「土倉翁造林頌徳記念」岸壁碑文 どぐらおうぞうりんしょうとくきねんがんぺきひぶん
記入年月日 2017/09/29
- 所在地
- 奈良県吉野郡川上村大滝1071番地1・同番地2
- 区分
- 碑文・道標 | 記念碑
- 指定内容
- 村指定歴史記念物文化財
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- 歴史文化資源の概要
- 吉野林業の中興の祖、造林王・土倉庄三郎(1840年(天保11年)~1017年(大正6年))の功績を讃えて1921年(大正10年)に作られた「土倉翁造林頌徳記念」と彫られた岸壁碑文 岸壁碑文は林学博士本多静六氏の呼びかけによって作られ、碑文の全長23.6m、一文字の大きさ約2m、文字の深さ36㎝あります。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 川上村大滝に生まれた土倉庄三郎は16歳で家督を継ぎ林業の発展の力をいれ、後に苗木の密植と丁寧な育成で優れた木材を生産する伝統の吉野林業を集大成し「土倉式造林法」を生みだしました。1898年に「吉野林業全書」を刊行し吉野林業の技術を全国の林業家に指南しました。 庄三郎は、自らの財産を三分の一は国のため、三分の一は教育のため、三分の一は事業のために使うという信念のもと、その生涯は造林への情熱と教育への支援、そして郷土愛に満ちたものでありました。 功績としては以下のものがあります。 ・明治3年(1870年)政府より水陸路御用掛を拝命 ・明治8年(1875年)に大滝村(川上村大滝)に小学校を作り、教科書、文房具用品を支給、また翌年に奈良県下でも珍しい小学生に洋服の制服を支給 ・東熊野街道の開設工事に着手 ・明治13年(1880年)自由民権家中島信行に遊説資金3千円の提供 ・板垣退助自由党総理の欧州漫遊に際し旅費2万円を提供 ・私設中学「芳水館」をつくる ・新島譲に5千円を出資し同志社大学の設立に寄与 ・成瀬仁蔵に5千円を出資し広岡浅子とともに日本女子大学設立に寄与 ・養蚕を奨励し郷内(川上村)全戸に桑苗10万本を分配(10年間継続) ・静岡県天竜、群馬県伊香保、兵庫県但馬、滋賀県西浅井でも造林事業を行い林業振興に尽力する ・吉野鉄道株式会社の設立にかかわる
- 当資源と関連する歴史上の人物とその概要
- 板垣退助(自由民権運動) 新島襄(同志社大学) 広岡浅子(実業家) 成瀬仁蔵(日本女子大学) 山縣有朋(総理大臣) 本多静六(林学博士)
- 当資源と関連する文献史料
- 川上村史 奈良県史 土倉家文書目録(天理図書館) 同志社史料編集室文書
- 問い合わせ先
- 川上村教育委員会事務局 文化財係
- 電話番号
- 0746-52-0144
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