令和4年4月20日(水曜日)第33回新型コロナウイルス感染症対策本部会議・知事定例記者会見

【対策本部会議内容】
○第7波に備える対策について
【発表案件】
○近畿日本鉄道株式会社による鉄軌道旅客運賃の改定申請に関し、公聴会の開催を要請します
【質疑応答】
○データ分析人材の育成・確保について
○ガソリン税のトリガー条項の凍結解除について

 

【対策本部会議内容】第7波に備える対策について

司会:
 それでは、ただいまより第33回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開会いたします。
 本日は、オミクロン株を主流とする第六波の感染動向を振り返り、医療・介護関係者とともに議論を重ね、浮かび上がった課題と、それに対する第七波に備えた県の対策について決定するとともに、大型連休を控えまして、県民の皆様へのお願いをお示ししていきたいと存じます。
 それでは、本部長の知事からご発言をお願いいたします。

 

 

知事:
 今、ご紹介ありましたが、第七波に備えるという観点から、連休前にこれまでの振り返りと論点を医療関係者、高齢者施設の関係者と協議を重ねてまいりましたので、本日で連休に向けての県民の皆様へのメッセージとなるよう、なるべく資料をつくって、お諮りする次第でございます。
 本日の本部会議、了承されましたら、午後、議会の皆様に、関係委員会にご説明をしたいと思います。内容についてご説明を申し上げます。
 2ページ目でございますが、第六波の内容について振り返ってみますと、第五波までと大きな違いがございます。症状が軽いが、軽く重症化リスクも低い、その結果、感染者が大幅に増えた。またその結果、多くの方が自宅での療養になる結果となっております。そのような事態をどのように振り返るかというのがメインの観点でございます。1つは、入院の在り方、あるいは自宅療養の在り方という点がまず大事かと思いますので、その点についての医療関係者と議論を進めました。その論点は、ここの2ページ目で3つ上げているものでございます。国のほうは、コロナ、感染症法の対象でございますので、隔離ということに重きを置かれて、原則入院と、こう書いてございます。ただし云々と書いてある、そのただしが毎月ほど方針が変わるという状況でございますが、具体的にコロナ感染症軽症で基礎疾患のある方を原則入院に適用するといろいろ問題が発生しているように思われますので、その点についてどういうことか、原則入院という国のトリアージ方針の内容についての議論があるように思われます。それが1点目でございます。
 それから2点目は、入院した場合の医療提供の在り方ということでございます。基礎疾患のある方を受け入れた場合に、その病院内併診、その専門医の人がコロナ病床に併診ということができるのかどうかというのが調査をいたしました。思ったほどされてないことが分かりましたが、それで問題がないのかどうかというのが次の観点でございます。
 また、ADLと言われますが、認知症など高齢者の方が、コロナにかかったからというので原則入院の方針を適用いたしますと、中で閉じ込め型の入院になる可能性が出ております。実際そのようになっております。そのようになりますと、認知症が急速に増悪するというような事例もありますので、その点について入院、特にコロナ軽症の方の入院、基礎疾患ありの方の入院はどのようにするのか、トリアージでも関係いたしますが、入院後の措置をどのようにするか、これは医療関係者に問題提起をした分野でございます。
 3つ目でございますが、さすればトリアージで自宅または高齢者施設でいてくださいといった場合に、その日常生活についてはいいわけでございますが、感染症の予防を、家族ないし高齢者施設の同居者にうつさないようにするにはどうすればいいかという観点と、その医療の提供がある程度必要だと思われますので、医療提供の問題が発生する。このような現場に即した問題を奈良県は追及したというのが、今回の大きな点でございます。
 ウェブによる意見交換会を数次にわたりやりまして、今回の報告の中核になりますが、奈良県独自の療養先トリアージの基準を定めることになってまいりました。それから、自宅及び高齢者の医療提供の充実を図るという方向にもなりました。それとまだ、病院の中のコロナ病床で受け入れるのか、コロナ病床でない院内で受け入れるのか、専門医のおられるところで行くのかというような課題は残されておりますが、それは病院の関係者と、病院協会などと引き続き協議をすることになると思います。後ほどそのようなことも記載をしております。
 次の3ページからの論点でございますがクラスター、病院クラスターあるいは高齢者施設クラスターが課題でございます。そのように、病院クラスターになりますと、最近は収まってまいりますが、いっとき救急搬送困難事案が発生・増加いたしました。また、高齢者の施設でコロナ感染がクラスター発生いたしますと、やはり重症化する可能性が出てまいりますのと、その重症化のリスクが多くの人に散らばってしまうという課題が出てまいりました。それで、新型コロナ感染対策責任者を火気責任者のような例に見習って任命・登録していただけるかどうかを県から提案いたしましたが、関係者の方はその方向でご賛同いただいたという経緯になっています。責任者を任命・登録してクラスター対策を推進するというのが一つのポイントになってきております。
