義務違反について

2 日常生活に係るトラブルとその対処
(1)義務違反について

Q1  義務違反とは何ですか。
A1  区分所有法第6条第1項は、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」と区分所有者の権利義務について定めています。この規定に反する行為が義務違反にあたります。
 最近では、何が共同の利益に反する行為にあたるかをはっきりさせるため、管理規約や使用細則の中でこれを具体的にあげて禁止するところが増えており、その中で違反行為に対する制裁、その他の措置も定めているようです。
 標準管理規約でも義務違反者に対する措置を定めています。
 義務違反の例としては、共用部分であるバルコニーに勝手に物置を設置したり、ペット飼育禁止なのに犬を飼育したり、また専用庭を勝手に駐車場に変更したりすることがあげられます。
 また、義務違反者に対する措置としては、区分所有法上、次のようなものがあります。
 (ア)共同の利益に反する行為の差止請求
 (イ)専有部分の使用禁止の請求
 (ウ)区分所有権の競売請求
 (エ)占有者に対する引渡し請求
 これらの請求の訴訟は、総会の決議((ア)は普通決議、(イ)~(エ)は4分の3以上の特別決議)によって行わなければなりませんが、管理者又は総会の決議(普通決議)において指名された区分所有者が実際の訴訟を提起することになります。

 

Q2  外壁に勝手に穴をあけ、換気扇を取り付けた人がいますが、どうしたらよいですか。
A2  外壁は共用部分なので勝手に穴をあけることはできません。管理組合として厳重に注意するとともに、原状復帰させるべき事例です。
 本来、専用部分であっても工事する場合には理事長の承認を得てからにしなければならないというのが標準管理規約の考え方です。
 外壁は共用部分であり、かつ建物の構造上躯体の一部である外壁に勝手に穴をあけるのは、建物の保存にとって有害な行為にあたります。この例も含めて、エアコンの設置などのために外壁に穴をあけなければならないような場合を想定して、構造上どのような場所なら穴をあけても問題ないのか等を一級建築士等の専門家を交えて検討し、規約や使用細則として総会で決議しておく必要があります。

 

Q3  規約では用途を住宅のみとしているのに、学習塾を開いている人がいるのですが、どのように対処すべきでしょうか。 
A3  住宅専用ならば、住宅以外の用途に使用すべきではありません。
 専有部分は、その所有者が自由に使用するのは当然の権利ですが、塾を開設することによって周りの人に迷惑がかかるような場合には、共同の利益を損なう行為と言わざるを得ません。その塾の規模、人数、時間帯等や、出入りに際しての話し声や行動等に迷惑行為がないかどうか等を総合的に判断し、受忍限度(我慢の限界)を超えている場合には、共同の利益に反する行為に該当することになります。

 

Q4  暴力団等の入居を規約で規制しておきたいのですが、どうしたらよいですか。
A4  管理規約等で暴力団事務所の使用禁止の規定等、一定の制約を定めておくことは可能です。ただし、専有部分は区分所有権の対象となる部分ですので、規約でそれを無制限に禁止したりすることはできず、あくまでも、暴力団の事務所として使用したり、宗教的行事のために特定の人が頻繁に出入りして、マンション住民に騒音等の具体的な迷惑行為や恐怖心を抱かせるような言動等が予想される場合のための禁止事項に限定されます。

 

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