◇「関西広域連合」についての本県の考え方
「関西広域連合」は、2府5県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県、鳥取県)が参加することとなる新たな自治体です。
「関西広域連合」の設立までの経緯や概要、奈良県の考え方を説明させていただきます。
● 「関西広域連合」の設立までの経緯や概要 ● 「関西広域連合」に対する奈良県の考え方 ● 「関西広域連合」についてのQ&A
(設立までの経緯) 平成15年2月、関西経済連合会が地方分権改革のモデルとして、平成6年の地方自治法改正によって新設された「広域連合制度」を使った「広域連合関西州」の設立を提言しました。これを受け、同年7月に関西経済連合会や大阪商工会議所など経済6団体が中心となり、関係自治体とともに「関西分権改革研究会」が設置されました。以後、検討組織の変更があったものの、関西での広域連合の設立に向けた検討が行われてきました。 平成19年7月には、関西の2府8県4政令市と6経済団体(設立時7団体)で構成される関西広域機構(KU)が設置され、機構内に設置された「分権改革推進本部会議」において、「関西広域連合」の設立を検討していくこととされ、同年10月以降継続的に検討が重ねられました。(6回開催) 平成22年8月27日に開催された第6回分権改革推進本部会議において、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・鳥取県・徳島県の7府県が平成22年内の設立を目指すことに合意し、各関係府県議会の規約案の承認を経て、11月1日に、設立許可申請が総務大臣に対して提出され、12月1日に設立が許可されました。福井県・三重県・奈良県の3県及び京都市・大阪市・堺市・神戸市の4政令市は、設立当初からの参加は見合わせています。
関西広域機構における「関西広域連合」の検討(設立までの経緯) (別ウィンドウで開きます)
関西広域連合の規約案等も掲載されています。 →「分権改革推進本部第6回本部会議」(平成22年8月 27日)の資料
(「関西広域連合」の概要) ・設立当初は「防災」「観光・文化」「産業振興」「医療」「環境保全」「資格試験・免許」「職員研修」の7分野の事務を実施されます。 ・事務のほとんどは、現在各府県で実施している事務を持ち寄ったものです。 ・組織としては、広域連合長のほか、最高意思決定機関として構成団体の長で構成される広域連合委員会が置かれます。 ・各業務分野の執行責任を担う知事も置かれるため、広域連合長、業務分野担当の府県知事、他の府県知事の間で、業務の実施 にあたり意見の調整が必要になることも想定され、責任の所在も不明確です。 ・広域連合議会も設置され、議員定数は20人で、均等割+人口割で議席が配分されています。 (京都府3人・大阪府5人・兵庫県4人・その他の県各2人)
(不参加団体との連携等) ・事務の実施に当たって、広域連合との密接な連携を図るために、当初からの参加を見合わせた福井県・三重県・奈良県の3県及び京都市・大阪市・堺市・神戸市の4政令市を広域連合規約第15条8項に規定する「連携団体」に指定されています。「連携団体」 は、広域連合委員会に出席し、広域連合の業務運営等について意見を述べることが可能です。 ・柔軟な参加形態が採用され、関西広域連合設立後の新規参加を可能とされています。
(道州制との関係) ・設立案では、「広域連合は府県との併存を前提とした設置根拠も道州とは異なる組織であり、広域連合がそのまま道州に転化するものではない。」として、関西広域連合が、そのまま道州制につながるものでないことが明記されています。
※「広域連合」とは 広域連合は、複数の自治体にまたがる広域的な行政事務を処理するために設けることができる地方自治法に基づく特別地方公共団体です。都道府県や市町村はそのまま置いたうえで、特定事務を関係自治体が共同して処理するために設けるもので、国から直接権限を移譲されたり、移譲を求めることができます。広域連合には執行機関と議会がおかれます。
