令和3年12月14日(火曜日)知事定例記者会見

【質疑応答】
○新型コロナワクチンの3回目接種について
○オミクロン株への対応について
○子育て世帯への臨時特別給付について
○G7関係閣僚会合の誘致について
○日中国交正常化50周年について


【質疑応答】新型コロナワクチンの3回目接種について


司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、発表案件はございませんので、ご質問をお受けする形で進めさせていただきます。それでは、ご質問ございます方、挙手にてお願いをいたします。

記者(NHK):
 ワクチンの3回目接種についてお尋ねします。12月から3回目の接種、準備が始まっていますけども、国はいわゆる時期の前倒しということについても認める方針を示していますけども、この辺り、各自治体なかなかその準備が進んでいないところもあるかと思います。県としては、各市町村の動きをどのようにフォローしていかれるお考えでしょうか。

知事:
 ワクチンの3回目接種前倒しということですが、国が前倒しになってきていますので歓迎ということでありますけども、その接種体制について、具体的なことをちょっと申し上げたいと思いますけども、総じての印象を思いますと、奈良県のワクチン接種は出だしが悪かったんです、正直。で、研修医を派遣したりして、加速化プッシュをするのにちょっと苦労したことを思い出しますが、途中からは幸いに加速してもらって、その状況が続いているような気がいたします。それは市町村の体制と接種者の体制です。市町村の接種会場なり接種券の配送と、接種者の医師会との連携がよくなってきたのかという印象を受けます。
 今や近畿の中で、こういう言い方は変ですけど、トップランナーでやっていますので、どんどん打ってくれているという状況なので、3回目接種の心配は比較的薄い感覚を持っています。具体的に3回目接種のこれからの状況ということをちょっと簡単に報告したいと思いますけども、3回目接種が12月から始まっていますということ、3回目接種は医療従事者向けで12月開始しました。それから、1月からは高齢者も接種対象にします。12月の対象者は、医療従事者が1万1,000人、1月の医療従事者、高齢者は4万7,000人、それから2月、3月は高齢者も接種対象に入れまして約44万人というような状況ですので、接種量については、その程度の前倒しの量であればそこそこかなというように思っています。
 まだ加速化しないといけない状況かどうかは見極めたいと思いますが、今までは感染状況が追いかけてきたので、早く打とう、早く打とうということでしたけども、今のところは感染状況がそう追いかけてきていませんので、このペースでもいいかというように思っています。前倒しということは歓迎でありますけども、1回目、2回目、特に1回目の感染症の爆発的な感染状況というのと状況がちょっと違っている、安心はしておりませんけども、このような前倒しでも大丈夫かと思います。
 オミクロン株の状況というのが心配でありますけども、今のところ3回目接種で効果があるという方向で各国とも動いていますので、オミクロン株に対しても3回目接種が有効な実績が上がるように期待をしています。以上です。

記者(NHK):
 ありがとうございました。

司会:
 ほかにご質問は。

記者(毎日新聞):
 今の関連でお聞きします。県としては、3回目接種も広域、大規模接種会場のようなものを設ける予定はあるんでしょうか。

知事:
 1回目、2回目にありましたように、広域接種、また職域接種などですけども、今のところ予定は具体的にはありませんけども、必要があればしていきたいと思いますが、市町村が地区医師会と協力関係にあって、クリニックで接種が進むということが基本的な想定パターンでしたので、それが進めば多少県はうれしいな、安心だなという状況ではあるんですけども、広域・職域接種、今の順番で、医療従事者、それから高齢者という順番でしたら、早く打ちたいという方がおられるかもしれません。接客業の方などは早く打ちたいと言われる方がおられるかもしれません。それは、広域接種の対象としてはふさわしい対象かなと思います。これから観光が戻ってきたりすると、安全・安心のためにも広域接種で、接客中心に広域接種してほしいというような動きがあるかもしれません。それには積極的に対応していきたいというように思っています。順番の観点から、広域接種の対象を前倒ししていい人たちであれば、広域接種の対象にしていきたいというように思います。市町村とも連携して、市町村の広域接種されるのと、県がやるのと、というのを調整すれば済む話だと思っています。

