては菓子をその場で作るということでしたら菓子製造業の許可が必要でして、ソフトクリームを作るにはアイスクリーム類製造業の許可というのが必要となってきます。業種ごとに許可が必要になってきます。店の前でたこ焼きをしている場合もあり、この場合は飲食店営業の許可が必要になってきます。コンビニでからあげとかを揚げている場合もありますが、この場合も飲食店営業の許可が必要となっています。肉、魚をパックもので売っていることがあると思いますが、実際に包丁を使わないでパックものだけを売るのにも許可が必要です。そういうように冷蔵で保管して、ものを触らないで売る場合でも、パックものを売る食肉販売業と魚介類販売業の許可が必要になってきます。場合によって、鍋のセットの中に魚とか肉が入っている場合は、これについても魚の販売とか肉の販売の許可が必要になってきます。ということで、かなり複雑ではございますが、取り扱う品目ごとに許可をとる形になっております。
○座長
 かなり網羅的に説明いただいたので、だいたい網羅できていると思います。いかがでしょうか。
○委員
 ありがとうございます。ただ、各保健所でそれをどの程度本当に把握しているのかなと疑念があるのですが。説明を頂いたことはひととおり分かりましたが、初めのうちは袋ものとか野菜ものが大半だったのですが、昨今、パックに入った弁当類とか、俗にいう生ものがいつの間にか、ついでに並んでいる、それは我々一般消費者からしたら違和感があるように思う。ちゃんとしたスーパーやコンビニのような、それなりの冷蔵とか冷凍といった仕分けができていないとこが結構あるんです。その辺を各保健所がどのように、ちゃんとした営業許可証があるのか、売れるものは何でも売れってなっている節があるのではないかと思います。そういう素朴な疑問を持っています。

○座長
 保健所の実際の営業と届出について、どれぐらい見込んでいるのかについてお願いします。

○事務局
 私どもも、実際にホームセンター等でお弁当が売られているということについては存じ上げておりませんでしたけれども、お弁当につきましてもスーパーで自前で作っておられる場合は許可が必要でありますけれども、許可を持っているところの弁当を仕入れて店で陳列して販売する場合については許可がいらないという形になります。また、先ほど言いました肉、牛乳、魚については消費者の手元に届くまでの流通段階すべてが許可がいるとなっているんですが、弁当とかについては製造、工場で作られたところで、そこが許可を持っていれば、最後の販売店では届出だけで結構となっています。
○座長
 容器包装加工食品の販売には届出が必要になるんですね。お菓子とかと同じように。で、その届出が行われていれば、弁当もスナック菓子も同じレベルで販売ができるということですね。
○事務局
 そういう個々のケースに全てあてはまるかは難しいのですけれども、例えばホームセンターで大手さんがされている場合は、それだけで安心してはいけませんが、本社とかの指示であるので、保健所とかに照会して、きちっとしている場合が多ございますけれども、そうでなくても、ややこしいことをやっているというような通報がありましたら保健所の職員が現に確認に行って指導もしておりますし、開発の段階からホームセンターのような大きい建物については全庁的に協議をさせていただいておりますので、食品衛生法関係でどういった許可がいるのかということについては開発の段階から事前に協議しています。初めの段階については十分確認できています。いつの間にかということについては、管轄の保健所がございますので、日頃からローラー的に監視しておりますし、色んな消費者の方からの情報もあれば確認に行くという形で事後になっても届出を指導するという形で進めさせていただいておるという形で考えております。
○座長
 それは、許可を取ってないかな思うようなケースがありましたら、保健所や県庁へご連絡を頂いたら確認しますよということですか。
○事務局
 そうです。
○座長
 他にご意見等ございますでしょうか。
○委員                                                         
 全然、別件ですが構わないでしょうか。前回の14回から出席させて頂いておりますが、その前の時に十分な議論が行われていることだと思い、前回はお聞きできなかった疑問を1つ、向学のために教えていただきたいと思います。第14回の懇話会の時に、食品安全条例のことについてのご提案があったと思います。その時は不勉強で分からなかったんですが、後で色々調べまして、各都道府県でたくさん制定の動きがあって、奈良県は今は必要ないというか、今の仕組みで大丈夫なんだという回答があったという認識をして帰ったんですが、前々からの議論の中身を教えていただけたらと思います。どうして他府県では必要で、奈良県の仕組みとしては必要ないのかについて、分かりやすく教えていただけたらと思います。またその後、ご提案があってから検討されたり進展があれば、教えて頂きたいと思います。
