令和3年2月19日(金曜日)令和3年度当初予算案・令和2年度2月補正予算案記者会見

司会:
 おはようございます。

 ただいまより令和3年度奈良県予算案につきまして、知事記者会見を始めさせていただきます。

 それでは、知事、よろしくお願いいたします。



【報告】第33回全国「みどりの愛護」のつどい開催決定について

《資料(県)》 (新しいウィンドウが開きます。)

《資料(国)》 (新しいウィンドウが開きます。)



知事:
 予算案の説明の前に、発表案件が1つあります。

 この時間、機会を利用させていただいて、その発表案件については、国のほうと今日の発表の調整ということでありますので、そうさせていただきます。後刻、担当からも説明いたしますけれども、「みどりの愛護」のつどいというのが国から決定がありまして。令和4年春に、全国「みどりの愛護」のつどいを奈良で開催することの決定がありましたので、その発表でございます。

 場所は、国営平城宮跡歴史公園ということでございます。平城宮跡の南門がその頃開業いたしますので、それに併せてというご趣旨かもしれません。国の公園緑地のほうで大変お世話になっておりますけれども、これまで18回まで国営公園で開催されていた「みどりの愛護」ですが、19回からは都道府県持ち回りで、来年は奈良は33回になりますけれども、国営公園でずっと開催されていたゆかりがございます。国のほうの公園緑地の関係も深いので、その国営平城宮跡歴史公園で開催されるというので歓迎をしたいと思います。

 通常でございますと、皇室のご臨席を賜るということになっております。時間拝借いたしまして恐縮でございましたけども、取りあえずそれをご報告いたします。

NHK:

 「みどりの愛護」のつどいの決定が得られたということについて改めて伺いたいんですが、場所の整備も進める中で、このタイミングでの決定、県としてこの行事をどのようにお迎えしたいかというところのお気持ちを伺えますか。

知事:
 私の感想は、まずありがたいことですけれども、「みどりの愛護」の旗を振っておられるのは国交省なんですね。国交省というのは、緑というと、山とか、本当は林野庁とかっていうこと、林野庁は木の幹ばっかり見るから、緑というイメージが私からは出てこない。山は緑をもっと大事にしなければ、針葉樹ではなく広葉樹で大事にしなければいけないと、落葉樹でもいいんだけどというイメージがあるんですが、山の方へなかなかいかない。山はちょっと緑から排除されているようなイメージがあるぐらいなんで、それは都市公園ということになります。奈良は緑が豊富なんですが、都市に緑をというのはとても大事なことですので、それが国営公園という発想で、公園緑地の方で国交省から力を入れてきていただいているのも関係するのかなと思っています。

 奈良で植樹祭をするのは、山の中で本当はもっとすればいいんですが、あまりないんですね。国交省では街の中でしようと、国営公園や都市公園でやる。だから大体市でやることが多いですよね、場所として。村でやることはあまりないという印象がします。もっと村とか山で緑は大事なんだよ、地球温暖化対策として緑をもっと大事にしなければという動きになればいいんですが。ちょっと辛辣に言うんですが、国の森林行政は材木行政だということはよく分かっていますので、そういう印象で、街の「みどりの愛護」として国交省が力を入れておられると、感想として思います。これは大変結構なことで、その中で国営公園という、国営公園は緑ばっかりではないんですが、やはり緑も多いですので、緑と街の調和ということになります。緑と街とが一緒にあるというような、それが奈良にはなかなかないので、土地利用という形で、どこでもそうですが、緑の山はほったらかし、街の緑もほったらかしというのはちょっと悲しいなというのが印象です。

NHK:
 ありがとうございます。

司会:
 「みどりの愛護」のつどいについては、後ほど資料を配付させていただきます。



【案件】令和3年度当初予算案・令和2年度2月補正予算案について

《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)



知事:
 それでは、この予算案の要点で私からは説明させていただきたいと思います。たくさんございますので、はしょりながら手短にということになりますが、お許しください。

 1ページでございますが、予算編成に当たっての考え方については、従来からの延長でございます。脱ベッドタウン、それから課題は高齢化、人口減少というようなものを引き続きの方向としたいと思います。

 2ページでございますけれども、予算の規模でございます。当初予算5,366億円ということで、前年度より4.3%減ということになっておりますが、補正予算を加えて比較いたしますと、右の上のほうの参考のとおり、211億円、プラス3.7%ということになっております。下のほうでは、特例事項のように判断できます道路公社の第二阪奈の清算金収入が前年度に277億円ございましたが、それは何十年に1度の特記予算でございますので、それを比較の上からは引いております。予算規模については、そういうことでございます。

 3ページは、歳入歳出のポイントという、数字的なポイントを簡単にご紹介いたします。

 歳入では、税収が減ってきております。6.8%、136億円の減予算、国から交付税、臨財債が来ますので、それが202億円の増加ということでございます。それから、諸収入は、先ほどの特記事項になりますが、第二阪奈の清算金受入れが減ったということなどが影響しております。

 歳出のほうでございますが、義務的経費が182億円減ということでございます。これは人件費とともに、臨財債の繰上償還が150億円と、これも財政事情でございます。投資的経費が15億円プラスということになっておりますけども、これも増減がございます。公共事業は34億円マイナスでございますけども、補正を入れますと増えぎみだと思います。それから、一般施策になりますけれども、これも道路公社の積み上げが大きな影響がありますので、それを引いていただきますと、トレンドとしては今までの延長というふうに思われます。

 4ページでございますが、県が力入れております債権管理でございます。県債残高のうち交付税措置のない県債残高というのは県民の負担に直結いたしますので、それを優先して減らす努力をしてまいりました。4,384億円、10年前にありましたのが、730億円の減が達成できました。これは県税収入で返すということになりますので、県税収入との比率ということにメルクマール(目標達成までに設定する中間目標)を置いて努めてまいりました。10年前4.3倍になりましたのが、今、3倍程度になっております。これを堅持していきたいというふうに願っております。この10年間のパフォーマンスはよかったほうだと思います。それを加えました県債残高総額でございます。臨財債とか、国の交付税措置があるものがこれに上乗せになるわけでございますけれども、それも減らしていこうと。臨財債をやりくりで、できるだけ前倒しで返すようにしようというオペレーションをしてまいりました。それでピーク時から790億円を減少が達成いたしました。1兆円を下回る見込みまで戻ってまいりました。県債管理という面でのご報告でございます。

 5ページからは、政策予算のご説明になります。「都」づくりの項目に合わせて予算説明をするというスタイルを今年からとっておりますので、そのようにご理解ください。

 10ページからは、栄える「都」ということでございます。11ページをお開きください。11ページから経済でございます。11ページから17ページということでございますが、特記的なことをご説明いたします。

 11ページでございますが、工場誘致というのを経済の中で大きな重点事項にしてまいりました。左上にありますように、工場立地件数ということをずっと重点項目にしておりました。工場誘致件数が、左上の項目ですが、令和元年、令和2年は間もなく発表になると思いますが、近畿で2位、全国8位のランクでずっと続いております。これを続けていきたいということでございます。誘致活動の予算を取っておりますけれども、土地がなくなってまいりました。希望が多くて、提供できる用地が少なくなってきております。

 12ページになりますが、工業ゾーンの創出ということにさらに力を入れたいと思っております。そのための創出の支援事業を行いますとともに、ショーウインドーと言っておりましたが、県が直轄でやる産業用地造成は御所インターチェンジの前の産業用地造成だけでございますけれども、長年かかりました用地取得が可能になりましたので、その造成の予算を上げているのが特徴でございます。

 それから、13ページになりますと、スタートアップの支援をしたい。これは後で出てきますが、大和平野中央のスタートアップ、起業が中心になりますけれども、力を入れたいというふうに思っております。

 14ページは研究開発支援、それから15ページが海外・国内販路拡大、それから16ページが売る力の強化・商店街活性化でございます。そのような経済の施策をまとめて、17ページになりますが、経済産業総合戦略というものの指針をつくりたい。今まで奈良県になかったんですね、こういうのは。また、つくっても言葉だけになる可能性がありました。何度もつくろうと思ってこうやってきたんですが、なかなかできなかったんですけども、今、先ほどまでずっとご説明申し上げましたようにいろんなことを、製造業、農業・観光、農業・観光は後でまたご説明いたしますが、実績が出てまいりました。大都市と比べて小さな実績でございますけれども、奈良県にとっては今までと違う実績が出てまいりましたので、経済産業振興大綱を策定しようかという予算を計上しております。雇用というのが地方の大きな課題でございます。

 18ページからでございます。働き方・雇用の項目でございます。18ページから21ページまでございます。働き方改革の実践ということで。18ページでは、最近テレワークなどという新しいのも出ておりますけれども、働き方改革はもう少し大きな、構造的な要素、要因があると思います。グローバル化の中での日本の働き方、正規・非正規の関係というのは一番大きな課題だと思っておりますけども、非正規の多い奈良県でございますので、働き方改革の大きな波の中で奈良ももがきたいと思っております。