記者(毎日新聞):
 ありがとうございました。

【質疑応答】オミクロン株への対応について


記者(産経新聞):
 先日、オミクロン株の濃厚接触者が奈良県でも出ましたが、今後、今は感染者ゼロで、オミクロン株感染者が奈良県では出ていませんが、今後、県としての対応は何か考えられていることがありますでしょうか。

知事:
 濃厚接触者がおられることは確かでございます。濃厚接触になられた方は、大事なのは、隔離といいますか、単に感染を拡大されないということと、ご本人の健康状態の観察が大事かというように思います。どこにおられてもそういうことを、保健所の義務でございますので、それを確保しております。具体的には本人の健康観察では、毎日電話で連絡を取っておられます。それから、PCR検査を2日に1回されておられます。その2つが軸になりまして、健康観察と感染拡大防止に保健所が努めていただいております。今のところ心配な材料は発生しておりません。濃厚接触者が出たときは、市役所が面倒見るから個人情報を出しなさいという申出がありましたけども、病状等は個人情報の核になるような状況でございますし、濃厚接触者という、居場所が分かると、ご家族が非常に差別を受けられるという事例が心配されますので、保健所が具体的に状況を把握して手当てするというのが日本の検疫、感染症対策の基本になっています。奈良県では、それを効果的、効率的に実行していくということでしたいと思います。今のところオミクロン株の濃厚接触者おられますけども、遺漏はない状態だという報告を受けております。

記者(産経新聞):
 最後に、まだ感染者も出ていない今の大丈夫な状況であるという中でも、今後もし出た場合というのは、例えば今、宿泊療養施設1か所、専門の宿泊療養施設にされていると思うんですけども、例えば症状が出た場合、入院施設も専用の病院に指定するとかっていう考えとかもあったりするんでしょうか。

知事:
 オミクロン株でも、陽性になると宿泊療養、入院、重症病床という対応で措置をしております。同じラインになると思います。デルタ株と変わりないと思います。オミクロン株だから特別扱いということをする必要があるというところまでエビデンスが出ておりませんので、同じような扱いすると思います。目新しいとみんなびっくりされるんですが、あまりびっくりすることもないと。幽霊の正体見たり枯れ尾花という川柳がありますけど、枯れ尾花で終わることを願っておりますが、それまでには騒がないのがいいかと思います。枯れ尾花かもしれないですねと。枯れ尾花ということで決め打ちはまだ最初分からないですが、そうやそうやと何か怪しげなのが出て、オミクロン、オミクロンと、こう言うわけですけども、言ってみればデルタ株と同じだということになるかもしれない。専門家の方が脅かすのが日本で一番いけないことだとつくづく思いますので、できれば同調されないことを願います。すみません、余計なことを言いまして。

【質疑応答】子育て世帯への臨時特別給付について


司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。

記者(奈良テレビ):
 国の18歳以下への10万円相当の給付についてお伺いしますが、昨日、政府のほうも一括で年内に給付をというようなことで発表がありましたけども、知事としては、この給付をめぐってどのように受け止められているのか、お聞かせください。