○座長
 条例については、かねてから議題になっておりますけれども、経緯と現状について事務局から説明をお願いします。
○事務局
 条例につきましては、必要ないと私どもが申し上げたというようにご理解いただいているのかもしれないですが、食品衛生法的には整備していくということを関係部局の分野ではお答えさせていただいているという経緯があります。フードチェーン、生産から消費にわたる一連の食品供給工程の中で、農林部局で取り組んでいる内容と食品衛生の部局で取り組んでいる内容、必要に応じて、消費者との関係もございますが、それぞれの分野でそれぞれの法律で取り組んでいるので、1つの条例の中で取り組んでいく必要があるのではないのかということも含めて「条例化を」と言っていただいていると理解しております。ということで、他府県は必要だけれども、奈良県は必要でないということではなく、今は農林部、生産者、消費者の団体も含めまして勉強会を進めていくという方向で検討しております。
○座長
 前段の説明がすごく分かりにくかったです。やるのかやらないのか。他の県がやっていて、奈良県がやっていない理由を分かりやすく教えていただけますでしょうか。後半の部分は今検討しているということで分かりますので。言いにくい内容とは思いますが、もう少し短い文章でよろしいでしょうか。
○事務局
 他府県で制定されているところがあるということは事実です。その諸事情につきましては、詳しくは承知しておりません。ただし、条例の内容を見ますと、すでに県の条例というレベル以上の法令等で定められている事項が大半であり、同じことを再度定めて、どれだけの意味があるのかということが本県として疑問に思っております。まず求められてくるのは、安全・安心の確保のためにどのような施策、取り組みをするのかということが大切だと思いますので、条例自体というよりも、取り組む個々の施策について足らない部分があるのかどうか、まずそれを明らかにした上で、その施策を実施するためにこのような県の条例が必要になってくるのであれば、それはそういう形で検討していくという流れで考えております。条例化等につきましては、「前向きに考えていくべきだ」とおっしゃる団体もございますので、そのような団体も一緒に、そういった内容について勉強していこうという段階です。
○座長
 説明が大変分かりやすくて、ありがとうございました。いかがでしょうか。
○委員
 重ねて、勉強いたします。
○座長
 勉強会の話題になっている森委員からは何かございますでしょうか。
○委員
 前回以降、消費・生活安全課の方から勉強しようということで呼びかけもございまして、私どもも意見を申し上げてやっております。前に説明したとおり、私は必要性は非常にあると思っている立場であります。具体的なところ、詳細についての検討をしていただいていると、時間を少し下さいと言っていただいていると認識しております。我々も消費者団体、流通団体でもあり、食品等事業者が果たすべき責任と役割、消費者が果たすべき責任と役割両面がございまして、食品事業者が正しくこの問題を理解していただけるように、関係業界にも働きかけをしたいと思いますし、生産者の方々ともこの点はつめるべきとことろはたくさんありますので、むしろそういったことが推進できるように狙っている所でございます。
○座長
 事務局として、追加することはありませんか。
○事務局
 本来であれば、本日、間に合わすことができれば良かったと思い、反省しているところですが、前回の時に生産から消費までの間で、その安全確保のために県がどういう取り組みをしているのか、例えば生産段階であれば肥料であるとか、乳肉関係であれば飼料関係の安全性が保たれているのか、流通部門ではどのような監視指導計画を実施しているのか、また違反があったときにどのような体制で動いていくのか、そういった事柄の流れを分かりやすくPRすることによって、皆さんに理解していただこうと、そういうことが欠けているのかなという反省をお話しさせていただきました。ピックアップ的には前回お配りしました食の安全・安心行動計画で、主なものは付記し、お配りさせていただいていますが、あのようなものを一連のものとして、もう少し分かりやすくしたものを、この懇話会でもお示しさせていただくとともに、県民向けにもPRしていきたいと思っております。それを見ながら、再度また個々具体的なご意見をいただければと思っております。
○座長
 全体等含めまして、他によろしいでしょうか。
○委員
