意見書第11号

意見書第11号

                         道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の
                         規定による補助率等の嵩上げ措置の継続等に関する意見書

 道路は県民生活や経済活動を支える基盤であるとともに、地方創生の実現や南海トラフ巨大地震への対応といった国土強靱化の観点からも、欠くことができない社会資本の一つである。
 奈良県においては、今年度、京奈和自動車道の御所南IC~五條北IC間が8月に開通し、国道168号辻堂バイパスの全線供用を予定するなど「選択と集中」による道路整備を推進しているところであるが、国道・県道の道路整備率が全国平均約63%に対し約41%と、他県に比べて大きく道路の整備が立ち遅れている。これにより、各所で、幹線道路の渋滞やこれに伴う生活道路への通過交通の流入による生活環境の悪化が見られるなど、幹線道路、生活道路を問わず、整備の遅れに起因する課題が山積している。
今後も引き続き、京奈和自動車道や奈良県南部の「命の道」である国道168号、国道169号をはじめとする「紀伊半島アンカールート」などの骨格幹線道路ネットワークの整備とともに、工業団地や観光地へのアクセス道路や安全安心を支える道路の整備を引き続き強力に進めていく必要がある。
 このような状況にもかかわらず、「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(以下、道路財特法)の規定による補助率等の嵩上げ措置が平成29年度で切れ、高規格幹線道路、県管理国道や県道、市町村道の補助率等が平成30年度から低減されることは奈良県にとっては死活問題である。
 よって、国におかれては、道路財特法の嵩上げ措置を平成30年度以降も継続し、今後とも「安全・安心の確保」や「生産性の向上による成長力の強化」の実現に向け、迅速かつ着実に道路整備を推進するために、地方の道路財源をより一層充実強化されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成29年10月20日
                                                              奈良県議会
                   

(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      財務大臣
      国土交通大臣