 その次のポイントは、4回目接種の準備を始めておりますが、ワクチン接種はデルタまでとまた違う様相にもなっておりますのと、効果についてはデルタと同じようにオミクロンでも変わりないというのと、オミクロンBA.1とBA.2でも効果は維持されるということが報告をされておりますので、ワクチン接種の促進という国の方針も地域の方針も変わりないところでございますが、若年者を中心にワクチン接種が第2回目までと違って進まないという事情がございます。その結果、若年者を中心にオミクロン株の後半の感染者は若年者の割合がすごく多くなっております。そのような事態をどのように考えるのか、ワクチンで感染者数を減ずるというのは基本だというように思われるわけでございますけども、ワクチン接種が若年者に広がるかどうかという課題があるというように捉えております。
 それから、日常生活との関連ということでございますが、奈良県では日常生活との両立ということを重視をして対処してまいりました。同じことが今後とも続くと思いますが、日常生活の維持は大事でございます。ほかの要素で健康を損ねないということも大事でございますので、感染を拡大させないとともに、日常生活を維持するという、その両立をお願いすることになろうかと思います。大型連休に向かわれましても、そのようなことを県民の皆様に呼びかけていきたい。この今回の資料の内容をかいつまんで申し上げますと、3ページまでのようなことになります。
 4ページ以下、資料の説明をさせていただきます。感染動向がオミクロン株の後半戦に入りまして変わってきているのが中心でございます。
 5ページ目は、大阪府と奈良県の同期性というのがこのように維持されております。最後の3月27日以降の、その右のほうが跳ねております。大阪府も奈良県も跳ねております。これの分析はまだ分からないところもあるんですけども、オミクロンのBA.2の影響かもしれないということが推察されるところでございます。
 6ページ目になりますが、感染のピークの前と後ろというのを分析いたしました。地域の前と後ろの比率のばらつきがあるということが分かってきております。これは奈良県独自の分析ということになろうかと思います。ばらつきのある中でも、奈良県は大阪府との同期性、前と後ろも含めまして同期性が強いというような結果が出ております。
 7ページ以降、15ページまで、その前と後ろの分析をしております、ピークの前後分析ということになります。全国の例でございますと、第五波までは前が1、後ろが1.2という割合でございました。後ろがやや膨らんでおりますけども、左右対称というのが、これもどういうわけか分からないんですが、専門家の人なかなか教えてくれないんですけど、どうして左右対称になるんだろうかと分からないところもあるんですけども、おおむね左右対称でございましたが、第六波になりますと左右非対称になってきているように思います。全国の前後の割合は、今までの量を測りますと、今までのところでも1対2になっております。減少局面での感染者数に、前と違う様子が見受けられる。これがまた、都道府県別にも差があるというのが次ページからでございます。
 8ページ目からでございますが、ピークの後ろのほうが割合が高い順に並べております。全国の中でも後ろの局面の感染者数の割合が高いのは、東京であります。五波では後ろのほうが低いということは、東京の場合は五波では後半戦ピークの過ぎたら急速に感染者が減少したということになります。第六波は、東京は急速に減少はされなかったということになります。1対2.5の割合、量的に測るところのようになります。
 次に高いのは兵庫県でございます。9ページ目でございますが、第五波では1対1.0でございましたが、第六波では1対2.4になってきて、後半のほうは下げ渋りというような現象に見えます。その次に高いのは滋賀県でございますが、第五波では1対0.8で、下り坂は速かったわけでございますが、滋賀県の場合、第六波におきましては下り渋っておられるように見えます。和歌山も同様でございますが、第五波では1対1.3ということになっておりましたが、第六波では1対2.1という割合で、これも下がりが遅いようになっております。京都でございますと、第五波では1対0.7でございましたが、第六波では1対1.8ということで、割合からすればとても第六波と第五波は違ってくるというような形になってまいります。次は大阪府でございますが、第五波では1対0.9でございましたが、第六波では1対1.3ということで、下げ渋りの傾向は見られますが、左右対称形の形はほかの府県に比べてまだ維持されているような県に見えます。
