令和3年8月4日(水曜日)第26回新型コロナウイルス感染症対策本部会議・知事定例記者会見

【対策本部会議内容】
〇感染拡大防止にむけた県民の皆さまへのお願い 
 【発表案件】
〇林地開発に係る盛土調査について

 

【対策本部会議内容】感染拡大防止にむけた県民の皆さまへのお願い

司会:
  それでは、ただいまより第26回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開会いたします。
  奈良県では、4月27日より奈良県緊急対処措置を実施しており、7月12日からは第5期の奈良県緊急対処措置を実施しているところでございます。
  全国的に感染の再拡大が始まり、奈良県及び周辺地域、特に大阪など都市部を中心に爆発的な勢いで感染者が増加しています。今後は、大阪府においては緊急事態宣言、また、京都府、兵庫県におきましてはまん延防止等重点措置が、8月2日より8月31日までを期限といたしまして適用されたところでございます。
  本日は、こうした近隣府県の緊急事態宣言等の措置に合わせ、感染拡大防止に向けた県民の皆様へのお願い、奈良県緊急対処措置の延長について議論したいと存じます。
  それでは、本部長の知事よりご発言いただきます。よろしくお願いいたします。

 

 知事:
  感染症の対策本部会議を本日開催いたしまして、またちょっと新たなフェーズに入ったように見える感染症の現場に対する措置をお諮りしたいと思います。
  早速内容に入りますが、2ページ目でございますけども、感染拡大の現状の認識でございます。爆発的な勢いで感染者が増えているように思います。
  奈良県は、大阪府の影響を強く受ける形で進んできておりますので、大阪府が急増したときに奈良も急増した、第四波の波と類似したような傾向が見られます。そのような経験を踏まえまして、奈良県の発生傾向に対応した、まん延防止措置、感染拡大防止措置を講じていきたいと思います。
  また、どのようにするかという点では議論が分かれるわけでございますけども、奈良県は類型指導といいますか、類型注意ということを笠原先生のご指導の下にしておりますので、それをさらに詳細に分析をして、県民の皆様と情報共有をする形で、感染拡大防止をするというパターンをさらに徹底したいと思うところでございます。
  3ページ目は、具体的な方向ということになりますが、大阪、京都、兵庫の実施期間が決められましたので、今は8月22日までということにしておりましたが、それに合わせて8月31日まで継続するということをお諮りしたいと思います。また、ワクチン接種が進んでまいりますと、ワクチン接種の効果というのも現れておりますので、全ての年代において着実に進めるということを改めて確認したいと思います。また、第四波の教訓を反映いたしまして、現在、通常医療との調整を図っております77病床ありますが、それをコロナ病床に再び転用する、確保病床の運用、コロナ病床への転換、再転換ということもお諮りをしたいと思います。
  そのような内容でございますが、まず感染の傾向についてご説明を申し上げたいと思います。
  6ページ目でございますけども、これまでの新規感染者数の発生は、大阪府のおおむね10分の1のレベルで同期化するということがこのグラフで分かってきております。特に第四波はそのような傾向が強かったわけでございますが、7月の初め、7月前後に底を打ったように見える第四波の波が再び上昇し始めております。その増加の波が第四波と類似しているというように認識をしております。
  7ページ目は、その増加のレベル、傾向でございますが、前週同曜日比較というものを各地でもされておりますが、このようにカレンダーの前週同曜日比較をいたしますと、前週比で倍以上になっておりますのを二重丸、増加しております曜日を一重丸というふうにしておりますが、最近ではほとんどの日が前週同曜日増加または2倍化というようなことが分かりました。
  8ページ目は、大阪府の動向でございますが、大阪府は奈良県よりもさらに厳しくて、2倍増加というのが最近では極めて目立つような動向、情勢になってきております。
  9ページ目は、感染類型分析ということになります。7月、大阪の増加に引かれるということが改めて出てまいりましたのは7月12日以降でございますが、一次感染が大幅に増加いたしました。一次感染は県外感染という意味でございます。二次感染は県内感染というような意味でございます。定義上の話でございますが、昨年の3月から6月までは約3分の1が一次感染でございましたが、6月、7月になりますと一次感染の数が減ってまいりました。先ほどの6ページ目で見ますと、6月の14日から7月というのは大変大阪の感染レベルが低かった時期でございますが、大阪の感染レベルが低いときには、奈良県の一次感染も大変少なくなるという傾向が分かります。割合ということでございますが、その後、7月12日、底を打って上昇し始めた時期でございますが、7月12日以降の感染動向は極めて変化が激しくて、一次感染が今年の3月、6月に比べても大変一次感染の割合が増加しているということでございます。繰り返しますが、一次感染は県外感染ということでございます。県外ゆかりの感染ということでございます。
  県外ゆかりは、どのような県外かということが10ページ目でございます。今の一次感染の内訳を見ますと、7割近くが大阪関連でございます。半分に達します一次感染、7月12日以降の感染の割合の中で、大阪関連が66%、しかしその中で大阪に行ってうつされた方が52%、大阪から来てうつされた方が14%、意外に思われるかもしれませんが、大阪から来てうつすというのは、このようにまだ割合は少ないわけでございます。奈良県の経済社会の人流の特徴からして、大阪に行ってうつされるということがメインの感染経路になっているものでございます。
  11ページ目になりますが、二次感染の3類型の中で、3類型と申しますのは下のほうで出ておりますが、基本パターンは変わっておりません。クラスター、家庭内、家庭外というのが3類型でございます。クラスターと家庭内は二次感染以降といいますか、県内感染ということでございます。一次感染は家庭外感染の中に含まれております、定義上でございますが、動向を同じパターンで見てみますと、3月から6月までは家庭内が増えてきたということでございます。3月から6月までは6ページ目の表と見ていただきますと、大阪が大変伸びたときから6月のピークを打って下がる間、第四波というようなことになります。上がって下がってということでございます。量としては、家庭内の割合が多いわけでございます。
  それから、6月14日から7月11日は底を打っている時期ということになりますけれども、この3類型は3等分のような形で表れております。7月12日以降はまた上昇したという時期でございますけども、その時期はクラスターの割合が大変少なくなって、家庭内と家庭外がこの3類型を二分するという状況になってきているのが分かります。家庭内で感染した方から、家庭外の友人等への感染、これは県内感染の拡大ということの注意になるかと思います。
  12ページ目でございますが、家庭内感染の行動別の類型でございます。友人との交流と、仕事というのが2大類型でございます、8割。下の表でございますが、先ほどの、右の下へまず移りますと、家庭外感染の中の二次感染以降ということは、県内感染の行動類型は、友人との交流、仕事ということでございます。左に行きますと、一次感染ということは県外感染ということでございますけども、友人との交流、仕事というのは2大類型に変わりはございませんが、割合も似たようなことでございますけども、やはり仕事というのも大きな奈良県の特徴からして、大きな意味を占めていることが分かります。8割が友人との交流と仕事ということになるのは、一次感染も二次感染も変わりないというように思われるところでございます。奈良県の県内感染の場合は、この2大類型の割合のほうが、ややですけども、多いように思われます。大阪を中心とした一次感染の場合は多少バラエティーがあるというような傾向であることが分かるものでございます。
  13ページ目になりますが、家庭外感染の場所別分析でございます。一次感染というのは県外感染でございますけれども、県外感染は、先ほど申し上げましたように友人との交流と仕事というように行動別では分析されますけども、感染場所から切り込んだ分析になりますが、事業所が多いということでございますが、事業所はどちらかというと仕事で感染されたということの中心場所であろうかと思います。友人との交流の場所ということは、一次感染ではどこになるかということになりますと、居宅が割と多いと。友人宅に行くとかということになりますが、居宅と飲食店、あるいは居宅というのは大阪から来てうつすということの中も居宅に入る可能性がございます。二次感染は県内感染でございますが、一次感染と比べて分布がこのように分かれてきております。居宅、事業所、飲食店というのが3つの大きな類型でございますが、約4分の1ずつを占めるというようなことでございます。これは場所の類型の判断ですので、その場所からうつされたというよりも、友人との交流でうつされた場所がここだと、複合的に考える必要があるということを改めて繰り返し申し上げたいと思います。
  14ページ目でございますけども、ワクチン接種の効果というように測ってきております。特に60歳以上の高齢者のワクチン接種が進んできておりますので、その効果を測るという意味がございます。このように時系列的にワクチン接種の進行に合わせて高齢者の感染率、感染割合がどの程度のものかということを測ったものでございますが、左の例えば1月から2月、3月にかけての約3割が60歳以上ということに比べまして、一番右のグラフの中では、60歳以上は9%になっているという状況でございます。これは高齢者のワクチン接種が進んできた効果ではないかと思われるところでございます。ワクチンの効果は、感染者の発生抑制に効果がある、高齢者の場合においてはこのように数字で表れてきているということを皆様と情報共有したいと思います。