 19ページは就業支援・離職者支援。それから20ページになりますが、障害者雇用は全国一の障害者雇用率でございます。民間の人に頑張っていただいて、ありがたいと思っておりますけれども、障害者の働き方の中でテレワークもこの際、推進をしていこうかと思っております。21ページは、外国人労働者の県内での円滑な受入れということでございます。左上に書いてございますが、6,000人を超える外国人労働者が奈良県におられます。大事にしなければいけないというふうに思っております。

 23ページからは、観光の分野に入ります。観光の分野は項目が多いんですけど、23ページから39ページまで観光です。

 23ページは、宿泊の立地促進事業の補助金を、新規でありますけれども、創設をいたします。

 それから、24ページはコンベンションセンターを利用した観光振興です。まだ十分活用できておりません。コロナが済みましたら本格的に活用したいと思います。

 25ページでございますが、奈良公園周辺のホテル整備で、これからというところが吉城園周辺と奈良監獄ということでございます。右の奈良監獄のホテル整備に併せて、これは公園特区になっておりますので、上乗せ利子補給を来年度予算から考えていきたいと思います。星野リゾートが奈良監獄、森トラストが吉城園周辺ということになっております。

 26ページでございますが、多様な滞在の仕方の促進ということでございますが、その中で④で「いまなら。キャンペーン」、奈良県民に限定したキャンペーンに来年度も5億円計上したいと思っております。

 それから、27ページは、宿泊予約の便利性、28ページは、奈良公園のアメニティでございます。29ページをお開きください。奈良公園周辺の交通改善ということでございます。バスターミナルの運営を、後でまた出ますが、平城宮跡の歴史公園の用地買収が少し広がりますので、そこをバスターミナルのバス駐機場にしようという構想でございます。令和3年の秋に運用開始。それと、この春になりますけれども、西大寺駅南口が供用されますので、ぐるっとバスの青バスを西大寺駅南口を起終点にした大宮通り直行型に、この春から変更していきたいと思っております。

 30ページでございますが、これも新規になりますが、県立文化会館については、耐震化を優先して段階的にというふうに思っておりましたが、耐震化は当初の予想よりももちそうだという報告を受けまして、じゃあ一気に文化会館を整備しようと。そのほうが効率的でありますし、休館の期間が短くなるということでございますので、3年度から基本設計、実施設計を入れさせてもらうということでございます。左下のほうにその図がございますが、建て替えじゃなく改修でございます。それから、右のほうの美術館の裏は登大路の窯跡の現地保存に踏み切りましたので、それを踏まえた整備手法を検討すると。奈良公園全体の文化の展示力を向上する。これだけ文化の展示施設がそろっている地域はなかなかないですので、統合性があまりなかったということでございます。お寺の事情がいろいろあるわけでございますけれども、一括して見れるような地域にだんだん持っていこうと。

 31ページ、大宮通り・近鉄奈良駅周辺でございます。近鉄の奈良駅前の環境整備ということで、下のほうでございます。近鉄奈良駅の西口、また行基広場の管理権を奈良市から県に譲渡していただきまして、地元関係者も交えた勉強会で整備内容を検討しております。それを続けていきたいと思います。

 32ページでございますが、大極殿の南門、東側、南側ということでございます。南門については、先ほど申し上げましたが、令和4年の春に完成予定でございます。この東側につきましては、令和7年度の完成を目指して用地買収などをしております。上のほうの予算項目でございます。実物大の正倉院を置いて、歴史体験学習館というふうにしていきたいと思います。南側でございますけども、セキスイハウスからの用地買収ができました。これを公園として整備する、朱雀大路の西側を産業通りまで広げるということと、この都市公園の一部を利用してバスターミナルのバスの駐機場に利用する。また、平城宮跡の駐車場にするということでございます。また、近鉄の平城宮跡内からの線路移設となりますと、この辺りに朱雀門駅ができないかどうかということが県の構想の中に入っております。

 33ページは、中町の道の駅の整備が進んできておりますので、その実行予算でございます。34ページは自転車の関係、35ページはいろいろやってきております県内イベントを続けることになります。36ページからは食の振興、観光でございます。その中の⑥でございます。ガストロノミーツーリズムというテーマがございますが、国際シンポジウムが2年に1度ありますけども、奈良が手を挙げておりまして内定を頂いておりますので、その開催に向けた準備をすると。世界フォーラムを奈良でやるということの準備でございます。

 37ページは、海外プロモーションでございます。その中で新まほろば館のことが上がっておりますが、38ページになります。奈良まほろば館新拠点への移転でございます。日本橋にありましたまほろば館は、日本橋開発までという約束でございまして、値段は大変安かったんですけれども、開発が進んできましたので移転場所を探しておりましたが、新橋駅前、直近の場所に新築のビルの1階、2階が借りれることになりました。2階は奈良の食を、食材を使ったレストラン、1階は物販だというようなことでございます。また、1階の入口に大きなビジョンを置きたいと思っております。ビジョンを2台置いて、奈良のいろんな景色、空撮などがすごいとこがありますので、それを常時江戸の人に流していきたいという構想でございます。その予算を計上しております。

 それから、以上のような観光の施策をまとめまして、観光総合戦略ということをしていきたいと思います。長期的なものと短期的なものがございますが、長期的なものは、リニアが奈良市附近駅にできるということを見据えた奈良観光戦略、これは全然違う観光地になる可能性があります。今までどおりでよかったらいけませんよ、見違えるようにしないといけませんよといった観光戦略ということにしたいと思います。

 40ページからはまちづくり、安全安心なまちづくりというテーマでございます。安全安心な地域づくりが41ページから、防災中心に46ページまでございます。防災でございます。41ページでございますが、大規模広域防災拠点の整備ということでございます。五條にその大規模広域防災拠点を整備するという方向で、昨年、国に陳情して、緊急防災債ということに方向が、ちょっと明かりが見えてまいりました。総務大臣が応援するよと言っていただきましたので、それが確実になるような準備をしていきたいと思います。どのようにするかというのは、この基本計画をちゃんとつくって運用方針を決めなさい、それから用地取得をしなさい、それから測量など準備をしなさいということでございますので、その予算を計上するというのが大きなことでございます。

 そのときに、南海トラフ対応でございます。いつ来るか分からないという状況でございます。できるだけ早くその防災機能が発現できるようにということです。大きな防災機能は時間がかかりますが、少しでも防災機能が発現できるようにということで、1期、2期、3期に分けて、まず平場でもできたら防災機能になります。それから、600メートルの滑走路、それから谷間を埋めて2,000メートル。谷間を埋める土はリニアが掘り出したり、京奈和自動車道の大和北のトンネルの土、あるいは新天辻の土など公共事業の土が近所で出ますので、その土で谷を埋める、土捨場にすることで谷を埋めていくという考えでございます。長期になりますが、今、奈良ではその土捨場、特にリニアの土捨場が要るという事情がありますので、この谷を埋める構想まで踏み切って防災拠点にしていきたいという構想でございます。緊急防災債の適用がありますと、100%の充当率で7割の国の交付税措置がありますので、7割の助成があるということでございます。これがあると2,000メートルも財政的には可能と思いますが、それが南海トラフ対応ということで、やっぱり喫緊の課題になってきていると思いますので、間に合うようにと思って、少し待ってほしいと、南海トラフちょっと待ってくださいといったような気持ちでございます。南海トラフは必ず来ると、こう気象庁は言っていますので、やっぱり怖いと思います。

 それから、それに合わせてアクセス道路、国道168号の手前でありますので、京奈和自動車道五條西インターからアクセス道路を新規につくるという調査を開始したいと思います。直結道路になりますので、防災の観点からも、道路の観点からも、むしろいいポジションにある。先日、内閣の防災の小此木大臣の防災担当の大臣室も参加していただきまして、学者の人に第1回の検討会をしていただきました。位置はとてもいいですよと、紀伊半島の中で位置はとてもいいですよというのと、南海トラフ対応で、この紀伊半島、近畿地方で唯一このような基地がないということがございましたので、その視点がありました。唯一基地がない地域の拠点になりますよということと、その位置はここがいいですよということは言っていただきましたので、大変心強く思っております。

 それから、42ページは、それに合わせて消防学校の整備をしていきたい。それから、43ページは、防災になりますけど、直轄遊水地と内水対策の整備、これはしばらく前から続けておりますけれども、熊本の球磨川が氾濫したりして大きな人的な被害が出ておりますので、100年に1度の水害にももつように、災害が少ないようにという願いを込めて整備していきたいと思います。

 地球温暖化が進んでおります。アメリカではハリケーンがすごい威力になるというようなことで、今の政権の中で地球温暖化のほうにバイデン政権がかじを切りましたのは、やはり大雨が降るということだと思います。それが奈良に降らないだけで助かっているということでありますので、天の気まぐれで、じゃあ次、奈良降らそうかということになる可能性もありますので、とても用心をしております。

