平成28年7月26日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めます。
 本日の発表案件は、お手元の1件でございます。知事より発表していただきます。よろしくお願いいたします。


案件:西九条佐保線・西日本旅客鉄道関西線・JR高架側道4号線の事業認可を取得しました。
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 この前、投げ込みをしましたので、既報のものですが、大きな案件でしたので、改めて会見でのご紹介をさせていただきます。

 久しぶりの奈良県での鉄道高架事業です。7月19日付で都市計画事業の認可という、事業化のゴーサインが出ました。鉄道高架化とともに、京奈和自動車道の奈良市内へ入る西九条佐保線も事業認可がなされ、それとともに鉄道高架化の横の側道も事業認可がなされました。この3つの事業の認可が一度におりました。なお、鉄道新駅を作る事業認可は、申請に向けて準備しているところです。それは今回の対象になっていませんが、高架化事業がある程度進捗した段階で鉄道駅の事業認可をいただくという段取りになっています。

 全体の事業費は、道路が約180億円。幅員23メートルの、1.5キロの西九条佐保線です。京奈和自動車道が、奈良インターで下りて、新大宮の踏切を越えるあたりまでです。鉄道の高架化事業が130億円。鉄道高架化は割と安いという印象ですが、延長1.9キロの関西本線の事業です。鉄道高架化の横に側道を造りますが、これが20億円ということで、総額330億円の事業です。この事業が認可されますと、国庫補助が充当できます。県としては大変ありがたいわけです。奈良市にとっては、南のほうへの大きな副都心になる可能性もあります。それと南北をつなげる、京都方面につながる奈良市内を縦貫する2つ目の幹線ということになります。あと、京奈和自動車道は、いろいろ議論がありましたが、この西九条佐保線は地上線ですが、それとは別にトンネル工事をするということも想定されています。これはまだ先の話になるということで、改めてのご報告で恐縮ですが、以上の内容を発表させていただきます。

 完成年度が、西九条佐保線、京奈和自動車道の大和北道路と言っておりますが、郡山のジャンクションから奈良インターまでを平成30年代半ばの完成予定としています。大和北区間の完成年度というのはまだ公表されていませんが、この事業の認可期間として平成36年度までということになっていますので、8年間で高架化事業を完成させるとともに、鉄道駅設置事業も8年間以内で完成させるということを目標にすることになると思います。高架化事業が完成しますと、西九条佐保線ができ上がるので、南のほうの京奈和自動車道大和区間についても30年代半ばということで希望目標を言っておりましたが、平成36年度完成ということをまた、これは陳情ベースになりますが、予算確保、奈良県にとりましては土地取得が大きな事業であり、それを目標にしていきたいと思っています。

 国庫補助率は60%です。330億のうち60%ですので約198億が国の負担になります。残り132億が県の負担ということになります。以上です。

司会:
 それでは、発表案件につきましてのご質問をよろしくお願いいたします。

このページのトップに戻る


質疑応答
毎日新聞: 
 先ほど副都心ということをおっしゃられたが、どの地域を副都心として発展するのことを期待されているのですか。

知事:
 ここのあたりは八条地区と言われるが、この駅の周りの写真があるが、ここを東西に通る道路が予定されています。大安寺線と言われるもので、唐招提寺、薬師寺が県道京終停車場薬師寺線と、少し長い名前になり、大安寺線というのは俗称ですが、大安寺のところを通るということで、このあたりがちょうど薬師寺、唐招提寺の真東になります。この駅からもう少し東に行って北上する市道が予定されています。奈良市内の道路として南を回る道路の外縁線になる可能性があります。そこに京奈和自動車道が来て、鉄道の駅ができるということは、交通の結節性が高いということです。

 鉄道の結節性が高い駅というのは、奈良市、奈良県にない。JRと近鉄と、また道路ご当局とばらばらの駅を造ったということが、発展が大きく遅れた主な要因であると私は思いますが、今度はその高速道路と市内の主要な道路と鉄道駅が結節するというのは、奈良市、奈良県でも初めてのことでありますので、副都心になる可能性が高いと私は思います。