  15ページ目でございますが、デルタ株の状況でございます。大阪だけではなく、関東、東京などではデルタ株の割合が増えております。奈良県でも注意をしておりますデルタ株の変異株の存在を検査を始めておりますが、検査に対しましてデルタ株疑いというのが黄色の部分でございますが、7月の末、26日から8月1日では、約100件のうち2割程度がデルタ株疑いということになっております。これが出てきますと爆発的な感染拡大につながる可能性がございますので、神経を張る必要があろうかと思っております。参考になりますが、大阪府と東京都のデルタ株疑いの割合あるいは数ということでございますが、東京都のデルタ株疑いの割合は、数が群を抜いているということが分かります。
  17ページ以降は、対処措置のこれからの内容ということになります。19ページ目でございますが、これまでの分析を踏まえますと、典型的なパターンは大阪などで飲食、仕事、友人との交流というように表現しておりますが、ベッドタウンの奈良県に帰られて家庭でうつされる。家庭の他のメンバーが職場あるいは学校でうつす、この3連チャンというのが連鎖があるというように見てとれます。大阪からの家庭内感染へ気をつける、家庭内感染の拡大に気をつける、家庭内から家庭外の持ち出しに気をつけると、3つのご注意が必要なわけでございます。
  その1つ目が、20ページになりますが、大阪との往来による感染、一次感染と言っておりますけども、一次感染の中で、県外感染の中で大阪関連が約7割ということは従来から変わりませんので、大阪が大変急増すると奈良も急増する原因、一次感染がないと二次感染がないというのがロジックでございます。一次感染が収まってくると、二次感染以降は県内感染を抑止していると自然と収まってくる、そのトリガーといいますか、起動するのはいつも一次感染からというのが奈良の傾向でございます。したがいまして、大阪との往来の際のご注意ということを、繰り返しになりますがご注意を申し上げたいと思います。奈良の経済社会構造からいって、大阪に行かないと仕事もできない、また、遊びもできないと言われる方が多いわけでございますけども、大阪に行ってもうつされなければいいですけども、油断をされてうつされる傾向が多いわけでございますので、大阪との往来は仕方ないにしても、細心のご注意を払っていただきたいと心からお願いする次第でございます。
  家庭に持ち帰って知らない間に家庭でうつされるというケースが、数からすれば圧倒的に多いわけでございますが、大阪に行くのはしようがないねと、しかし、うつされるのは気をつけましょう。しかし、家庭に持ち帰っているかもしれないということも気をつけて、さらに家庭のほかの人にうつすことには、また笠原先生のご指導あろうと思いますけども、ご注意されている家庭では家庭内感染が発生してないという例もございますので、ご注意をしていただきますと家庭内感染も防げるというように思います。家庭内は密着度の高い場所でございますので、なかなか難しいことではございますが、家庭内感染を防げるというように思われるところでございます。
  家庭外に持ち出す場合のご注意になりますが、先ほどの統計で分かりますように、友人との交流と仕事というのがこういう類型の2大類型でございます。友人との交流というのは、やっぱり必然といいますか、楽しみでもございますので当然あるわけでございますが、そのときにもご注意をしていただくと感染しないということが分かってきております。マスク着用、それとこの際は長時間、多人数ということを避けていただきますと、感染リスクは大幅に軽減するということは分かってきておりますので、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
  仕事の感染が2大類型の1つでございますが、事業所に行ってうつされるのが仕事でございます。保育園でありますとか勤務オフィスでありますとかでございます。笠原先生のご指導のを見ますと、オフィス、あるいは仕事場で感染拡大に細心の注意を払っておられるところは、クラスターにならないということが分かっております。持ち込まないということでは体調不良の場合はなるべく出勤をしないという個人のご注意もありますけども、出勤させないという事業所側のご注意も併せてお願いしたいところでございます。事業所の中での注意で感染が発生する、クラスター化するところとそうでないところは明確に分かれてきておりますので、ぜひ事業所におけるご注意を改めてお願い申し上げたいと思います。
  これから夏休みに入りますので、夏休みの過ごす場合のご注意ということでございますけども、奈良県でそのように過ごされる場合には、ご注意さえすればそんなに感染拡大しないように私は思います。ご家族と気をつけながら暮らす、ある程度外との接触は夏休みで学校に行かない、家庭へ行くと。お父さんがお仕事に行って帰ってこられるときは要注意ということになりますけども、県内で家庭で気をつけながら暮らしていただくのが何より一番安全な暮らし方のように思います。
  また、帰省ということがお子様についても、あるいは奈良の若者についてもありますが、人との接触からうつるのは分かってきておりますので、接触をされる際にはごく慎重な配慮をしていただくと感染リスクは大幅に減るということが分かってきております。特に同居してない人は、相手が感染してるかどうか分からないというのがこのコロナの特徴でございますので、お互いさまでございますが、どちらかが感染しているかもしれないからねといって注意を払っていただければというように思います。
  24ページ目からは、緊急対処措置の継続する内容でございます。施設の使用制限は継続いたします。イベントの実施制限も継続いたします。25ページ目の認証制度は推進をしたいと思います。増えてきておりますが、さらに加速的に推進をしたいと思います。飲食店、商業施設の感染予防の配慮でございますが、時短とか酒類の販売禁止は奈良県ではしておりませんが、このように感染予防の配慮をしていただく必要はあろうかと思います。勤務の工夫というのは、勤務はなかなか辞めるわけにはいきませんが、事業所での最大の配慮、また学校、保育園、福祉施設などの配慮によって感染リスクが大幅に減ることに、後で笠原先生にまたアドバイスの発言をお願いしたいと思っておりますが、このような工夫をお願いしたいと思います。
  クラスターの発生が、先ほどの統計では、直近ではクラスター発生が減っていることが分かりますが、ぽつんぽつんと発生いたします。ただ、奈良県では笠原先生のご指導で、同じ場所では二度発生してない、注意を徹底していただくと発生しないと。発生したらよく分かるけどもというのではなく、発生する前から注意をしていただくことができればありがたいというように思います。学校でのご協力ということになりますが、学校は夏休みに入りますけども、部活とか、その他の活動もありますので、そのような場合でのご注意ということをお願い申し上げたいと思います。また、このようなご注意の内容、こうるさくて恐縮でございますが、注意を知っていれば防げたのにということもあると思いますので、心に届くような形で発信をしていきたいと思います。GoToイート、「いまなら。」キャンペーンについては、慎重に対応していきたいというように思っております。
  27ページ目は、参考にございますが、緊急事態宣言、まん延防止重点措置を適用したらという声がございますので、奈良県の考え方を表現したものでございます。国の措置でありますけども、緊急事態宣言、まん延防止重点措置は、飲食店における時短要請を中心とする内容というように言われておりますし、そのとおりだと思います。繁華街の多い大都市においては有効だと思われますが、奈良県はベッドタウンでございますので、そのような場所というのはなかなかありませんし、飲食店クラスターとかということもあまり集中的に発生しないような地域でございますので、このような措置の効果については疑問を持ってきております。大阪について時短要請されておりますが、じゃあ奈良に行こうかといったような例で流入して感染拡大がされている事例はあまり確認されていないということでございます。そのようなことから、本県においては緊急事態宣言、まん延防止重点措置を要求しないで、本県の実情に合った緊急対処措置を継続していきたいと改めて思います。
  また、全年代におけるワクチン接種というのは効果があるように見えてきております。後でご説明いたしますが、大きな手段になってきておりますので、感染拡大抑制の切り札といいますか、それをワクチン接種の進展ということに向けて措置をしたいと思います。
  28ページ目でございますが、感染防止対策を実施される飲食店、宿泊施設の認証が増えておりますし、また積極的に申し込みたいという方がございます。そのような方の休業要請、時短要請によらないで感染防止対策を実施するというのが、奈良県の今の措置になって、安全安心な店舗を増やしていきたいということでございます。
  次の29ページ目でございますが、このような内容になっておりますが、認証実績が、8月3日時点の認証件数229件になっております。認証の一層の迅速化、加速化を図っていきたいと思います。
  30ページになりますが、雇用調整助成金が出ておりますが、奈良県では、10分の9に国の支援が引き下げられておりますが、県独自の措置で10分の10の水準を維持するために10分の1の上乗せ補助を行ってまいりました。引き続き8月と9月についても上乗せ補助を継続したいと思っております。
  31ページ目は、社会福祉施設などの施設クラスター対策でございます。具体的にクラスター発生しそうだというときに、それが拡大しないように配慮をすれば抑えられることも分かってきておりますので、笠原先生の指導解説の動画をホームページで本日から公開をすることにしております。また後ほど笠原先生にちょっとアドバイスの発言をお願いしたいと思っております。
  32ページ目は、その内容の一端でございます。
  33ページ目から、ワクチン接種の早期展開という項目、テーマでございます。