 それから、44ページは水との関係もありますが、土砂災害対策になります。それから、奈良は自然災害が少ないんですけど、それはいろんな意味でついているということであります。雲の流れがいろんなところでブロックされて、奈良に大きな雲が来ないというような気象の事情かと思います。それは幸いなんですけども、天が気まぐれに雲を持ってくるかもしれませんので、それを恐れて災害対応、今の防災拠点のほか、地震と治水というのが大きなことでありますけども、従来の火災というのも、文化財がありますので、そのようなことをしたい。命を救うという救難マネジメントのほうにも手を入れるということにしたいと思います。それが46ページでございます。

 それから、47ページからは、ちょっと気分が変わりますが、きれいな奈良県づくりということでございます。

 47ページからきれいな奈良県づくりが、52ページまで続きます。いろんな項目がございますが、1つ目は、「なら四季彩の庭」づくりでございます。長期的なことになりますが、奈良県の自然を1つの庭に見立てて、四季折々の庭づくりをしていこうということでございます。そのような小庭と言っていますが、庭が今50以上、その庭の固まりが出てきております。奈良公園も50以上はある庭の1つということになります。そのような構想で、その中の1つになりますが、48ページ、馬見丘陵公園を花の公園に整備をしておりましたが、どんどん進んできておりますので、さらに進めたいという構想でございます。

 それから、49ページは、きれいにする中での大和川のきれい化、まず水質でございますが、日本で一番水質が汚かった奈良大和川、今は下のほうから3位か4位になって、日本の川はどんどんきれいになっていますが、その中で水質が悪い、汚い理由がもう分かってきておりますが、下水の不整備です。この左の上にありますように、その赤いところは不整備です。この右の下と同じですけども、この赤いところが、菩提川、土庫川、三代川、岡崎川、奈良市と斑鳩などがこの赤い川がありますけども、その川が悪いんじゃなしに、下水の整備をしていないからということが分かってきております。これは市の責任なんですけど、市町の、なかなか財政的な事情もあってしていただけないという事情でありますが、浄化槽の整備などは県の役割ですので、きれい化を推進してきているということでございます。水質のほかに、川辺というのも大事でございます。50ページは川辺の整備でございます。51ページは、道路の無電柱化、これも奈良が遅れている分野でございます。52ページは、プラスチックごみの整備、きれい化は以上でございます。

 それから、まちづくりが53ページから続きますが、まちづくりが53ページから56ページまで続きます。土地利用とまちづくりでございますけども、全国同じような傾向にあるんですけども、農村とまちづくりというのがなかなかうまくマッチングしないのが日本の特徴でございます。奈良県は、それに輪をかけて人口が増えたときに住宅ばかりを農村につくってきた、大変見苦しいまちになってきているという1つの典型的な例でございますので、これからは都市、農村、森林が共生できる新たな土地利用の仕組みをつくっていきたいと。この書いておりますような構成員で勉強を1年以上始めております。大変励ましていただいております。これから大事なのはこの分野だということを言っていただいておりますので、この土地利用とまちづくりを進めたいと思います。

 54ページは、住まい方改善で、県営住宅を利用して、県営住宅跡地も利用してまちづくりをしようということでございます。それから(55ページは)、田舎は交通の便がいいのかどうか分かりませんけど、公共交通が大変問題になって、機能が低下しております。そのようなことに対応する試みでございます。それから、56ページは、くらしやすいまちづくりの中で、自治会と連携協定をしようということを始めました。防災中心でございます、防災・高齢化社会対応でございます。

 57ページからは、子育てでございます。子育てが57ページから61ページまで続きます。出生率とも関係いたしますが、子育て不安の解消というのが57ページでございます。58ページは、保育の量と質の確保という項目でございます。それから、59ページは子どもの居場所づくりと里親制度の普及でございます。その中で、こども食堂をつくることに力を入れたいと思っております。60ページは、児童虐待防止でございます。いろんな研究を進めておりますが、まだ解決までなかなか至りません。それから、子どもの通学・通園路の安全確保ということにも力を入れております。

 62ページからは、女性活躍の推進ございます。女性の幸せ応援というテーマで、総合的な施策をつくっていこうというのが62ページでございます。63ページは、その中で特に子どもの貧困対策、ひとり親家庭支援に力を入れていきたいと思います。家族のあり方というのはどんどん変わってきておりますので、ひとり親家庭ということは経済的にも大変お困りでございます。核家族化など、いろんな生活の仕方が変わってきておりますので、それに対応してと思っております。

 64ページは、脱炭素時代の奈良県エネルギー政策でございます。右上の木質バイオマスエネルギーの普及に力を入れたいと思います。シュタットベルケ(地域電量公社)というのがドイツの地産地消のような発想ですけれども、奈良県では後で出ますが、大和平野中央でシュタットベルケができないかということを検討しております。それから、森林環境が脱炭素の大きな要素になることが分かってきております。日本は、針葉樹で木材の幹を利用しようとして、葉っぱを地球温暖化対策に役立てるという発想が低かったんですね。国に任せられないから、奈良はもっと広葉樹を増やそうと、混交林に誘導しようともう舵を切り始めています。それを進めるということになります。奈良の森林環境管理政策、その中で奈良は混交林の誘導整備ということになります。杉のような葉っぱのない樹ではなく、葉っぱの太い広葉樹をもっと植えていこうという発想になります。

 65ページ以降はインフラですが、道路が66ページから80ページまで続きます。ざっと説明すると、66ページは、京奈和自動車道、大和北、大和御所でございます。この写真にありますように、工事が始まっております。用地買収は国の事業なんですが、大和御所は104件の未買収地がありましたが、今、8件までになって、強制収用をかけたいと、かけるのは国ですけれども、かけるようになればと思っております。

 67ページは、奈良付近の京奈和自動車道と西九条佐保線。西九条佐保線は県が施工している道路ですけれども、これも大きな道路で、右下の図にありますように、京奈和自動車道奈良インターとJRの関西本線新駅をこの辺りにつくることにいたしました。これも楽しみでございます。

 68ページは、先ほどの大和御所区間の4キロ足らずでありますが、このように工事が進んでおります。高架と地下を合わせた道路になります。69ページは、国道163号、清滝生駒道路でございます。これは国の道路でございますが、進めていただいております。70ページは、国道168号、西の方の道路でございます。これは県が進めております。用地買収が難航しておりますが、順調に進んでおります。

 それから(71ページは)、大和中央道、大和平野中心部の関係ですが、資料にありますように、中町の橋はできております。郡山の近鉄の下をくぐる道路も今、工事中でございます。72ページは、中心部の阪奈道路の結節点でございます。辻町インター、これは用地買収で今、正直難航しております。それから、右の図は第二阪奈の交差を立体化しようという試みでございます。その詳細設計の予算を計上するところまでまいりました。

 南の方になりますが、国道168号でございますが、大体全区間事業化が進みました。その中で新規の事業化、右のルート案で大規模広域防災拠点の下を通過する新規のアクセス道路の調査費を計上したいと思います。その下は新天辻、これは県の施工になります。それから、その次は国道168号のさらに南の方になりますが、長殿、十津でしていただいている直轄道路です。

 それから、75ページが、御所高取、京奈和から南東に行く道路ということです。右下の東南エリアと京奈和に直結する道路でございます。それから、国道169号になりますと、川上・上北の方の道路が2つ進んでいる、これも伯母峯は直轄でございます。大和平野東部につきましては、桜井市ですが、白河バイパス、百市工区と、2つの大きなプロジェクトがございます。

 それから、道路の維持について、体系的な道路維持をしようということをここ数年やり始めております。79ページですが、総括的にここまで進んできております。選択と集中でやりましょうということをずっと進めてきているのが大きなことだと思います。それから、選択と集中をする前提として、用地買収をちゃんとしますよということを出しております。鑑定価格以上では絶対買いませんとずっと表明しております。大規模な事業については、補償鑑定委員会をつくることを数年前から始めております。国の評価委員会にもかけますよ、それ以上の買収はありませんということを堅持していきたいと思います。

 81ページからは、鉄道でございます。81ページは、近鉄西大寺駅の高架化、移設でございます。国との合同会議が令和2年の7月にありまして、奈良県の案を基本に検討しなさいと。令和2年度末、もう間もなくですけれども、調整しなさい、調整が調わなければ、国交大臣が裁定しますというスキームになっています。今、近鉄と最終段階の調整に入っております。近鉄は、西大寺駅の高架化は結構です、移設の負担については反対です。移設の案はともかくとして、負担はなしにしてください、そういう財政的な負担の折衝になっております。理屈がないといけませんので、理屈を詰めるようにと指示をしております。近鉄との折衝の最終段階ということでございます。