毎日新聞:
 この新駅のできる八条地区が。

知事:
 八条地区、新駅の周辺です。

毎日新聞:
 副都心として発展するということですね。

知事:
 そうです。今は病院が一つありますけれども、他は何もない。そこが、副都心になる可能性が高いということです。

奈良新聞:
 先ほどの事業費の面ですが、国庫補助以外の部分は、県と奈良市で分担するんですか。

担当課:
 鉄道高架については奈良市と折半するということです。

知事:
 道路は県です。
 正確な負担額は計算して後ほど正確に申し上げます。
 
毎日新聞:
 副都心化ということですが、済生会奈良病院がありますが、ほかに何か、例えば平成36年度に完成した暁に、何か県の関係の施設を持ってこようというようなおつもりはないですか。

知事:
 まだ決めてないですけど、交通の結節性があるということは、色々なことができるので、さっきの話ですが、私の希望はアリーナみたいなものの適地になるかなと。今アリーナはないですから。バンビシャスなども要望していますが、アリーナは民間が投資して造る場合もあります。結節性があってアリーナがあるとイベントが出来ます。スポーツイベント、芸能イベントもできるので、アリーナの適地にならないかと。県の施設というよりも民間、仙台のように民間のアリーナが80億ぐらいでできるので、こういういい場所があれば。

 今、地方の経済活性化の一つで、いい環境をつくって、民間が、大きな投資をしやすいようにするというのが一つのアイデアなので、大都市はみんなそうしてきていますけれども、奈良県は、人が集まる場所、鉄道の結節性というのはなかなか作れなかった。鉄道の結節性というのはとても大事なことなので、民間の投資ができる立地環境を良くするというのが一つの方向です。アリーナは一つの例ですが、ほかになくて、あればいいものであって、県の施設で持ってくるというよりも、民間の投資があればいいと思っています。

毎日新聞:
 何らかの集客施設みたいなのを、民間投資を呼び込みたいと。

知事:
 そうですね、集客施設でね。病院は今あるので、そこに駅を造るというのはとても相乗効果があると思います。そのほかに、こういう立地に適した施設というのは、普通のショッピングマーケットも含んだ、タイプとしては二子玉川のような集客施設です。

毎日新聞:
 二子玉川ですか。

知事:
 二子玉川が想像できます。あるいは小田急の向ヶ丘遊園。遊園地の跡が集客施設にどんどん変わってきている。集客施設は、閉じこもったパターンならイオンモールのように一つの施設の中で、一つの投資の中で完結します。イオンモールは郊外にあるので車で行こうということになりますが、鉄道もある、車でも。しかも高速道路で来るというのは大きな集客要素になるので、それに対する民間投資を招く立地環境をつくるというのは、大事な仕事だと思っています。

 ですから、「これを持ってくる」という具体的なものは、例を挙げただけですが、ほかのまちづくりという観点になると、奈良市がまたある面主導していただければと思います。ここは先ほど申し上げたように西のほうに走ると薬師寺、唐招提寺で、世界遺産の一翼がなかなか不便だと言われていますが、南にそういう核があると、奈良の全体の世界遺産は東大寺集中ではなく、今は集中するところにお客を持ってこようという交通体系なので混雑する。ベニスのように分散的に、その周りで楽しんで、真ん中にもちょっと行けばいいといったような都市構造に、徐々にでもしていけばいいと思います。このあたりは田園地帯でもあるので、交通の結節性が良ければ様々なことが立地可能であろうと思います。

毎日新聞:
 集客が奈良公園のあたりにちょっと集中し過ぎているので……。

知事:
 おっしゃるとおりですね。

毎日新聞:
 西ノ京あたりにも分散したいと。

知事:
 おっしゃるとおりですね。観光素材としては西ノ京だってすごい。奈良に来ると奈良公園を見て、鹿を見て帰ろうというふうにでき上がってしまっている。だから副都心的にしたいというのは、そういうことです。