  34ページ目でございますが、ワクチン接種率が高い地域ほど人口10万人当たりの感染者数は低くなるのではないかということも、県独自の調査で調べました。ここにありますように、緊急事態宣言の実施をされている東京、関東、大阪、沖縄については、ご覧のようにワクチン接種率が3割前後に集中をしております。言葉は悪いですか、ワクチン接種の遅れが、爆発的感染拡大と関連していると思われるような資料でございます。人ごとを言っているわけではありませんが、そのように見てとれるものでございます。石川県はワクチン接種率は高いわけでございますけども、その中でも感染率が高い。これはまた違う意味が、別の意味があるのではないかというように思われます。奈良県は、この傾向の平均値ということになります。相関係数は右下がりで0.52、相関があると言われるレベルでございます。願わくは、ワクチン接種が進むと右のほうに行きます。この滑り台を滑るように粒が下りていくことが想像されますので、ワクチン接種を拡大してこの左上にある都道府県が滑り台に沿って右のほうに下りていくということは、望ましい形ではないかというように思われるものでございます。したがいまして、ワクチン接種の推進は感染拡大防止の決め手であるというように思われます。これは全都道府県の方でございます。
  県内市町村はどうなのかということを35ページ目でございます。ワクチン接種率の表で見ますと、これは全年代の接種率でございますが、20%から30%にしか行ってない市が香芝市、橿原市、大和高田市と3つあります。その3つの感染率の差があるわけですけども、香芝市はその中で大阪に近いというハンディがあるように思います。また、その3割から4割のグループがございます。4割から5割のグループがあるというように見えるわけでございます。安堵町と三宅町は感染率が高いですけども、別の理由かというように見てとれます。3割から4割、4割から5割に散らばっております市町村の接種率の中で、実はこの平均より上と下というように、分けられる面があろうかと思います。
  この表では表現しておりませんが、例えば3割から4割の平均より上の3つがありますが、その3つは一番上が王寺町、左が生駒市、その次が大和郡山市でございます。大阪との関連が強いところが平均より上になっている傾向があろうかと思います。4割から5割で平均より上と下で分けますと、上にありますのが天理市、平群町などでございます。平均近くになって、宇陀市、御所市というようなものがありますので、その大阪との関連が薄くなっている面がございます。3割から4割の中では、下のほうにありますので、平均の近くにありますのは広陵町、三郷町のようなものでございます。そのようなものを見ますと、ワクチン接種率の影響が強いのと、大阪関連の影響が強いというようなことの混ぜこぜでこのような表が出来上がるものと思います。
  この表についても、まん延防止を適用するという以前に、ワクチン接種を進めて、この滑り台をなるべく滑り出すようにということを期待するものでございます。ワクチン接種を進めると、この理屈でいきますと、とにかく右のほうに滑っていくから、この滑り台を滑っていただきますようにというのが県の願いでございます。
  36ページ目になりますけども、別の見方でございますが、重症率ということでございます。感染者の中で重症者の占める割合ということでございます。昨年1月から2月は2.9%、3月から4月は3.9%、5月から6月は3.4%。ところが、7月から8月は感染者分の重症者というのは2.0%になっております。感染者のうちの重症者の割合が減ってきているということは分かります。その中での高齢者の割合でございますが、一番左でございますと、60歳以上が9割を占めておられましたが、60歳以上の割合がこの黄色の円グラフでございますが、どんどん減ってきて、現在、一番右でございますが、38%、3分の1まで、9割を占めていた高齢者の重症割合が減ってきたということでございます。その分、割合としては若年者の重症割合が増えるという傾向にございます。高齢者へのワクチンが進むことによって、重症者の重症化率が減少したということと、高齢者の重症化率が減少したと、2つの傾向がこのように明確に分かるものでございます。
  37ページ目でございますが、数字で表すと、60歳以上の重症化率が、この6月末までと7月以降になりますと、明らかに10.9から8.7、2.2ポイント減少しているということ、短期間で2.2ポイント減少しているということでございます。60歳未満になりますと、逆に重症率が1.1から1.4まで上昇しているということでございます。これもワクチン接種で効果があるならば、早く60歳未満の方へのワクチン接種が急がれる理由になってくるものと思っております。
  ワクチン接種状況でございますが、全年代について一番左の円グラフでございますが、2回目接種の割合が3割に近づいてきております。これを早く増やしていくというのが課題になっております。65歳以上の2回目の接種率は8割に達しまして、ほぼ終わりかけておりますので、右のほうは65歳未満の方の1回目、2回目の接種が急務であるというように認識されます。
  39ページ目でございますか、市町村別の全年代ワクチン接種済みの数でございます。1回目の接種率のランクの低い順番から並べておりますけども、大和高田市、香芝市、橿原市、生駒市というようなところが低いというように並んでおります。市域が低いわけでございます。大阪に近いところほどワクチン接種は急がれるわけでございますので、この点は強く市町村にお願いを申し上げたいと思っております。
  40ページ目以降は、市町村別の全年代のワクチン接種率でございます。市町村別では、大和高田市、香芝市のように27、8、9のようなレベルと、宇陀市のように5割まで行って、第2回目の接種も43%まで行っているというように、差が出てきておるのが奈良県の現実でございます。
  41ページ目は、高齢者のワクチン接種率の状況でございますが、このようにおおむね天井に近くなってきておりましたので、高齢者のワクチン接種率の状況表もこれからあまり出さなくても済むようになるのではないかと思っております。全年代のワクチン接種率は、これからの表でございますが、このように市町村で差が出ておりますのと、その中でも、市の中でも、市でいきますと宇陀市と大和高田市、香芝市などには差が出ているの見てとれるわけでございます。早くこの棒グラフが上がってくることと思っております。
  43ページ目は、県の広域ワクチン接種会場でございますけども、2つの接種会場を要求しておりましたが、このたびワクチンの新たな追加配分がございまして、新たに4万回分の配分がございました。累計で9万1,000回分が配分されることになりました。橿原会場の予約を8月7日からインターネットとコールセンターで開始をいたします。接種開始は8月14日になります。接種対象は4万1,000でございます。夜間も土日も実施するように今、手配をしております。先ほど申し上げましたように、若年の重症化率が1.1から1.4とやや上がってきております。早く若者に対しても接種が行きますようにと思っております。
  44ページ目は、研修医の派遣チームの接種状況でございます。研修医の派遣は臨時措置でございましたので、間もなく終了いたしますが、ご覧の表のように全体の接種率の右下、27%まで研修医が打ってくれました。その中でも地区医師会があまりやってくれなかったと思われるようなところは、研修医の割合が増えております。例えば御所市は57%が研修医の接種でございます。平群町は54%、三郷に至りましては70%が研修医でございます。三郷町は研修医がないと接種が進まなかったというように思います。私からも研修医の方々に御礼を申し上げたいと思いますけども、そのような特別な事情で研修医の方が合計14万2,000回のショットをしていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
  広域接種をいたしますときには接種券が必要でございます。橿原市で広域接種をするときには接種券の提示を求められますので、市町村の接種券の発送状況をこのように調べております。おおむね100%の発送を完了していただいたのは29市町村がございます。12~15歳までが未発送な市町村が7市町村、独自の段階的に発送されておりますのが3市町村ある状況でございます。独自のやり方でも接種は滞りなくいきますように期待申し上げます。
  46ページ目以降は、医療提供体制の状況と方向でございます。47ページ目では、重症病床でございますけども、これまでは全ての重症患者を重症対応病床で治療できていることを改めてご報告申し上げます。
  その表を過ぎまして、50ページ目になりますが、入院病床の状況でございますが、確保は448床でございます。通常医療との両立のために、現在377床を運用している状況でございます。現在まで入院・加療が必要な方は全て入院していただいているこれまでの経緯でございますが、入院患者数は最近増えてきておりますので、占有率は51%になっております。この運用病床の拡大ということは後ほどご説明申し上げます。
  51ページ目、52ページ目は、その運用の状況でございます。
  53ページ目は、宿泊療養施設の状況でございます。運用率は28%でございます。
  56ページ目になりますけども、今、先ほど申し上げましたように448床を確保しておりましたが、感染の発生者が減ってきていた状況のときに、71床を通常医療に戻すことにいたしました。通常医療に戻しますが、また感染拡大のときにはコロナ病床に戻すということを考えておりました。
  この際、今日お諮りいたしますのは、その71床を、7月以降の感染状況が増えてきておりますので、新型コロナ対応病床として運用再開したいということをお諮りしたいと思います。448に戻すということでございます。
  今日、この対策会議で了承されましたら、早速、関連の病院に戻すことを通達をして、お願いをしたいと思います。多少、今、通常医療に使っておりますので、それを戻す準備が要りますが、10日程度と聞いております。13日には448床のコロナ対応病床で再開できるというように思っております。
  差別・偏見がやはり発生をしている状況でございますので、この点についてもご注意申し上げたいと思います。
  今日の対策会議にお諮りする内容は、以上でございます。