※「広域連携」とは 広域連携は、広域で実施したほうが、より効率的・効果的な事務について、各府県の判断で協定などを結んで、協力して進める方法です。連携したい府県同士で賛成すれば実施できますし、事務を実施する経費のみですので、新たな組織の経費はかかりません。 例えば、広域観光の分野では、紀伊半島3県知事会議での合意によって、平成22年7月に、三重県、和歌山県と「吉野・高野・熊野の国」を建国し、3県共同して紀伊半島への誘客の促進に取り組んでいます。ドクターヘリも広域連携の一例です。
※「道州制」とは 道州制は、都道府県を廃止し、「道」や「州」と呼ばれる10前後の広域自治体に再編する国の統治の仕組みです。具体的な仕組みについては、様々な検討がなされており、定まったものはありませんが、基本的には、国には、外交・防衛・通貨発行などの事務を残し、その他の事務は、道州に移譲されることになります。道州制実施には新たな法整備が必要となります。
奈良県は、関西広域連合への設立当初からの参加を見合わせました。 その理由について説明させていただきます。 関西広域連合には、大きく分けて3つの課題があると考えています。
1つ目は、「組織面での課題」です。議会を設置するような新たな自治体を自治体の上に重ねて作ることは、屋上屋を架すことになるのではということです。責任の所在があいまいで、意思決定の手順が複雑になり、業務に遅れが生じるおそれがあり、経費も増加します。また、広域連合議会の議席配分に人口割りが併用され、大都市に議席が多く配分されているのは、平等な発言権の観点からは疑問です。 さらに、関西広域連合は、行政組織ですので、一度作ると、事業がなくても組織があるということが起こりえます。
2つ目は、「業務面での課題」です。わざわざ経費のかかる新しい組織を作らなくても、広域連携で十分実施できると考えています。設立当初に関西広域連合で取り組まれる業務は、広域連携で対応可能ですし、現に、すでに広域連携で行っているものがほとんどですし、そのほうがより効率的です。 例えば、大規模災害発生時の相互応援や近畿府県合同防災訓練の実施、広域的なドクターヘリの共同運航、カワウによる鳥獣被害対策、広域観光対策などは、従来から府県間の協定や協議会などの方法によって連携・実施してきました。広域連合という組織をつくらなくても、十分に対応ができると考えています。
3つ目は、「地方自治、地方分権から見た課題」です。広域連合は、新たな行政組織ですので、参加する府県からの権限の移し替えが想定されます。府県から上位の団体である広域連合へ権限を移すことになれば、それは分権ではなく、集権ではないでしょうか。住民への行政は、できるだけ住民に近い行政組織が行うべきであり、奈良県の現状から見ても、県が先頭に立って振興する必要のある中南和・東部地域の仕事がもし関西広域連合に移ることになれば、それは地方自治、地方分権の考え方に反しているように思います。
このような課題については、広域連合の設立に向けた検討を行った関西広域機構・分権改革推進本部会議の場で指摘しましたが、組織を作る議論が優先され、本県の懸念がなくなるところまでの検討はなされませんでした。
奈良県としては、これまでどおり府県同士の連携を積極的に続けることで十分に対応できると考えていますし、実際に関西広域連合が取り組む業務は、府県間で連携関係を積み上げてきたものがほとんどです。そのため広域連合の組織に入らなくても、県民のみなさまの生活に支障はないものと考えています。なお、関西広域連合とも、「連携団体」という立場で、発言の場も確保しており、互いの意思疎通を図りながら積極的に連携していきます。
今後、関西広域連合に参加する必要があるという判断が可能になった場合には、その状況を見極めて、慎重に判断したいと考えています。
上記の考え方を一枚にまとめております↓↓↓ 奈良県の「関西広域連合」についての考え方(概要版)
1 関西広域連合とは、どのようなものですか。