知事:
 子育て世帯への給付金のやり方というご質問であります。子育て世帯への臨時特別給付金と言われるものをよく考えてみますと、当然ですけども、目的をちょっと把握することを、いつものことのようにやっています。この臨時特別給付金の目的は2つないし3つあるのではないかと思っています。1つは、子育て世帯の経済的負担を軽減するということ、それからもう一つは子育て関連の消費を促すと、一石二鳥ということが国の目的にあると思います。それに地方の目的、国の目的にも入っておりますけども、地方の経済振興、消費振興ということが入っていると思います。3つを入れて、その3つが狙いどおり行くような給付、現金給付、クーポン給付ができないかということが課題になります。
 そのときの課題の一つは、給付側の事務負担、あるいは子育て世帯の使い勝手のよさということに知恵を出さなければいけないというように思います。3つの目的、経済的負担の解消というか軽減、それから子育て関連の消費、地方政府、地方経済の振興というように思います。それがクーポンであろうと現金であろうと同じことですので、クーポンか現金かということだけの議論にとどまらないように思いますので、そのように考えますと、その3つを、4つですね、事務負担の軽減ということまで知恵が出せたらということであります。その知恵を絞るように今、指示をしています。
 知事の知恵の一端ということなので、まだ決まっておりませんけども、どんな知恵があるのかという次のご質問があるかもしれないということで、まだ決まっておりませんので笑われるかもしれませんけども、例えば子育てのグッズを購入したいなと、今まで買えなかったけども、ちょっと豪華なベビーカーを買いたいなと、こういうお方がおられたという想定の下に、地元のそういうものを売っている商店に、子育てグッズのカタログをつくってもらうのはどうかと。カタログをつくってもらうのに、県が支援してもいいよと。10万円の給付とは別建てで、地元振興という観点から、この際、地元の子育てグッズ販売店が売り込んだらどうですかというようにもう県が促すという発想ですけども、するとそこにこう並んでくると、子育てグッズ福袋みたいなのが出てくると、これで合わせて5万円とか、そういうのが出てくると、おまけつきの景気対策になると。子育て福袋を発行しませんかということを促すと。
 それに対して、今度は、そのようなものはもらってからでないと買えないと。いや、それは現金が後で来るから、買っても別にいいですよと。子育て世帯には買ったら後で現金が来るから、買ったら来るのではなく、買わなくても来るというのがみそなんですけど、クーポンで払ってもいいですよと。そのときに、早く買いたいけども代金はどうするのといったときに、市町村が把握していれば、子育て福袋買っていただきました、このご家庭は子育て世帯ですということを、その請求書を市役所に送ってもらったらどうかという、全くちょっと笑われるかもしれませんが、市役所が代払いしますよというような、県でもいいんですけど。そうしますと、後で来たら、そのご家庭はもう使われましたので、それを引いて残りの現金給付、払いますよと。ご苦労さま代で、お母様が立派な食事をされても大丈夫ですよと。子育て世帯への給付ですから、子供に使わなくても親が使ってもいいのではないかというように思ったりしますけども、そのようなやり方があったりします。
 それから、こども食堂券をこの際ずっと配って、こども食堂は有料ではないですけども、多少立派なこども食堂をつくってもらって、多少安価で有料であっても負担があるというご家庭があるかもしれませんので、そのようなこども食堂券を、たらふくおいしいものを食べていただくというのが子育てで私は一番大事かと思っていますので、これからの先の話で、豪華こども食堂券というものがもし発行して、それはクーポン代わりに配りますよと。あるいはそれをプレミアムで追加で配っても、県ができるような、追加給付ができるようなことがあれば、それも検討するようにと言っていますので、子育て世帯を軸にした地方消費というのを考えてもいいのかというように積極的に対応しようかと。
 給付の仕方で、現金でないといけないとか、クーポンだと問題があるとか、私は国会レベルの議論ではないのではないかと思ったりいたします。現場でもう少し知恵出せよと、こうお叱りを受けてもいいのではないかというぐらいに思っていますので、給付の現場は地方ということであれば、給付の仕方に知恵を出すのは地方政府の義務ではないかというような感覚です。まだ十分な知恵がございませんので、ちょっと話すのは恥ずかしくためらったんですけども、こんなアイデアを担当と言っていますとうなずいておられたので、しゃべってしまった。まだそのレベルですので、どうぞご容赦ください。

記者(奈良テレビ):
 今お話しされていた、福袋だったり、こども食堂の食事券というのは、あくまでも知事の今の頭の中のアイデアというような形だけども、子育て世代への地方消費の何かアイデアがあればやっていきたいというようなことですね。

