意見書第7号

        奈良少年刑務所の洋風建造物を重要文化財に指定し存続することを求める意見書

 奈良少年刑務所の建造物は1908年(明治41年)に奈良監獄として建てられた。これは明治時代、国が監獄施設の近代化をめざして建てた全国の「五大監獄」(奈良、千葉、長崎、鹿児島、金沢)の一つで、施設がほぼ完存しているのは奈良少年刑務所だけである。
 同建造物は洋風の重厚な造りが特徴で、使用されたレンガはすべて当時の受刑者が木津川のほとりのレンガ工場で焼いた「手作りレンガ」といわれており、独特の風合いがある。奈良県教育委員会が2014年にまとめた「奈良県近代化遺産総合調査報告書」によると、「明治大正期の監獄建築が次々と更新されて姿を変え、保存される場合でも一部分に留まる中、当建築だけが竣工時の様態をよく残している。日本の近代化の一側面を示す遺構として貴重である」と評価されている。
 奈良少年刑務所が毎年九月に実施している「矯正展」には市内外から多くの人々が参加しており、その折に由緒ある建造物へ関心と注目が集まっている。また、同建造物が立地する奈良市般若寺町は、一級の文化遺産や建造物、歴史と自然が融合した魅力ある地域であり、「きたまち」の愛称で親しまれ、地元住民が行政とともに地域の活性化や観光地としての魅力創出に取り組んでいる地域でもある。
 政府におかれては、同建造物を重要文化財として指定し、存続することを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成28年6月21日
                           奈良県議会


(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      法務大臣
      文部科学大臣