 

 危機管理監:
  ご説明ありがとうございました。
  本日は、先ほど知事からもご紹介ありましたように、奈良県立医科大学附属病院感染症センターの笠原センター長にご出席いただいております。県内の感染防止対策等についてお話を賜ればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 笠原センター長:
  奈良県立医科大学感染症センターの笠原です。少しお時間をいただきまして、私から3点少し申し上げさせていただきたいと思います。
  1点目なんですけども、新型コロナウイルス感染症患者さんの重症度のことに関してです。今、知事からもありましたように、あるいは全国的な報道でもありますように、重症患者さん、あるいは死亡者の数というのが、皆さんの報道などのメインのターゲットになっているわけですけども、重症患者さんというのは、人工呼吸器が装着されていたり、あるいはICU、集中治療室に入っていたりする患者さんの数でして、その手前の段階で中等症というのがあります。中等症は1と2に分かれておりまして、特に中等症の2というのが酸素吸入が必要な状態の患者さんということになります。昨日、県内の新型コロナウイルス感染症に従事している医師等々、状況の意見交換あるいは情報の交換を行ったんですけども、把握できた情報としては、県内には、今、人工呼吸器が装着されている方が3名ほどいらっしゃいます。この数は、第四波のときは奈良県立医大だけでも人工呼吸器装着されている方10人ぐらいいらっしゃいましたので、現在、人工呼吸器が装着されている、あるいは非常に重症の方というのは数としては限られている思っています。
  一方で、中等症の数は、なかなか報道にも出てまいりませんし、恐らく全国の都道府県でも、しかもこの症状というのが、診断時の症状というのはよく報道されるんですけども、経過中に例えば中等症になるとか重症になるという、そういう今日時点でどういう重症度かというのはなかなかリアルタイムには把握はできていないところもあると思うんですけども、それ以上のところで、聞いたところでは、今、20歳代から40歳代の方々で酸素吸入を必要としている中等症2の患者さんが20名前後ぐらい県内にいらっしゃるようです。第四波まではやはり20代から40代で酸素吸入される方というのはそれほど多くなかったので、印象としては、先ほど重症化される方が1.1%から1.4%に上昇してるということでしたけども、同様に中等症2の、酸素吸入を必要とされる方も恐らく増えているのが今の現状だと思います。
  ですので、1つの重症度の問題としては、若い方々ですね、20代から40代の方々も、確かにまだ重症化率、割合としてはそこまで高くはないと思うんですけども、これがデルタ株の影響かどうかというのはちょっとはっきりとまだ事前で調べられているわけではないから分からないんですが、酸素吸入が必要となるような状態にはなり得るということですね。ざっくりと数を計算すると、恐らく20代から40代の5%前後ぐらいの方が酸素吸入が必要になっているのではないか。もちろんそれは20代と40代で違うんですけども、40代のほうがより割合というのは高くなっていくと思うんですけど、もちろんその方々、ほとんどそのままよくなられます。人工呼吸器装着されたりすることはなく、酸素吸入まで行くけども、よくなっていかれると思うんですけど、そういったワクチン接種をまだ済まれていない若い年齢の方々の重症化というか、中等症というか、酸素が必要になるような状態になっている方が多いと、増えているというのが1つ目、重症度に関してです。
  もう一つは、感染性のことなんですけども、これも報道でデルタ株が非常に感染性が高まっているという話があって、特にここ数日、大規模な商業施設で大きなクラスターが出ていると。百貨店等で全国でクラスターが出ていて、これも第四波まではなかなかそういうことなかったと思うんですけども、その原因というのはまだ分からないというようにされていまして、私もお聞きはしていないんですけど、ただ、店舗を見てみると、地下の食料品売場であるとか、あるいはやはり飲食店であるとか、そういった店舗が多いように思います。やはりマスクを外したりするような場であったり、あとは人がたくさん入ったり、あるいは商品もよく売れるでしょうし、いろんなものを触ったりするような機会もあるでしょうし、地下とかになると、もしかしたら換気が悪かったりすることもあるでしょうし、いろいろ感染するリスクは高いんだと思うんですけども、特にデルタ株に関しては、2つの感染性が高まる原因というのが指摘されていまして、1つは、感染者のウイルス量が多いというのがあります。今までの従来株よりも感染した方が、例えば口の中に持っているウイルス量が多いから感染しやすいんだと。もう一つは、少ない量のウイルスでも感染するという、その2点ですね。ウイルスの量は増えるし、かつ少量でも感染するということで、その2つが相まって感染性が高まっているという状況だと思います。
  これに対して我々ができることは何かというと、1つは、ワクチン接種ということにはなるわけですけども、マスクをして飛沫感染対策をしっかり徹底していきましょうというのに加えて、換気を徹底していくということがやはり大事ではないかなと思います。それから、消毒ですね、手指の消毒とか物品の消毒、環境からの感染、そういったものからの感染というのは、従来株ではそれほど頻度としては低いだろうと言われていたんですけども、今申し上げたように少量でも感染するということになってくると、やはり特に物品とか、それからドアノブとか、そういったものを介して感染するということも頻度としては増えてくるのではないかと思いますので、3つの感染経路ですね、飛沫と、それからマイクロ飛沫、そして接触ということで、特に今まで飛沫を徹底するということで、ふだん同居しない方とのマスクを外した対面は避けましょうということを言ってきているわけですけど、それに加えて、換気を徹底するということと、それから手指と物品、環境の消毒を徹底するということが必要になってくると思いますし、商業施設とか事業所でのクラスターが増えているというのもそういったことが関係しているのかなというように感じています。
  最後は、知事からもご紹介ありましたように、皆さんの資料の31、32ページ目の社会福祉施設などにおけるクラスター対策の資料です。これは、病院というより、社会福祉施設において、社会福祉施設は、限られた人員で、たくさんの入所の方あるいは通所の方に対していろんなことをしないといけないということで、感染対策的にはかなり資源も限られている中、ワクチン接種が行き渡ってクラスターが大分減っているんですけども、特に今回、資材の特徴としては、1つは、従来、感染対策というのは、先ほどから申し上げているように、適切とか、適宜とか、具体的にこのタイミングでというのはなかなか指導することが難しいので、そういった適切、適宜というような、あるいは頻回にとか、そういう言葉で表現されてきたわけですけども、それを具体的に示そうというので、32ページにありますような動画で、ここで消毒するんだ、ここで手をきれいにするんだということを具体的に示しています。
  もう一つは、社会福祉施設などでは、なかなか感染者が発生したときに、部屋にその利用者さんにいていただいて、その部屋だけをレッドゾーンといいますか、感染をする部屋というように特定しても、入居者の方が部屋から出てきてしまうとか、あるいはふだんから一緒に食事をされているので、ほかにもたくさん濃厚接触の方が施設の中にいらっしゃるとかいうような状況になります。そういうときにどういうように感染対策していったらいいのかということも、恐らく私の知る限りでは、従来この具体的に感染対策を示した資料というのはないと思いますので、もちろんこれは奈良県の方々に使っていただきたいと思いますし、恐らく全国の方々からも利用していただけると思いますし、何分初めてのものですので、またここはどうなのかとか、本当にこれは正しいのかとかいうような意見をいただきながらブラッシュアップしていきたいと思っています。
  私からは、以上です。

 

 危機管理監:
  笠原先生、ありがとうございました。
  先生のアドバイスを、今後の感染防止対策にも生かしてまいりたいと考えております。
  このほか、この場で情報共有等すべき事項等ありましたら、発言をお願いいたします。

 

 担当部局:
  資料の28ページ、29ページでございます。28ページの飲食店等の認証制度につきまして少し補足説明等をしたいと思います。29ページの中ほどに認証の実績をまとめております。これに関連いたしまして、資料記載のとおり、認証の一層の迅速化を図ることとしておりまして、認証の申請がございましたら、書類審査、現地確認を行いまして、おおむね2週間程度で認証できるように進めてまいりたいというように考えております。また、認証制度につきましては、まだまだ周知が足りませんので、積極的に周知を図ることとしております。また不明な点がございましたら、認証制度の事務局までお問い合わせいただきますよう、あわせて周知もしたいと考えております。以上でございます。

 

 危機管理監:
  ありがとうございます。そのほかにご発言ありますでしょうか。
  では、ないようですので、本日の会議の確認事項としてお諮りをいたします。
  知事からご説明がございましたように、引き続き強い危機感を持って感染症発生の傾向に対応した感染拡大防止策を講じ、緊急対処措置を8月31日まで継続するとともに、感染拡大抑制の切り札となりますワクチン接種を対象となる全ての年代において着実に進め、また、感染の拡大に対応して新型コロナ対策医療を強化するため、全ての確保病床の運用を再開し、感染終息に向けて一致団結して取り組むことを、本会議の方針として確認をしたいと思います。よろしいでしょうか。
  ありがとうございます。

 

 司会:
  それでは、以上をもちまして第26回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を終了いたします。
  引き続き、報道機関の皆様との質疑応答の時間とさせていただきますので、本部員の皆様はご退席願います。ありがとうございました。
   
 司会:
  それでは、質疑に移らせていただきます。
  本日は、新型コロナウイルス感染症対策本部に関するご質問をお受けしました後、知事定例記者会見の発表案件、その発表案件に関するご質問、その他のご質問の順で進めさせていただきます。
  まず、新型コロナウイルス対策本部会議の内容に関しましてご質問をお受けいたします。ご質問のございます方は、挙手でお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

 

 記者(NHK):
  医療提供体制について伺います。これまで感染者が減っていた時期に、一時期通常医療に戻していたベッドを、再びコロナ病床に運用を切り替えるということを先ほど決められましたけども、改めてこれの狙いを教えていただきたいのと、これに関連してですが、先に政府が、今後の考え方として、重症患者などを除いて自宅療養を基本とするという方針転換を示されましたけども、この考え方が示された中でも、奈良県としてはこれまでどおり、全ての患者を病院や宿泊療養施設で受け入れるという方向性変わりないでしょうか、その辺り教えてください。

 

 知事:
  448床を運用しておりましたけども、感染者が減ってきておりますと、入院率といいますか、占有率が2割ぐらいに落ちて、8割が空き病床ということの状況がありましたので、その場合は通常医療を多少圧迫している状況がございましたので、通常医療に戻そうと。しかし、そのコロナ病床に戻すときはなるべく期間を短くしてもらうという約束で通常医療へ戻した経緯があります。それを、今度は運用するというのは、第四波の教訓ということになりますけども、あまりに高角度で、第三波は、この坂が割と今から思うとなだらかだったので、第四波は、急な坂になりまして、急増するときに入院の収納、宿泊療養の収納が間に合わなかった。自宅療養が増えたというような経過がありますので、この際、これからどのように感染拡大するかどうか予測が少し困難な面もございます。デルタ株の関係もありますし、デルタ株対ワクチン接種率みたいな感じになってきております。それに備えて確保病床を448床に戻したいと。この13日を目途に戻したいということでございます。
  その際に、政府が自宅療養を基本とするということを、基本とするのは一部地域だけにしていただきたい、奈良県は従わないと。入院、療養を全員するということを堅持したいと思います。必死にそれを守っていきたいというように思っています。やはり笠原先生おっしゃいましたように、重症化予防をするには、酸素吸入とか、場合によっては呼吸器とか、酸素吸入を適時適切にすれば必ず戻ってもらえると。中等症から重症化に行かないということを今お聞きして、改めてなるほどと思いましたけども、それを確保するのが県知事の責任であろうかということを強く自覚をしております。したがって、感染した人は重症化予防のためにも入院、加療を必ずするということを堅持したいと思っております。
  さらに、入院、宿泊療養に入っていただくということは、入院拒否者の方も家庭のご事情でおられるわけですけども、引き続き説得して、できるだけ家庭のバランスもとっていただいて、あるいは、場合によっては、家族の方も宿泊療養ではありませんが、宿泊案内もするようにし始めておりますので、家庭生活を違う形で両立させるということも模索しておりますので、そのような形で隔離するということは、そのような家庭内隔離ということを感染者が分かった段階では出るという。感染が分からないときに家庭内感染が発生するというのが非常に多いわけでございますけども、それはご注意しかないわけでございます。想像によるご注意しかないわけでございますけども、それを分かった段階でまだご一緒に自宅で療養といっても、本人の療養と隔離という機能がありますので、家族に感染させないようにということ、あるいは家庭内に感染が広がらないようにという観点からも、入院と療養というのは堅持をしていき、全員入院、療養ということを引き続き堅持していきたいと思っております。長くなりまして、すみません。

 

 記者(NHK):
  今お話しいただいた、家庭内での隔離といいますか、どうやって両立するかというお話で、たしか、以前から県としては検査の結果待ちのご家族の方用にホテルを用意してきたかと思うんですけども、例えば今の議論の中で、そういった施設をうまく活用するとか、何かそういうことというのは考えられることはあるんでしょうか。

 

