意見書第5号

意見書第5号 

                                         空き家対策の充実を求める意見書

 

 国が平成25年に実施した住宅・土地統計調査では、全国の空き家の総数は約820万戸で、そのうち賃貸用の住宅等を除いた空き家は約318万戸となっており、平成5年の調査から倍増しています。

 このような中、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行され、市町村が特定空家等と認めたものについては、その所有者等に対し除却、修繕、立木竹の伐採等その他周辺環境の保全を図るために必要な措置を行うよう助言又は指導、勧告、命令、行政代執行による強制執行が可能となりました。

 また、相続に伴う空き家の発生を抑制するための税制上の特例措置として、空き家譲渡所得の特別控除などの措置も設けられたところです。

 しかしながら、行政代執行については、膨大な事務量と専門的知識が必要となる上、所有者不明などにより撤去費用が回収不能となるおそれがあること、また今後人口減少等により空き家の一層の増加が見込まれていることから、所有者等による、空き家の適正な管理に関する啓発などのさらなる取り組みや市町村への支援の強化が必要です。

 よって、国におかれては、空き家対策を総合的に推進するため、次の事項について措置されるよう強く要望します。

1 市町村が行う空き家の除却や利活用などの対策に必要な財政支援を拡充、強化すること。

2 空き家の所有者等に対し、売却や解体等を行う場合の各種手続や税制上の措置、空き家を適正に管理しない場合に発生するリスクについて情報提供するなど、適正な管理の必要性に関する啓発を行うこと。  

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月3日
                                                                                                奈良県議会


(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      財務大臣
      総務大臣
      国土交通大臣