知事:
 そういうことでございます。

記者(奈良テレビ):
 特に県から何か国に、こういうことをきちんとしてほしいとか、要望をするとか、何か市町村にこういうことを県が何かするなどのは、何かあったりするんでしょうか。

知事:
 市町村のアイデアともミックスしなければいけませんので、そのアイデアを刺激するのが大事な時代になっていると思います。県のアイデアだけど、どうでしょうと、こういうのが立場であろうかと思います。県も、何か追加給付ができるような形があればしますよと。それが目的にかなって使われないと意味がありませんので、子育て世帯、家庭へのご支援と地方消費の進行ということが目的になりますから、その観点での県の追加給付をしてもいいかというようには思っていますが、まだ具体的なアイデアまで行っておりませんので、そのようなことまで市町村に申し出ますと、では一緒に知恵を出そうというようになると思います。国がデジタル化の中で一律にざっと配れば済むというよりも、工夫をしながら使うほうが効果が出るのは間違いないと思います。目的を明確に国がされてきていますので、その目的がより効果的にかなうように地方は知恵を出したいと、そのような組合せが私はいいと思いますので、なけなしでありますけども、知恵を絞って実行できたらと思っております。

記者(奈良テレビ):
 ありがとうございました。

司会:
 そのほかにご質問。

記者(産経新聞):
 先ほど知事がおっしゃった10万円給付の福袋などの件で、これは、クーポンなり現金なりが来る前に利用できるシステムを、県が市町村と構築するという考えということでよろしいでしょうか。

知事:
 恥ずかしいアイデアですので、あまり注目されないで結構でございますけども、アイデアの延長といたしましては、福袋はお正月ものでありますので、現金給付が間に合わなくても、後追いでも出しますよというのが一つのメッセージ。ワクチン前倒しではなく、消費の前倒しも大事な要素かと思いますので、福袋、テイクアウトの一つの例でありますので、それがうまくいくかどうかはこれからですけども、カタログで、例えば10万円セットとか、おまけつき12万円分を10万円セットでやりますよと。すると、予約して届けてくださいと、あとは市役所が払ってくれますからというようなことがもしできれば、それが事務費の軽減にもつながるようであれば、大変いいことになると。そのようなタイプの検討をさせています。だからご質問では、物が、現金が来て支払うというのではなく、買って後支払うよというのもオーケーではないかというように思っていますので、例えば年末福袋、新年福袋、あるいは3月になりましたら、この子にはひな人形を買えなかったんだけど、ひな人形を買ってあげたいというのも私はいいのではないかと。実物で子育て世帯が困っておられるケースもあると思いますが、精神的な余裕を持っていただきたいという願いから、3月ひな人形セットを子育て世帯特別給付特別セールひな人形というのを3月に売り出すのを、これ3月前に売り出すということになるとクーポンの発出と似ていますけども、5万円でありますけども、現金と合わせてひな人形をこの際、5万円ひな人形でもいいと思いますけども、そういう売出しがあっても、それは地域の売出しでもいいかというように思っています。だから、来てから支払ってもらうという、買ってから後支払いでもいいというように思っています。

記者(NHK):
 給付のお話について、今いろいろまだアイデアの段階だというお話でしたけども、先ほど福袋も、年末とか新春に合わせてとかっていうお話がありましたので、そうしますと、県として何かこうアイデアを固めるのは、年内にはある程度の形をつくりたいということなんでしょうか。

