優良賞8

働く女性と育児

香芝市立香芝西中学校 2年 宮永 優季

 世の中にはたくさんの仕事があり、その人が持つ仕事への想いはそれぞれにあると思う。その中で私は、仕事をしながらも育児にはげむ女性について主張したい。私のお母さんも、私をふくむ兄弟三人の育児をしながら仕事をしている。お父さんも働いているので共働きだ。お母さんは、
「仕事を早く切り上げないとお迎えに間に合わない。」
と、夕方はいつも忙しそうにしている。こんな様子を見て私は働く女性の苦労や問題について知りたいと思った。働く女性に対する世の中の課題は何なのだろうか。
 私は以前テレビで、入社して五年後に長女と長男を出産し、育児休暇をとり、その後、復職した女性について知る機会があった。その女性は八時間から九時間働くシフト制業務への配転を命じられ、その命令の無効確認を申し立てるという内容だった。この命令により女性は子供の送迎ができなくなり、今年一月に休職したのだ。さらにこの女性に対する会社の男性役員の対応は非常に冷たいものだった。この報道を見た時、世間の働く女性への対応はこんなものであってはいけない、と思った。私は地理の授業で習った少子化という言葉が頭に浮かんだ。少子化とは女性が出産後の将来や仕事への不安を感じ出産をひかえ、そのため子供の数が少なくなることが原因の一つにある。これは今の世の中が抱える課題の一つだと思う。あのニュースのようになることをふせぐには、育児と仕事を両立させる女性への、周囲の理解が必要だと思う。2013年に安倍首相が打ち出した、職場復帰を願う女性を支援する「女性に優しい」対策は実行されているのだろうか。私は子育てをしながら働ける社会になってほしいと思う。
 では、男性は育児と仕事を両立させている女性へのサポートや協力はできているのだろうか。ある調査によると、男性が育児や家事をどの程度行っているのかという質問の回答で最も多かったのは「たまにする」であった。私は、日々両方をこなしている母親からしたら「たまにする」は育児に協力しているとはとてもいいがたいものだと思った。また、育児休業をする男性の割合はわずか二パーセントほどだった。しかし、他の調査で育児に参加したいが仕事に追われて時間がないことも分かった。私は育児は女性の役割である、や育児の仕方が分からないと消極的な考えにならずに、育児に対する意識を高め、妻の話を聞いたり、思いやりを持ち続けたりすることが大切だと思う。そうすることで、若くして出産した女性に起こるトラブルを減少させることができると思う。私のお母さんのように育児と仕事の両立の大変さや努力を子供に伝えるのも良いと思う。また私は、男性が育児に参加しやすい環境をつくることや、支援を充実させていってほしいと考えた。
 人が働く理由には、お金を貯金するため、生活を支えるため、自分のしゅ味や老後を楽しむためなど色々あると思う。夫が妻を、育児に専念させるために仕事を辞めさせるなど、そんな理不尽なことはあってはならないと思う。女性にだって働く権利はあるのだ。また、男性だけでなく私たち中学生も、育児と仕事を両立させている母親の手伝いを進んでするべきだ。そういった小さな心づかいが、母親にとっては大きいものになるのだと思う。
 私は、今の社会は「子育てをしながら仕事をしやすい環境」にはまだ遠いと思った。まずは、会社や保育園が働く女性にとって、もっと過ごしやすく利用しやすい環境をつくることと、男性が育児や家事について見直し、女性が気持ちよく働ける環境をつくっていくことが、この問題を解決していくことにつながると思う。私はお母さんや、昔そういった経験をした祖母などに話を聞き、将来の世の中に役立てていけたら良いなと思った。