 その次は、奈良県でございまして、第五波では1対1.1でございまして、左右ほとんど対称でございましたが、奈良県の場合は、第六波におきましても1対1.0ということで、左右対称が維持されております。他の府県が下げ渋りあるいはさらに下がっているという、第五波、第六波の違いがある県が見受けられる一方、奈良は第五波、第六波においても左右対称形の維持がされている。また、それは大阪府においても、多少違いがあっても、同様な傾向であるということが分かってまいります。
 15ページ目でございますが、第六波のほうが下りが速かった数少ない県の中に、愛知が入ってまいります。第五波までは1対1.2でございましたが、第六波になりますと1対0.9ということになっておりますので、愛知のほうは下げ足が速いということになります。ここまで、15ページまでのその左右対称か、前後に坂の角度が違うのはどういうわけか、地域で違うのはどういうわけかという分析が興味のあるところでございますが、日本はなかなか専門家がおられないので、なかなかこういう分析が分からないままでございますが、奈良県では、専門家ではございませんが、このような有り合わせのデータで見ても、何か各府県の感染動向に違いがあるということが分かってきておりますので、ご報告をする次第でございます。
 16ページ目からでございますが、人口当たりの感染者の動向の意味、よく分からないところもあるんでございますけども、総じて言えば、大都市が高い山になって、その周辺が感染者の人口当たり動向が、感染者数が高いという動向になっております。東京都と大阪府と愛知県というのが大都市、福岡県、北海道ということになりますが、大阪府が全国、人口当たりの感染者数、最も高く出ておりますので、大阪府近郊について、その赤い棒グラフで示しておりますが、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県。滋賀県、和歌山県を入れますと離れておりますが、そのような動向。また、東京都が中心地、この感染者の地域分布は、やはり中心地があるのではないかということが推察されます。大阪府でも、大阪市が中心地であることは分かっております。東京都の中心地はどこか、まだそういう資料は出ておりませんが、大阪府については、奈良県が分析いたしますと、大阪市が断々トツの中心地でございます。そこからこの周辺に鉄道路線に応じて展開しているという状況でございますので、便利な兵庫県、また便利な京都府、奈良県に展開しているという風情でございます。東京の中心地は分かりませんが、山手線内とか3区というふうに想定いたしますと、交通の便利な神奈川県、それから埼玉県などに展開しているような様子が、この棒グラフの高さで分かるところでございます。
 色のついてない高いところは、沖縄県、福岡県でございます。全国平均より高い大都市でないのは、沖縄県、福岡県でございます。愛知県も全国平均より高い状況でございます。全国平均は、左と右の中間ということでございますのでそれほど意味はございませんが、右のほうになりますと、静岡県も入れてありますが、岐阜県、三重県は愛知県が中心地ということになります。愛知県近郊の散らばり方は、鉄道よりも自動車の交通が多いせいかもしれませんが、穏やかな展開のように見受けられます。大都市を中心に感染が広がる、拡大してくるということは如実でございます。
 16ページ目は、全国の人口当たりの感染者比率を順に並べたものでございますが、右のほうになりますと、全体の感染者数比率は低いんですけども、第六波のその最近の動向については顕著な違いがございます。17ページ目に書いてございますが、なかなか下がらない、むしろ増えているという状況でございます。ここに書いておりますのは、16ページ目の右のほうの団体を、7団体を選んだものでございますけども、今まで目立たなかった県がこのように、むしろ過去最多を経験されるなどの動向が出ております。これの動向についての分析は国のほうでされるように思いますけども、若年者の感染拡大とも関係しているようにも思います。
 第六波の年代別構成というのは、第五波と大いに違います。18ページ目は、全国の年代別の比率でございますが、青い棒グラフが第五波の人口分の感染者数でございます。比率でございますので、年代別に分けますと、第五波までには年代別で一番多いのは20代でございました。第四波までは高齢者の感染は重症化リスクが高いというので躍起になりましたが、第五波になりますと20代が一番高いというような状況でございました。第六波になりますと10代未満が感染者比率が一番高いというような状況で、大いに様相が変わっております。また、70代、80代の感染者比率は第五波よりも上がってきております。特に80代、90代が第六波では感染者比率が高くなっておりますが、人口そのものが少ないことと、高齢者施設での感染多発がこのような数字に影響しているかもしれないということが推察できるものでございます。
 19ページ目は、同じような表、全国と奈良県を比べての表でございますが、年代別感染者比率が、全都道府県と同じような傾向になっていることが分かります。原因が同じではないかというように思われます。