知事:
 そうですね、今日も担当と対話しておりましたので、このようなアイデアを言うと、いつまでかと言うと、アイデアを言うとうなずいてくれるんですが、いつできると言うと、くっとこう硬くなるので、なかなかいつまでにしなさいと押しつけるところまでまだ言ってないですけども、私の希望ということであれば、まだ事務的に下ろしていませんけども、国の補正予算が通ると、アイデア合戦ということになりますので、その形をつくるのを年内にできたらいいなと思っています。
 また担当にお願いをして、アイデアをもうちょっとだ、もうちょっとだといって詰めていきたいというように思います。アイデアから何かいいブレークスルーが出るかもしれませんので、やり方一つで、こう決め打って現金給付だ、クーポンだ、5万円ずつだとか、どちらが先だとかというレベルの議論ではなく、もう少し具体的な知恵が野党もあればいいのにと思いますけども、地方で出せよというのが具体的に出てくると、あれがいい、これがいいという議論のほうがいい議論になるのではないかという観点でありますので、そのアイデアが出てきて、奈良県のアイデアはなかなか拡散しませんけども、皆さんのおかげでそれがある程度知られるようになれば、それはそれでいいと思います。宣伝ではありませんので、アイデア合戦ということですので、それが貢献できるような結果になればいいと思います。それだけです。
 貢献できるような結果になれば、ものすごいお金を使いますので、その効果があれば、それもよかったねということになればというような努力は、やはり要ると思います。10兆円使ったとか、30兆円使ったというのは誇らしいことでもなくて、ご家庭が喜ばれるような結果になったよという声が少しでも大きくなることのほうが、よっぽどいいに違いないと思っていますので、余計なこと言いましたが、そのアイデアが重なってかみ合えばということでございますので、アイデアのもう少し進んだ形ぐらいは、年内にもう少し出すことができたらというように願っています。

記者(NHK):
 ありがとうございます。その中で、先ほど知事も、県としてもその追加で何か給付ということがあるのであればというお話もありましたけども、まだ検討段階ということなので具体的な方向性というのは見えてないかもしれないですけども、おっしゃっているその目的を達するために、県としてもし仮に追加をするとしたら、どういった方向性、使い方といいますか、どういったものであれば追加をするに値するというように思われますか。

知事:
 追加で予算措置ということが考えられますが、12月議会はもう出していますので、国の補正予算が出た後の地方補正予算の追加ということになりますと2月議会の前半ということになりますので、2月議会は1月末から始まりますので、いずれにしても来年度当初予算と県の地方補正予算で、各県とも同じですけども1月中に、国の補正予算が12月に通って、政府原案が12月に出てくると、それ合わせて16か月予算になりますと、地方では当初予算と補正対応の補正予算ということを合わせて、1月中には予算案を地方政府で考えなければいけない。そこに盛り込むことができるかどうかというのが一番のポイントになると思います。
 国の補正予算の追加、地方補正予算ということが何かあれば、積極的に対応したいと思います。これについてはまだアイデアがございませんけども、そういうこともしますよということになれば、実は市町村からも、県も多少でも追加の金を出してもらえるならば、アイデアでもまた考えようかという、そのインセンティブになることが今までの実例で、奈良モデル的な実例で分かってきておりますので、そのような好循環になればというように思っています。

【質疑応答】G7関係閣僚会合の誘致について


司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。

記者(奈良新聞):
 G7関係閣僚会合についてお聞きします。今後、誘致活動をどのようにされるのかというのと、開催都市である奈良市との連携、奈良県内の経済団体との連携も必要だと思うんですけども、そこら辺をちょっと教えてください。

知事:

 G7関係閣僚会、林外務大臣が同じ参議院議員ったという気安さがあって持っていきましたら、高市政調会長も応援するよというメールをいただきました。どのようなタイプの会になるのかちょっと分かりませんけども、奈良県コンベンションセンターがあるからできる話でございます林外務大臣が外務大臣会でピアノを弾かれたということを聞いてとても喜んでいます。音楽がよくお出来になるのはよく知っており、Gi!nz(ギインズ)という楽団があるんですけども、Gi!nzに、荒井パーティーに出演してもらったこともありますけども、ギターも弾かれますし、ボーカルもすごいし、ピアノまで弾かれるのは、子どもの頃弾いてたんだと、バイオリンも弾かれるんですけども、ああいう場でご披露されたのはとてもうれしく思っています。

