令和3年4月21日(水曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 初めに、お配りをしております資料に沿いまして、新型コロナウイルス感染症対策について知事からご説明がございます。よろしくお願いいたします。


【案件】新型コロナウイルス感染症対策について

《資料》01_報道資料(医療提供体制の確保)

《資料》02_報道資料(新たな宿泊療養施設)

《資料》03_報道資料(薬剤師によるワクチン接種)


知事:
 新型コロナウイルス感染症対策についてのご報告が4件ございます。

 1つ目は、新型コロナ感染症対策の緊急対処方針を策定し、実行するということにしたいと思います。今まで対処方針をその都度策定しておりましたが、緊急対処方針という名前で策定、実行することにしたいと思います。今回のプロセスですが、来週前半に対策本部会議を開催する。これは通常と変わりません。対策本部会議後、記者会見と、県議会の対策会議への説明の日程調整をしているところです。

 それから、今回の緊急対処方針については、市長会から情報提供してほしいという申入れがあったことを踏まえて、市町村と情報共有をしようと思っています。この日程についても来週前半までに行いたいと思っていまして、日程調整をしております。

 また、確定した緊急対処方針は全戸配布をしたいと思っております。予算は県で持ちたいと思いますが、全戸配布の方法は市町村と調整をしたいと思います。「県民だより奈良(臨時号)」を全戸配布した経緯があります。県民だより奈良は市町村に渡して、自治会が配布するというのが通常手段ですので、そのような手段で市町村がよければ、費用は県負担でしてもらいたいと思います。そのような方法のメリットとして考えているのは、市町村独自の緊急対処方針のようなものがあれば、市町村が同封して各戸配布をされてもいいのではないかと思う次第です。それは市町村にお任せですけれども、県の緊急対処方針は全戸配布を間に合うようにしたいということが、奈良県の緊急対処方針の実行です。

 どのような緊急対処方針になるのかは、間に合うように作成をしたいと思いますが、今日は骨子案という形ですけれども、1つは、効果的な感染防止策を確定し、徹底するという項目になるのではないかと思います。今までのエビデンスを基にすると、大阪に行ってうつらない対策、あるいは家庭で家族にうつさない対策、あるいはクラスターを発生・拡大させない対策、また、仲間でうつし合わない対策などの項目になるのではないかということを、骨子段階でご披露いたします。

 2つ目の項目は、医療体制を護るという項目になると思います。重症対応病床の追加、入院病床の追加、宿泊療養施設の追加整備、入院入所待機者・自宅療養者の健康管理というようなこと、自宅療養者という言葉は今回初めて出てまいりましたが、今まで自宅療養者は実質なかったわけですけれども、感染者が急増している中で3日間以上自宅で待機される方が出てきておりますので、そのような方を、初めて自宅療養者というように奈良県では定義をしたいと思っております。その健康管理ということがテーマになると思います。それから、5つ目は通常医療の維持ということになると思います。救急と手術は、通常医療の中でも、できる病院が限られていますが、その圧迫が、今までのところは奈良県ではそうないですけれども、それを守るということにしたいと思います。

 3つ目の大枠は、ワクチン接種の早期展開ということで、これは市町村と共同でやっている内容です。骨子の項目立てはそのようなものになるのではないかという案のご紹介ということになります。緊急対策対処方針につきましては、来週前半、火曜日ぐらいまでにはできる見込みでございます。日程は調整中ですので確定的なことは申し上げられませんが、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を火曜日を目途に、今、調整中ということまでは申し上げられると思います。それが1つ目の報告でございます。

 2つ目のご報告は、感染症医療提供体制の確保です。感染症法第16条の2に基づき、協力を知事名で要請しました。予想より反応はよくて、資料でご紹介するような増床の手が挙がってまいりました。資料のとおりですが、協力要請前は376床でしたが、病床数の見込みが409床、プラスアルファが期待されるという状況になってまいりました。確定している20日までの増床見込みが、済生会奈良病院、国立病院機構奈良医療センター、民間病院Aでプラス2床、4床、2床ということで、プラス8床が確定済みです。今後の増床予定は個別の病院名は入りませんが、相当見込みが立ってきているということです。民間病院Bのプラス2床、重症病床というのはありがたいことです。合計が、おそらくプラス27ほどあると思います。大変ありがたいことだと思って、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 そのほかの民間病院で検討中のものが、数はまだ出ませんがプラスアルファあるということで、入院体制の整備ということにこれからも努力をしたいと思います。それで、自宅療養者が今増えておりますが、従来どおり自宅療養ゼロに戻ることを期待をしているものです。

 それから、次の報道資料ですが、宿泊療養施設の運用を調整をしておりましたが、4月23日から運用できる宿泊療養施設が確定しましたのでご報告いたします。4つ目の施設になりますが、天理市二階堂にございます「グランヴィリオホテル奈良-和蔵-」という施設です。170室のご用意をしていただけるということです。運用中の施設は、東横INN奈良新大宮駅前が114室、旧ホテルフジタ奈良が69室、ビジネスホテル大御門が53室ですので、今までの施設の中でも最大の室数のある施設が用意できたということになります。大きなホテルで、部屋も大きいと聞いておりますので、看護体制を強化したいと思います。

 次の報道資料ですが、薬剤師によるワクチン接種についてです。

 先日、関西広域連合の非公開の会議の際に、私から薬剤師によるワクチン接種についても国へ要望したらどうかという提言をいたしました。吉村大阪府知事もそれならばということで賛成をいただきましたのと、資料に書いていますが、医学部、看護学部の学生なども対応できるように要求したらどうかというのが、吉村大阪府知事の提案で入った文言です。

 背景として、関西広域連合でご説明しましたのは、薬剤師の注射というのはアメリカ、イギリス、フランスなどではできることになっています。関西広域連合でアメリカの例としてご説明しましたのは、アメリカは1993年頃、約30年近く前に薬剤師協会が、薬剤師も注射を打てるようにということを、初めて連邦政府保健衛生省に要望書を出されまして、当時はインフルエンザが流行っており、ワクチンの接種率が低いという課題がありました。その後に、新型インフルエンザが流行りまして、2009年でしたか、アメリカの薬剤師の注射比率は全体の10%にものぼったという報告を受けております。日本では、医師不足の中で、病床、臨床に専念しなければいけない医師もおられる中で、今は、看護師も打てますけれども、日本では平成14年から導入されている。医療体制の効率化というのが日本は極めて遅れていると言われておりますので、この際、このようなことも国で考えていただきたいと、今回改めて表明する次第です。

 私からの説明は、以上でございます。

NHK:
 これまでも新型コロナに関して、医療提供体制の確保が最大の使命であるとおっしゃってきた中で、今回409病床にまで増えることになりました。改めて、この病床確保への決意を教えていただきたいのと、それから今後増床予定というのが幾つかありますけれども、時期的な目途は今ある程度立っているのでしょうか。

知事:
 病床確保は、知事の最も重要な仕事だと思っております。医療提供体制の権限はしばらく前から医療構想ということで知事に下りてきておりましたので、奈良県では県立病院整備からそのようなことをしておりました。今までのところ376床で、県立病院で主にコロナ病床を提供していただいていたわけですが、それで正直間に合っていたわけです。それが、変異株のせいかもしれませんが、感染者数が急増したというのが背景にある。病床を急増に間に合わせるようにというのもありましたが、通常医療との兼ね合いもあり、必要以上かどうかということは分かりませんでしたので、その上昇具合を見て病床を整備しようという構えでいました。今度は急増しましたので、急遽病床整備に走った。そのときに、感染症法第16条の2というのが用意された。今年の春に成立した法律だと聞いておりますが、それを使わせていただいたということです。

 その焦点は、公立、県立病院中心の奈良県の医療提供、コロナ病床提供体制でしたけども、もう少しバランスを取って、民間病院にも参画していただけないかという気持ちはありましたので呼びかけたところ、先ほどご紹介しましたように、大変好意的な反応をいただいたと見ております。感謝をしております。相変わらず、知事にとって病床確保というのは最大の任務であるという意識は変わりません。先ほど申し上げましたように、できれば一時であることを願うものですが、3日以上、入院・入所待機される人を自宅療養者と定義づけしまして、今まではほとんどなかったんですね。3日以上待機される人がいなかったので、病床確保もそれほど必要ないかというようなバランスだった。今度は、自宅療養者が増えてきておりますので、その方への看護というか、知らずに重症化しないように訪問したりということを充実させるのと、病床確保を十分して早く吸い取れるようにしたいと思います。