 それから、82ページは、これも大きなプロジェクトですが、JR新駅の設置でございます。右の写真にありますように、京奈和の奈良インターが関西本線の上を高架で行くという案が元にありましたが、地元の反対がありましたので、国と折衝して鉄道を上げてもらうようにした。これは割とすぐに決まったんです。鉄道を上げてもいいよとすぐに決め、鉄道を高架にすると奈良と郡山の間が長いから駅つくってもいいかというと、それもいいよということになって、それは国庫補助が出るということになります。駅をつくるのにJR西日本と交渉すると、JR西日本もいいよと。珍しく非常にスムーズにいった。そのJR西日本との負担割合を1対1対1にしようと、それもいいよと、これも珍しい。珍しいことが重なって、この高架工事を、131億円になりますけれども、発注することになっております。高架工事分の用地買収が順調に進んでおりますので、このような新駅の設置についての大きな動きがございます。

 それから、83ページは、バリアフリーでございます。左上にありますように、未解消がJRで1駅、近鉄で9駅でございます。

 それから、84ページには、リニア中央新幹線の、今提案のある5箇所の検討、早期確定をお願いしております。まだお願いしている段階でございます。85ページは、奈良市附近駅が確定いたしますと、それに並行して、そこから関西空港の接続新幹線という構想を勉強したいと思います。地図にありますように、奈良市附近から高田、御所、五條、橋本、紀の川市を通過して関西空港に行くという線路ですが、リニアという大それたことを言っておりましたが、やはりちょっと経費がかかるので、狭軌新幹線なら既設の和歌山線が利用できるということでございます。新線もあればいいところがございますが、大きな新線は、奈良市附近から高田までの新線がちゃんとできると、これは実現可能性が一挙に高まると思っております。

 そのリニアの土を大規模広域防災拠点に運ぶのを、実は鉄道貨物で運びたいんです。JR東海が関東で土砂運搬の鉄道貨物を新たに利用を始めて、鉄道で運ぶようにしたいと。それから、京奈和自動車道のトンネルも、JR新駅の辺り、奈良インターから入り、地下になりますので、その辺りで関西本線が高架になります。高架線路の横に仮設線があります。仮設線を残すなどして、そこに貨物列車を止めて土を入れて王寺に行って、王寺からスイッチバックして五條の二見のところに、これは新駅が要るんですけれどもそこに置いて、広域防災拠点を通過する道路の上にベルトコンベヤーを入れて、山に土を入れていくと谷が埋まっていくという構想を持っております。そのような貨物で運ぶことができたら、あと新線ができたら、関西空港に行く新幹線の一部にしたいという構想でございます。そのような調査費をお願いするということでございます。

 86ページは、バスの改善でございます。

 87ページから、健康ということでございますが、88ページから健康の項目が98ページまでございます。大変多いんですけども、88ページは、健康寿命日本一に向けた取組ということでございます。健康寿命は、平均余命から要介護期間を引いたものでございますが、男性3位、女性24位と、女性劣位の県でございます。平均余命は男性3位、女性6位と高いんです、女性の平均余命は結構高いんですけども、平均要介護期間が男性、女性とも低い。平均要介護期間を短縮するというのが大きな課題でございます。これは短縮できると、医療費の抑制にもなりますし、元気で長生きできる期間が延びるということで、とても重要な事項であろうかと思います。この平均要介護期間、男性41位、女性44位を短くするということに、重点事項で取り組んでおります。

 89ページはがん対策でございます。がん対策では、死亡率が随分下がってまいりました。左上にありますように、10年前の奈良県は34位でしたが、今4位まで下がってきております。この下落率は全国1位ということでございます。どうして下がったのかなとか言われると、よく分からないんですけども、がんの治療が進んだ、医療に力を入れたらそれが達成できたというようなことだと思います。がん死亡率が日本一低い県にしようと。がんの治療が進んできましたけども、がん検診が割と低いんですね。検診率が低いんですけども、だから検診はしてくださいというのは市町村の責任になっているんですけれども、市町村はもっと検診を奨励してくださいよということを尻たたいているんです。検診率が上がってくると、がん治療が奈良県は進んできていますので、がん死亡率がさらに下がることが期待できます。がん死亡率を、今4位でございますけれども、全国1位にしていこうと。全国一は長野でございますが、健康寿命も長野が一番です。健康で長生きする大きな要素が、がん治療、がんになって寝たきりにならないようにということでございます。

 90ページは、高齢者の人生を楽しむくらしづくりというテーマで、いきいき高齢化人生ということを目標にしております。その中で、南奈良総合医療センターの訪問看護ステーションの充実ということを、医療は来てもらう、今度は押しかけて診るというタイプに南奈良はしていきたいと思います。昨日その運営会議がありましたけど、さらに新しいやり方も今、検討を始めました。またご報告いたします。

 91ページは、国保の県営化でございます。国保の県営化は、一番先進的な取組県になっております。これを順調に進めていきたいと思います。

 92ページは、地域医療構想、急性期の、断らない病院をつくっていただきました。総合医療センターと県立医大でございますけれども、面倒見のいい病院と2つの役割分担を民間病院としていこうと。実はコロナで一番活躍したのは、この断らない病院、公立病院だったんですね。救急が圧迫されるよというけど、圧迫されなかったよと、こう奈良県では言いたいんですけれども、やり方次第だというふうに思います。いい病院にしていきたいと思います。

 それから、93ページでございますけども、コロナ感染症対策として予算的に大きな数字を計上しております。令和3年度の予算を138億、2月補正で372億という額でございます。方針は変わりません。基本方針は、感染されたすべての方の入院治療・宿泊療養を提供するということでございます。これは医療ということで、医療は知事ができる最も大事なことだと思っておりましたが、奈良県では自宅療養ゼロがずっと続いておりますので、これを堅持していきたいと思います。新しい重点といたしまして、その病院・病床宿泊療養施設の確保というのは引き続き行いたいと思います。

 それと、新しい取組では、福祉施設のクラスター対策、それからワクチン接種の円滑な推進ということでございます。福祉施設のクラスターは、効果があったと思われますのは、医大の笠原先生にお出かけ指導をしていただき、それを真面目に、まともに聞いていただいた施設はセーフ、手を抜いてしまった結果になったところはアウトというものが、はっきり分かれてきていると思います。真面目にしつこく守るということをすればセーフと、そのような相手だということだと思います。それを根気よく笠原先生に指導していただいておりますので、今後ともそのような対策を講じていきたい。

 ワクチン接種の円滑な推進では、これだけの予算にしておりますが、だんだんワクチン接種のやり方が分かってきてまして、市町村と協働してやりましょうよと。市町村のやり方は地域でいろいろありますので、やっぱり丸投げしないで、一緒にやりましょうよというのがいいんじゃないかなと思います。集団接種と個別接種の組合せというのは地域の事情によりますので、開業医の人が出かけるよというところがあれば、オーケーになります。その個別接種でも、出かけてきていただいて順番に集団接種したり、最近ではイギリスでバスを移動接種会場にするということも出てきておりますので、そのようなことを急遽検討できるかもしれません。ワクチンが出回り始めますと、いろんなやり方を研究して進めていきたいと思います。

 94ページは、医療費適正化ということでございます。医療費適正化が進んで、それとコロナで医療費がまた随分減ってきたんですね。それはコロナのおかげというわけにもいかないんですけれども、随分医療費が減ってきた。受診抑制になっている面があると思いますけれども、受診抑制をして健康であればと願いますけれども、それはよく見ていかないとと思います。それから、医師確保、医師の働き方というのが一番大事、疲労しないようにということで整備しました。

 それから、96ページ、地域包括ケア、在宅医療は、特に南和で実験していきたいと思っております。福祉の奈良モデルと後に出てまいりますが、南奈良総合医療センターを中核とした福祉の奈良モデル、地域包括ケアの実験場にしていきたいと思っております。

 それから、県立医大の移転、97ページですが、新キャンパスへの移転が令和6年度に完成する予定でございます。教育と運動、体育施設でございます。それと合わせて現キャンパスの機能充実にも予算をつけていきたいと思っております。

 それから、西和医療センターのあり方の研究を進めております。移転先を、JRの王寺駅前という話があります。最近またちょっとその方向で検討を進めたいと思っておりますので、来年度はその話が少し進捗があるかもしれません。あわせて施設の耐震化、応急措置をしていきたいと思います。

 福祉については、99ページからでございます。99ページから102ページにわたります。福祉は、1950年に福祉、社会保障4分野が確定されまして、日本はそれ以来随分進んできております。第1の分野は社会保険、医療、介護、年金など、雇用の保険制度が随分世界でもトップクラスで保険が進んできております。それから、衛生と保健というのが進んできて、4分野で一番遅れてきていたのが、福祉だと思います。社会保険のほうは現金給付が中心になりますので国が中心になる。福祉は、むしろ現金で生活保護のようなものもありますけれども、現金じゃなしに現物給付でやるのが必要だということがありますので、現物給付、現物サービス給付は地方の出番が大きい。地方は福祉の主役ということになるので、福祉の給付事業を、市町村やりなさいよという国の立てつけになっております。けれども、奈良のように大きな面積、小さな人口、小さな公共団体ではなかなか福祉を十分できませんので、奈良モデルで県と一緒になってやりませんかという方向で、福祉の奈良モデルということを考え始めております。これは来年度、進捗があることを期待しております。