 知事:
  そうですね、ご家族の状況によって、ご家族で拒否されている方も、治癒されている方が多いです。ペットと一緒にいたいとか、高齢者の方がおられるとか、家族で少人数で暮らしたい、そのような自発的拒否者といいますか、それなりにご注意されている方なので、外に感染拡大されているケースはあまり見受けられないというように思っています。しかし、家族に1人感染者がおられると、その一家の家政といいますか、家事の大黒柱が感染されたというのが、割と家族の一大事でございまして、例えばお母さんが保育士で働いておられると。それでやはり働かないといけないと。ちょっと無理して行ってクラスターにつながるということがあるわけでございます。そのときに、自宅にいてお母さんに療養を用意して、お母さんが宿泊療養あるいは入院にとられちゃうと家族が経営できないというような状況もあるので、家にいて家族との接触を少なくして家族でいたいということは、この実情を一々聞いてもらっておりますが、やむを得ない事情であろうかというように見受けられるわけです。そのような事情を言っていただいて、接触をして情報共有量を増やすというのも、私は大事なことだと思っていますので、形式的に隔離するのが必要だというようには思っておりませんので、しかし、隔離して、あるいは重症化を予防していただくというのが原則にずっとしていきたいということでございます。その際に、いや、家にいるのも、例えば中等症になられた一家の大黒柱がおられて、どうしても入院してもらわないと困るよというようなことだと、家族はどうするかというと、別の家族宿泊に持っていくとかというような想定でありますけども、あまり実例はまだ聞いておりませんけども、そのようなことも考えて、どのようにすればいいかと、現場で発生したケースに合った知恵を一々考えていくというスタイルを取っております。おっしゃったような事情が必要な場合には、そのような対処をしていきたいというようには思っております。

 

 記者(産経新聞):
  改めてですが、今、感染が増えて第五波への懸念、今どのように考えておられるのかというのと、あと、また今回も奈良市と生駒市がまん延防止の要望書を提出しましたが、それについてどのように考えておられるのか、お伺いできますでしょうか。

 

 知事:
  GoToイート。

 

 記者(産経新聞):
  コロナの第五波が奈良県にも来ているという危機感を感じておられるのかというのと、あと今回も奈良市と生駒市がまん延防止の要望書を提出したと思うんですが、それについてのお考えを改めてまたお伺いできますでしょうか。

 

 知事:
  何度も言ってますけど、2つ目のまん延防止、よく国と東京都の関係というのも面白いですね。責任の押しつけ合いみたいに見えるところがある。国がやってくれたらいいのにと、それは地方でやる、国と地方の責任分担がはっきりしてないですね。今のケースだと、県と市町村の責任分担、責任分担は私にははっきりしてるんですけども、要望するということで、地元のいろいろプレッシャーをかわすという政治的テクニックはあるんです。これは奈良市、生駒市がそうだと言っているわけではありませんけども、国と東京都の関係を見てますと、そのような関係がまん延するのは私はよくないというように思っております。明確なエビデンスに基づいた対処というのが一番必要で、それについて、あまりおたおたされないほうがいいのではないかとは思っております。
  したがって、まん延防止の適用実績を見てみますと、奈良県の生駒市であろうと奈良市であろうと、効果が証明されないと思っておりますので、国に要望は県の責任ではいたしません。もしそのような、どのようなやり方がいいというような、もしそのまん延防止相当の措置があると、それを実行したらどうですかというのが前回の飲食店の時短要請。そのときに、協力金を県が上乗せして出すという、奈良県版のまん延防止措置を取ったわけでございます。
  そのときに市町村のご不満は、まん延防止要請すると国と県がやってくれるのに自分でしないといけないじゃないかという、お金のご不満があったというように拝察しております。お金のご不満というのは、コロナの交付金が出るわけでございます。その配慮をするというのは基本だと思っております。
  知事会でも、まん延防止は効かないけども、国が金を出してくれるからという声が実は知事の間でもささやかれているんですよね。何か情けない傾向かと思って、お金ではないでしょうと、効果のあるなしでしょうというように思っております。知事会では、今までの緊急事態宣言、まん延防止の効果を、専門家と称する人がぜひ実証的に教えてくださいということを叫んでおりますが、返事がないですね。返事がないというのは、情けないと思って。
  最初のご質問は、第五波と言いませんでしたけども、8ページ目を見ると、第四波がこうなって、第五波に等しいと思います、これ。意気込みというご質問、日本流で意気込みで、気合で戦争に勝つぞと、私はそんな意気込みありません、はっきり言ってそういう意気込みありません。玉を打つべきところをどこか探して、玉を打つ。戦争に勝つ要諦は、意気込みではない。戦争に負けた経緯を見るとよくいつも思い出すけども、意気込みで勝つ戦争はありません。よくリサーチをして、どこに玉を打てば、そのいわゆる敵がいるかということを探して玉を打つと。今の状況は、敵のいないところに玉を打てと言われているような気が、打てば、打て、打て、打てではないです。ここにいるから静かに対策を講じなさいというのが、戦争に勝つ状況でございます。意気込みはありません。対策は、静かに賢くしたい、できれば。そのような能力まだないわけでありますけども、静かに賢くするにこしたことはないというような、そのふうに思っています。そのような能力はありませんけども、意気込みを語ってその場をしのぐというようなのは、前の戦争のときの失敗を反省してないのではないかと自分では思っておりますので。

 

 司会:
  よろしいでしょうか。
  本日は、笠原先生もおいででございます。質問ございましたらどうぞよろしくお願いします。


 記者(奈良新聞):
  時短要請の協力金についての質問ですけども、前回のように市町村が時短要請に対して協力金を払うという場合、県が上乗せするという仕組みを施策をしましたが、また今回、同様のケースがあった場合、奈良県は上乗せするのかどうか教えてください。

 

 知事:
  今回はあまり効果がないのがよく分かってきましたので、あまり上乗せする気持ちはありませんけども、今のところは国に要請しろという言い方でございますが、自分のところでされるから上乗せしてくれという要求はまだ来ておりません。そのときになって考えたいと思いますけども、今の時点では要求もございませんし、上乗せするという前の方策を取る気は今のところございません。

 

 記者(奈良新聞):
  分かりました。

 

 知事:
  分かっていただいた、ありがとう。

 

 記者(時事通信):
  ロックダウンの要請についてお伺いしたいんですけれども、全国知事会のほうでもロックダウンの法整備の要請を検討を求める声が出ていましたけれども、知事としてのお考えは、改めて教えてください。

 

 知事:
  知事会でロックダウンを要請するという意見が出て、それが知事会の意見でも反映されたと聞いております。ロックダウンを主張されたのはどうも長野県知事さんらしいんですけれども、それが国のほうへ行った。私は大都市ではロックダウンというのもあろうかと思いますけれども、要は人流を止めるといって専門家とか政治家が叫ぶわけですけど、人流はなかなかその宣言では止まらないというのが分かってきております。そのときに人流を止めるという、国で特措法の議論がありましたときにそのような検討もされたように思いますけれども、野党のほうが経済に影響するなら補償しろという意見が立憲民主党から強かった。その人流を止めるときの補償はどういうような国会での議論が進むんだろうかなというふうに注目しておりました。それはあんまり議論されないままで、人流を止めるというのは、そのロックダウン形式というのは日本で取れないから、また、憲法問題だというような意見も出ましたので、それには極めてきついブレーキがかかったわけですね、補償の問題と憲法問題というような、そういうようなことを体制をクリアする課題がありますので、これもロックダウンがいいよといって、それならやろうか、やるまいかと、そういう単純な話じゃないというように思います。ロックダウンができたら効果はあると私は思いますが、そのときに補償、特措法のときの国会の議論で、人流抑制の補償はどうするのかというようなことと、憲法の移動の自由との関係というのは、ほとんど国会で議論されなかったような、日本の国会というのも不思議なとこだなと。本質的なことを議論されないで、やめたということになったのかという思いがします。
  今回もしそういうことを知事会に言ったときにもあしらう、本格的に議論されるのかどうかちょっと分からないような気持ちがし、特措法の法律改正を要する議論かなと思いますので、安易にそれが賛成だ、どうかということを求められてるかもしれませんが、そのような論点があるということと、効果はあるけども論点がありますよ、それは国会マターじゃないかという3点を意見として申し上げたいと思います。

 

 記者(時事通信):
  といいますと、現時点ではあまり現実的ではないというか。

 

 知事:
  そのように短絡して答えを求められるので、3つ繰り返しておきます。短絡した答えはこの際、あんまりよくないと思います。いいとか悪いとか早く言えみたいな、あんまり私よくないと思います。失礼しました。

 

 記者(共同通信):
  先ほどのまん延防止の関係に戻ってしまうんですけれども、今日の資料でまん延防止等重点措置などの効果は検証できていないというふうな話がありましたけれども、これは奈良県として効果を検証するようなことっていうのは検討されていますか。というのは、滋賀県のほうが先月、時短要請やまん延防止などの効果を検証して発表されてまして、それによると確かに奈良県は大阪府の後を追うような感染者数が推移をしていて、奈良県における時短要請よりも大阪府の感染動向が奈良県に影響を及ぼしているという検証結果が出ているようなんですが、同様の結果になるかもしれませんが、そのようなことを検討されるのかっていうのを教えてください。

 

 知事:
  まん延防止の効果は当然研究したいと思います。効果検証というのは奈良県でもできたらと思うんですけれども、ほかの今の、先ほども何度も言いましたが、まん延防止の飲食店いじめといいますか、飲食店抑制というのは、大都市で繁華街のあるところはより大いに効果があるというふうには一般的に思うのですけれども、そのベッドタウンのようなところでの効果はいかんというのが奈良県の感触でありますので、そのような検討を、効果検証されておりましたらもちろん参考にしたいのですけれども、奈良県の場合は、この前に時短要請したことがあった、多少短い期間ではありましたけれども、あまりその効果があったような検証は、その事例では出てきておりませんので、先ほど奈良新聞のご質問にもありましたけれども、同じ効果がなかったように思ってますというのが今の見立てで、だから、同じように効果のないことに、国に効果はないけどやってくれませんかということは言いにくいなというのが谷村さんへの返事であったんですけど、効果がこのように、ベッドタウンでもこのような効果がありますよというやり方が変わってくれば、その効果があることに予算を使うのでは全くやぶさかでありませんので、ベッドタウン、例えば大きな感染の原因になっております家庭内の感染と家庭外の友人との交流の感染というのにまん延防止がどのような効果があるんですかということを端的に言っても、国のほうの責任者は誰も答えていただけませんので、そのような効果の検証を先ほどの産経新聞、意気込みじゃなしにエビデンスが欲しいというのが、もう本当の基本的なお願いです。

 