NHK:
 今あがっている病床で、今後増えますよという部分に関しては、具体的に例えば月内とか、何週間以内とかは見えていますか。

知事:
 資料の中で、今後の増床予定の数字をあげたものはほぼ確実になっていると思います。プラスアルファも検討中で多分出てくると思います。

担当部局:
 運用開始日が決まっているものは、数字を入れております。入っていない箇所については検討中ということになります。既にコロナ患者を受け入れている病院については、比較的早く確保ができると思いますが、それでも人のやりくり等がありますので、一、二週間ぐらいかかると思いますし、今、コロナを受け入れていない民間病院は、導入を含めて大分てこ入れしないといけません。今までも通常1か月ぐらいかかっていますので、そのぐらいの時間は要するのではないかと考えています。

NHK:
 関連で、先ほど宿泊療養施設のところでもおっしゃっていましたが、部屋が広いので看護の体制を増やしたい、強化したいとおっしゃいました。具体的に何か、看護協会から人員の派遣、増員など、そういったことを念頭に置かれているのでしょうか。

担当部局:
 新たな施設の看護師の配置については、基本的に、民間派遣業者からの派遣でやっていただいております。既存の3施設については、2名の看護師が24時間健康管理をしている状況でしたが、今般の施設については、室数が多いということで、4名配置して24時間の健康管理にあたっていただくことにしております。

知事:
 繰り返しになりますが、宿泊療養施設への看護体制の強化ということは今ので、あとは自宅療養者への看護体制の強化というのは、先ほど抽象的に申し上げましたが、それも検討中ということです。

 それからもう一つ、病床関係で神奈川県でされているので、真似しようかと思いますが、軽症になったり、軽症になられてもリハビリが必要であったり、高齢者であったり、あるいは合併症があるような方は、転院してもらったほうがいいのではないかということを、今働きかけております。先ほどの病床確保はコロナに感染された方、とにかく初期で、一発目で受け入れますよということですが、2回目の、転院で受け入れるという病院も出てきてもいいかと思っています。それは調整中です。最初からは受入れが難しいが、ある程度数日でも1週間でも受入れ病院があり、その後、転院して受け入れますよという二重の病院が出てきてもいいかと思って、その調整もしております。今日の発表資料には入っておりませんが、そのような運用病床というか、転院病床の整備も視野に入れております。

 それから、先ほどのご質問に関係しますが、今後の増床予定で民間病院C、D、Eということで、民間病院の数が増えてきているのはありがたいことだと思います。それまではほとんど公立系病院でしたので、大病院、民間だけでなく、中小病院もこのように手を挙げられる。それと、国の財政審議会で、コロナ対応してもらい、財政支援を強化しようということが検討されております。これも病院関係者は割と情報通の方が多いですが、よく知っていただいていて、手が挙がってきたかというような感じもします。国と内々調整しておりましたので、そのような国の支援、地元でのお願いということで、一緒になればと、出てくればありがたいなと思っています。

毎日新聞:
 知事は、これまで自宅療養は基本的に認めないという姿勢でしたが、今日の発表によると、自宅療養を認める方針に転換したという捉え方でいいのでしょうか。

知事:
 資料を見ていただけたらと思いますが、今まで第一波、二波、三波までは陽性判明から2日以内にほぼ入院・入所できていた。拒否される方などいろいろありましたが、この数字でした。ところが、第四波、4月1日から16日、2週間で急増したということです。資料があったほうが記事が正確になると思いますので、追加で配りますのでぜひご活用いただきたいと思いますが、このような情勢になってきております。

 今まで1日、2日で入院・入所ができていたので、自宅療養という実態がなかったため、定義がなかったというだけの話です。認めていないとか、そういうことではなく実例がなかったということです。認めていなかったと記事に書きそうになっておられるかもしれませんが、実例がなかったんです。これで実例が出てきたので、国で自宅療養という定義がされていませんので、奈良県独自の定義ですけれども、そのようにしたいと思うということだけでございます。

毎日新聞:
 入院や入所はせずにもう自宅でずっといてもらってもいいですよということではないですか。

知事:
 ないです。先ほど言ったように、できるだけ入院をしてもらうという方針には変わりません。質問のご趣旨がそういうことであれば、自宅療養を積極的に認めるということではありません。入院されたほうが安全です。宿泊療養でも看護師がついていますから安全です。今度は、自宅療養という、3日目以降自宅待機、自宅療養が増える方、自宅療養も自宅待機も、例えば定義上1日目、2日目は入院・入所待機者ですね、3日目以降になったら自宅療養者ですねと、概念的な仕分になるわけです。いずれにしても1日、2日からでも、中に重症者が混じっておられるかもしれません。急に重症になるかもしれませんので、自宅待機もしくは療養される方についても、看護体制を強化しましょうということにしております。しかし、入院しなくても済みますよということではありませんので、入院・入所のほうが安全だと思いますので、そのような方針です。

毎日新聞:
 これまでの方針を変えたということではないわけですね。

知事:
 できるだけ正確に言っておこうと思って。方針を変えたわけではございません。

毎日新聞:
 では自宅療養という言葉を使われていますが、これは自宅待機と同じということですか。

知事:
 自宅療養というのは、3日目以降の自宅待機を自宅療養と言うという程度ですので、もし3日目以降自宅待機と言ったほうが正確だと言えば、実態そうかもしれませんので、そのように呼び替えますけども、単なるそれだけの話です。自宅療養というのは、長い間自宅におられる方を自宅療養という県も多くて、皆さんもそのような言葉を使っておられますので、自宅療養という言葉を使っただけです。少し紛らわしい説明になったかもしれません。

毎日新聞:
 では、この方もいずれ入院や、あるいは宿泊療養に入ってもらったりすると。

知事:
 そういうことです。ああ、クリアになってよかった、ほっとしました。

毎日新聞:
 これまで知事が言われている、自宅療養者はゼロにするということを堅持したいと。

知事:
 自宅療養をゼロにしたいという方向は変わっていません。今、4月以降、4月1日から急増して、累計ですので最初からは分かりません。累計でしか資料が出ませんので、累計して一時2週間の累計をすると、3日目以降という、この最初3日目以降になるかどうか最初の当日は分からないではないですか。たまってくるとこれだけの資料が出るという、振り返りというか、歴史はこのようになるわけです。それを見ると、3日目以降、これだけ増えていますということは累計で分かってきていますから、これを縮小させよう、1日、2日に戻していこうというのが方針です。だから基本方針は変わらない。実態が変わってきたので対処したいということでございます。

毎日新聞:
 逆にこれだけ自宅で入院や入所を待っている人が増えてきている中で、それでも自宅療養を、無症状の方であるとかでも、自宅でずっと療養してもらうというお考えはないですか。

知事:
 ないですね。やはり入院・入所のほうが安心ですから。実際に入院・入所を拒否されている方もおられますが、今までの調査では、ペットがいるから、家族がいるからという、もっともな理由ですので、それを国では入院・入所を強制しようという法律ができたか、できないか、そんな議論がありましたね。だけど、事情を判断して奈良県は扱います。しかし、入院・入所のほうが安全ですよということを強くお勧めしたいと思っています。やはり安心だと思います。自宅では危ないということまでいかないですが、自宅療養でも治った人はたくさんおられるわけですけれども、お勧めはやはり入院・入所。そのための病床あるいは宿泊療養施設の確保は知事の最大の任務だという気持ちは変わりません。

毎日新聞:
 ありがとうございます。

知事:
 ありがとうございます。お分かりいただけた、うれしいです。

関西テレビ:
 現在、自宅療養者は何人になるんでしょうか。

知事:
 現在では、資料には割合の累計しかないので、本日時点が3日目以降の自宅療養者の数というご質問ですよね。

関西テレビ:
 そうです。本日か、データがある時点では、昨日時点だと思っています。

担当部局:
 自宅待機と自宅療養のところは、3日以上という考え方で再集計をかけることはできるんですが、しっかりと精査した上で整理する必要がありますので、また改めて集計していきたいと思います。