 今日出されたパブリックコメントの所にもありましたが、委員からご意見があったホームセンターやドラッグストアでの食品の取り扱いが広がっているのが実態でございます。もう1つ、「弁当配達事業」というのが、私たちも取り組んでいるんですが、高齢者や社会的弱者の方を含めて、買い物に行けないという方が増えてきています。業界の参入について今もありますが、今後大変な勢いで取り組まれると思います。夕食弁当、仕出し弁当、おかずという広い概念で、そういう所の衛生問題も、これこそ監視が必要だと思われます。私どももスーパーマーケットを経営しておりますが、状況や世間が変わっておりますので、生鮮の食品が売れるよりも、総菜や弁当を買われることがどんどん加速しております。そういうことで、「弁当配達事業」を立ち上げた訳ですが、今後、奈良県内には奈良市、橿原市、田原本町を中心に大手参入の予定を聞いております。そういうことがこれから多く変わっていきますので、今も法的にはちゃんとした体制が整備されていますが、県の行政の方もそういう所のチェックを早く図っていただけるようにお願いしたいと思います。
○座長
 県の担当課の方はいかがでしょうか。
○事務局
 ご指摘、ご意見に応えれるように努力していきたいと思います。
○座長
 この場合には、なかなか難しい面があると思います。基本的には、弁当を製造する製造業や販売業の許可はあったとしても、流通過程での「保温義務」となると法律ではカバーできていないと思います。ですから、製造や販売そのものについてはある程度は足かせにはなっていると思います。生鮮食料品の宅配については、規制が事実上は無いというのが現状だと思いますので、それをどうクリアしていくのかが今後の非常に大きな問題だと思います。「すぐにやります。」と言えないのも分かりますが、これからまた問題も大きくなっていくと思いますので、ぜひご健闘を期待したいと思います。
○座長
 他、ご意見等ございませんでしょうか。
○委員
 さきほどのトランス脂肪酸の件ですが、新聞に出ていたということで注目したというのもあるんですが、「あまり気にしなくてもいいんじゃないか。」という意見もありますが、私たちはどのように伝えていったらいいのでしょうか、ご意見をお願いします。
○座長
 非常に難しいと思いますが、食品添加物の扱いと非常によく似ていると思います。自分に問われたら、私はたぶん気にしない。それは、元々の食べ物のリスクから比べれば小さいと思うからです。個々の食べ物、純粋に食品添加物と普通の食べ物を比べたら、それは添加物の方がリスクは高いと思います。そういう面で見たら、トランス脂肪酸とシス形とを比べたら、リスクはあると思うので、表示して選択できるようにはするべきだと思います。だから、食べたくない人は食べなくていいような環境を作った方が良いと思いますが、それを食べたからといってすぐに命に直結するようなものではないと私は思います。
○委員
 偏った食生活をなさっている方にとっては、色々なことが起こってくるので、そういうことに注意していったらいいと思います。表示をきちんとしていただけるようにと思います。コーヒーフレッシュ等でも、最近、「これは(トランス脂肪酸は)入っていません」という感じで表示したメーカーが出てきているので、そういうものをきちんと見て買物するようにと思います。
○座長
 普通にバランス良く食べてたら、そうそうこの脂肪酸は入ってこないと思います。このトランス脂肪酸の入っている食品というのは、重加工食品、加工食品の中でもさらに手を加えたような、何重にも手を加えた食品では増えてくるという傾向がありますから、それこそポテトチップばっかり食べてたら体を壊すというのと同じような理由で、それがたくさん含まれている食べ物を食べ続けていたら体を壊したというようなものです。だから、万遍なく食べるという意味で啓発・普及するべきだと思います。その時の一つの材料として、「トランス脂肪酸が増えたら、結果として良くないですよ。」ということは重要な情報だと思います。トランス脂肪酸を避けるために、バターばっかり食べたら、今度は動脈硬化が進みますので、優先順位があると思います。それは食品全体のリスクの中で考えないといけないと思います。
 他よろしいでしょうか。時間となりましたので、議題そのものは終了させて頂き、事務局の方に移らさせて頂きます。
○事務局
 本日はどうもありがとうございました。本日いただきました意見、特に監視指導計画の県民の皆さまから頂きました意見と、本日の懇話会で調整しました内容を踏まえて、最終案として、今年度中に監視指導計画を策定いたしまして、国へ報告していくという形で進めていきたいと考えております。
それでは、閉会にあたりまして、消費・生活安全課長より、皆さまにご挨拶をさせていただきます。
○消費・生活安全課長
 皆さま、長時間にわたり、本当にありがとうございました。数点にわたりまして、幅広くしかも熱心にご意見を種々賜りまして、担当課あるいは関係課それぞれが強く連携した上で、すぐに取り組めるもの、さらに検討を加えていくもの、多々あったと思いますが、それぞれに対応させて頂くような形で考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。