奈良のむかしばなし

 




 斑鳩町の南端、大和川のすぐ北に目安の地がある。
 川は東から西へ流れ、神南で竜田川と合流、さらに大阪へと流れる。大和川の川幅は今も広く、流れは緩やか。
 この川の堤に、昔、立派な松並木があった。川がまだ大切な水運として物資の輸送に使われていたころ、その並木が船着き場などの目安になっていた。それが地名の由来といわれる。また、この村の人たちが大和川の水守(みずもり)をし、その役名の目安が地名になったとも。目安では、大和川の度重なる決壊で砂地の畑が多く、大根がよく育った。
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 昔々、その大和川でのお話。
 ある時、川で村の娘が大根を洗っていると、弘法大師さまがお通りになった。
「これこれ、娘さん、お前の顔と大根と、どっちが白いか」と尋ねられた。
 すると娘は、正直に「私の顔より大根の方が白いです」と答えた。
「そうか、では、これから大根のような色白の美人にしてやるぞ」と。
 大師さまはまた、「その大根の葉に付いているのはなんだ」と尋ねられた。
「これは大根の葉に付く虫で、困っています」と言うと、大師さまは「娘さん、美人になりたいか、大根の虫を取ってほしいか、どっちじゃ」と尋ねられた。
 すると娘は「いいえ、美人になりたくはありません。大根に虫が付かないようにしてください」
 気立てのよい娘がそう頼むと、大師さまは満足そうなようすで頷(うなず)き、呪文を唱(とな)えて去って行かれた。
 それからというもの、目安の村には色白の美人が多く生まれ、大根にも虫が付かなくなったという。
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 目安の松並木は、明治の大洪水で大和川へ流失、今は見ることができない。目安の南にある春日神社。
その境内にも、かつてはたくさんの松があったが、今はない。
 だが、松並木といえば、法隆寺の参道「並松(なんまつ)」。国道25号から南大門へ続く見事な松並木は、目安から移されたといわれる。
 その「並松」を南下すると、目安の春日神社へつながる。かつての目安の美しい松並木も、今、法隆寺の「並松」に偲ぶことができるかもしれない。

春日神社(上)とふるさとの村祭り(下)
10月上旬

 16時から、目安の春日神社で収穫感謝の神事。お供えは、大根、松茸、昆布、稲、柿、鯛、お酒など豊富な食材が揃えられる。そのあと、子どもたちの「提灯台(ちょうちんだい)みこし」が村内を巡行する。
 春日神社の隣にある公民館では、生け花、手芸、書画などの展示、抹茶の接待、カラオケなども行われる。
 村祭りは、明るい村づくりを目指す目安の人たちの熱い思いに支えられ準備される。おでん、みたらし、おにぎりなど、お母さんたち手作りのご馳走が並び、人気だ。夜が更けるまで、村をあげての盛大な賑わいとなる。

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