知事:
 例えば、全部を、1日、2日、3日、4日と、待機されている方の累計で、感染者で入院・入所できない人というのは数字分かります。そのうち、今日、昨日発症した人が3日目まで待機しないといけないのか、1日で入れるのかというのは分からないものだから、2日以内に入ると入所待機者という定義になりますよと。ややこしいんですけど、3日目まで延びたら自宅療養者になりますよと。3日目を過ぎないと、昨日、今日発生した人は分からないというような定義をして、先ほどおっしゃったように分かりにくいかもしれないということは当たっている面もあるんです。だから自宅療養者が増えたと、こう報道されたいと思いますが、そのような定義ですので、ひっくるめて言うと病院に入院・入所ができない人が急激に増えたということが正しいことです。

 それを、3日目以降まで待つような人を自宅療養者といい、2日で入院できる人は、いろんな事情で身繕いとか、どこに行くか決めるという事務的な調整というように、2日以内か、今日即日か、その明くる日かという違いだけでした。それを入所待機者と言っていましたので、ほとんどその方ばかりでしたということ。だから実質自宅療養者と他県が呼んでおられるのはなかったと思っています。自宅療養が増えたというよりも、入所・入院待機者を含めた、3日以降も含めて増えてきたということが実例です。表現は難しい面があろうかと思いますけれども、そのような状況ですので、先ほど申し上げましたように、病床、入院施設の確保に行くのと、自宅におられる方の看護体制を強化する、その2つをやりたいというのが趣旨です。

関西テレビ:
 今、ホームページ上などで約400人が入所・入院準備という形で数字が出ていたと思うので、一般的には病床数と同じぐらい入所待機者がいるように受け取られると思うので、そこを具体化して。

知事:
 少し誤解になると思います。というのは、今まで何日か経つと必ず退院されますよね。長期化ということは一つ課題になりますが、今までは軽症が多い。奈良県は軽症が多いですから、割と比較的短期間で退院されてきました。例えばそのレベルは、300床のレベルだと1日に退院者が60名だと、60名入ってきても全然占有率は増えなかったわけです。占有率が増えなかった。100名レベルになったとき、それに間に合うように入院・入所があると占有率が増えないと、退院者が出てきますという仕掛けになっています。だから入所者と病床数と対比するのは、統計上はあまり意味がないような感じがします。毎日入ってこられる方と退院者、これは並行して運用して、できるだけ詰め込むということになってくるわけですが、限度まで入院してもらうということを重ねているわけです。その天井が上がってくるときの待機者は必ず減ってくると思いますが、その様子もこちらとしては見ていきたいと思っています。いつも難しい説明をして申し訳ありません。

関西テレビ:
 もちろんそうですが、今言った自宅療養という数を明らかにしていただかないとその実態も分からないので。

知事:
 自宅療養という言い方が、先ほどのご質問を聞いて、やはり曖昧だと。3日目以降、入所待機している人は自宅療養という定義にしたわけです。それは今まで使っていた定義の言葉を使っただけで、3日目以降と厳密に定義した県はないと思いますけれども、改めてどのような名前をつければいいのかということになりますが、言葉が歩いてもいけません。自宅におられる方が急増しているということは確かで、自宅におられる期間が延びているということも確かですので、それに対応するということに私どもの仕事としては尽きるわけです。それをどのように報道機関の皆さんが表現されるかということになりますので、難しいですね。自宅療養と、新しい言葉が飛び交うので、定義というのはものすごく大事にしなければいけないと思っておりますが、自宅療養の定義が各県少し違うかもしれませんので、1日目からも自宅療養と呼ぶこともできますけれども、それは待機と奈良県では呼んでおりましたということです。

関西テレビ:
 感染症対策の緊急対処方針について、今はまだ骨子の段階だと思いますが、4月の前半で知事が出された県民への緊急メッセージとそこまで大きく違いはないか、特に1番の、効果的な感染防止策を確定し徹底するという意味では、緊急メッセージで言っていた中身と、ある程度骨子はもちろん同じになってくるとは思うんですけれども、そこからさらに、あのときのメッセージから具体案を持たせるような意味合いが強いんでしょうか。

知事:
 そうですね。緊急宣言とか、蔓延防止とか、いろいろな言葉を使っていますが、内容が明確でないという今の我が国の対処の実態があるように思います。その中で、奈良県の特徴をずっと最初から経路分析をしております。1つの特徴は、一次感染と二次以下の感染と分けると、一次の感染は、最初、諸元的な感染という定義になりますけれども、大阪由来のものが4分の3ということが分かってきておりますので、そのような実態があれば、大阪に行ってうつされないというのがやはり一番大事なメッセージかと思って、そのように言ったわけです。家族での二次感染以降は、家族での感染、最近ではクラスター感染、このように感染の大きなところをあげて、具体的なご注意できることがあればご注意申し上げたいというのが一番の趣旨です。

 具体的に言わないと、自粛という言葉だと何を自粛すればうつらないのかということが、国民の皆さんはピンときていないのではないかとも思いますので、大阪のケースと奈良のケースとはいろいろ違う、地域の実情の違いがあるようにも思いますので、だから知事が注意しろ、あるいは市長が注意しろよと言うことにもなってきているんだと思います。そのときの注意が、エビデンスにできるだけ基づいたほうがいいのではないかと奈良県では思っておりますので、疫学調査と言われる、目に見えないところでどのように感染したか。臨床と違って、臨床だと体を調べるわけですが、空間を調べるテクニックはありませんので、各国とも皆困っているわけです。そのような中でエビデンスをできるだけ抜き出して、具体的、効果的な注意に結びつけられるようにということで四苦八苦しています。

 四苦八苦しているとしか申し上げられませんが、効果が十分になかなか出ない面があります。各県あるいは各国とも同じです。それが効果的に出れば、それにこしたことはない。できるだけ効果的な言葉に思いを込めているつもり。では、実際に効果的な防止策を確定というところまで行くかどうかというのは中身によりますが、願いとしてはそういう方向だと理解願えたらありがたいです。

関西テレビ:
 もちろん骨子の段階でこんなこと聞くのはあれなんですが、大阪へ行ってうつらない対策というのが、行かないという以外に、前回緊急メッセージで出されたような、まっすぐ帰るという以上のものが果たしてあるのかというのが一つの疑問なんです。例えばある種往来自粛であったり、そういった強い措置を、ここで策を確定し、徹底するとおっしゃっているので強い気持ちがあるのだと思うんですけれども、そういった強い措置を適用するというようなお考えは、今、少しあったりするんでしょうか。

知事:
 大阪と書いていますけれども、大阪のどこで蔓延しているのか最近分かってきた。大阪といっても広いですので、大阪市の発生の状況と、奈良に近い東大阪市とか八尾市の発生の桁がもう、全然違うんですね。だからもし数字でたくさん発生しているところがうつりやすいと、こういう判断ならば、大阪市に行かないというのが適切なアドバイスになろうと思います。東大阪市というのも近くでありますが、発生の数は全然レベルが違うんです。大阪市は最近までの統計では2万8,000、東大阪市は4,000なんです。奈良市は1,300なんです。だから全然発生のレベルが違う。しかも点在しているのが近郊の奈良の状況です。

 それは関東ともまた違うんですね。関東は、連たんして発生しているように蔓延防止の地域がありますけれども、関西では蔓延防止の都市は分かれているんですね。大阪府では大阪市を中心に、実情を反映して対策を取られている。兵庫県では尼崎市とか、関東と違って、ぽつん、ぽつんと、また京都市まで飛ぶと。間に枚方市とか高槻市があって、ここでは2,000人ほど発生しているんですが、そこには対策が取られてないということが最近分かりました。さらに離れた奈良市で何ができるのかということは、私どもの感染防止の一つの関心事項であります。