 記者(共同通信):
  効果がないということをデータで示せれば、国に対してこういった県ではあまり効果がないですよということを強く示せて、それに合った国の施策がなされるかなと思うんですか、そういう意味で検証されるお考えというのは。

 

 知事:
  このようなケースは、いろんなことを試行錯誤して、効果がありましたねということを研究して、ほかもされたらどうですかという戦争を続けるのがオペレーションリサーチという手法、この前、あなたがご質問され、あれは関テレの人だ、オペレーションリサーチというのはとても有力な戦略思想だと思いますが、日本はオペレーションリサーチという思想がいまだにないのかというふうに嘆いているものでございますので、オペレーションをして、そのリサーチをするという、試し打ちをして、試行錯誤という言葉があります。オペレーションしてリサーチする。例えば、まん延防止で飲食店を時短すると、時短の効果のリサーチというのはあまり出てこないように思いますので、それはどのようにその検証するのかと、これは奈良県でやるよりも国でやってもらったほうがよっぽど分かりやすいと私は思っております。オペレーションリサーチというのは、感染症の世界ではあんまりない、国の専門家じゃないのかなと。
  笠原先生はオペレーションリサーチそのものじゃないですかね。このようにオペレーションして、これの効果をいつも測って、次のオペレーションに結びつけられている。国の専門家にまねていただきたいというように思う次第です。

 

 記者(共同通信):
  あともう1点だけ。政府分科会のステージ4とかステージ3とかの指標があるかと思うんです。奈良県の資料では、あまりこのステージ4とか3とかという数字は見かけないんですけれども、この政府の分科会の指標というのは、知事としてはどのように見ていらっしゃいますか。あまり必要性がないからここに載せてないのかなというふうな印象を受けるんですが、いかがでしょうか。


 知事:
  いいご質問でございますね。ステージの国のほうの基準というのが一応まん延しているわけでございますけど、国のほうのステージの思想は、病床の逼迫度と感染のまん延度と、2つの種類の指標が一緒になっているんですね。ロジック的に言えば、病床が逼迫するのは感染が拡大した、この因果関係があるというのを前提にして2つ並べてあるというふうに、どうして2つ並べてあるのということを国に聞いたんですよ。それはステージですが、すると、1つは、病床の逼迫度というのは、これはどちらかその比重とすれば、国がそうしてますけれども、地方の知事がメインに責任持ってる分野ですね、病床の逼迫度というのは。それを自覚しているものの一人ですけども、病床の逼迫度のステージと感染の拡大度といいますか、その人口当たりの感染者数というのを、全国の統計あると。そのような、でも全国の統計があるといいわけでございますけれど、その中で自宅療養者数というのが逼迫度、病床の占有率だけでその病床の逼迫度が出される。その下に自宅療養者数というのがぶら下がって、1万人もぶら下がっているとことゼロというとこの入院の逼迫度というのはどういう意味かといつも思っているわけです。
  案の定、今度は自宅療養を基本にするなんて出た。今までのステージの思想がどのように変わったのかというふうに驚いているものでございます。だから、そのようにちょっと体系、ステージの体系に疑問を持っていたものでございますので、当然その役に立てる部門は役に立てますけれども、みんな国に追随しろという市町村長もいるんですけど、国に追随して戦争に負けるのは嫌ですから、地域地域で、この笠原先生を頼って、地域の戦略、戦争を、小さな戦争でございますけれども、やるほうが必要かなと、そういうふうに改めて思います。

 

 記者(毎日新聞):
  すみません、笠原さんがいらっしゃるので、いいですか、笠原さん。先ほどちょっとおっしゃってましたけど、デルタの影響かどうかは確信はないですけど、最近若者にも中等症に、あるいは重症化傾向がちょっと見られるんじゃないかとおっしゃっていましたけど、もう少し具体的に教えていただけますか。

 

 笠原センター長:
  具体的な部分というのは、先ほど申し上げたように、県内で把握できている限りで20代から40代の方々で、20人ほど酸素吸入が必要な方が昨日時点で入院されているという状況です。そういった状況は、これも知る限りですけれど、今までの第四波でそういう状況というのはなかったので、そういった状況になっている理由が、言われているように感染者数そのもの、いわゆる分母が増えているからそういう方々も増えているのかと、あるいはやはり重症化率、重症化率というのは重症になるというか、その中等症も含めてですけれど、酸素吸入が必要になって、そして人工呼吸器が必要になると、そういう重症化率が高くなっているかというところまでは十分に評価仕切れていないということと、それから全員がデルタ株かどうかということが調べられているわけではないので、そこもはっきりとしていないところです。
  一部、その20人の中には、基礎疾患を持っている方、あるいは一般的に言われている肥満などの重症化因子を持っている方もいらっしゃいますので、この起きている現象がどういうことを反映しているのかということは、まだまだこれから精査が必要だと思いますけれど、現時点での現象というか、実態としてはそういう状況であるということです。

 

 記者(毎日新聞):
  知事の方針ですけれども、軽症の方でも全員基本的には入院させようと、あるいは入所させようという方針については、医療現場の立場の笠原さんから見ると、この方針というのは正しいなと考えていますか。

 

 笠原センター長:
  いろんな観点からの意見があると思いますし、病院と、それからいわゆる宿泊療養施設と2つに分かれていますよね。現在は県内400人少しの多分入院・入所者がいらっしゃると思うんですけれど、大体半々なんですね、入院の方と入所の方が。だから、病院の立場というと、例えば病院の逼迫ということからいくと、もちろん400人全員が入院ということになれば病床は逼迫しますけれど、約半数は実際宿泊療養施設にいらっしゃいますので、なおかつ先ほど申し上げたように、若くても酸素吸入が必要な方というのは病院で当然受け入れるべきだと思いますし、患者さんの診療という意味では、入院が必要な方は入院していただくと。もう一つは、感染の拡大防止という意味では、やはり自宅にいらっしゃると感染が広がっていくということからも、宿泊療養施設を活用するという方針は、今、非常に適切に運営されていると思います。

 

 記者(朝日新聞):
  ワクチン接種の件なんですけれども、8月1日時点のデータを資料で出していただいているんですけども、当初予定されていた7月末での高齢者への接種完了という点は、知事から見てどのようですか。

 

 知事:
  高齢者の接種状況ですか、奈良県の。

 

 記者(朝日新聞):
  完了するというのが7月末と目標あったんですが、そちらいかがでしょうか。

 

 知事:
  この高齢者の接種状況、例えば41ページ目ですけども、高齢者の接種状況、市町村を基にいくと、例えば完了というのは、2回目の接種が80以上とか100に近くなるというのが完了のイメージだと思います。これを見ますと、大和高田市、奈良市が60%台なんですね。8月1日の資料で41ページ目の市の資料、完了してないじゃないかということを担当に聞いたんです。大和高田市、奈良市、7月中に完了の約束だったんじゃないのと、こういうふうに聞いたんですけど、いや、8月に入ったら間もなく完了するとおっしゃってますということでありましたので、いや、7月末現在で完了というか、8月初めに完了というのは、僅かの差だから、そのつもりであれば、それも7月目途の完了というのは約束違反じゃないんだろうなと今受け取っています。ただ、65%で8月上旬で、いわゆる80、90まで行くのかなという心配はしております。やっぱり約束は守らないと信用に関わります。選挙のときの約束じゃあるまいしというふうに思っています。

 

 記者(朝日新聞):
  では、今、把握されている限りでは、おおむね完了する見込み。

 

 知事:
  うん、だから、そのように聞いているので。ただ、7月末で完了ということは言い難い状況だなという認識、奈良県の場合はですね。全国総じては完了とおっしゃっているようでございますけども、総じてということ。しかし、これを総じてと言えば、ある程度その前の表ですけども、38ページ目の円グラフでございますけども、全体としては65歳以上の2回接種、79%まで行っているんですね。79%まで行っているので、8割を超えたら完了と言ってもいいんじゃないかという意味では、全体として完了に近いといいますか、完了と言ってもよさそうだというふうに思います。38ページ目の表を見るとそのように思うんですけども、41ページ目の表を見ると、高いところと低いところと、全市町村が完了、全市が完了というわけにもいかないなというふうに、こう思います。総じて完了というとこまでは言っていいと思いますけれども、全市が完了というのは、まだ65%のとこもあるので、全市完了しましたというふうにはまだ言えないなというようなことでございます。

 

 記者(朝日新聞):
  それともう1点、全国知事会、先日あったもので、若者へのワクチン接種を拡大させたいというご発言あったと思うんですが、そちらについて今お考えになられていることはありますか。

 

 知事:
  若者の接種はこれからの大きな決め手だと思います。特に重症化率が若者にも増えるかどうか。先ほど久保さんのご質問にありましたが、大きな関心事項でございます。若者は重症化しないよという風潮、風評があったりして、自宅療養が基本になると、元気だから、自宅療養と称して近所のコンビニに買物に行ったら、コンビニでお年寄りにうつすということも、目に見えない感染があるかと心配の想像をしています。だから、本当に自宅療養という意味は、自宅で閉じ籠もって家族とも隔離するというイメージがあるんですけど、必ずしも守られるわけであるのかどうか、守られるのかどうかという心配をしています。
  そのときに、若者のワクチン接種率が上がれば、自分が感染する率も、したがって他人にうつす率も低くなる、全体としてというようなロジックが出てくるわけでございます。若者へのワクチン接種拡大というのは、国を挙げての大きなことだと思いますし、奈良県でも今の現下の最大の優先事項というふうに思っております。そのときに奈良県では、外国にありますように、アメリカのレッドステイトですね、保守派の強いところは、若者の感染拒否というとこまで出てきておりますので、アメリカのワクチン接種増の勢いが止まってきているというふうに報道されています。日本ではそれほど拒否者は出ないんじゃないかと願っていますけれども、奈良県では若者にも感染というか、ワクチン接種は順当にいくようにと思っています。やはり若者への感染防止のためにワクチン接種というのはある程度効果があると思いますので、特に本人のためには重症化予防になりますよということです。
  ただ、全体としては、うつさない地域社会をつくるには、ワクチン接種は大事ですよと。集団免疫という言い方で言われることもあるんですけど、それほど疫学的な言葉使わなくても、ワクチン接種率が上がれば、先ほどの表では、34ページ目の表でございますけども、ワクチン接種が進めば感染者数が減ると、ワクチン接種が低いと感染者数が多いということが分かってきておりますので、感染者数が増加、増加と発表されて大騒ぎですけれども、ワクチン接種率とのこの関係をね、ワクチン接種は多い、少ないということはあまり報道されません。このような表がもっと報道され、国はあまりワクチン接種が少ないと感染が増加するんだよと、こんな表、34ページ目の表を出してね、当たりが返ってくるから出されないのかなと思ったりする。ワクチン早くくれないからこんなこと起こるんだと。
  しかし、そのような背景があって、新しいワクチンはこの緊急宣言されている地区に優先配分しようと変更されました。あまり報道されませんが、2つ目の自宅療養を基準とするというのと、ワクチンを緊急事態宣言地域に優先配布する、これ2つ、割と大きな変更、これは割とサポートします。このような状況、34ページ目の状況だったら、ここでワクチン接種をすると滑り台に早く下りてきてもらえるんじゃないかという理屈が出るわけでございますので、早くこの東京都、沖縄県、神奈川県などに若者ワクチン接種を進めると、この滑り台に下がってきてもらえるという理屈が出てくると思います。それを国で判断されたのはいいことかと評価いたします。