関西広域連合は、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・鳥取県・徳島県の7府県が、広域的な行政事務を処理するために設ける地方自治法に基づく特別地方公共団体です。平成22年内の設立を目指し、各関係府県議会の規約案の承認を経て、11月1日に、設立許可申請が総務大臣に対して提出されました。福井県・三重県・奈良県の3県及び京都市・大阪市・堺市・神戸市の4政令市は、設立当初からの参加は見合わせています。 設立当初は「防災」「観光・文化」「産業振興」「医療」「環境保全」「資格試験・免許」「職員研修」の7分野の事務を実施されますが、その事務のほとんどは、現在各府県で実施している事務を持ち寄ったものです。 組織としては、「広域連合長」のほか、最高意思決定機関として構成団体の長で構成される「広域連合委員会」が置かれます。また、事務局は、本部のほかに各業務分野の執行責任を担う知事の府県に分野事務局が置かれます。広域連合議会も設置され、議員定数は20人で、均等割+人口割で議席が配分されています。(京都府3人・大阪府5人・兵庫県4人・その他の県各2人) (広域連合と広域連携の違い) 「広域連合」は、議会もある大きな行政組織ですので、意思決定に時間がかかり、業務が遅れる懸念があり、組織のための経費がかかります。 一方、「広域連携」は、広域で実施したほうが、より効率的・効果的な事務について、各府県の判断で協定などを結んで、協力して進める方法です。連携したい府県同士で賛成すれば実施できますし、事務を実施する経費のみですので、新たな組織の経費はかかりません。 (広域連合と道州制の違い) 「広域連合」は、都道府県や市町村をそのまま置いたうえで、特定事務を関係自治体が共同して処理するために設けられる地方自治法に基づく特別地方公共団体です。 一方、「道州制」は、都道府県を廃止し、「道」や「州」と呼ばれる10前後の広域自治体に再編する国の統治の仕組みです。具体的な仕組みについては、様々な検討がなされており、定まったものはありませんが、基本的には、国には、外交・防衛・通貨発行などの事務を残し、その他の事務は、道州に移譲されることになります。道州制実施には新たな法整備が必要となります。
Q1 関西広域連合の仕事は誰がやるのですか。
Q2 広域連合長と構成団体の権限、責任はどのように分担されているのですか。
Q3 府県から関西広域連合に業務が移された場合、その業務に対して府県はどう関わるのですか。
Q4 広域連合議会と府県議会との関係はどのようになるのですか。また、意見の違いがあった場合どうなるのですか。
Q5 奈良県が加入する場合、広域連合議会での議席数はどうなるのですか。
Q6 関西広域連合の運営には、どのくらいの経費がかかるのですか。
Q7 奈良県が加入する場合、どれほどの負担が生じますか。
Q8 関西広域連合の職員の人件費はどのように負担されているのですか。
2 奈良県は何故、関西広域連合に入らないのですか。
関西広域連合は、新たな自治体を複数の自治体の上に重ねて作ることになるため、責任の所在があいまいとなり、意思決定の手続きが複雑になり、業務が遅れる可能性があります。また、議会を設置するような大きな組織を作ることになり、新たな経費も生じます。 一方、設立当初に関西広域連合で実施するとされている業務は、新たな組織を作らなくても、現在の自治体どうしの広域連携で十分に対処でき、すでに実施しているものがほとんどです。 さらに関西広域連合は、県から権限を移し業務を行うことになりますが、より広いエリアの業務を処理する広域連合に権限を移すことは分権ではなく集権であり、これは、「住民への行政は、できるだけ住民に近い行政組織が行うべきである」という、地方自治、地方分権の考え方に反するのではないかと考えています。 このような課題については、関西広域機構・分権改革推進本部会議の場で指摘しましたが、組織を作ることが優先され、懸念がなくなるところまでの検討はなされませんでした。 奈良県としては、これまでどおり府県同士の連携を積極的に続けることで十分に対応できると考えていますし、実際に関西広域連合が取り組む業務は、府県間で連携関係を積み上げてきたものがほとんどです。そのため広域連合の組織に入らなくても、県民のみなさまの生活に支障はないものと考えています。なお、関西広域連合とも、「連携団体」という立場で、発言の場も確保しており、互いの意思疎通を図りながら積極的に連携していきます。