 そのような状況を、感染症の専門家と称する人に疫学調査の分析をよくしてもらって、いいアドバイスをいただけたらと常に思っています。私どもも十分でありませんけれども、そういう疫学調査風の数字を追っておりますので、思いつきではなく、それに基づいて言えることだけはご紹介しようという程度ですので、この効果的なという、思いはこもっていますけれども、どのようにすればいいかいうことはまだ悩んでおります。今度の緊急(対処方針)でも、何かエビデンスに基づいていいことが言えれば効果が出ると願って、資料をつくろうかと思っています。

関西テレビ:
 つまりはそのエビデンスに基づき、強い措置を実行する可能性もなくはないという感じなんですね。例えば、東大阪には行かない、大阪市内には行かないとか。

知事:
 そうですね。この前からそのような情報に接しましたので、大阪に用心して行くようにという言い方を、大阪市に用心して行ってくださいねという言い方に変えました。というのは、そういう大阪市が抜きん出て発生しているという情報に接したからです。こちらの累計調査によりますと、大阪に行って感染したと保健所で報告されている方がありまして、勤務は堺とか他のところなんですが、大阪市内に寄って一杯やって帰られた。どうもそこかもしれないと。その店でうつったか、仲間からうつされたのか、多分仲間からじゃないかと思うんですが、大阪市内に行く、友人と会って、大阪市内で落ち合って飲んで奈良に帰ってきたら感染してたというケースも、累計調査ではありました。したがって余暇活動を控えてくださいとか、勤務して帰ってくださいという方にそういうケースがあると、どうしてもなってしまうんです。

 勤務は堺でも、東大阪でも、大阪市でも、そもそも行かないでという言い方もあると思いますけれども、うつされた場所が勤務でうつされると多分その勤務地のクラスターになっていると思うんですね。うちの勤務場所はクラスターになってないよとなると、じゃあ、あなたはどこでうつされたと思われますかという調査をずっとしています。すると、多分その辺りの日は大阪市内へ行って、友人と飲んだからというように報告されている方もおられるわけです。すると、推察の焦点は、大阪市内の勤務地あるいは堺、東大阪、八尾市の勤務地に行かれても、大阪(市)に、寄って帰るとうつされる確率が高いと思われ、そのようなことは実例で出ていますので、しないほうがよろしいですよという忠告をしてきたわけなんです。

 それが効いたか効かないかというフォローもなかなかできないんですが、分かったことは注意しないよりも注意してさしあげたほうがいいんじゃないかというように、効果的になるようにと願って、実例が出た場合の注意に転換しているというのが奈良県のやり方の実情です。

産経新聞:
 自宅療養の話に戻るんですけれども、先ほど自宅待機の期間が非常に延びているというお話がある中で、自宅待機をされている間に退院基準を満たしてしまった方というのは、既にいらっしゃるんでしょうか。

担当部局:
 自宅待機中に治癒をいたした方はいらっしゃいます。先ほど知事が示した資料をまた後ほど配らせていただきますけれども、4月16日時点で、待機中に治癒された方が47名いらっしゃいます。

産経新聞:
 その待機期間として最長は何日か把握されていますか。

担当部局:
 最長は10日間です。

産経新聞:
 その上で知事にお伺いします。自宅療養者の看護体制の強化というのを先ほどからおっしゃっているんですけれども、何か具体的に自宅待機されている方に対して、こういう対策を取ると決まっていることはありますか。

知事:
 自宅に待機されている方との連絡体制が一番だと思います。相談を受けますよというだけではなく、積極的に様子をうかがうということが基本的なやり方だと思っています。今までは、自宅で待機してください、おられても2日にすぎませんからというのが第三波までの状況でしたが、それが長引くと、自宅で待機されている間に、家族も含めてうつさないようにしてくださいねというのが一つのアドバイスです。陽性ですので、自宅だからといって、うろうろして、学校に行くとか、そういうことをしないでくださいねというのがアドバイス。日本は、そういうのを強制的にする法律になっておりませんから、お願いしますよというのが一つ大きなこと。

 もう一つは、家におられる間にその手当てが十分でなくて重症化するのは心配ですので、変化がありますか、熱が下がっていますか、熱が上がっていますかということを頻繁に聞くのがいいと思います。あるいは酸素濃度の測定の機械をつけてくださいねと。貸付でもいいんですが、これが下がってくると連絡してくださいねというような具体的なお願いをすることを考えております。これは市町村でされてもいいものですから、市町村との調整事項になると思います。

 そのような自宅でのケアを、先ほど毎日新聞さんもおっしゃったように、それでいいとは考えていなくて、それは次善の策と考えております。やはり入院・入所してもらったほうがいいと。入院・入所してもらったら何がいいかというと、重症化の予防になる。隔離というのは、うつさないということにもなりますけれども、重症化予防というのは、とにかく酸素を、私の素人な治療方針ですが、酸素を送るようにして肺の機能が低下しないようにというのが何よりも大事かと思っています。それは入院なり、宿泊療養されたほうが、そのような観察と手当てが早くできる。

 自宅で2日、3日おられて予期せぬ結果になるというのでショックを受けたのは、羽田雄一郎さんのケースですね。PCR検査を待って、陽性だったらすぐ入院ということになったんですけれども、自宅でおられる中で肺炎になって亡くなられたということは、これが一番悪いケースだと思います。自宅療養中に陽性と分かってもそうなるといけませんね。陽性か分からないで感染されていた方が、死後、陽性者だと判明するというのは悲劇ですので、そういうことのないようにと願っていますが、羽田ケースにならないようにということです。

産経新聞:
 もう1点、今、自宅待機が延びてしまっている原因として、当然1つは入院・入所先が足りないということがあると思うんですけれども、もう1点、例えば事務処理が追いつかないですとか、あるいは現場の要はスタッフが足りていないですとか、何か別の要因等で把握されていることはありますか。

知事:
 メインの要因は、爆発的な感染者数だと思います。最近、より明確に分かってきているのは変異株の存在だと思います。変異株の感染力が強いというので、関西中心にこれだけ伸びてきたと、いろんなデータを集めていますと、このようにほぼ確定的に申し上げられると思います。変異株の存在がこのような爆発的な感染者数を呼び起こすことになっていると、私みたいな素人でも相当明確に言えるんじゃないかなというぐらいのデータが集まってきています。

 変異株について、もう一つ分かってきているのは、感染力が強いよということと、ワクチンが効きそうだということ。これは救いのほうなんで、ワクチンが早く出てくると変異株も抑えられるかもしれないということが希望です。変異株は感染力が強いというのはどういうことかというと、今までは2メートルの距離で話すと、うつる人が10人のうち2人だったのが、10人のうち5人になったよというタイプのうつり方ですので、クラスターで、今までは普通のことをしていてうつらなかったのに、こんなにちょっと集まっただけでうつるのかというのが、要注意ですね。

 だからより繊細に注意してもらって、要は人との接触でしかうつらないわけです。接触というのは、人が触って感染者のウイルスがついたものを触るとうつってしまうということですので、このようなことで効くかどうか分かりませんけれども、効くとリスクは相当下がると思います。だから、変異株ウイルスに対応するような感染予防が、今度の緊急対処の大きな柱になってくると思います。より注意してくださいねというぐらいしか今のところ思いつかない面もあるんですが、もし効果的な取り組みについて専門家と称する人たちからいい意見が出てくれば、即刻採用したいとは思っております。

時事通信:
 大阪府に緊急事態宣言が出されるという方針が決まりましたけれども、知事の所感はいかがでしょうか。

知事:
 大阪が緊急事態宣言を要請されましたので、一言で言いますと、感染を抑えるために適切な判断がされたと評価をしたいと思います。また、蔓延防止措置は時短が中心になっていましたけれども、緊急事態宣言では人の動きを止める。これが緊急事態宣言でも蔓延防止措置でも効果的かどうかというのが一番大事なんですが、より強い措置を取る方向で検討されていると聞いておりますので、その方針も支持をしたいと思います。