 100ページは、農福連携でございます。

 101ページは、重症心身障害児の居場所、相談センターをつくっていきます。居場所づくりを中部、南部、東部、場所は北和に集中していますので、それをつくる方向で検討を進めたいと思います。

 福祉の最後は、出所者の更生・就労でございます。出所者を奈良県の財団で直接雇用するという珍しい条例をつくって、財団をつくって、雇用を始めたと。今、2名の方を雇用し、協力企業である五條の森林組合に派遣しております。将来、ほかの分野でも活躍していただきますような更生事業を進めていきたいと思っております。

 103ページから、スポーツでございます。スポーツ施設の基本計画をつくるのと、104ページは、まほろば健康パークのプールは好調でございますが、プールの施設整備と、そのプールと浄化センターの間にあります8.5ヘクタールという広大な土地を、子どもの健康パーク、子どもが憩い楽しむ運動というテーマで基本計画を令和3年度に策定したいと思っております。これも楽しみな分野でございます。

 それから、105ページは、スポーツ振興ビジョンでございます。誰でも、どこでもということはありますけれども、特に大規模スポーツ大会、オリンピックだけではなく、国体ということを視野に入れたスポーツ施設の整備が課題になっています。

 107ページ以降は教育でございます。教育は、107ページから115ページまであります。107ページは、県立大学の2期中期目標でございます。附属高校のほかに、新しく工学系新学部設置が中期目標に入ってまいりました。108ページは、県立医大の教育、移転の整備のほか、ここに中期目標を設定しております。県立大学、県立医大、この中期目標というのは大きな威力を発揮しているように私は感じております。

 それから、109ページは、県と大学との連携、県立系の大学と他大学との連携の検討。特にNAFICとBCCとの連携、世界トップの料理学校との交流というのはうれしいことでございます。

 110ページは、県立高校教育の特色ある高校、いろいろありますけれども、特色ある中に、先ほどの包括ケアの中で、ラヒホイタヤ学科というのを宇陀のほうの学校でつくっていただくことになっております、ここにはまだ書いてありませんけれども。

 111ページの実学教育で、フォレスターアカデミーやNAFICもその一環でございます。それから、県立大学工学部と高校、王寺工業高校や御所の実業高校などの、高大接続のあり方もこれから課題になってくると思います。工学部が県内にない県でございますので、期待をしております。

 112ページは、就学前教育の、奈良っ子はぐくみプロジェクトというのが大きなテーマになってきております。

 それから、113ページは、予算は100億円近い予算になっております。私学の振興、県が直接私学の振興助成をしております。

 114ページ、教育ICTの推進、以上のようなことをいろいろ踏まえまして、奈良県教育振興大綱2期目をつくることができました。今議会に上程をしておりますが、知事が教育振興大綱をつくれるという法律改正がありましたので、このように包括的な教育振興大綱をつくって予算をつけるということをしているところでございます。

 116ページからは、文化の振興ということでございます。116ページから122ページまでございます。文化振興条例というのを今議会に提案をいたします。資源の継承と活用、文化活動、その2つの分野を合わせた文化振興条例ということでございます。

 117ページは、国の事業への参加、118ページは、記紀万葉プロジェクト、119ページは、文化財でございます。保存活用の条例をつくりまして、その実施大綱をつくろうとしております。文化財の防災・防火の条例を保存条例の中に入れるんじゃなしに、別条例でつくって、その振興をしていきたいと思います。

 121ページは、飛鳥・藤原の世界遺産登録、個別のテーマでございますが、登録の推進をしていきたいと思います。世界遺産ジャーナルを発行したり、魅力発信の予算をつけております。文化の中で、122ページになりますが、なら歴史芸術文化村の活用策の検討というテーマでございます。令和4年3月に開村いたしますので、その活動の中身を詰めていくという課題でございます。

 123ページからは、国際、海外との交流展開でございます。125ページまでございます。123ページは、東アジア地方政府会合、11回目になりますが、インドネシアのバンドンでありますので、ぜひご参加いただけたらと思います。コスモポリタン賞も今年は開催できると思います。

 国際交流は、新しく清華大学やバスク、BCCともやり始めておりますけれども、申込みがあります中でウズベキスタンのサマルカンド、モンゴルなどはコロナでちょっと詰めが遅れておりますけれども、コロナが収まったら前へ進みたいと思っております。

 奈良の仏像の海外展開でございますが、ギメと大英に持っていきまして大変好評でとても印象的でございましたが、今後の展開のための予算をお願いをしたいと思っております。

 127ページから農業関係が、135までございます。127ページ、特定農業振興ゾーンというのが、なかなかできないかと思っていましたが、7地区できてまいりました。大変いい成果を上げてきてもらっておりますので、これをさらに進めていきたいと思います。

 農地マネジメントでございますが、耕作放棄地は奈良県は近畿で一番多い県で、22%と断トツに多いんですけども、ほったらかし農地というのがございますので、サポートセンターも受け手が少ないのではなくて、受け手は多いが、農地は少ないというような状況でございます。農業委員会は、農地を放っておいたらいかんよという役目なんですけど、一度もそういう発動されたことのない農業委員会なものですから、市町村の農業委員会にそれを発動するように促しております。

 129ページでございます。中央卸売市場、これは県営でございますので、再整備しようという案が固まってまいりました。ここにありますように、BtoBの事業者募集を3年度にいたします。場所は決まりました。BtoCの空いた地面で、このテーマパークのような、食と農のテーマパークをしようと。フードホール「Eataly(イータリー)」というテーマでしていきたいと思います。また、多目的ホールをつくろうということにしておりましたが、奈良高校でつくっておりました移動可能な体育館がここで活用できるめどが立ちました。イメージで書いておりますのは奈良高校の体育館の実物でございます。このようなものを多目的ホールで、再活用したいという構想になってきております。市場の完成は令和7年度でございますが、にぎわいエリアもなるべく短縮してつくっていきたいと思っております。

 130ページは、NAFICセミナーハウスの工事の予算でございます。豊かな食と農の振興条例に基づいた振興施策を計上したいと思います。132ページは食品ロス、それから大和畜産ブランドが133ページでございますが、みつえ高原牧場の整備、134ページで、令和7年度一部オープン、令和10年度フルオープンを目指しまして、畜産のメッカのような団地を、みつえ高原牧場プロジェクトとして進めたいと思っております。

 内水産業は135ページ、それから136ページからは森林環境制度でございます。フォレスター制度、恒続林という、木の幹だけではなく葉っぱや、その環境などが大事ですよという方向です。国はそういうことをしませんので、県が勝手にやったという森林環境管理制度でございますが、それを続けていきたい。国からは、ああ、いいなと言っていただいておりますので、ありがたいなと思っております。奈良県フォレスターアカデミーをつくって、フォレスターでその管理をしていくというような構想でございます。137ページでございます。

 防災機能の向上が138ページ、県産材の安定供給が139ページでございます。141ページは、南部・東部の都づくりで、これは今まで言っていた南部・東部の関係を集約、再掲しているものでございます。

 143ページからは、行財政の関係で、まず、まちづくりでございます。143ページから、まちづくりが149ページまでいきます。市町村と連携したまちづくりが143ページ、55地区になっております。144ページが先ほど出ましたが、JR新駅のまちづくり、145ページは郡山駅のまちづくり、それから146ページが医大周辺のまちづくり、それから新しいものが147ページの大和平野中央のまちづくりでございます。まちづくりの対象地区は、このように磯城郡3町から出てまいりました。

 左上にありますようにテーマを決めて拠点をつくろう、テーマは、新たなスポーツ拠点を核としたまち、県立大学工学系新学部を核としたまち、特定農業振興ゾーンを核としたまちと、3つのテーマを提示をしております。このテーマに沿って、この地区はどのテーマでやるかということを、この7月までに確定をしていきたいと思っております。このスポーツの核というのは、国民スポーツ大会の主会場になり得るまちということにもなります。橿原の公園と競合しているんですけど、両方でもいいんですけれども、両方競い合ってやる。ここは熱心ですので、これは用地取得を急いでせないかんということになります。用地が取得できれば、新しいアクセスが全体としていいので、大和平野中央のまちづくりというのは大きなプロジェクトとして振興していきたいと思います。これについては報告をいろいろさせていただけると思います。

