はじめての万葉集


はじめての万葉集
高松(たかまと)の この峯(みね)も狭(せ)に 笠(かさ)立(た)てて
盈(み)ち盛(さか)りたる 秋の香(か)のよさ
作者未詳
巻十二二三三番歌
高松のこの山の頂も狭いほどに、きのこが笠を立てて満ちあふれている、秋の香りのよいことよ。
秋の香り
 「秋の香り」と聞いて、みなさんは何を連想しますか。さわやかな空気、キンモクセイの甘い香り、秋刀魚(さんま)の焼ける香ばしい匂いなど、それぞれに思い浮かぶ香りがあることと思います。
 この歌は『万葉集』で唯一「芳(か)を詠める」と題された歌です。「笠立てて」と表現されていることから、とくに山に生えたきのこの芳香を詠んだ歌とみられます。きのこ狩りを楽しんだことがある人には、実感としてご理解いただけるかもしれません。
 山に生えるきのこと言っても、その種類は豊富です。おなじみのシイタケやシメジやマイタケなどにも特有の香りがありますが、最も香り高いきのこといえばマツタケだ、という意見で一致するのではないでしょうか。
 マツタケは現代日本で特に珍重され、高値で取引されるのが秋の風物詩となっています。焼き物や土瓶蒸しとして食卓にのぼるだけでなく、食用の合成香料まであることから、その独特の香りがいかに日本人に好まれているかがわかります。
 「高松のこの峯」とは、奈良市の高円(たかまど)山を指すと考えられています。同じ用字は『万葉集』中に複数例みられるので、この歌だけが特別ではありません。しかし、「松」「笠」「香」と漢字が並べられているのを見ると、マツタケを示そうとしたのでは、と考えたくなります。
 高円山は、平城京の郊外にあたり、聖武天皇の離宮も営まれました。万葉歌では秋萩の名所というイメージがありますが、この歌ではあえて秋のきのこを詠んでいるところに面白味を感じます。
(本文 万葉文化館 井上さやか)
万葉ちゃんのつぶやき
奈良のシイタケ
 現代では高価なものとなり、食べる機会も少ないマツタケ。一方、一年を通して食べられ、私たちに身近なきのことしてシイタケがあります。外国産シイタケもよく見かけますが、やはり国産のシイタケは格別。県内でも香り高く味わい深いシイタケが栽培されています。おいしい生シイタケは、肉厚でカサの裏側が真っ白なものを選ぶのがポイントです。
 ちなみに、シイタケの栽培には「原木栽培」と「菌床栽培」があります。それぞれ特有の味と風味がありますので、ぜひ食べ比べてみてください。奈良県産のシイタケは、道の駅や直売所、スーパーなどで購入可能です。
「新発見!おいしい奈良」ではシイタケのレシピをご紹介!!

原木栽培シイタケ
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