 感染者を減らすためには人との接触を減らすことが基本になって、そこら辺を歩いていても、笠原さん(=奈良医大感染症センター長)という奈良県で頼りにしております感染症に詳しい方がおっしゃるんですけれども、ふだん同居していない人とマスクなしで対面にならない。これさえちゃんと守れたら未来は大きく違ってくると思いますという言い方をされて、これはいいアドバイスかなと思って、緊急対処方針の中でもご紹介できたらと思っています。そのようなことをすると、リスクは相当減るということです。緊急事態宣言でも、蔓延防止措置でも、場所対策なんですね。このような場所が危ないという対策なんですけれども、笠原さんの感染症の疫学でいうと、人対策ですね。場所は閉めろとか、時短しろとかということはできる。場所がうつすケースもありますけど少ない。人がうつす。外で会ってもうつる人が、たまたまその場所に行ったからうつったというケースもあるわけで、あるいはその場所でうつったケースは、人と対面でお酒を飲んで、ちょっとこほんと咳をしたらうつしてしまったというのは、その場所でうつったということですが、基本は人から人ということだと思います。だからマスク会食とか、食べるときだけマスクを外してというようなアドバイスが出てくる。そういう実情であろうかと思いますが、大阪の緊急事態宣言については基本的に支持を申し上げたいと思っております。

時事通信:
 もう1点、県内の感染者数が高どまりの状況だと思うんですが、やはり知事としては、大阪に行く人が減っていないという認識はあるんでしょうか。

知事:
 奈良県の勤務者の3割は大阪勤務であります。それと、奈良県内でうつっている人は、大阪に行きやすいところでの発生が多いんですね。大阪に行ってうつされて、その方々が地域で活動されてうつすというようなパターンが典型的じゃないかと。それだけじゃないんですけれども、クラスターはまた別の要因で、大阪でうつってきた人が部活などに参加してクラスター発生するというようなケースがありますので、クラスターと日常感染とはまたちょっとタイプが違うようには思います。量的には両方混ざっているんですけれども、大阪への日常移動でうつされているケースは、奈良県はとても多いと見受けられます。

読売新聞:
 先ほど大阪の緊急事態宣言については、人の流れを止めるので支持されるとのことだったんですが、大阪との人の往来が活発な奈良でも緊急事態宣言を検討されているんでしょうか。

 大阪との往来が活発なので、奈良でも広域的に、大阪に動きを合わせて、同じように緊急事態宣言を考えられたり。

知事:
 考えていません。

読売新聞:
 その理由もお願いできますか。

知事:
 要は、効果的な内容になるかということに尽きるわけです。効果的な内容かどうかということになります。緊急事態宣言を奈良で出すか大阪で出すか。例えば、今までにないことなんですけれども、国が、ロンドンとか外国でやっているようなロックダウンですね、ロンドンに入っちゃいけないよというようなパターンになれば、奈良にとっては、奈良の人は大阪に行けないんだから、大阪経由でうつるということは、ある期間なくなるわけです。そのようなパターンの緊急事態ということは、日本ではまだ考えられないことだと思いますけれども、ロンドンではある一定の効果があったということ。しかしこれは国が判断されることだと思います。奈良の人、大阪に行かないようにという判断は、奈良県からはなかなかできないと思います。お願いはしておりますが、それも行かないでというお願いではなしに、用心して行ってくださいねというお願いに今なっております。

読売新聞:
 あともう1点、今、生駒市や天理市、奈良市で独自の宣言というか措置が取られていますが、そういった自治体の動きに対して、知事としては今どのように考えられていますか。

知事:
 独自の宣言を出されるのは、別にいいことだと思います。要は、その宣言が、国にしろ県にしろ市にしろ、効果的かどうかということになります。宣言ばかりで効果がないと揶揄されないようになればと願っております。だから実際そうなるかどうか自信はないわけですけれども、感染防止に効果的な対策を取ることができたらという願いは強く持っております。どのような宣言であっても効果的であれば、それを真似したいと思いますが、今まで、蔓延防止措置にしろ、緊急事態宣言にしろ、なかなか効果が持続しなかったのが実情かと思います。より強い措置と言われたときに、日本はなかなかロンドンのようなことはできないんじゃないかと推察しておりますけれども、例えば東京に来ないでといって本当に止められるのか、ロンドンみたいなことができるのかどうか、あるいはニューヨークみたいなことができるのかどうかは、なかなかちょっと難しいのかなと感じております。国のご判断だと思いますが、それはなかなか選択肢に上がっていないように思いますね。

 だから、自粛の要請は、うつらないようにしてくださいねというお願いで止まっていて、なかなか効果が上がらないというのは、特に変異株に襲われているという実情にあろうかと思います。だから逆に、効果があるよと言ってやってきたのが、なかなか(効果が)なかったねと、こう揶揄される結果にもなる。これは仕方がないことですね。効果的な方策は見つからなかったからだ、誰がしても効果のあることはできなかったのかなと思ったりします。効果さえあれば、誰が行ってもいいことだと思っています。

奈良テレビ:
 我々とコロナの闘いも、もう1年以上経つわけで、やはりその当時を思えば慣れてきた部分もあるのかなとは思うんですが、これから5月に入って、大型連休を迎えるわけですけれども、改めて知事から県民の皆さんに何か注意をするべきことだったり、気をつけることについて呼びかけがありましたらお願いいたします。

知事:
 連休は、抑えるための大きな手段に日本ではなってきております。それは比較的、従来の日常生活の行動パターンが抑えられるということですので、同じようなことは奈良県においても、連休中の抑えがより効けばと期待します。

 奈良県民の方に、連休中をどのように過ごすのかと、これは対処方針でももしうまく言えれば入れても、私の即座なので適切かどうか自信はありませんけれども、要は笠原先生のアドバイスに従う。うつっている人と対面すると危ないよということ、もうほとんどそれに尽きるわけであります。そういうシチュエーションにならないのが一番のアドバイスだと思います。大阪に行くと日常ではどうしてもそういうシチュエーションになられるんじゃないかというだけのことで、大阪の場所が悪いわけではなく、そういうシチュエーションが悪いというだけの話だと私は思います。

 奈良県でも、同じシチュエーションになればそうなるわけです。ところが、幸いに奈良県はそうならなくて、高齢者の方も含めて、仏像を見たり、道を散歩したり、花を楽しんだりという空間はたくさんありますので、今度のコロナは都市を大きく襲っています。都市は、そういう対面の機会が大きいという日常生活かとも見受けられます。奈良での対面のリスク、対面の機会が連休で減って、そういうリスクも減ったら、存分に外に出て楽しんでいただくのがいいかと思います。外出自粛というのは、私から見ればあまりいいアドバイスじゃなかったのかなと思います。子どもさんも含めて外出をされてもいいけれども、対面になるようなリスクは避けてくださいねといったアドバイスを、特に連休中は遊びに行くところは選んで遊びに行ってくださいねと申し上げたいなと思うんです。

 ちょっと専門家の方にもアドバイスを受けてそのような言い方が適切かどうかはまた判断して、対処方針にアドバイスになるかどうかを判断したいと思いますが、私の今までの感じでは、自宅で自粛というのは、メンタルにもちょっとしんどくなってこられると思います。存分に行かれていいですよと、危ないシチュエーションにならなければ、そのリスクは減りますよと。リスクはゼロにはならない。変異型、急激感染者がいるわけですから、用心はしなければいけない。用心で自宅にいれば大丈夫かというと、たまにちょっと行ったらぱっとうつったということもあり得る。いや、そうでないところは心配だけれども、お子さんに飛んだりはねたり公園でしてもらっても大丈夫かと私は思います。うつったら責任を取るのかと言われたらなかなか困りますけれども、一般的なアドバイスとしては、今までのエビデンスをずっと見ていますと、そのようなことまでは申し上げてもいいのかなと思います。

共同通信:
 先ほど、奈良県での緊急事態宣言を国に要請することについての言及がありましたけれども、蔓延防止等重点措置の適用を国に要請することについても、従前どおりのお考えと変わりないですか。

知事:
 変わりません。西村大臣から毎日ほど連絡、電話入るんですが、昨日もありましたけども、蔓延防止について、全然おっしゃらないですね。実情を電話で何度も話しているので、よく分かっておられると思います。蔓延防止は、飲食店時短が中心の柱です。奈良はそういう場所はないからねと、もう向こうから最近はおっしゃられますので。大阪が収まったら、収まればいいねとおっしゃいます。あとは、病院は大丈夫かいと、こうおっしゃいます。病院は、今日報告したようなこともちょっと昨日報告いたしましたけれども、そのような状況ですので、蔓延防止について、効果があれば要請するのは、やぶさかではありませんが、奈良においては効果が期待できないように今でも思っています。