 日本の国際会議というのは、一つの国際的なプレゼンスをするときの弾みになると思っています。国でも、地方でもそうだと思います。奈良県は、そのようなことのできる場所であろうかと思います。サブスタンスと言われる会議の内容をどうこうというよりも、ロジスティックと言われる会議の環境整備で奈良県はとても優れている面があろうかと思います。自然環境ということもありますけども、歴史環境というのが今の時代とても大きいことで、奈良県の歴史環境の中で日本の歴史をその中で知ってもらうというのが、外交政策としてとても大事なことだと思います。そのような環境は奈良県は素材として持っておりますので、その会議の合間に、ロジスティクスの担当が地元ということになりますので、それをそこはかとなく漂わせると、香りのように漂わせるというのが大事かと思っています。

 そのようなことでありますので、地元の市とか、そういうことではなく、そのような会議を行う、その担当が大事で、市も参加して役に立つよと言ってもらえればいいと思いますが、この際、市の宣伝するとか、奈良県の宣伝をするとかというのは、全く会議のロジ、裏方としては別の話ですので、機嫌よくこの会議の中身を詰めていただければと、シリアスな会議であっても詰めていただければということ、環境整備がとても大事です。ジュネーブのような国際会議都市というのは、市民は非常にこう平静でありますけども、そういう歴史とか、ジュネーブというようなまちを、国際的な融和のために、国際会議の経験が幾つも積み重なって、紛争がまとまるときの講和をというときの会議の場所というのはとても大事かと思います奈良県そのような役目を担えるとすれば、文化的なことあろうかと思います。その文化環境のあるということを持ち出す者は自覚していないといけないということが、今の時点で一番大事なことだとに思っています。

 例えばの例で一つ挙げますと、奈良県が国際的に交流したのは、隋唐全盛時代、隋唐は中国の歴史上、一番オープンなグローバル化が進んだ時期です。それが300年もあったと、今、明治からたかだか150年ですよと奈良県がグローバルセンターの隋唐と付き合ったのは300年ありますよとその西の中央アジアともお付き合いがありましたよ。隋唐グローバルセンターあってのことだと思っています、感謝していますというメッセージを歴史とともに紹介すると、ああ、こういうまちがあったのかと。中央アジアの国際交流のあった都市はほとんどなくなっている中で、これだけのものが残っているのかというようなことが、そういうコンテクストを理解してもらうととても話が弾む、グローバル化の中での国際会議の話が弾むというように期待していますので、そういうセッティングには心がけていきたいというように思っています。

記者(奈良新聞):

 あと質問は、奈良市との連携ですけども。

知事:

 奈良市がそのようなご意向であれば、当然連携はあり得ると。奈良市でなくてもあり得ると。明日香村ともあり得るというように思っています。

記者(奈良新聞):

 あともう1点は、どの分野の関係閣僚会合、大臣会合を目指しているのかも教えてください。

知事:

 地元からは、先ほどサブスタンスとロジスティクスと言いました。ロジの役目ですので、サブのほうのテーマというのは特に申し出ることはありません。

記者(奈良新聞):

 もう1点、最後ですれども、例えば奈良市とかそういう関係団体ですね、経済団体との協議会とか、そういったものをつくるような予定とかはありますか。

知事:

 ありません。

記者(奈良新聞):

 分かりました。ありがとうございます。



【質疑応答】日中国交正常化50周年について


記者(NHK):
 外交についてお尋ねしたいのですが、来年は日中国交正常化50年に当たります。前回の知事会見でも、奈良県の中国との関係についてお話聞かせていただきましたけども、今、米中が緊張状態が続いている中で、奈良県として、この日中国交正常化50年の節目に、何か果たしたい役割ですとか、お考えなどありましたら、お話を伺えますでしょうか。

知事:

