意見書第3号

       障がい者グループホームにおけるスプリンクラー設置基準見直し等を求める意見書

 障がい者のグループホームは「普通のすまい」としての生活形態、そして何よりも入居者の安全確保を重視しながらこれまで消防法令を順守し、自動火災報知・火災通報等の設備設置に努めているところであります。
 ところが、この度平成25年12月27日消防法令の改正により重度障がい者の入居割合が80%を超えるグループホームには面積に関係なく、スプリンクラー設置が義務づけられました。経過措置は平成30年3月31日まで、以降設置しなければ不良施設として公表されます。
 一般賃貸マンション等の賃貸物件を借用してグループホームを運営している場合、スプリンクラー設置について貸主に許可してもらえないことや、工事範囲がマンション全戸に及ぶ場合等事実上、改造が不可能なケースが発生します。今回のスプリンクラー設置基準並びに免除基準は障がい者グループホームの「小規模な普通のすまい」としての実態を十分踏まえないまま、大規模施設を想定して設定されたため実態から大きくかけ離れたものになっております。
 スプリンクラーの設置は、グループホーム運営事業者に課せられるものでありますが右記のような理由によりスプリンクラーの設置が困難な場合、当該物件から退去するか、グループホーム運営を中止することになり、入居している障がい者の地域生活を脅かすことに繋がります。
 スプリンクラーの代替設備であるパッケージ型自動消火設備(スプリネックスミニ等)も全居室の壁を石膏ボードで内装を不燃化した上で、大きなボンベを設置しなければなりません。また、消防法にあるスプリンクラー設置の免除規定も設備構造面を重視しているため内装不燃や鉄製防火扉など一般住宅には無い仕様が要件とされ、そのままでは利用できないのが現状です。
 ついては障がい者の地域移行・地域生活を一層推進する観点から、スプリンクラーやパッケージ型自動消火設備の設置に関連して、グループホームが賃貸物件から退去せざるをえないことや運営を中止する等、入居する障がい者の地域生活が脅かされることのないよう次の事項について強く求めます。

1 今回の法改正の内容は、障がい者グループホームの現状(国の想定よりは小規模であること。賃貸物件により
 改造が困難であること。)に照らして、あまりにも過重なものであるため、スプリンクラーの設置を免除する
 技術的な特例措置を講じていただきたい。
2 経過措置期間終了後も、賃貸物件等の事情により、基準を満たすことができないグループホームについては、
 違反物件としての名前の公表を回避していただきたい。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

    平成29年3月24日
                                奈良県議会

(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      総務大臣
      厚生労働大臣