共同通信:
 あともう1点、医療提供体制の確保の件ですけれども、今回33床追加になりました。もともとその目標数はなかったと思うんですけれども、知事の思いの中で、この33床というのは、思っていたよりもたくさん協力してくれたという印象なのか、やはり実情としてはもっとたくさん受け入れてほしいという思いなのかについて、お伺いします。

知事:
 単純にこうだという評価はなかなかできないと思いますけれども、主観的というか、気持ちというご質問だと受け取りますと、たくさんか少ないかは別にして、よく出していただいたなという気持ちでございます。

 今までは、どうして出ないのかということを県庁の中で議論しておりました。風評被害で困るという実情と、医療従事者がいないということを巷では言われておりましたけれども、それが実体かどうか分からないままでした。今度は16条の2の効果で実態を教えてくださいねということを、法律に基づいて言えるということで、強要はもちろんできないと思いますけれども。実態を教えてくださいねということまで、何が原因で出ないんでしょうか、医療従事者でしょうか、単に風評被害を恐れておられるんでしょうか。風評被害という観点からは、比べると分かるんですけど、コロナの入院病床を整備されて公表している中で、救急とか、そういうのは下がっていないんですね。通常医療もそこそこ進んでいるという実態がありますので、ちゃんとコロナも受け入れているよということならば、風評につながらないという実例はあるわけです。風評被害を恐れているのだったら、そういう風評になってないケースもありますよということは、対話の中で言えるかなと思っておりました。

 あとは、医療従事者が不足しているということであれば、それはどういう実情でしょうか、また、いい手はないでしょうか。あるいは、後方で第二次受入れということは可能でしょうかと、そういう対話が16条の2に基づいてできるようになったと。今までは一般的なお願いでしたけれども、やはり法律というのも一つ、強制の法律ではありませんが、そのようなことを要請されるというのは効果があったのかなと思って、またそれに早々と反応していただいた面は感謝をしています。

共同通信:
 あと、今回75病院に要請をされていて、これ見たらトータルで11と、プラス3病院が検討中ということで、この後、残り61病院が回答がどうなっているのか私は分からないですけれども、その65病院については、どのように今後その協議を進めていくというか、どのようにしていくというお考えですか。

知事:
 病院という名がついているのはいろいろあると思うんですが、療養病院に位置づけられる病院もあると思いますし、救急という標榜をしていても実態が低い病院もあると思います。そのような病院を今度は要請して、報告を受けたらそれをまとめる義務が県に生じますので、そのうち今のご質問にもお答えできるように、75病院のその状況をかいつまんでまとめるということもできるんじゃないかと思っています。

 奈良県の医療提供体制の実態というのは、そこからまたコロナ対応の病院の医療提供体制の実態、通常医療の提供体制の実態というのがよりクリアになってくると思います。県知事がそのようなことを調べる権限は今までなかったんですが、16条の2を通じて調べることができるんじゃないかなと思って、またご報告の機会があると思っています。

朝日新聞:
 少し前の質問の内容に戻るんですが、緊急事態宣言のところで、発令については効果的かどうかに尽きるというご発言があったんですけれども、現時点で緊急事態宣言が奈良県に適用した場合の効果についてはどのようにお考えでしょうか。

知事:
 それは緊急事態宣言の内容によると思うんですよね。だから、地域ごとの実情を反映した緊急事態宣言になればありがたいなと思います。これは国が出される宣言になりますので、西村大臣も、君のところはどうなっているんだというお電話をいただくような対話が個別にある。僅かな時間の電話の機会ですけれども、奈良の実情はこうですよということを、実例とエビデンスを上げて説明するようにしているんです。

 だから、緊急事態というのは言葉だけではないか、言葉だけで効果がないんじゃないかという報道もありますので、それが一番大事な評価だと思うんです。我々が見るのと、報道機関の皆さんから見るのと、緊急事態宣言をしたところの効果があるのかどうかということの見立てを注視をしています。だから緊急事態宣言の模範例があれば真似たいなといつも奈良県のようなところは思うんですが、このような緊急事態宣言の効果があるのに真似ないんですかという質問になれば、とても有意義な質問かと思います。緊急事態宣言という言葉があるけど飛びつかないのかと言われたら、効果をよく見てからですよという返事になっていると、そんな関係だと思います。

朝日新聞:
 奈良県の実情を国に伝えてすり合わせをした上で、緊急事態宣言の適用を要請するというお考えは今のところないですか。

知事:
 ないです。

朝日新聞:
 その理由を、もう少し詳しく教えていただけますか。

知事:
 効果があれば何でも適用するのに。蔓延でも緊急でも何でもいいんです。だから国がやるのではなく、緊急対処方針ということで、県でわかることはやりますよということが、今日説明したことじゃないですか。

朝日新聞:
 では、現時点では緊急事態宣言も県にとってはあまり効果がないのではとお考えですか。

知事:
 効果のある緊急事態宣言ならオーケーと。緊急事態宣言で効果がないならしませんよというだけの話ですので、緊急事態宣言でこのような効果があるのにしないのかという質問ならば歓迎ですよということに尽きると思います。

朝日新聞:
 もし国から、実情に合わせて効果があると知事が考えられるほどの内容で宣言を求められた場合には、応じられますか。

知事:
 うん、効果のあるようなやり方で、このように効果があるからどうかという具体的な提示があれば、検討に乗ります。中身が不明なのに乗りますかと質問されても、平田さん(=朝日新聞記者)らしくない質問だと私は思いますね。

朝日新聞:
 もう1点、以前、重点措置の適用を検討するにあたって、飲食店の調査を奈良市と共同でというお話があったんですが、そちらの進捗は今いかがでしょうか。

知事:
 だんだん進むと思います。今までの調査の実例では、飲食店感染がこんなにあるよという実例はそんなに出てきていません。県の調査ではあまり出てきていませんし、市の調査でもまだ出てきていませんが、そのような実例があろうかとは検討します。それについては、何よりも蔓延防止の適用という観点でおっしゃった飲食店時短が効果があるかどうかということですけれども、先ほど言った大阪市の感染者が2万8,000人。今までの累計で、奈良に近い東大阪市が4,000人、奈良市が1,300人と、このような状況で、蔓延防止という言葉もそぐわないし、飲食店時短が効果があるのかというのはどう思われますかね。こう見ると、効くのかなという気になると思うんですけどね。

朝日新聞:
 調査と伺っていたので、何か具体的な数字とかが出されるのかなと思っていたんですが。

知事:
 言葉に動かされないようにということをいつも思っています。戦争中から言葉に動かされやすい国民でありましたので、それは今も変わらないのかなと思ったりします。言葉の定義というのはとても大事ですので、それが分かればいい記事になると思いますし、いいご理解になると思います。言葉が浮ついて、それに飛び乗ったらまた非難されますので、実態、実例を基に、できるだけ実態、実例に寄り添ってというふうに、必死で思っています。

朝日新聞:
 先ほど調査で、あまり飲食店での感染が出てきていないとおっしゃられたのは、どんな調査をされて、どんな結果からそのようにご判断されたんでしょうか。

担当部局:
 感染状況につきましては、ずっと分析を続けていますが、奈良市も奈良県も、まずは保健所が聞き取った患者さんの疫学調査のデータに基づいて、それを分析するという形でやっています。奈良市と奈良県のデータの交換というのは既に始めておりますので、その辺の突き合わせ状況につきましては、また改めてお話しするような機会もあるかと思います。

朝日新聞:
 共同の調査というのは、データの交換ということですか。

担当部局:
 まずは、今持っております保健所の患者さんへの聞き取りデータがベースになりますので、そこをきちんと分析・協議していくということがベースになると思います。