毎日新聞:
 いや、副都心というと何か公共的なイメージが別にあったんですか。
 知事がイメージされているのは、民間投資を呼び込みたいということですか。

知事:
 そうですね。公共もね、場合によってはあるかもしれませんが、それが必要なもので民間投資がないものは、公共投資で考えましょうと。公共主導というよりも、立地環境をよくして民間が商売しやすいように、訪問者が楽しめるように。もう一つの対象になるのはホテルです。結節性がいいと、ここでホテルというのも立地環境として、薬師寺、唐招提寺に行けるとか、関西本線で法隆寺に行きやすくなる。法隆寺の近辺はホテルがありませんので、ここに集客施設のホテルができると、奈良公園も行ける、西ノ京も行ける、法隆寺にも行ける一番便利な場所というふうになるので、そういうことは十分可能かと構想としては思いますが、ホテルは民間の投資になりますので、立地環境がこの8年以内にできてくる。その方向として、そういうことを想像して立地環境を整備していきたいと思います。

司会:
 発表案件につきましては、ほかにご質問ございませんでしょうか。
 それでは、ほかの案件につきましてもご質問のある方はよろしくお願いいたします。

このページのトップに戻る


質疑応答

地方創生加速化交付金についての要望等

時事通信:
 今度、補正予算で、一部報道で地方創生推進交付金を800億調達するというような話があるみたいですが、知事、この補正に対して、交付金を上積みしてほしいとか、こういう仕組みを変えてほしいとか、ご要望というかご提案みたいなのがあったら教えてください。

知事:
 地方創生のときにも陳情に行きました。陳情に行ったのは、一つはプロジェクトベースで認定をしてくださいと石破さんに言いました。認定というのも、交付金のようにばらまきで、外形的な計算でばらまかないようにということで、プロジェクトの認定というのは国の予算、箇所づけといいますけど、箇所づけではプロジェクト認定というのはなかなか難しい。場合によっては政治家がバックをする、昔でしたらね。そういうことになるのでなかなか進まなかった。地方が、安倍首相が、経済を引っ張るのは地方の場で引っ張ってもらったほうがバランスがよくなるということを言っているので、それに資するような予算の配分になればということをいつも願っています。そのためには今まで消費を刺激するためにソフト、例えばいろいろ商品券出したりできるような交付金が多かったが、未来への投資という投資は形になるものがある程度必要ですので、ソフトと一緒になったハードものというのも対象になるように希望しています。今度の800億は、記事によるとハードの要素も含まれるというふうに書いてあるので、その点を特に期待をしています。

 ハード一辺倒というのは世の中にあまりない。ソフトとハードのバランスということになりますが、後の事業展開のもくろみが効果のありそうなハードというような予算の志向になればと。国のほうは、ハードは国交省系統がやり、ソフトは石破さんがやるというように分けられた経緯がちらっとあるように聞いて、あまり歓迎しない方向だったが、今度はその融合した予算に、地方創生の予算にもなってくれればありがたいと思っています。ハードも対象に含まれるという、ソフトなしのハードはないが、ソフトと一緒にハードも含まれるというようなことになればうれしいなと思います。

時事通信:
 知事のおっしゃるプロジェクト認定をもしするのであれば、そのハードの部分も一緒にやっていくのですか。

知事:
 そうなってほしいです。

時事通信:
 石破さんのほうで一括してやるのが良いと思われるのでしょうか。

知事:
 石破さんのところでもいいと思いますが、その認定主体がね。予算を分けるとなかなかうまくいかない。

 もう一つは、社会資本整備総合交付金というのがあって、最初はあまり希望が出なかったが、これが使い勝手がよかったので希望が殺到して、予算不足になってしまった。ああいうものが、もう少し出れば良い。もう一つは、800億以外に社会資本整備総合交付金をもっと増やしてほしいという要望も出しています。社会資本整備総合交付金の対象は、例えば公園という既存のものでも、奈良県は新しい県営プールを造るのにも、「元気交付金」というものをフルに活用しました。

