優良賞1

無意味に進化する言葉

大和高田市立高田中学校 1年 赤阪 凌子
 
 みなさんはこれまで、耳障りな言葉でモヤモヤした経験はありませんか。
 テレビで紹介されていた、『イマドキの言葉』を見て、私は疑問に思いました。
 例えば、「り」――これは「了解」を略した言葉だそうです。メールやLINEをする時に、一文字で返信できるのが便利だという意見が多くありました。でも、私はいくら便利だとしても、その言葉の原形が無くなるほど省略しすぎるのは、いけないと思います。誤解を招いてしまうかもしれませんし、不快にさせてしまうかもしれません。
 他にも、お正月にするあいさつを「あけおめ。ことよろ。」で済ませたり、「おくれてすみません。」を「おくごめ。」――「なるべく早く。」を「なるはや。」――など、会話文さえも略すそうです。よく考えてみれば、略して当たり前になっている言葉がたくさんあります。だから、今回紹介した略語が、将来世の中に浸透していき、普通の言葉になっていないかとても心配です。
 そして、最新版の辞書には、笑いという意味の「W」をはじめとするネット用語や、「KY」「ガチ」などの略語がたくさん掲載されています。辞書にまで、こんな言葉が載っているとは、少し驚きました。
 言葉と同様に、最近の言葉遣いも妙に引っかかります。
 レストランに行った時のことです。店員さんが「お席のほう」や「ご注文のほう」など、いちいち「~のほう」と付けます。この場合、付ける必要はあるのでしょうか。
 また、とある番組で、タレントさんが料理を食べて「全然美味しい。」「普通に美味しい。」と感想を言っていました。美味しいに対して、「全然」や「普通」を付けると、美味しいのか美味しくないのか、分からなくなると思います。
 それに、「大丈夫」の使い方にも違和感があります。食事に誘われた人が、「大丈夫です。」と答えた場合、OKの返事だと思っていたら、相手は丁重に断るつもりで使っていて、ややこしくなることがあります。ですから、断る時は、「すみません。無理なんです。」と、はっきり言うべきだと思います。
 それから、「本当に」をむやみやたらに多く使うのも、どうかと思います。試合後の選手のインタビューで、
「今日は本当に良い結果を出せて、本当に嬉しいです。本当にみなさんの応援のおかげです。次の試合も本当にがんばりたいと思います。本当にありがとうございました。」
と答えていました。これだけ「本当に」を何度も言うと、大げさでわざとらしく聞こえてしまいます。
 さらに、人の発言に対して、必ずと言っていいほど「うそやん。」を連発するのも気になります。悪気無く使っていると思うけれど、言われた人は、自分の話をすべて否定されている感じがするのではないでしょうか。だから。どう考えても有り得ないような話以外は、使わないほうがいい言葉だと思います。
 こういった言葉は、私自身も含め、無意識のうちに使っていることでしょう。だからこそ、一人ひとりが意識して正しい言葉を使うべきです。
 無意味に言語進化をさせずに、今までの言葉をもっと大切にしなければならないと思います。そして、お互いが気持ちの良いコミュニケーションをとれるような社会になってほしいです。そのためには、今自分たちが使っている言葉を、もう一度見直すべきではないでしょうか。