知事:
 よく言われるのは、言い方に齟齬があって、どこに齟齬があるのかもう少し見ますとね、実態の元のデータが違っていたり、思いつきで中身が入っているのが一番いけないことなので、できるだけエビデンスベースドにしたいと我々は思っています。その時、エビデンスの突き合わせや探索がないと、ベースができませんので、ベースをつくることからやりましょうというのが基本で、それが今まで日本ではなかったと思います。東京都でもそんな感じがある。保健所が分かれているなどの行政の不具合でできなかったとか、できない国柄であろうかと思いますが、それがまとまっていると、行政上、組織上の不具合が少し縮小というか、緩和されると思っています。奈良市ともそのような対話が始まっていますので、それに呼応してデータを出されたら、データの整合性や、データの真実性というものをなるべく積み上げていくというのが、遅まきですけれども、基本作戦になろうかと思います。

毎日新聞:
 先ほどの西村大臣との電話について、毎日向こうからかかってくるんですか。

知事:
 そうですね、毎日ほどということですので、過去4回ぐらいかかってきましたかね。

毎日新聞:
 電話で話されて、その中で西村大臣から、蔓延防止措置の要請をする気はあるかとか、しないのかというような、そういう話は1回もなかったですか。

知事:
 なかったように思います。情勢はどうですかというような話。

毎日新聞:
 心配してかけてきているのではないんですか。

知事:
 (感染者数が)増えましたねとおっしゃるから、心配してかけてきておられます。

毎日新聞:
 では、要請しないかという、求めは1回もないと。

知事:
 ないと私は思いますね。奈良の実情も、何回目かからは、もう奈良はうつる場所がないんだもんねとおっしゃるぐらいになってきましたので。

毎日新聞:
 もう1点。知事が働いている県庁で、ご存じのとおりクラスターが発生して、結果的に30人強、同じフロアの職員が感染したという事案がありました。この感染経路なんですが、最近の発表でも、ほぼ全て推定感染経路は調査中であるとなっているんですが、これは解明されるんでしょうか。また、知事はどのようにしてここまで感染が広がったのかと考えておられるんですか、エビデンスとして。

知事:
 今度の4月以降の感染については、この急激な感染拡大には変異株の影響が大きいかなと、まず第一に思います。変異株に対する防御はどうすればいいか、今、みんな四苦八苦してやっているわけです。感染力が強いということに対してどうするかというので、対策を強化するという動きになっていると思います。それが蔓延防止措置とか緊急事態宣言とかという、名前はどうでもいいんですが、それが効くかどうかということが今大きな課題になっていると思います。

 その中での感染拡大の原因というのは大事なことですが、その発生原因の性質によるものが大きいんじゃないかなというのが一つの見立てです。変異株の影響が大いにある。ということは、変異株発生前はずっと収まってきたわけなんです。行動のパターンは変わらないですけれども、収まってきていた。また時期によって、変異株でなくても増えたかもしれませんけれども、波の高さが変異株で違ったというような見立てであります。最近の急増の原因というのは、変異株の要素が大きいんじゃないかと思います。

 その他の原因というのは、大阪との往来が割と激しい県だとか、地域だということは構造的にあろうかと思います。それから、クラスターというのはまた違う要因なので、類型的に違うように対処を考えないといけないと思っています。発生と対処というのは、その対象が違いますんで。

毎日新聞:
 例えば、職員同士の飲食があったという認識ではなくて、県庁内で仕事中に感染が広がったという認識でよろしいですか。

知事:
 県庁クラスターについては、原因の特定はまだ正確ではありませんが、今までの調査ですと、飲食クラスターじゃないと思います。職場内のクラスターだと思います。それを防ぐためにこういうようなこと(=飛沫防止パーティション)を、知事室もそうですけれども、笠原先生の指導を受けて徹底するようにしています。

 県内のクラスター、施設クラスターはいろいろなところで発生してきましたが、そのような防御をされると、今までのところは、同じ場所で二度発生したことはないんですよね。場所の防御というのが効いたからだと思います。職員が他でうつって帰ってくるということはまま、今でもあると思うんですが、職場での発生・拡大リスクは、笠原先生のご指導の下に従っていると、奈良県では二度と発生することはないですが、これまでに発生したところは、そういう防御を事前にされていなかったところだと、今、クラスターの事例を追っていきますと、そのように見えます。県庁もその一つだと思います。そこそこの注意はしていたんですけれども、今やっているような厳密な注意はしていなかったというように思います。この度、厳密な注意を徹底するようにしましたので、願わくばですけれども、二度と発生しないようにと願っています。

関西テレビ:
 質疑応答を聞いて、基本的に奈良県の知事の考えとしては、エビデンスベース及び効果的かどうかというところが基本の方針というか、動きの基になっていると思います。まず1つが、エビデンスベースとするなら、市町村とのデータ共有及び、例えば調査方法を同じような条件にすることで効果的かどうかを統計的に測れると思うんですけれども、逆になぜそれがコロナが発生してから1年近く後になってしまったんでしょうか。もう少し早く、それこそ市町村会と共有して、エビデンスベースとして効果測定ができるように、一緒の条件等で話し合うことはできなかったんでしょうか。

知事:
 おっしゃるとおりだと思います。エビデンスベースドで、奈良県はむしろ市町村との情報共有というのは他県よりもすごく発達した県だと思います。奈良モデルというケースがそういうことです。県・市町村サミットで情報提供をしておりますけれども、今まで県がなるべくエビデンスベースドでこのような情報を出して、市町村にも配付していますけれども、市町村のほうがエビデンスを尊重して発言するという風習が、このコロナではまだあまりなかったように思います。それは、こちらがもっと積極的に呼びかければよかったかとも思いますが、県・市町村サミットでも、コロナのこのような情報提供はずっとしているんですけれども、それはそれとしてというので、エビデンスに多少基づかない発言もあったんですが、どちらもそういうことはあるんです。この度の市長会からの要求で、情報共有・提供をしてほしいと。情報共有したいというようなフレーズが入りましたので、今回は積極的にそのような呼びかけに応じるというきっかけになったということです。

 そのようなきっかけも要るものですので、奈良県は、情報共有とかエビデンスベースドというのは、県・市町村サミットや、奈良モデルなどいろんなケースでは十分している県だとは思っていますが、このコロナについては、情報提供はしておりましたが、情報共有まではなかなかいかなかったのかなと思います。

 情報提供の場は、県・市町村サミットでこのような対処方針案を渡したりしているんですけれども、それをもって、そのベースドで議論するという観点はなかったんですよね。だから、向こう(=市町村)から、奈良県のエビデンスがこういうことで違うんじゃないかという風潮にやっとなってきたと。県はやっているというつもりではございませんが、これは両方の責任だと思います。どうしてできなかったんですかね、もっと最初にやるべきじゃなかったんですかねというのは、全く同感です。どうしてできなかったのかという点にはいろいろ見方があると思いますが、やっとできるようになったという思いでございます。よかったなという思いでございます。それは情報共有したいと言ってこられたのがきっかけだと、私は思っています。

関西テレビ:
 あともう一つ、先ほどからの話なんですが、基本的にやはり奈良県としては、感染者の割合から大阪市で感染しないようにするというのが、恐らく一番効果的だとお考えの上で、去年から大阪にはあまり行かないようにとか、用心して行くようにということは、多分、再三再四知事もおっしゃっているとは思うんですけれども、それがこの緊急対処方針で今までと変わらないのであれば、県民にはあまり効果がないのでないかとも思います。往来自粛と強く訴えかけるのであれば、初めて今までとは違ったような、一番効果的だと思う部分へのアプローチができるんじゃないかなと思うんですけれども、これまでとの違いをどう表明するのかを教えてください。

知事:
 それは大事なポイントであろうかと思います。今まで大阪通勤者が3割おられるという実態から反映して、行って帰られる人というのは、行くなと言うわけにいかない対応、これは最初から言っていましたので、往来自粛という言葉は、奈良県はまだ使ったことがないぐらい、用心して行ってくださいよという言い方しかしなかった。

 用心というのは何かというと、職場に行って帰ってこられて、うつっているかもしれないと思って自宅で気にされると、うつらない、うつさないということをやっていただくと大分違いますよと。それで、うつった人でも自宅で感染させた人は4分の1にすぎないんですね。そのぐらいの割合は調査で分かるんです。すると、大阪の職場でうつったのか。先ほど申し上げましたように職場でうつったのならばクラスター化しているはずだと。奈良県の人だけがうつるというわけでもないだろうしと思われるわけです。