 新県営プールは、今とてもお客が増えて調子がいいです。民間の事業で発注するのと、ソフトと込みのPFIということでしたので、所有は県、運営は民間ということを最初から仕組んだ事業です。PFIとかPPPとか国は言いますけど、それに利用できるような予算という言い方にもなると思います。先ほどの新奈良駅の例えばアリーナについても、PFI的になれば、ここの場所で何か事業提案があって、建設と運営は民間でしてくださいと。お金がどれだけ要るかは補助金で出しますと。全く民間事業でできるケースもありますが、PFIだと多少の補助金は出る。難しい事業であれば全額県営、公共で出しますといったようなことにもなると思います。

 そういう地方での民間投資と民間活動が伸びるような予算の使い方というのに腐心をしております。

 予算が補正で出れば、県営プール跡地のホテル等、ホテルは民間事業ですけども、220億の県の事業は、もう既に議会で契約の議決をいただいております。だから補正の対象にはならないかもしれないけども、充実してくれればね、そういうような加速度的にお金が使えると、額が増えれば早く使えるといったようなことを期待できますので。今、奈良県でやっている事業がオリンピックまでと言っているのが、どんどん少しでも早くなればラグビーにも間に合うようになるし、といったようなことを希望いたしますので。

時事通信:
 そのホテルの話というのは、要するに地方創生推進交付金がハードでも使えるようになると。

知事:
 ホテル自身はもう民間ですので、もう土地を譲りましたので、その上はホテルの、あとのその全体のコンベンションとかがね、予算の枠が十分来るかどうか心配していますので、それが交付金でちゃんと手当てがされるといったような、まあグレードの低い要望かもしれませんが。

時事通信:
 現時点だと、あれは全部補助金というのは難しいですか。

知事:
 補助金を期待して、220億を全部県単でするわけではありませんので、今でも3割ぐらいかな、国の交付金を期待して事業化を進めております。大体3割ぐらいは来るだろうと思っております。

時事通信:
 当然それが増えていけば早くやれる。

知事:
 まあ希望はあるのかと言われると、そういうことも率が増えればとてもうれしいことでありますが、ちょっと難しいかなという感触はあります。

 それと、このターミナルのほか、芸術家村とか、スポーツアカデミーとか、奈良県で今やり始めている、いろんな事業が対象になればうれしいなと思っています。

このページのトップに戻る


新東京都知事に期待すること

毎日新聞:
 もし話せればなのですが、今、都知事選で、例えば東京と奈良というのは、やっぱり東京一極集中であったり、東京オリンピックだったりあるのですが、新しい都知事に対して何か期待されるようなことがあれば、ちょっと一言いただければと思うのですが。

知事:
 東京の一極集中は都知事のせいではないですね。だから都知事が変わっても一極集中が、その一極集中がだめだと思うとおっしゃっても、なかなかそうはいかないのが経済の実情です。だから都知事に何を期待するのかというのは、一極集中是正というのは余り期待できませんよということを、暗にそう思っていただいてもということを、露骨に言えばそういうことを言った感がある。東京は一極集中になって、経済が発達したのは、交通の結節性の高さではないかと思います、鉄道の相互直通とか。大阪との差は、鉄道の相互直通ではないかと思います。大阪のほうの鉄道は、接続をとても嫌がる。自分の客が減ると、上六に行く客が減るとかまだ言っています。東京はちょっと違います。新宿に行く代わりに都心へ行くのは、お客が増えるからで、埼玉から横浜まで行ける路線ができ上がっているからです。それは関西と随分違う。これが大きなグレート東京の一極集中の最大の原因だと、かつて私が交通の仕事をしていたせいもあって、そのように思っています。だから都知事のせいではない。都知事のせいとしては、メトロ、都営地下鉄の相直(相互直通)性を高めたのが大変よかったと思います。

 民間活用だと、鉄道の話ばかりになり恐縮ですが、民間との接続性がよくなればもっと大阪、関西が良くなると思います。阪神と近鉄の相互直通はあって、神戸と奈良がとても近くなった。神戸のお客さんが奈良に来る率がすごく高い。だから兵庫の北のほうの宝塚から奈良に来るお客さんがもっと増えたり、宝塚を見に行くのが便利だとか、そういうことが期待できると想像します。