 148ページは、王寺駅周辺のまちづくりということでございます。大きなテーマは、西和医療センターが移設できるかどうかというのがテーマになってきております。

 150ページからは水道のマネジメント、行財政のマネジメントでございます。150ページは県域水道のマネジメント、先日、覚書ができました。151ページは、ごみ処理広域化の奈良モデル、152ページが、市町村財政健全化。奈良県は市町村の財政が全国でも最も悪い県でございます。その中でも特に、重症警報を発令いたしましたのが、奈良市、五條市、宇陀市、平群町、河合町。5つの重症警報発令団体につきましては、財政健全化計画をつくって議会の承認を経て公表していただくと、県は財政支援をしますよという提案していきたいと思っております。市町村の財政支援を、金だけありがたくいただくということではなしに、財政再建計画を真面目にやれば応援しますよというパターンにしていきたいと思っております。

 153ページは、県庁の働き方改革、154ページは、ファシリティマネジメントでございます。155ページは、地域デジタル化の推進ということでございます。地方政府にとりまして大きなのは行政のデジタル化でございますけれども、これは県だけではなしに、市町村と一緒になってやる必要がございますので、やれることは大いにあると思います。市町村のデジタル化になりますと家庭との関係が出てまいりますので、地域デジタル化構想というのも整合性のあるように進める必要がございますので、行政デジタル化と地域デジタル化の推進を並行してやるという関係でございます。156ページは、財政運営、先ほど最初に出ましたが、今の財政健全化路線をずっと続けていきたいと思います。157ページは課税の適正化ということでございます。

 長い説明になりましたが、私からの説明は以上にさせていただきます。

奈良テレビ:
 新年度予算案は、前年度を下回る予算規模となっていますけれども、新年度の予算案を総括して、知事はこの予算案、どのような位置づけでお考えでしょうか。

知事:
 規模は、様々な要素があって、その都度、出たり下がったりするものでございます。補正も含め、今、国のほうもコロナの予算が随分膨らんでいます。これは世界的にそうですが、コロナ対策と関係する経済対策のところで急遽の対策ということになります。そのような理由での変動でございますので、私はその点は気にしなくてもいいと思います。大都市の財政は大変だと思います。コロナが増えると傷む経済分野が多い。それを救難しようとして国の財政支出が多くなっている傾向がございます。

 奈良県は、傷んでいることは間違いないんですけども、例えば飲食店がコロナのクラスターの根拠になっているということではございませんので、コロナ対策の財政支出という観点からは、とにかく県でできることは病床と宿泊療養を確保するというのが一番。これは各県とも同じなんですけども、重症化と死亡を極力減らすというのが一番大きなことで、そうすれば、退院した人が何千人、何万人いてもセーフということになります。それが一番大きなことだと思っています。そのための国からの予算も出ておりますのでそれに使っております。補正のほうは補正予算債を活用することで負担も少なくなります。財政を圧迫するようになれば困るんですけど、それほどの傾向はまだ見られませんので、健全財政、財政の健全化の路線も堅持し、コロナも対策をしたい。経済活性化については、奈良県全体が遅れてますので経済対策にも手を入れたいという路線でございます。

 その中で、ピンチをチャンスというわけではありませんが、経済の依存性で3割が大阪勤務ということが、感染の大きな要因であったことが分かってきております。大阪勤務をやめなさいというわけにいかないので、気をつけて行ってらっしゃいとしか言ってませんが、域内の経済が自立的になるようにということを願って、就任以来ずっと取り組んできております。経済構造というのはそう変わらないんですけど、だんだん変わってきている面があって、コロナになれば余計に構造改革が加速できればいいという願いを持っております。コロナ対策の中で経済の自立性をさらに目指すというのは、大きなポイントだと私自身は思っています。

毎日新聞:
 今の話に関連してなんですけど、特に当初予算の編成について知事が重視したことというのは、どういうとこなんでしょう。当初予算の編成の過程で特に知事が重視した点、こういうことに重点を置いた、その点を教えていただきたいんです。

知事:
 補正の重点というのは。

毎日新聞:
 当初です。

知事:
 補正は、こちらで編成するというよりも、国の予算を活用するということになりますので、国の3次補正を活用し、ほとんどがコロナ対策になっております。補正になりますと、とにかく早めに予算化して使えるとこは使いなさい、繰り越してもいいですよということでございますので、それを実行するということにしたという印象であります。

毎日新聞:
 一般会計の新年度の当初予算を編成するに当たって、知事がその重点を置いた点というのを教えていただけますか。

知事:
 コロナ対策は140億程度が当初予算で、370億程度が補正で予算計上しておりまして、合わせて大きな額になっています。

 当初予算の骨格をどのように考えているのかというご質問として承りたいと思いますけれども、大きな方針ということになりますと、1番は、予算案の要点の1ページ目に書いてございますが、地域の自立を図り、暮らしやすい奈良をつくるというのが大きな目標でございます。これは変わりございません。

 自立を図りというのは、奈良は経済的にも大阪依存が多かったということであります。なるべく自立を図らないと、大阪近郊だからといって依存していては駄目だという1つの証拠は、ベッドタウンの地域というのは必ず衰退しているんですね。ベッドタウンにお住みになった方もおられるかもしれません。親がベッドタウンで家を買ったから行くんだといって行かれる方は世の中多いんです。 ベッドタウンで育たれた人は、就職先がないじゃないですか。よそへ行って就職先を探すということになりますので、親元で暮らせない宿命がベッドタウンにあるんです。

 すると、親の財産、家とか引き継げない、それを処分するのも難しくなる、相続に問題が発生し、子どもが皆出ていく。これは悲しいベッドタウンと私は思うんですけども、それが日本の都市近郊の宿命になってきている。奈良は典型的だと思います。1つは、脱ベッドタウンをスムーズにいくようにという願いがずっとあります。それが1つ大きなこと。来年度の当初予算だけじゃなく、ずっとそのことを続けてきておりますが、それが「都」づくりということになるんです。それが成功してきている面もあるんですけれども、まだまだという面も多いというのが、今日の「都」づくりの説明からお感じになったと思います。しかし、脱ベッドタウンは日本の大きな課題です。大都市、全国ベースでいくと、皆東京にしか若者は行かないよというような形で現れて、大阪にも行かないよ、奈良にはいないけども、大阪に行くと思ったら、大阪だと帰ってこれる。だから大阪よりも東京に行ってしまうよというような国になってきている。これはグローバル化がそれを加速しているということであります。

 そういうように見立てますと、地域で取り組むことというのは、やっぱり上質な雇用ということになります。奈良だけではなく日本全国が、教育がいいから上質なお子さんが育つ、そして上質に働く場をつくるというのは国の大きな課題だというように思っています。見立てはそういうことですということに過ぎないんですけれども、そのような路線を目指してきましたということを1ページ目に書いています。来年度の当初予算でもそういうことです。

 もう少し身近な例があれば記事になるのになと思われるかもしれませんが、原則的なことしか言えませんけれども、そのような路線で具体的に、今年はあれ、来年はこれ、5年後はこれということを積み重ねているというのが荒井路線でございます。目立たないように世の中変わっていけば、それにこしたことないや、それが本当はいい政治だと、私は思っています。

時事通信:
 地域デジタル化の県の方針、知事のお考えをお願いできますでしょうか。

知事:
 地域がついているんですけれども、国のデジタル化方針というものを地域デジタル化というように受け止めています。地域だけでデジタル化というのは限られますので、グローバルなデジタル化というものが進んでいます。その中で、日本はどうデジタル化に対応するのかという構想の中での地域デジタル化だというふうに思っています。

 いろんな思いがありますけれども、デジタル化を産業として活用したのは、GAFAとか中国のアリババとか、大きなグローバル産業は育っているんですね、デジタル化を利用して。日本は育っていない。これは国のほうの産業政策。それに地域がついたらどうするのかと。国のメッセージは、1つは、遅れているけどやろうよというようなメッセージだと思っています。デジタル化で遅れている日本のデジタル化を進めようよ、地域も一緒になってやるべきということがあると思います。

 地域でやるべきことというのはさらに限られてくるわけですが、行政のデジタル化がないと、家庭とかお子さんとか、デジタル親和性というのがなかなか出てこず、デジタル産業の育ちもないと私は思います。これは付け焼き刃ではなかなかできないんですけれども、ビル・ゲイツ氏や、アリババ創業者のマー氏など、急に天才的な若い人が育つんです。そのような素地がなかったと思いますので、予算的にはそうないんですが、スタートアップですね。デジタル化のスタートアップの要素がとても大きい。工学系の中でも、デジタル教育というのは大きな要素だと思っています。アリババのような企業が奈良で育つかどうか、それは分からないんですが、そのような気持ちがあるのです。そういうスタートアップ企業をデジタル化の分野で刺激できたらというのが、工学系の新学部の設置などです。産業で活用するというのが大きなこと。