 ところが、クラスター発生しない職場に通っていてうつって帰るというのは、他に寄っていませんかという調査も重ねていて、他に寄って帰りましたと言えば、そちらで会われた人が悪かったのではないですかと推察ができるわけです。だから今まで往来自粛ということには、ちゃんと行って帰っているのに自粛かと、こういう反応もあり得たと思います。行くならば用心してくださいねということを徹底するというのが一つの方針です。場所はこういうところでうつっていますというのはなるべく特定するというのが一つの方針です。

 もう一つはロックダウンのように、とにかく行くなという、その2つのタイプがあると思うんですよね。今までの奈良県のタイプは用心して行ってくださいねという、それよりもまだ少しランクが緩いような言い方だと思いますけれども、その2つの方式をどのようにするか。ロックダウンタイプだと、やはり国が関与しないと。越境ブロックということになると、国が関与しないと、なかなか奈良県だけで行くなと言っても、その私権の制限というような壁もありますので、補償のしようがないですよね。だから場所を選んで補償しようという、少し中途半端な逐次戦力、逐次投入のような形になっているんじゃないかと推察いたします、場所を決めて。

 人の行動を制限するということには日本はなかなか踏み切れないし、補償という点では、今まで野党がそんなことはしちゃいかんというような言い方でもありました。今度は、新聞記事で、野党は緊急事態も立民主張と、こう書いてありますのはどういうことなのかなと。野党が緊急事態を主張ということは、どういう内容の緊急事態を言っておられるのかなという関心はあるんです、国政の場での議論の関心があるんです。それをよく見て、効果のあるような緊急事態宣言に国がされるのかどうか。

 しかし、先ほど話していますように、ロンドン型のロックダウンというのはなかなか大変なことで、与野党の中でもそんなことはすべきではないという意見もありますし、知事が言ったらそのほうがいいというわけでも、これはなかなかない。国全体に関わる話かと思います。今の緊急事態宣言自身、国の判断ということになっていますので、その緊急事態宣言が緩い緊急事態なのかどうかというのは、今、ご質問がありましたように、どういうやり方をするにしても効果があるかどうかということが一番の課題ですので、いいやり方があればもちろん真似たいと思います。しかし、正直言いますとなかなかいい知恵はまだ出ていない、あるいは持ち合わせがないというのが今の時点で、せめて来週の対処方針で、特に連休がありますので、連休の方針として、国もそうだと思います、連休である程度抑え込めたらという願いはあると思いますので、連休の過ごし方というのが一つの焦点になろうかと思います。連休中は大阪に行かないですよね、そういう言い方がいいのかどうか分かりませんが、まだ質問の答えということではなく、どうなのかなという程度のことであります。

 ただ、大阪に連休中行かれないと、大阪も動きが止まると(感染者数が)減ることは確実だと思いますし、ある程度は奈良も連休中はそのような反映もあって減るんじゃないかと期待はしておりますが、連休が終わったらまたぶり返すということもあり得ますので、持続力のある効果的な対策はないかというのが、ご質問の一番中心にあるように感じております。答えになりませんが、なかなかないんですよねといった程度の話になっているかと思います。こんな長くしゃべらなくても、一言で言えばいいのにと思われると思いますけれども、そんな感じですね。すみません。

関西テレビ:
 例えば去年だと、兵庫と大阪が往来自粛で結んでいたと思うんですけれども、大阪に緊急事態宣言がおそらく国から発令されるような見込みである以上、奈良は緊急事態宣言ではないけれども、吉村知事と、例えば大阪に行かないよう、大阪と奈良の往来を自粛するようということだけ結ぶとか、そういった考えは今あまりないですか。それもまた視野には入っていますか。

知事:
 まだこれからですが、一つのタイプとして、緊急事態宣言は、蔓延防止でもそうですけれども、この場所は危ないよと時短されたりするわけですが、危ない場所宣言のような感じがあります。そのような場所には行かないようにというお勧めはできるんじゃないかと思います。わざわざ越境して危ないと言われている場所には行かないでくださいねというような言い方は、一つのパターンとしてはできるかと思います。

 場所を絞って行かないようにお勧めする。往来自粛というのはとても広いんじゃないですかね。子供がいるので会いに行く、おばあさんがいるので会いに行くということも、不要不急という言い方もありますけれども、危ない場所に行かないと。場所に特定して対策を練るというのが日本のまた特徴ですので、危ない場所ということと、危ない人に会わないようにという方がより適切な、効果的なことなんですが、危ない人というのは分からないというのが特徴です。すると、行ってもなるべく人と顔を合わさないようにという、笠原先生のおっしゃるような忠告も割と有効かなと思います。どこに行っても同じ、奈良で行っても同じことですが、大阪に行くと、息を詰めて帰りなさいということはできませんので、とにかく人に面と向かって会わないようにということだけでも、マスクをして会うようにするだけでもリスクは減ると笠原先生は言っておられますので、そういう具体的な忠告を聞いてもらえばリスクは減るんじゃないかなとも思います。

関西テレビ:
 具体的な部分で今言えることは。

知事:
 この程度ですので、また練って、来週早々にでも会議で発表したいと思います。有力な情報を、紙面の上でもいいので、教えてもらえたらありがたいです。

毎日新聞:
 知事は、県内での家庭内感染をとても危惧されていますが、奈良県が昨年12月から、全国でも珍しかったと思うんですが、PCR検査を受けて結果を待っている間に、その家族がホテルに避難できるという制度をつくられて、実際にJR奈良駅の近くにそういうホテルを準備しています。12月に制度が始まったと思うんですが、この運用実績というのはあるんですか。

担当部局:
 この4月に入って、1名、ご家族の方が入られました。翌日にはPCR検査の結果、陰性と分かったので、1晩限りで退所された、この1件のみでございます。

毎日新聞:
 これまで1家族しか利用がないんですけれども、多分周知不足だと思うんですが、そのことについて知事はどう思われますか。

知事:
 入所・入院拒否される方の理由で、家族がいるからとか、ペットがいるからというのが結構あったんです。宿泊療養では大御門というホテルでは、ペットが8頭ほど預かれるんですね。これはまだ実績がないかもしれませんけれども、そのようなことも用意はしています。家族でうつられると、家族で分離して宿泊療養されるということになりますので、家族の1人、お母さんが抜けると他が大変だから、あるいはお父さんが抜けると子供をどうするかというような、家族事情に応じて受入れる用意をするということです。事情がもし発生しないならば、それはそれで無理やり家族に入れということではもちろんないわけです。家族で行きたいのに行けないということであればいけないなとは思ってきておりました。だから、まだその事情が発生してないのかなという見立てもできるわけですよね。

 


山辺高校サッカー部の飲酒事案等について

共同通信:
 先日、県立山辺高校サッカー部で飲酒喫煙問題が再発覚した関係で、飲酒喫煙をした生徒が転学または転学する予定の生徒もいるということなんですが、飲酒喫煙をして転学というのはあまり聞いたことがないですし、事実上の処分でないかなと思います。処分とするならば重過ぎるだろうなと思いますし、逆にこれを教育委員会は処分でないと言うのであれば、子供を教育する立場の人間が自らそれを放棄してしまっているような現状にも思えます。このようなその動きを所管する立場ではないと思いますけれども、知事はどのように見ていらっしゃるか、簡潔にお願いします。

知事:
 山辺高校ですね。山辺高校のサッカー部の生徒が、以前にも飲酒をして、全国大会に出場するかしないかという問題になりました。その同じ生徒が2回目を起こしたということです。そのような学校に対してどのような対処をすべきかということです。私は知事ですので、教育現場は教育長や校長先生が権限を持っておられますので、個人的なコメントはあるんですけれども、立場上のコメントはないんです。教育長が、そのようなことをしましたという報告には来ておられます。

 公式にはそれに尽きるわけでありますけれども、私の立場上のコメントは教育現場の自主性ということになると思います。個人的なコメントは、こういう場ではあまり言うような立場ではないということにさせていただけたらと思います。

司会:
 よろしいでしょうか。
 その他のことも含めまして、ご質問はいかがでしょうか。幹事社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

(発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。)

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