 日中国交正常化50周年が来年ということであります。それとの関連があると思いますけども、今週土曜日に、「エズラ・ヴォーゲル追悼記念講演会」という大きな講演のシリーズがあります。日本からはエズラ・ヴォーゲルさんゆかりの方がたくさん出られるということですけども、福田康夫元総理とか、二階俊博(衆議院議員)さんとか、程永華(ていえいか)前日中国大使とか、御手洗(冨士夫)さんとか、中国との交流にゆかりのあった方がずっとこう講演されるんですね。光栄なことに私も参加します。どのように言おうかということを今考えているんですが、明日中に原稿を出さないと、中国語にも訳されますので。アメリカからもジョンズ・ホプキンス大学の大学院長とか、ハーバード大学の日本研究センター長とか、この背景には、司会されるので分かったんですけども、李廷江(りていこう)さんという、清華大学日本研究センター主任が司会されます。邱勇(きゅうゆう)さんという清華大学の学長も開会挨拶され、清華大学のイニシアチブが大きいと思います。

 そのような背景を見ますと、奈良県と清華大学は提携しているんですね。向こうは義和団の乱で1911年にできた大きな大学であり、奈良県のような小さな県とお付き合いしていただくような、釣合いが月とスッポンではありますけども、習近平さんの出身校ということでもありますし、影響力はとても強い。そういう協定の中で、前学長の顧秉林(こへいりん)さんという方が奈良県立大学の名誉学長になってもらっているんです。そのような縁を大事にするというのに向こうも割と応えていただいているので、そのような縁が続いているので私ごときがちょっとしゃべれということになったのかなと、こう自覚しています。

 何をしゃべるのかというようなご質問でもあろうかと思いますけども、奈良の歴史を思い、先ほど奈良新聞さんが質問されたときの答弁にもあったんですけども、奈良の国際会議をするときの立ち位置というのは、歴史文化環境が残って、しかもこのような形で平城宮跡なり奈良公園なりが残っているというのが、あるいは見えないところの古墳とか残っているというのが何よりも替え難い。それは、中国とのお付き合いが日本の歴史の中で一番深かった時代ですよと、300年も濃密なお付き合いをさせていただきました。おかげですごい財産といいますか、文化をいただきました。文化文明をいただきました。これは奈良県が幾ら日本代表で感謝をしても、これは割と保守的な人も含めて、あまりこうおっしゃない歴史事実だと思います。それは奈良県の立ち位置として、そういう恩恵を受けましたということを何度も言っています。それが言える県だということが、一つ大きなことだと思います。

 話が長くなりますが、遷都1300年の売り込みを上海にも行きましたら、上海のテレビ局の人が100年前の歴史を忘れたのかとおっしゃって、そういう言い方されるので、もちろん忘れてませんよと。100年前の歴史も歴史だけど、1300年の歴史もちゃんとした歴史だから、1300年の歴史を忘れないように奈良県は感謝の気持ちを持ってますよと言ったらもう黙られたんですけど、そのような言い返しの経験もありますので、そういうことのメッセージは割とポジティブなメッセージだということを経験してますので、これまでのことを振り返って、これからのことをポジティブに言うというスタンスで、エズラ・ヴォーゲル追悼記念講演会では、奈良の立ち位置からしゃべっていきたいというように思っています。

 それには、また話長くなって恐縮ですけども、中国は政権の形がずっと歴史上一貫してるわけではないんですよね。遊牧民族との交接でグローバル化ができたという説が最近大変有力です。遊牧民族との衝突と融和の過程の中で、国家体制が強靱化してきたというように見れるところがある。日本は農耕民族だから、遊牧民族との交接、衝突あるいは融和がないと国際関係弱いのではないかと、いつもこう思ってますが、それは島国農耕民族だからという。しかし、大陸はそうはいかないんだと。そのような過程で発達されましたのでということは、折に触れて言ってもいいかなと。

