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木造十一面観音立像、木造二天王立像 もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう、もくぞうにてんのうりゅうぞう

記入年月日 2022/04/21

木造十一面観音立像
木造二天王立像(開口像)
木造二天王立像(閉口像)
所在地
大和高田市藤森299
区分
彫刻 | 神像・仏像
指定内容
市指定有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 十二社神社の境内地内に所在する観音堂(扁額には慈雲寺)に安置されています。木造十一面観音立像1躯および木造二天王立像2躯が令和4年度に市指定を受けています。
 木造十一面観音立像は観音堂の本尊と考えられます。桧とみられる一材から頭体幹部を彫出し、両耳後ろから体部側面、踵の後方で前後に割矧いで内刳りを施すとみられます(一木割矧造り)。表面には彩色を施しています。制作年代は平安時代後期と考えられます。
 木造二天王立像は本尊の十一面観音像の両脇を護る天部像2躯です。口を開いている方を開口像、閉じている方を閉口像と呼び分けています。開口像は頭体幹部を通して一材より彫出し、両耳後ろを通り、左脚はふくら脛半ば、右脚は脚後方に抜ける線で前後に割矧いで、内刳りのうえ、襟際で割首するとみられます(一木割矧造り)。閉口像は頭体幹部を通して一材より彫出し、左耳中央及び右耳後方を通り、左脚はふくら脛半ば、右脚は脛中央に至る線で前後に割矧いで、内刳りのうえ、襟際で割首するとみられます。いずれも表面には彩色が施されています。制作年代は同じく平安時代後期と考えられます。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
 十一面観音立像、二天王立像ともに市内において数少ない平安時代後期に遡る貴重な遺品であり、重要性が高いです。当地にあった本格的寺院の姿を想像させるもので、彫刻史のみならず、大和高田市の歴史上において貴重です。現在は地元(藤森自治会)の方々によって大切に管理されています。
問い合わせ先
大和高田市教育委員会事務局教育部生涯学習課
電話番号
0745-53-6264

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。