 もっと地道なことで、地域でできることといえば、行政のデジタル化が一番大きいことだと思います。行政のデジタル化も遅れていますが、行政の内部のデジタル化も病院の電子カルテと同じなんですが、病院の中の電子カルテは進んでいますけれども、地域医療電子カルテというのはなかなか進まない。組織の外に出ると進まないという日本の特徴がある。組織内言語というのはあるのですが、組織内外言語ってなかなか発達しないという日本の文化の特徴があるように思います。しかし、それを乗り越えないとデジタル化の世界に活躍できる人材は育たないという宿命があるように思いますが、そのようにまず見立てて、何とかしようということから始めないといけないかと思います。

 地域のデジタル化の中では、予算にも少し入っていますが、具体的な例で南和地域の健康増進といいますか、包括ケアの一環としてスマホ、AIでコミュニケーションするという話や、ラヒホイタヤがスマホを持っていっておばあさんと会話して、問診をするのは医師がということになるんですが、それを問診の代わりとして伝送し、南奈良総合医療センターで受けてその場で指示をするとか、そういうことだったら明日病院に来なさいというアドバイスするとかというタイプの在宅医療系に発展するとかという、具体的な構想は割と進んできているものです。完成すればこんなことをしていたんだよということを報告できるんですが、今はまだ、どんな方向でこれを関心を持って進めようとしているのかというぐらいのご答弁しかできませんが、そのようなことでございます。

時事通信:
 ありがとうございます。

NHK:
 今回編成された予算の中に、東京オリンピック・パラリンピック関連の経費も盛り込んでいらっしゃるかと思います。組織委員会のトップの交代など最近動きが様々ありましたけれども、改めて知事は、この東京大会、どのように迎えたいか、どういった期待を持っていらっしゃるんでしょうか。

知事:
 橋本聖子さんは奈良ゆかりの方なんですね。ご存じかもしれませんが、十津川村出身なんです。ひいおじいさんになるかもしれませんが、明治の初めに十津川大水害があった時に移住した約2,500人のうちの1人なんです。秋冬から森の中に移住されて、税所篤(さいしょ あつし)という鹿児島出身の初代奈良県知事が、金一封を渡された。生活費だよと言って渡されたそのお金を、生活費に使わないで学校をつくられたんですね、新十津川町で。そのような十津川根性の方の末裔ですので、私は、橋本聖子さんの下で必ずオリンピックは成功すると信じています。十津川根性を発揮してと、そう応援したいぐらいですよ。橋本家のお墓も十津川にあるんですよ。代わりに参っておくかな。そのぐらい縁が深いと思います。

奈良テレビ:
 先ほどのオリンピックの話に関連して、財政負担が新年度予算に含まれておりますのでお聞きしたいんですが、島根県の丸山知事が、東京などでのコロナ対策の不十分さなどを理由に、島根県内での聖火リレーの中止を表明しました。これについて荒井知事、どのように受け取っていらっしゃるのか。それから、奈良県内でも4月11、12日の聖火リレーについて、今のところ実施されるかどうか、その辺りをお聞かせください。

知事:
 島根県の知事がどうしてああいうことを言われたのか、よく分かりません。理解できません。オリンピックは、しなければいけないし、できると思います。先ほども言いましたように、橋本さんだったら必ずできると私は思います。十津川出身だからと言いたいぐらいなんですが、よく存じ上げている方ですが、山の根性が入っておられるので、と思います。奈良県は、オリンピックでできることは何でもします。また追加でやることがあればしたいと思います。地方ですのでやることは少ないかもしれませんが、このような気持ちの応援も含めて、やることは何でもしたいと思っています。

奈良テレビ:
 では、4月の聖火リレーも予定どおりということでしょうか。

知事:
 そうですね、当然です。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。

朝日新聞:
 予算の話に戻って、財政調整基金のことでお伺いします。ここ10年で基金が一番少なくなってしまっていて、今回30億の取崩しがあったと思うんですが、今残っている169億というのは、今後未曽有の災害があった時などにも耐え得る額として残していらっしゃるんでしょうか。

知事:
 財政調整基金の残高は上がり下がりします。決算で余った時は財政調整基金にその半分以上を積み立てておかなければいけない義務があります。そして、足りなくなれば下ろす。我々の家計の貯金みたいなものですね。普通預金みたいなもので、投資基金は別に積んでいます。投資基金として、道路公社清算金収入の277億というのは地域・経済活性化基金に積んでいます。長期の投資基金が要るときはそちらに積んでおこう。財政調整基金は調整ですので、やりくりをするために積み立てておくものですが、あまり財政調整基金をたくさん積むと歩積み両建てみたいに、要らないお金を積んでも仕方がないというようになると思います。適時に積んでおくといいので、たくさんあると安全だというわけでもないタイプの基金だと思っています。

朝日新聞:
 では、今の残っている額は適量ということ。

知事:
 全く気になっていません。

朝日新聞:
 分かりました。

 ちなみに県で幾らを死守しなければならないというような金額、最低限の金額というのはあるんでしょうか。

知事:
 あまり量的に測るのは難しいんですが、その性格上、大きくぶれると大変なんですね。だからあまりぶれないようにしようとは思っています。地方の財政は、余計なことをすると支出がぶれて危なくなります。奈良県の先ほどの重症警報を出した市町村の財政運営を見ると、県は市町村の財政運営に直接介入する立場にありませんが、後追いで見るとぶれてるんですよね。事前の助言ができればああいうことならなかったんですが、ぶれてるんですよ。だから財政調整基金もこうなってくるという傾向があります。人のことは言えないですけれども、日本の財政制度というのはとても安定しています。とにかくタイミングを間違わなければ大丈夫だと。地方行政は、自分を売る首長が出るとだめですね。選挙の前に支出する首長が出ると大概アウトになっている。それだけは注意しておきたいと思います。それでないところは安定している。首長の性格によると思います。それははっきり言っておいてもいいぐらいのことだと思います。

朝日新聞:
 ありがとうございます。もう一件、別で質問よろしいですか。

知事:
 もちろん。

朝日新聞:
 制度融資のことでお伺いします。新型コロナ関連の制度融資のことで、利子の補給の財源支出が大分増えていると思うんですが、それでも来年度新たに1,000億新しい新型コロナ関連の制度融資枠を設けられています。負担がある中でもそのように枠を広げる理由をお聞かせください。

知事:
 制度融資、やり過ぎたかなという気持ちがないわけではないんです。国の無利子・無担保が出る前に、無利子・無保証料の制度融資をしようといって1,000億円の融資だったんですが、どんどんどんどん増えてきて4,000億円を超えてしまった。それを1,000億円止まりだよと、こう言う勇気があればよかったんですが、やはり人気があって助かっているならばと思ってやっていると、その負担が随分増えてきたというのが実情です。

 それで反省するのかと言われるかもしれませんが、反省は少しはするんですが、思えば奈良の商売人の方々から、めったに県がお礼を言われることないんです。しかし、この件だけはお礼を言われたことがありますので、ああ、よかったのかなと。僅かですが、助かったよとおっしゃる方がおられたので、お礼を言うことのめったにない奈良の商売人がおっしゃったという意味で、とてもうれしいことだと思います。ということは、ある面、役に立っているのかなと、役に立ってさえすれば県がこれだけ負担をして出すのも意味があったのかなと解釈しています。

 もう少しクールに落ち着いてくれば検証しなければいけないと思いますけれども、現時点では、コロナによる倒産件数が非常に少ないんですよね。だからコロナ関連の倒産を減らすのに給付金や交付金で何十万か出すのがいいのか、事業継続の意思があれば無利子・無保証料で生き延びてくださいよというのがいいのか、これは分かれ道になると思います。県だと無利子・無保証料の負担ははるかに多いんですけれども、それでも今のところ意味があったのかなという方が気持ちとしては強くあります。検証しなければいけませんが、失敗ということはないと思いますけれども、思いのほか随分膨らんでしまったというのが実感です。しかし、じゃあ1,000億で止めとくかというと、それだけ助かっているというような声も聞こえてきていましたので、それはそれでいいのかなというのである程度継続して、しかし、国の方が出てきたので、それに合わせてフェードアウト、小さくしていこうというやり方にしているのが実情です。

朝日新聞:
 ありがとうございます。

毎日新聞:
 予算について、まず、歳入のやはり大きな柱は県税だと思うんですが、その県税を今後増やしていくためにも、大幅に落ち込まないためにも、どのようなスタンスで、どういう政策を進めていかなければいけないと知事はお考えですか。

知事:
 とても大事なことなんですが、県税収入の構造ということから見ますと、法人二税と消費税の配分が全国で最下位なんですね。住民税に特化している、これはベッドタウンの特徴なんです。経済が伸びないと法人二税、消費税が伸びない。その消費について、地方消費税清算金の配分基準の変更も随分お願いをしてきたんですが、県民の消費額というのは全国で割と有数なんです。奈良県は世帯別貯蓄高全国1位なんです。消費率も全国10位以内だと。ということは、潤うはずなんですが、県外消費率は15%で全国1位なんです。県民の皆さんにお願いしたいのは、お金は県内で使ってということ。これが1つ大きなこと。それが一番消費税の配分が上がることですよと。これはまだまだ大事だと。

