出会う 奈良県歴史文化資源データベース

桜本坊 さくらもとぼう

記入年月日 2016/11/30

所在地
奈良県吉野郡吉野町吉野山
区分
建造物 | 宗教建築
指定内容

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
桜本坊は金峯山修験本宗別格本山の寺院で、吉野山にある大峯山護持院の一つとして知られています。また、大海人皇子の伝説が残る寺院でもあります。
この桜本坊ですが、もともとは現在とは異なる場所にありました。しかし、明治時代に廃仏毀釈や修験道禁止令などによって大変苦しい時期を経験し、その後今日の場所で復興して、現在にいたっています。本尊は重文木造役小角像。同じ堂内には町指定の役行者坐像がまつられています。境内の山伏文化諸仏堂には、重文銅造釈迦如来坐像・重文地蔵菩薩坐像など多くの仏像などが保管・展示されています。境内のギンモクセイは、桜本坊のギンモクセイとして奈良県の天然記念物に指定されています。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
今日の桜本坊は、地域の方々や吉野山を訪れる山伏が信仰する修験道にとって大切な場所、大峯山の護持院の一つであり、修験者から崇敬を集めています。修験の根本道場としての吉野山において極めて重要な寺院です。
「記紀・万葉集」との関連とその概要
吉野山では、大海人皇子が壬申の乱の前に入られた吉野宮は、吉野山にあったと伝えられています。桜本坊は、そうした吉野山に残る大海人皇子伝説の場所のひとつであり、同寺の玄関先には天武天皇夢見の桜という桜があります。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
大海人皇子
当資源と関連する文献史料
『和州巡覧記』『吉野山独案内』『大和名所図会』『西国三十三所名所図会』
当資源と関連する伝承
ある冬の日、吉野山で過ごしていた大海人皇子は満開の桜を夢に見ます。翌朝、目を覚まされた大海人皇子が前方の山を見上げると、夢そのままに一本の桜が美しく咲いていました。そこで、大海人皇子が役行者の弟子である角乗法師に占わせると、それは帝王となる兆だと判じたといいます。このことが縁で、桜本坊は大海人皇子が創建し、寺号を名づけたと伝わります。
他地域の関連する歴史文化資源
吉野山の袖振山(勝手神社裏にある山)では、大海人皇子が琴を奏でていると天女が現れて舞を舞ったという伝承が残っており、五節の舞の起源とされています。
問い合わせ先
吉野町教育委員会事務局
電話番号
0746-32-0190

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見解・学説等の相違については、ご了承ください。