 これは余計なことでしたが、都知事に何を期待するかというのは、一極集中を例に挙げてご質問なされたと思いますが、都知事の東京都と地方との関心は、経済の一極集中、税収の一極集中です。一極集中とは言いませんが、東京に経済が集中すると、東京に行って消費するので、消費地で奈良の人、大阪の人が消費しても、飲食、ホテルなどは東京の消費税に計上される。

 ドイツのように、誰がどこで使っても人口割ですると、消費税が非常に分散的になるので、人口割にしてくれということを国に要望してきました。「地方消費税」と言うからには、消費地で配分するというのが日本の地方消費税ですので、社会福祉のためには奈良県の要望は、高齢者の人口割も含めて、人口割で地方消費税を再編成してくれというのが要望です。大変大胆な要望でしたので全く議論もされませんでしたが、ただ、そういうことを要望していると、売り上げが8分の6、人口が8分の1、従業員数が8分の1という割合で配分するとなっていたのが、人口割の「8分の1」が「8分の1.2」まで増えました。だから奈良にとって、人口割が増えるということは、清算と言っているが、それで20億ぐらい地方消費税の配分が、増えました。

 地元消費率が全国一低い奈良県にとっては人口割のほうが大変お得なことになるので、そういう要望をしてきました。国の話しですので、東京都が「うん」と言うわけではないと思いますが、国の話ですが、東京都との関係では、消費税が東京に集中するのを分散できないかなと。制度的にも考え方を変えれば分散できる可能性もあるということは要望した経緯もあります。これも都知事への要望ではないとは思いますが。

毎日新聞:
 東京と奈良は、非常に対照的なわけですね、消費の面においては。

知事:
 そうですね。

毎日新聞:
 向こうはどんどん東京で消費するし、こっちはどんどん外で消費します。

知事:
 そういうことですね。肝心の東京都知事に何を期待するかというのは、まだ答えてないような気がします。

このページのトップに戻る


東京都知事選の情勢についての印象

時事通信:
 それに関連して、都知事選、今、折り返しも終わって、もう最終盤だと思うのですが、今のところ政策論争というのは、どんな印象を持っておられますか。

知事:
 そうですね。東京の政策って、都民の方が、都という組織に何を期待されているかというのが政策論争の焦点になります。大都市の知事というのは、経済が十分だから、民間の投資とか民間のサービスに期待されるが、都知事への期待度が低いからああいう選挙になるのかなと思います。これは感想なのであまり当たっていないと思いますが。

政策論争といっても、地方は切実です。政治の向きで十分備わってないことを一生懸命県政はしなくてはいけないと思います。が、地域によって、それまでに十分してきたことと、不十分なとことがやはりまだらにあるので、奈良県は医療、病院のサービスが低かったということが分かったので、医療サービス向上ということに重点化して、それは充実してきたと思います。

 そのようなことは、東京は、不満は当然あるが、民間の活動が相対的には旺盛なので、先ほど申しました、インフラはすでに国が勝手にやってくれていたり、東京での国の役割はすごく大きいと思います。

 道路の整備を見ても、ほとんど国です。奈良は、先ほどの道路でも、県が陳情して、その箇所を事業化するのにも、大変です。東京は、東京都がそう言わなくても、とにかく車があふれるから道路を造らないけない。首都高の事業は凄いし、ビルがどんどん建つ。これは都知事のおかげで建っているわけではなく、経済がそのようになっているからです。インフラ環境がいいからだと、先ほどの論になる。

 だから、都知事選の争点とか政策は、どちらかというと小さくなるのは仕方がないでしょう。政策論争が起こらないといっても、そのような実態が地域にあるので、ある面では何が争点になるかというと、人気とかポピュリズムになりがちなのは日本だけではなく、どこの大都市でも同じかなと思います。当たっているかどうかわかりませんが、地方から見るとそういうふうに、色眼鏡で見てしまうからだけかもしれませんが。