 

 記者(奈良テレビ):
  1点笠原先生の考えをお聞きしたいんですけれども、先ほどの質問に関連してになるんですけれども、今回、奈良県は、通常医療を停止をしていた71床をコロナ病床に運用するということになったんですけれども、病院側からしたら、今まで通常医療で使っていた病床をコロナの病床にするということで、それは負担とかもあるかとは思うんですけれども、この県の第五波に備えての対応というか判断について、笠原先生はどのように受け止めといいますか、考えがあるか教えてください。

 

 笠原センター長:
  もちろん病院側としては、あるいはクリニックも含めてですけれども、医療体制としては、もともと70床とか400床とか余裕を持って設計しているわけではないわけですから、今までその分、診ていた患者さんを、当然その分、診れなくなるという意味では、もうとにかく医療現場の方々の思いというのは、感染者数がやっぱり減ってほしいと、そこに尽きると思うんですね。だから、感染者数が増えてコロナの病床に転用することになったからって、全然大丈夫だよということはもちろんありませんし、第四波でもそうでしたけれど、その分、従来医療が制限されて、また、その分、後からそういったデメリットというのが影響してくるということはあり得ると思いますので、ただ、もちろん医療現場の人はそうやって患者さんを診療拒否したりするようなことはあり得ないですし、こういう状況に応じて医療体制を柔軟に対応できるように準備していくということに尽きると思うんですけれど、根底には、何とかして感染者が減らないかなという、そういうことを考えていると思います。

 

 記者(毎日新聞):
  知事にワクチンのことで。やっぱり、高齢者の中には一定程度何か副反応が怖いわとかという、横見合いでなかなか打つのをためらう方がいらっしゃると聞いています。1回目のときも聞いたんですが、知事は2回目のワクチンを打たれたのかどうかと、打たれてその副反応、腕が上がらなかったりとか、そういう反応はあったのかということと、それと打つのをためらう人に対して何か呼びかけというか、大丈夫ですよというのはありますか。

 

 知事:
  いつもご質問いただいて、久保さん(=毎日新聞記者)のご質問を気にしたわけではないんですけれども、7月31日に2回目を打ちました。最終日までわざと延ばしたわけではないんですけれども、私なんか、このような状況でしかまだ仕事をしていませんので、大阪に勤務に行くということもありませんので、感染リスクのほうはまだ極めて少ない環境の中で仕事をさせていただいていると思いましたので、2回目のワクチンは、郡山の診療所ですけれども、2回目を打ちました。
  副反応ですけれども、あまりなかったですね。1回目も2回目も打ったところは2日目の午前中ぐらいちょっと固くなっているよう、注射が入ったんだなというようなことでございました。熱も測っておりましたけども、そのようなことがなくて、済むと気分がやっぱり変わります。今日みたいにちょっと余計なことまで言って産経新聞さんには申し訳なかったけれど、余計なことまで言うような、余計な元気がついてしまった。ワクチンのせいではありませんけれども、気分のせいかもしれませんですけれども、多少の安心感がありますので、副反応というのはございませんでした。そんな熱も測っていたけれど、上がりません。家内もそんなに上がりません。解熱剤も買っていたのですけれども、私は飲みませんでした。診療所に行きましたら、高齢者の方がずっと順を待って、親切にワクチンを順番に打っていただきましたので、やっぱりワクチンのようなものはあるのとないのと全然感染症には違うと思います。
  先ほどの奈良テレビさん、医療と感染症の関係とか、共同通信さんがおっしゃった基準と感染症の感染拡大基準と病床逼迫基準と2つ並べて、その関係はいかにあるべきかという議論がされてないからというのを、先ほどの反応だったんですけど、病院にとってみれば、病院の医療の責任は、来るもの拒まずというのが基本で、患者さんになれば必ず来てください。来ないといけませんよというのが基本的使命なんですけども、しかし、患者を選べないというのが医療の責任、だから、ちょっとプレッシャーがあるというふうに思うんですけれども、だから、あんまりいっときに、ある分野がわっと感染症でもほかの病気でも押し寄せられると、薬がない状況だから大変なんですね。薬があれば、はいといって治療薬を打つということで対応できるんですけど、なかなか感染症防止の現場が社会行動の抑制ということに向かってますので、ワクチンという感染予防にも、治療というところまでまだ行ってない、臨床が発生してない、お医者さんの活躍の場が発生してないというのが現状だと思います。来てもらっても困るよというのは本音かなとも思ったんですけど、その治療が出来ない。だから感染症の発生が少ないと、処方箋で治療薬ができたら、それで安心して帰ってもらえるのにと思っておられるのかなと思ったんです。治療薬が間もなく出ればいいのになと、そのワクチンと治療薬という、薬のほうの闘いにも入っているように思います。その戦略の要諦というのを国のほうでちゃんとつかんでいただければと思います。
  現在の闘いは、ワクチンの開発と接種の闘いであるように思います。その開発の遅れとか普及の遅れというのは、これは政治的な意味があろうかと私は思いますけども、オリンピックの関係もありますけれども、そのような戦局を地方は地方なりに眺めて、国の大本営の方針にやみくもに追従しないというのが戦争遂行の大きな要諦じゃないかと。あれだけの大きな失敗をしている国ですから、よく見て、正しい戦略、戦闘を地域地域で知恵を出して進めたほうがいいんじゃないか。ちょっと大げさな言い方ですけど、そのように思っております。

 

 記者(毎日新聞):
  もう1点だけ、笠原さんへの質問です。もしご存じだったらなんですけど、昨日も阪奈中央病院のドクターだとか看護師さんなどが、患者さんなどが重なってきたという発表があったんですけれども、ワクチンを2回接種した人で、県内でも感染が確認されたという人は散見されているものなのでしょうか。もし実際そういう方がいれば、重症は抑えれてるという状況なんでしょうか。もしご存じでしたら。

 

 笠原センター長:
  一般的なこととしての国内の状況というのはニュースなどで聞いていますけれど、奈良県内のデータとして私のほうで持っているものはありませんので、もし県のほうでご意見があれば。


 記者(毎日新聞):
  県としては、どうですか。

 

 担当部局:
  笠原センター長からご説明ありましたように、全国的にそのような方はいらっしゃるという状況であると認識しておりますけれども、県としては、例えば先ほどおっしゃられたような医療機関の方々の個別の事情といいますと、特定の方につながるということもありますので、その辺りはコメントは差し控えさせていただきます。

 

 記者(毎日新聞):
  その把握はしてるけど、コメントできないということですか。把握はされてるということですね、県としては。

 

 担当部局:
  検査しているものと、あと、聞き取りができているものと、これからしていくものとあるという状況ということでは認識しております。

 

 司会:
  コロナ関係のご質問につきましては、よろしゅうございますでしょうか。
  笠原先生、お願いします。

 

 笠原センター長:
  せっかくこのような機会いただきましたので、感染症専門医として一言発言させていただけたらと思います。これは、記者の方々にまた記事に書かれたりするときに、一般の方々にそういうことが伝わるようにということでの発言なんですけれども、やっぱりいろんな議論が行われる中で、今日もいろんな質疑応答ありましたけれども、緊急事態宣言であるとかまん延防止策という、記者の方々も分かっておられるから私にご質問されないと思うんですけれど、そういう政策的な問題と、それから飛沫感染予防とか接触感染予防とかと、いわゆる感染対策の問題と、大きく2つあると思うんですね。
  やっぱり病院でいうと、例えばクラスターが発生したときに、入院を止めるとか、それから手術を一旦中止するとか、そういう判断というのは当然院長がされると思うんですけれど、一方で感染対策の実務とか、感染症診療の実務をやっている者は、僕もそうですけど、そういう判断をするような教育というのは教育課程の中にはありません。感染症専門医の教育課程の中にも、例えばそういう入院を止める判断のシミュレーションとか、そういうものはありませんので、そういう政策的なものということと、感染対策のものというのはやっぱり切り分けて考えていただきたいなと思いますし、当然人流を止めれば感染症というのは起きないわけですから、最終手段として病院なんかでも入院を止めたりするわけですけれど、我々感染症の専門家というのは、やはり我々にとってはそれは最終手段で、何とかいろんな日常の行為とか、通常業務とかを継続しながら感染者をとどめたいというのが我々の願いですので。
  そこの混乱を生じる原因のもう一つに、専門家という言葉があると思うんですね。専門家というのは、何の専門家なのかという、その専門家の上の部分というのがこうはっきりしていなくて、このまま例えば感染者数が増えるとこれぐらいの感染者数になるよみたいな、そういうシミュレーションの教育というのは感染症専門医はしていません。公衆衛生の方とか、そういった方々がそういうことをされているわけであって、感染症の専門職の人というのは、そういうシミュレーションとかしていないですね。感染症専門職から、ああいうシミュレーションを見ていて思うのは、再生産率という言葉がありますよね、1人の方から何人に感染させるのかという言葉があって、最近でもコロナは8とか9とか、水痘並みの感染性があるみたいな、あれも結局現状の状況でこれぐらいの再生産率だということを言っているわけであって、我々からすれば、もっとこう飛沫予防策を徹底すればとか、環境を徹底すれば、この再生産率というのは下げられるじゃないかというふうに思っているんですね。
  だから、何というか、我々というのは、やっぱり政策に偏りがちだと思うんですけれど、ああいうシミュレーションなんかの前提になるような、例えば再生産率を下げるような、本当に日々の感染対策をどうやったら徹底できるのかというような観点と、政策の議論というのは、できれば分けていただいて、一般の方々ですね、家庭内感染とか事業所の感染も含めて、またかよと、三密を避けてから始まっているわけですけれど、それでもそういった感染対策が徹底できるようなという、そういう観点からも皆さんにこう発信していただきたいなというふうに常々思っています。
  すみません、このようなちょっと機会がありましたので、発言させていただきました。