Q9 関西広域連合に参加しないということは、他府県と協力しないということですか。
Q10 今後、参加することはないのですか。
Q11 設立後に参加すると設立時から参加している団体に比べ不利にならないですか。
Q12 関西広域連合の設立そのものに反対しているのですか。
Q13 県民に対しての広報は十分しているのですか。
Q14 奈良県議会には説明しているのですか。また、反対意見は出なかったのですか。
Q15 関西広域連合をつくり、府県の業務を関西広域連合に移すことは、地方分権を進めることになるのですか。
Q16 関西広域連合に参加しないことは、オール関西の視点からマイナスではないのですか、奈良県が足を引っ張ったと言われ ませんか。
3 関西広域連合に入らなければ、奈良県だけ取り残されることになりませんか。
奈良県としては、これまでどおり、他府県との広域連携により、様々な業務に積極的に取り組んでいけばよいと考えていますが、関西広域連合が出来ることによって枠組みが変わる業務や、新たに連携が必要な業務が出てきた場合には、関西広域連合を通じた連携などの手法で対応します。関西広域連合においても、規約に「連携団体」の定めがあり、業務の実施にあたって参加していない自治体と親密に連携していくことを明記しており、本県も「連携団体」に指定されています。参加しないことで奈良県だけが取り残されるということはありません。
Q17 参加しなくても、観光や医療、産業振興にデメリットはないのですか。
Q18 広域連携ではなく、広域連合を設立しなければできない業務はないのですか。
Q19 関西広域連合に参加しなければ、「ドクターヘリ」など現在広域連携で実施している業務はどうなるのですか。
Q20 関西広域連合で設定される広域観光ルートに参加しなくても大丈夫ですか。近府県と協力して広域観光ルートをつくれば、観 光客がもっと増えるのではないですか。
Q21 関西広域連合に入っていないと、大地震が起きたとき、奈良県だけ助けてもらえないということはないですか。
Q22 県外に働きに行っている人が多い(県内に働く場の少ない)奈良県では、産業面で連携しないとさらに取り残されるのではない ですか。
Q23 関西広域連合の「連携団体」になるというのはどういうことですか。
Q24 関西広域連合に入らないと、国の出先機関の業務を受けられないのではないのですか。関西広域連合で国の出先機関の 業務を受けることになると奈良のことは放っておかれるのではないですか。
☆「関西広域連合について」出前トークします。申込はこちらから。
出前トーク資料(A4 21ページ)
☆県政情報番組「奈良!そこが知りたい」の動画配信 平成23年1月15日に奈良テレビで放送されました。 コメンテータに立命館大学の森教授を迎え、“県が関西広域連合参加を見合わせた理由”について わかりやすく解説されております。
☆各資料の印刷用データはこちら☆
ホームページで掲載している内容を印刷されたい方はこちらをご利用下さい。(A4版 3ページ)
奈良県の考え方を1枚にまとめたものです。 (A4版 1ページ)
Q&A 24項目全て入っております。(A4版 10ページ)
県民だより奈良に掲載した”奈良県の「関西広域連合」に対する考え方”の記事です。(A4 1ページ)
出前トークで配布させていただいている資料です。(A4版 21ページ)
市長会での講演で配布させていただいた資料です。(A4版 16ページ)
☆その他、関西広域連合に関する知事の発言等については、下記をご参照下さい。
・議会答弁 (平成23年9月議会 森山議員の質問に対する答弁)
・議会答弁 (平成23年9月議会 新谷議員の質問に対する答弁) ・議会答弁 (平成23年9月議会 川口議員の質問に対する答弁)
・議会答弁 (平成23年6月議会 藤本議員の質問に対する答弁)
・議会答弁 (平成23年6月議会 米田議員の質問に対する答弁)
◇地方分権改革についての本県の考え方 |