このページのトップに戻る


五條市の残土問題に対する県の対応について

奈良テレビ:
 知事、少し地元の話しに戻させていただいていいですか。

知事:
 はい。

奈良テレビ:
 五條の残土が和歌山県境のあたりでたくさん出ていまして、住民が提訴する状況に至っているんですが、県としては今どのような状況を把握されて、今後の対策というのはどのようにお考えでしょうか。

 知事:
 ええ、よく知っています。葛城市、奈良市の北のほうでもありましたが、土砂が道路に落ちて来たときには代執行で除去します。原因が民間であって、その土盛りが過ぎたとか、切り土が過ぎたということが原因であっても、とにかく道路、公共空間は維持するというのが県の大きな役目です。それが月ヶ瀬のように、公共空間に出なくて民民の、あるいは自社の、自己所有地の中でおさまれば、その対策というのは、直接対策というのはなくて、法の規制の対策がどうかということになると思います。

 五條の場合は、道路に出てきたから除去しますということになり、上のほうの原因はまだよく分かりません。土が道路に出てくるということは、その上の土掘りが激しかったとなると、差し止めということになると思います。今、調査が進行しているという報告を受けています。

奈良テレビ:
 土砂で住民の皆さんが困っている点では、月ヶ瀬と同じかなという気がするのですが、県としては、このような事案が起きた場合、対応が難しいとは思うんですけども。

知事:
 そうですね、例えば道路に土砂が落ちるというのは、168と169、毎年落ちます。これ誰かの所有地だが、手を入れなくても落ちるので、そういう類いのパターンが一つあります。落ちたら除く、あるいは道路を強化するということを営々とやっておりますが、公共空間を維持するというのは基本的な役目であります。

 上のほうで人工的に手を入れて道路がそうなったら、そのことが原因であれば、公共空間に落ちてくることは困るので、原因が分かればやめてくださいと。こういうことは、原因が自然か、人工かということで対応が分かれてくる。もう一つは、砂防指定地。これは明治にできた法律で、割と広く植林をするための砂防法という法律で指定された地域が幾つかあって、今となっては土を入れると色々地形の変化が生じそうだというような扱いに、砂防法の内容が変わってきているように思います。そのときにむやみやたらに土をとったり埋めたりしないようにという規制があったので、今、建設のための土をとったり、残土をいれたりということで土をいじる事業が出てきたので、形状の変化が周りの空間に悪い影響を及ぼすといけないというように法の目的が変わってきたように思います。そのための規制ということで、この前に議論になりましたように、規制の内容が若干砂防法の経緯から見て緩いのではないかと思われるようになってきたのでが、厳格にしようということになった。この7月から施行された条例で厳格適用になってきたということで、その砂防指定地についての規制は今までよりはしっかりするようになると思います。

 砂防指定地だけの土の形状変化ではないので、自然、人工、砂防指定地とある。

 道路のほうに落ちてくるのは代執行ということで、原因がそうであれば代執行ということになるし、自然の崩落であれば代執行ということではなしに、公共事業で除去するということになります。

このページのトップに戻る


JR奈良線複線化について期待するところ

NHK:
 鉄道の関連の話しに戻りますが、JR奈良線の京都側が、複線化の事業が、本日、第2期の起工の式典もありますが、大分早くなるということで、このあたり期待の声を聞かせていただきたいのですが。

知事:
 JR奈良線は、六地蔵ですね、宇治のほうまで大変弱い線でありました。単線で、しかも狭隘な地域を走っていました。これから強化されるのは大歓迎です。よく力を入れて、よくされてきたと思います。あの事業のために運輸省関係の人が副知事になって、2代続けて来ている。たまたま二人とも一緒に仕事をした人です。だから頑張れよといって励ましていましたので、京都までJRで行く路線が強化されるとうれしいです。