 奈良とゆかりの深い隋唐は、最近の研究では漢民族ではなく、遊牧民族との交接で李王朝、李世民(りせいみん)という、李王朝ということになりますけども、そのような色が濃いという、五胡十六国の時代から隋唐が北魏から発生したわけですけども、その系統の跡には遊牧民族の血筋、考えが大きく入っているという研究が日本の学者さんで進んでいます。それをエズラ・ヴォーゲル追悼記念講演会で言うつもりはないですけども、アメリカとかヨーロッパではそういう研究が随分進んでいますので、中国の人も十分意識されてますので、日本だけが知らないといないという意味で時々こういうことも言っていきたいと思いますけども。

 すると、その証拠といいますか、遊牧民族が文化を運んだという中で、奈良はもうエビデンスがばっちりとあるということを、例えばソグド人鑑真さんが日本に来たときの連れてきた方は、ソグド人が連れてきたというような説が今、有力になって、鑑真さんがソグド人を連れてきたんではなく、ソグド人が鑑真さんを連れてきた。貿易商品とともにというような説が大変有力になっています。唐招提寺の4代目管長は安如宝(あんにょほう)というソグド人です。青い目をしたソグド人、これはれっきとした証拠があります。ソグド人は日本に来てから得度されたと。安如宝のお父さんは、鑑真の経済的なスポンサーだったということまで最近分かってきています。そのような恩恵を奈良が受けたということはれっきとした、これは感謝しかないということであります。そのようないろんな歴史の中で日本は得をしましたよということは、言い方はいろいろありますけど、強調していきたい。おかげさまでということ、これは感謝しないといけないと奈良県は思っています。

 それを、今、これからということをするには、歴史を振り返るというのも大きなその役目、近い近現代史も振り返る対象にすべきだと思いますが、それと一緒に古代のほうも振り返るということ、歴史を振り返ると国同士が平和になっていくと思うヨーロッパがそうでありますが、歴史の教訓を振り返ることを忘れてはいけないというようなことを、違う形で、あまり高尚ではない形で申し上げていこうかなと。

 それと、どういうことを考えていますかということになりますと、そういうことの立場で、できることを地方政府としてやっていきたいと思いますということになりますので、歴史の振り返りのプロモーターになるよと。歴史の中で、中国との歴史だけではなく、日朝の、韓半島の歴史を忘れてはいけないということと、その奥にある中央アジアとの歴史を忘れてはいけないということで、ソグド人、ソグディアナの中心地でありましたので、サマルカンドはコーという名の人が多いんだけど、ブハラガハンという人が多いということですけども、そのようなところと交流できて、歴史を振り返るよすがを今に戻すという、地方政府でそういう活動をできる県だというように思います。それが日中の将来にいい影響がある。

 中国政府の動向というのは、どういう方向に行くか、漢民族というのを大きなテーマにされているようですけども、昔の漢民族という、統一民族というのは成立したことありません。もうあらゆる時代、多民族国家。複数人種をうまくコントロールされてきたときは大帝国になるし、分かれたときは分裂国家になると。分裂国家は困ることが多いです。帝国でも平和的なグローバル帝国になられるほうが周りとしてはありがたいなと思いますので、ちょっと歴史家ではないのでうまく言えませんけども、奈良から見るとそういう歴史を基に発信、発言はできるかと思いますので、長くなりましたが、そういう類いのことをエズラ・ヴォーゲル追悼記念講演会では多少言わせてもらおうかと思って。ほかの人の発言を聞いていて、奈良県のようなものでもいろいろできることは考えて、交流ということになると、東アジア地方政府会合を10年やっていますので、今度インドネシアの西ジャワ州バンドンでしますのと、その次は山東省の臨沂(りんぎ)というところでしますので、臨沂は孔子の出身地に近いところであります。そのような地方歴史をその都度関係者が見ていくというのも、グローバル化の時代でも面白いし、大事なことかなというように思います。

 長くなってすみません、取り留めのない話でございました。


記者(NHK):
 ありがとうございました。

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の知事定例記者会見、終了をいたします。ありがとうございました。

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
 また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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