 今度のコロナをきっかけに県民のため、県民の人限定で県内消費に向けたというのは、そういう県内で使う習慣をお願いしたいというのが願いとしてあります。お金持ちだから県外へ行って、外国にも行ってという、パスポートの保有高と使用高が全国で7位、日本のトップクラスなんですよ。外国でお金を使っておられるなということがもうありありと見える。だから、もっと県内で使ってほしいというのが大きな要素。それで消費税の配分がまだまだ増える。県外で消費されたら、消費された最終消費地に配分があるのが原則になっています。それでもちょっと不公平がありましたけれども、半分は人口基準でしてもらうということを政治的な働きかけをしました。それで半分は人口基準になってきましたけれども、県民の県内消費を増やすというのが一番大きい。

 法人二税は、本社の数がごく少ないんですね、奈良県。本社があると、その法人二税の配分も、日本の税制の仕組みだと多い。本社がある東京に法人二税が集中する、そういう税制構造になっているので、本社があるところは物入りだとおっしゃるんですが、そうかなと。民間が物入りで高い金でビルを建てておられるということじゃないかと思うんです。日本の税制構造が、日本の大都市と地方の雇用の不安定要素をつくっているように思います。

 地方で雇用を発生させるという仕組みにもっと、税制構造から出てくるんですが、すごく大きなことだと思うんですけれども、法人二税の税制構造を待ってられませんので、法人二税の雇用を発生させるのは大きな変化があると思いますが、それは日本の産業構造が、島国ですけれども、港湾立地型の産業構造、重厚長大の産業構造から、軽小短薄の、モジュール型の、あるいはデジタル化と。先ほどの時事通信のご質問のデジタル構想と同じなんですが、デジタル化に遅れたというのと、軽小短薄のチップが遅れたというのと、同じだと思うんですね。重厚長大の産業マインドがまだ残っている。

 奈良がこんなことを言える立場じゃないですが、しかしチャンスが来ていると。内陸でも工場立地が増えているというのはチャンスで、内陸でも産業が発生する、雇用が発生する余地がデジタル化や世界のグローバル化で発生していると見なければいけないと。それをどこがとるのかということがもう競争だと。臨海立地から内陸立地に変わってきている。実は高速道路で物流と人材の育成というのが出てきている。これに乗っていくと、奈良が勝つというよりも国が勝つというような要素になってきている。それがリニアの新幹線でも高速道路でも、国はそういう意識で、産業構造のこと、あるいは経済団体でもそのような意識を持ってもらうとありがたいと。人のことを言ってられませんが、奈良の税収構造というご質問ですから、法人二税を増やすためには産業振興しかない。消費振興と産業振興しかないと、短く言えばそういうことでしたが、相変わらず長く言ってしまいました。

毎日新聞:
 もう1点、あえて聞くんですが、臨時財政対策債、臨財債について聞きたいんですが。

 県債は徐々に減って1兆円を上回る見通しです。一方で、臨時財政対策債については4,000億強まだ残っている。この臨財債というのは2001年に始まった臨時的な措置だったはずですが、もう20年ほど続いている。これについては借金なのか借金じゃないのかという議論はあるとしても、知事は、この臨財債は、将来交付税で措置されると。本当に措置されるのかなって不安というのは一片たりともないですか。

知事:
 ないです。

毎日新聞:
 ない。

知事:
 全くない。

毎日新聞:
 全くない。

知事:
 全くない。地方財政は国の財政と一体化しています。融合型と言われる財政制度ですから。臨財債をつくったのは当時の自治省財政局長だった嶋津昭さんという方なんですが、ラグビーワールドカップ2019組織委員会事務総長をした人で、奈良県の総務部長をして帰られた。彼が思い出話で書いていますが、臨財債を増加して地方の債権として据え付けることになったわけですけれども、1つは、日本の地方のメンタリティーが、国に依存度が強くて、何でも国に、困ったら国というメンタリティーが明治以来まだ残っている。それを地方の借金ですよと。しかし、国が全部やると大丈夫でしょうというと、地方の借金という意味がなくなるということであるんですが、地方の借金ですよと形づくるという面はあると思う。しかし、それは財政健全化の志向をちゃんとしていれば、国はちゃんとしますよということなので、交付税措置とは一味違うと思っています。

 だから制度的に不安に思わないかということであれば、制度的には不安に思っていません。すると臨財債をたくさんもらって財政健全化に取り組まなくていいのかというと、それは違います。財政健全化はしっかり取り組まないと駄目ですよというのと相反しないですよね。財政健全化というのはちゃんと持っている。それは臨財債があるなしにかかわらずということです。元財務大臣だったある人が、奈良なんか交付税措置で生きていけば経済発展しなくていいよとおっしゃった。亡くなられた方ですけどね。大阪の政治家ですけれども、交付税で生きていけばいいよとおっしゃった。いや、そうはいかんと今は思います。やはり自立型でないといかんと。

 自立型でないと、道州制だの、関西広域連合だと言っているような国柄にならないですよ。ちゃんとした地方組織と地方財政マインドというのは裏腹だと思います。それが自立性という、自立志向というのはもう基本的に大きなことです。奈良は自立精神が低いと思います。依存性が高いと思います。しかし、どこの国も、どこの地方も自立精神を持つべきだと思います。しかし、自立できるかというと、現実はそうはいかないというのが実情だと思います。国に助けていただけるのは大変ありがたいと思います。ありがたいと思って国の制度を活用したいと思うことが、国を信頼しているとことと同じだと言い添えたいと思います。

毎日新聞:
 では、この臨財債については借金じゃないというお考えですか。

知事:
 借金は借金です。国が100%交付税で措置してくれる借金ということですから、子どもの借金だけど親が全部返済してくれる借金、保証付借金というのはあるんじゃないですか。

毎日新聞:
 国の借金も1,000兆円ほどありますよね。

知事:
 国の借金があるから地方に回さないというような国にはなったことはないですよ。

 この国はすごいですよ、国の財政運営はすごいです。国の借金があるのは心配ですが、それはいろいろ理屈がありますよ。今、コロナで、国の借金もどんどん増える。国の借金が増えるということは、国が、アメリカでもイギリスでも中国でも、どんどん金を回していると。それは株価の上昇要因になっているという面があります。運営がいいのかどうかというのはあるけれども、大体そういうインフレ傾向にあるのが、今の状況だと思います。それからも見なければいけない。短絡的に、国の借金が増えたからと、そのように見てはいかんと。経済でしょうと申し上げたいと思います。

毎日新聞:
 分かりました。今、親の借金という言葉も使われたので、あえて聞きたいんですが、今の県の財政を、例えば一般家計に、荒井家に例えると、どんな状態だと思っていますか。

知事:
 親のすねばっかりかじっている感じですよ。もう少し子どもも稼がなければというのが、先ほどのご質問の趣旨だとひしひし思いますが、それは税収、自己財源で稼がないと。ですが、今年の予算でいうと自分で稼いでいる県税は1,100億ですからね。国の交付金等があるからやりくりしているというのが実情です。

 しかし、先ほど言いましたように、自立しようとしている意識はあるんですよ。親に申し訳ないという気持ちはあります。自立するためには投資が要るんですよね。工場があると、固定資産税が30年、50年、市町村に入ってくるんですよ。市町村は、住宅は軽減税率があるから少ない。農地で置いておくと放棄地でもほとんど税金払わない。そんなのが固定資産税の元手になると、市町村財政は収入の方でもいかんじゃないかと思います。工場立地があると30年固定資産税が確保できるんですから、そのためには投資をしないといかん。投資は県がするから、固定資産税はそこで入るでしょうと。ホテルでもそうですが、そういう政策をとって市町村の財政を助けるためにも工場誘致です。工場誘致の一番は雇用よりも固定資産税だと思っています。

 そのようなことをだんだん市町村が分かってきてくれるという状況なんですが、県の税収に入るのは、工場だと直結しない。雇用だと住民税として反映する、それは徐々にでも、税収を1,000億から100億上げるのも大変で、10年かかったということです。それでも1割上がったということです。

 経済なんか、もう脱ベッドタウンと一言で言えます。それと、家計は貯金高日本一ですから、悠々とされているご家庭が多いですから、見方によってはいいところですねとおっしゃる。市町村の財政は困った。市町村の財政は困ってもいいもんと思っておられるかどうかは分かりませんけれども、家計は豊か、市町村財政は貧乏、県もそれほど豊かじゃありませんけれども、やりくりしています。自立を志向しているとは言えますというような状況なんです。まだぐうたら息子ですけれども、自立しようという気だけはありますというような表現ですかね。

毎日新聞:
 ありがとうございます。

司会:
 ほかにご質問はどうでしょうか、よろしいでしょうか。

 それでは、これで記者会見を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

(発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。)

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