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吉野林業と林産加工用具 よしのりんぎょうとりんさんかこうようぐ

記入年月日 2017/09/15

林産加工用具(樽丸)
林業用具
林産加工用具(割箸)
所在地
大和郡山市矢田町545番地
区分
民俗 | 有形民俗文化財
指定内容
国指定重要有形民俗文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
奈良県南部の吉野郡内で使用されていた育林を中心とした林業関係用具と、豊富な木材資源を利用した林産加工品の製作に用いられた用具類及び一部製品から成る1,908点の資料群です。
【内訳】
(1)林業用具〈616点〉
A苗作(カルコ、カギボウ、クビカケブクロなど採種、苗作りの用具)18点、B植林・伐採(エダウチヨキ、コトジダイギリなど)273点、C木挽(コビキノコなど縦挽き鋸類と関連用具)43点、D搬出・運搬(トビ、ツル、キマワシ、キンマ、イカダサオ、イカダツナなど)208点、Eその他74点
(2)林産加工用具〈1,292点〉
A 樽丸(桶、樽用材の製造)192点、B 桶 85点、C 割箸 44点、D 丸箸 54点、E 経木(板塔婆などに用いる片木板作り)191点、F 曲物(木目に沿って剥ぎ割った薄板を曲げて器を作る)86点、G 平杓子205点、H 坪杓子(汁物用の杓子)119点、⑨I 挽物(ロクロとカンナを用いて木地を刳り、椀などを作る)317点
【時代】明治~昭和30年代
【地域】吉野郡全域、但し十津川村を除く。
※十津川村については、平成3年(1991年)に重要文化財「十津川郷の山村生産用具」(十津川村)が指定を受けているため、当該指定から除外されています。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
最先端の育林技術の波及と伝統的な天然林利用の変容が共存した近代の吉野地域の姿、大都市近郊に位置する山村の生産活動の様相を示す資料が体系的にまとめられています。
育林技術の先進的モデルとして知られる吉野林業の技術体系を明らかにするとともに、植林地の拡大によって近世以来継続してきた天然林の利用が、歴史的、地理的にどのように変化したのかを具体的に示しています。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
土倉庄三郎(1840~1917年) 明治時代の林業家。吉野川の改修、東熊野街道の開設など林業の基盤整備を行う一方、伝統的吉野林業技術を普及させ、近代的造林学の発展に寄与。吉野林業および日本林業に先覚的な役割を果たしました。
当資源と関連する文献史料
森庄一郎著『吉野林業全書』明治31年(1898年) 谷彌兵衛著『近世吉野林業史』思文閣2008年
他地域の関連する歴史文化資源
重要有形民俗文化財「十津川郷の山村生産用具」3,174点(十津川村)
問い合わせ先
奈良県立民俗博物館
電話番号
0743-53-3171

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。