 

 知事:
  ありがとうございました。

 

 司会:
  本日はありがとうございました。この後、知事定例記者会見の発表案件のほうに移らせていただきたいと思います。笠原先生、こちらでご退席になります。ありがとうございました。

 

 笠原センター長:
  ありがとうございました。

 

 知事:
  ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
 〔笠原センター長退席〕

【発表案件】林地開発に係る盛土調査について

司会:
  それでは、知事定例記者会見の発表案件に移らせていただきます。
  本日は、発表案件が1件ございます。林地開発に関する盛土の調査について発表いただきます。知事、よろしくお願いいたします。

 

 知事:
  お手元に報道資料として資料を用意しておりますが、林地開発に関する盛土の調査をしたいということをしばらく前に申し上げておりました。その輪郭をつくるのにちょっと時間がかかっておりましたけども、本日、その点検調査の実施についての内容をご報告させていただく次第でございます。
  熱海市で起こりました盛土であれだけの土石流が発生した、類似のモデル、盛土を伴う造成地を点検調査する必要があるのではないかという問題意識でございます。とにかく点検調査をして、危険がどの程度あるのかを観察しないと始まらないということから、このような対象にしたいと思っております。緊急点検調査の対象箇所は、取りあえず、まず39か所を選びました。その内容といいますか、選んだ内容でございますが、そのメルクマール1つは、ここに書いてありますように、土砂災害警戒区域と、その区域の上流域にある盛土ということが、1つのメルクマールでございます。2つ目は、過去20年間の林地開発、林地開発と申しますのは、行政の責任の分野では、林地開発許可と伐採届、林地開発許可は県が出しておりますし、伐採届は市町村が出しております。1ヘクタール以上か未満で分かれて、その行政の対象が分かれております。行う責任者が分かれております。過去20年間の林地開発の箇所を対象とするということが1つ目の柱でございます。
  そのような箇所は30か所ございます。林地開発の許可で24か所、伐採届、市町村に出ておりますので6か所を対象に選んで調査をするということになります。また、そのほかにこのような行政の許可、届出が行っていない場所であっても、無許可ということになるんですけども、過去に指導して、監視している箇所がございますので、それは土砂災害警戒区域とか、上流地域の以外にもありますので、それは9か所選んで調査対象にするということにしたいと思います。
  土砂災害という中身は、土砂流、地滑り、急傾斜地の崩壊というふうに、物理的に分かれているわけでございますが、そんなに心配の面から見ると、あんまり違いの点で大きな差はございません。
  調査の方法、対象箇所39か所ということでスタートしたいと思いますが、調査の方法は、まず早く一次調査と呼ばれるようでございますが、緊急点検をしたいと。目視による異常の有無を点検するということでございます。見ていろいろ、湧水、土砂流出があるか、排水口等の破損等は見て分かる面もありますので、とにかく見て、分かれば大変危険だというふうに思いますけども、私は、異常というのはあまり軽々判断しないで、異常かもしれないというようなことも併せて出してもらえるように、また改めて指示をしたいと思っております。緊急点検、目視でございますので、目視を写真を撮ったり、いろんな目視でもいろんな調査があると思いますので、写真をどんどん撮って、その場では判断できなかったけど、写真を撮って帰ってよく見ると、よく見て比較すると、こちらよりもこちらのほうがちょっと危険じゃないかという判断は、比べることによってできるという手法がありますので、そのようなことも含めて写真を撮るように、もう膨大な写真を撮るようにということを指示したいと思っております。
  その上で、異常ありと、こう判断されるということを絞るわけでございます。異常があるかもしれないということも入れるようにということを指示したいと思います。その2次調査に向かう対象を多少絞り込んで、詳細調査を実施するというやり方でございます。そのような調査をまず県職員で調査チームを編成して実施する中で、伐採届は市町村の受理権限になっておりますので、市町村と連携して調査を実施、県はもちろんお付き合いといいますか、指導いたします。
  点検調査の時期は、今日報告させていただきますと8月5日より開始するということを担当言っております。39か所を8月末を目途にということで、夏の暑いときにできるのかなと思っておりますけど、写真を撮りまくるということにありましたら、ある程度できるかもしれませんが、8月をめどにということも、そんなにやりましたという報告が上滑りの報告にならないようにと思っております。このような緊急点検、また詳細調査を実施いたしますけれども、そのほかに県内全ての林地開発及び伐採届の中から、市町村が心配されているその箇所が漏れ落ちていればいけませんので、そのような指導履歴という形で市町村が保存されているかもしれませんし、それを抜粋して、抽出して、同様の調査をするということも、並行してやるということを聞いておりますので、このような調査を実施するということに踏み切りたいと思います。
  資料の中で、緊急点検の調査箇所のイメージでございますけれども、上流と、土砂災害警戒区域というのがありますので、この警戒区域は下の人家のあるとこでございますが、熱海の場合は、その上流域での盛土が崩れ落ちて熱海市街を土砂流として流れ落ちたということでございますので、この上流域の調査というのも大事でございます。今日はそのような、どのようなところで行ったかというのを調査箇所一覧というのを資料として出すようにいたしました。出すか出さないか、部内でつくったものを出したんですけども、どうせ聞かれるから出してくれといって強引にこの資料を出すようにいたしましたが、市町村と行為の所在地と開発行為、それと林地開発届出の差ということになります。この中で土砂災害警戒区域にありますのは、9か所でございます。上流域にありますのが25か所であります。そのような区域の外にありますのが5か所ということになります。そのような区別もしております。このような調査を開始するということと、その場所の大まかな場所の様子ということを資料として報道発表に内容に入れさせていただきました。
  私からのご報告は、以上でございます。

 

 記者(読売新聞):
  熱海のいわゆる法令基準を超える盛土の量というのが被害を拡大したと言われているんですけど、実際今回の調査ではそういった基準を超える量とかについても分かるようになっているんでしょうか。

 

 担当部局:
  量につきましては、盛土の基準で斜面の角度というのは決まっていますので、写真を撮りながらそういうのは確認していきたいと思っております。

 

 記者(読売新聞):
  もし仮にそういった法令違反というのが確認されましたら、県としては行政指導とか、そういったのをするような構えでいらっしゃるのかというのを伺ってよろしいでしょうか。

 

 知事:
  そうですね、そのようにすることになると思います。

 

 記者(読売新聞):
  実際に周辺住民にもそういったことを周知していかれるということですか。

 

 知事:
  ああ、そうですね、そのように思っています。

 

 記者(共同通信):
  担当者の方だと思うんですが、これ詳細か所一覧出していただいてますけど、どれが土砂災害警戒区域で、どれが土砂災害警戒区域の上流でというのは、分かりますでしょうか。

 

 担当部局:
  こちらで把握しておりますので、その情報は提供させていただきます。

 

 知事:
  すぐ資料を出したいと思います。

 

 記者(奈良テレビ):
  知事にお伺いします。今回、この39か所の点検ということなんですけれども、この点検をすることによって、どういったことを効果であったりとか、どういった目的を知事としては持たれているのか、教えてください。

 

 知事:
  このような調査を、全面ということじゃありませんが展開するのは、緊急に熱海のようなことが起こらないかというようなことが1つ心配だからということがあります。それと、この中には、平群の太陽光の開発も調査対象に入っております、そのように今、社会的にいろいろ物議を醸しているのも対象にあるということが2つ目としてございます。そのときに、平群の太陽光のときの住民の心配を受けて、心配があるのかないのかということを、林地開発を許可した県の立場としては、十分指導しますということと調査しますということを約束して、この林地開発の許可申請の書類がうそだった面があるということから、実際はどうなのかということを調査に入ったという経緯もございますので、今、工事を差し止めて、その応急的な措置をまずとるようにと。しかし、許可をするかどうかは、まだこれからですよと。そのときに、許可の基準、太陽光だけじゃなしに、土砂の許可、伐採届の許可、あるいは市町村にとっては伐採届の受理の許可踏まえて、土砂盛立ての規制のどのようにするかということをガイドラインのようなものができたらと思っておりました。
  このような調査をして進みますと、どのように指導を強化すればいいかというような方法が出てくればガイドラインをつくるということと、場合によっては規制条例も必要になるかもしれません。そのような必要になると思えば、規制条例をつくりたいと思います。規制条例ありきということじゃないんですけど、つくったからねというのではなしに、このような必要性を発見したから、そのようなガイドラインなり規制条例になりましたという道筋などで、規制条例ありきというふうに今申し上げませんけれども、そのような可能性もあるように思っておりますので、規制条例の設置も視野に入れて調査をするということを今日申し上げたいと思います。

 

 司会:
  発表案件の関係、ほかによろしいでしょうか。
  それでは、その他の質問も含めまして、ご質問ございます方いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。 幹事社さん、よろしいでしょうか。
  それでは、本日の定例記者会見のほうをこれで終了いたします。ありがとうございました。

 

 知事:
  どうもありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。

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