NHK:
 現状、近鉄も結構便利に並行して通っていますが、その2つの路線ができて、そこも早くなってというと、観光客にも使い勝手がすごく良くなると思いますけど。

知事:
 全然違います。

NHK:
 そのあたりの期待はどうですか。

知事:
 奈良に来られる、特に外国人客ですけども、JRの駅から降りるお客さんが多いんです。これはJRパスを使っておられるように思います。ということは日本に来るとJRパスが便利なので、JRパスで奈良に降りるのは、京都線が、奈良線ですか、強化されますと使い勝手がいいと思います。そういう近畿一円のパスができるといいのですが、なかなかハードも一体化できないので、ソフトも一体化できない観光地としての事情があります。外国人の方にとっては、JR線強化というのは良いと思います。法隆寺までなかなかJR線のラインですと行っていただけないので、奈良市だけではなく、法隆寺までも行っていただけるように。なお、夕刻京都へ帰らないで、朝帰っていただくようになればもっといいと思います。これは奈良市の努力が要ると思います。旅館業、宿泊業の努力が要ると思います。

このページのトップに戻る


「ポケモンGO」アプリ利用者の交通事故などの対策について

NHK:
 今、ちまたで「ポケモンGO」というスマートフォンのアプリが大人気で、奈良公園なんかへ行くと、夜中、多くの人がうろうろされていますが、どう思われますか。

知事:
 そうなんですか。

NHK:
 はい。県内で交通事故もそのために起きているような状況で、いろんな期待や問題があると思うのですが、どのように捉えていますか。

知事:
 奈良公園でもポケモンGOをやってくれているのですか。

NHK:
 たくさんおられます。

知事:
 すごいですね。ポケモンというキャラクターが世界を席巻するのは、すばらしいなと思っています。いろんなゲームでもそうですけども、外で直接的に事故が発生する可能性があるということで、家でやっていたら、やっていてもメンタル的にちょっといろいろなことが発生するので、ゲームは余り熱中し過ぎないようにと言われますが、それほど熱狂させる要素があったということで、それはそれですごいなと思います。自然と落ちついてくるかと思います。

NHK:
 知事は体験されてはいないのですか。

知事:
 いや、まだしていません。

奈良新聞:
 それに関連しますけども、ちょうど今日の朝、一部新聞に出ていましたけど、法隆寺でポケモンGOを禁止する張り紙を出すとか、それから奈良国立博物館も、近々禁止しようかという、そういう文化というか観光地で、遊ばれると危険だということで、何かアドバイスなどはありませんか。

知事:
 社寺の中ですると危険なのですかね。

奈良新聞:
 人がたくさんおられる場所で人がスマホを持ったままうろうろすると、危ないということじゃないですかね。

知事:
 まちのほうが危険のような気がします。拝観料払って中でポケモンしなさいよ、と言われたら余計いいのかなと思うのですが。清水寺みたいなところは危なさそう。欄干があるので大丈夫かと思ったりもします。境内は危ないという観点からお断りになるのか、私はユーザーではないから、ちょっと感覚がよく分かりません。どこにポケモンがたくさん出るのかなと思ったりもしますが。

朝日新聞:
 事故は、外国ではモスクにゲームをしながら入ったり神聖な場所だったり、追悼の場にゲームをしながら入っていったりと、問題になっていることはあるそうですが、そういう点では、奈良、例えば県の何か管理下にあるところで今後対策を考えていこうということはありますか。

知事:
 私はユーザーではないので、ぴんときていないです。今の例だと神聖性のあるところにはお断りというのは、危ないからではない。すると、どこからお断りなのか。本殿はお断り、もとから神聖なところは囲われていると思いますが。危ないからというのであれば、またその危ない理由を発見して、ここは危ないというので禁止という、まず危ないよという警告というのが普通のやり方のように思います。そういう場所はすぐに見つからない。見つかればということになると思います。どういうふうに危ないのかなということになって、注意をするということだと思います。

 施設は、県の施設というよりも、今の社寺の施設や、幾つもあると思いますが、例えば病院などの廊下で、想像ですが、患者さんが、管を持っておられるのに、うつむいてどすんと行くのはちょっと危ないと想像します。そういう危ないところはご使用を控えてくださいというのと同じようなことだと思いますが、携帯で迷惑かけますから控えてくださいと、そういう場所はそれぞれの管理者で張り紙などをされるのかなと想像していますが。

このページのトップに戻る


「ポケモンGO」アプリによる観光活性化について

奈良新聞:
 鳥取なんかは逆に、鳥取砂丘内で利用して観光活用につなげるような話があるのですけども、そこら辺、何か奈良県内で利用して観光資源として活用するようなのは。

知事:
 ポケモンを利用してというのは、余りポケモンで観光の誘致というとこまでまだ知恵がいかないです。ポケモンが現れるだけだったら、その場所に来るが観光地を見ないので、奈良の観光のもっと大事なことは、奈良の観光のいろいろあるのは何なんだろうかと、本質的なところをうまく提示できてないところかなと思っています。

 奈良は、大仏というのはどんなもんだろうかと、興福寺はどんなもんだろうかとか、そういうとても奥深いものをうまく提示・展示できてないのが、奈良の観光地としての弱さのように日ごろ感じていますので、修学旅行でも来てもらっても、何か奈良というとこは行ったけれど、あれは京都のすぐそばだったかなというように、バスの中でひと眠りすると距離感が分からないので、そのような印象で「行った」という記憶が残るだけだと嫌だなと思って、どういう印象を受けたということをもっとアピールしなければいけないと思うので、ポケモンの観光利用というのは正直言うと全く頭に浮かんでおりません。奈良の観光素材の本質をもっとうまく展示できないのか、説明できないのかということを日ごろ叫んでいますので、そちらのほうのラインで奈良の観光振興を図りたいと思います。

このページのトップに戻る


県と市町村のまちづくり包括協定の進捗等について

奈良新聞:
 先ほどのJRの新駅との関連でもありますが、県が市町村とずっと進めてきたまちづくりですが、ちょっとここに来て一休みしているような、もちろん基本構想までいっている幾つかの事業もありますし、前へ進んでいるのもあるんですけども、包括協定という面では10幾つかでちょっと止まっているような感じもするのですが、それでその辺の何か動きが最近あるのか、見通しとか、ある程度のこういう成果が見えてきたというのは、何かありますか。

知事:
 全体では随分進んでいます。特に進んでいるのは桜井市です。奈良市でもこの新奈良駅だけではなく、猿沢池周辺とか、4つあります。まちづくりは時間がかかるのが普通です。早々に動き出しているのが桜井の粟殿です。県の施設を桜井市が利用しているのですが、今週末に竣工式をします。そこまでいっているケースもある。安く払い下げますということで、桜井市役所の周りのまちづくりはもう竣工まで進んでいるところもあります。報道が少ないだけだと思います。今週末の報道に期待しています。そういう意味からは進んでいるものもあるということです。

奈良新聞:
 基本構想から実施というとこまで、桜井や天理など、幾つか進んでいるものもありますが、最初の段階である包括協定の部分がしばらくないですよね、まだ10幾つしかないですよね。

知事:
 今は13です。あと3つ、近々参加します。

 このような類いで、生駒市、葛城市はまだですが、市のほうは大体済んだのかな。強要しているものではありませんので、市町村がそういう気になれば利用しようよというもので、とても勢いよく、今までのように、包括協定のダッシュがかかるのも予想していませんでした。まちづくりは時間がかかります。一緒に練るというのがとても大事なことです。

 包括協定をすると、協議が始まって、県と市町村がフラットな立場で協議しましょうということになってきていますので、進捗の報告を受けていますが、まちづくりの協議の内容がどんどん進化してきていると思います。包括協定の数がまだ高止まりか、高いというのはないけど、止まったのかというご質問については、あと3つほどありますが、あとは強要するものでもありません。田舎のほうの村とか町は、なかなかその対象がない面もありますが、小さな村、町でも対象になれば出てくると思います。強要しておりませんので、県のまちづくり担当も、それぞれ分けて体制を組んでおります。結構忙しくなってきております。

司会:
 ほかによろしいでしょうか。
 幹事社さん、よろしいですか。
 それでは、これをもちまして本日の知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

このページのトップに戻る

(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先: 奈良県広報広聴課 報道係 TEL 0742-27-8325 hodo@office.pref.nara.lg.jp

お問い合せ先:奈良県広報広聴課 報道係  TEL 0742-27-8325

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報制作係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100