 20ページ目でございますが、大阪府は全国平均、奈良県とちょっと違うところは、10代の感染者比率が高くなっている点がございます。これの推察でございますが、10代のワクチン接種率が全国、奈良県に比べて低いことが、感染者比率が高いということに影響しているのではないかと推察できます。ということは、逆に、ワクチン接種が進めば、ゼロリスクにはならないと思いますが、感染者数は抑制できるということがむしろ推察できるものでございます。
 21ページ目でございます。その第六波が尻尾が上がっている格好に見えますのはどういうわけかということでございますが、まだ推察の域が出ませんけども、BA.2の割合が増えるに従って、この尻尾が下がらないまま、上がったままになっているとも推察ができます。奈良県のBA.2系統でございますが、3月と4月では大いに違います。件数が増えてきたということもあると思いますけども、件数のサンプルの量が同じ24件ということでございますので、BA.2の割合が大きく上がっているということが注目点でございます。ほかの県でも同じような傾向にあるのではないかと思いますが、手間の関係で奈良県だけの分析になっております。
 以上のような第六波の特異点について振り返った上で、今後の対処でございます。
 まず、第1は、療養先トリアージ基準でございます。療養先トリアージ基準の今のフレームワークですが、23ページ目、図にありますように、保健所の医師、保健師が症状、リスク因子を基に、感染者を入院かどうか決めるトリアージをすることになっております。保健所の医師、保健師が決定権者ということになります。それで入院か自宅、高齢者施設、宿泊療養で療養と、振り分けるということがフレームワークでございます。
 どのような理由で入院が必要と判断されたかという調査を、理由別内訳の調査をいたしました。24ページ目でございますけども、7割が新型コロナの治療のためということでございます。当然のことでございますが、次いで、基礎疾患の治療のためということが挙がっているのも注目されます。13%でございます。その次に多いのが8%、コロナ無症状であり即時の治療は必要はないけども、経過観察が必要と言われる方で入院された方が8%おられます。その他は雑多でございますので、まだ分析まで至っておりません。
 新型コロナの7割の方の治療は、25ページ目にありますように、半分が中和抗体薬、抗ウイルス薬等の投与のために入院治療をされたということが分かっております。肺炎などの呼吸器障害の予防ということになります。その次は、さらに中等、重症の方になるかもしれませんが、血中の酸素飽和度の低下が見受けられるのに対して、ECMO使用や人工呼吸器使用、酸素投与など、やはり肺を守るということをされておりますが、それらが圧倒的に新型コロナの治療の主役を占めていることが分かります。さらに、3番目の10%は点滴治療、嘔吐や下痢などの食事困難に対する治療がされていると。さらに、精密検査の必要があるというような治療、検査をされているということが分かってきております。
 26ページ目になりますが、入院の理由が違う方たちでございます。コロナ治療のためでなく、基礎疾患の治療等のためというようにトリアージをされた方たちの中の治療の実態ということでございますが、妊婦、透析で7割を占めておられます。次いで、骨折や外傷等による治療ということは分かってきております。妊婦で4割、透析で27%、その他手術、投薬治療のため、基礎疾患のための治療がこのように行われている実態が分かってきております。
 その次に、無症状で即時の治療が必要ないけども、経過観察が必要だということで入院された方が約8%おられますが、これまで、経過観察のための入院ということが必要かどうかということを問題提起をしてきました。これまでは新型コロナが無症状でも、高齢や基礎疾患のある方には入院をしていただき経過観察をして、高齢者や基礎疾患のある方は入院されたほうが、経過観察をするにしても入院されたほうが安全でしょう、安心でしょうということでございましたが、即時の治療の必要がなく、自宅での医療提供体制が一定整ってきたこと、自宅等というのは、高齢者施設も含まれるわけでございますが、自宅等での療養のほうが、ADLといいますが、生活を維持する上で望ましいのではないかということを、トリアージの判断基準にできるかどうかというのがポイントでございます。いろいろ医療関係者と相談いたしまして、このような方は自宅での療養のほうが望ましいのではないかというように判断をした次第でございます。原則入院で、ただし云々のところのただし書の内容が、経過観察であれば、自宅の環境にもよりますけども、自宅での療養ということも望ましいことではないかというトリアージ方針を確認をしたわけでございます。
 以上が、現時点でのトリアージ基準でございますが、28ページ目になりますけども、入院して治療を受けるというのが入院の目的でございます。隔離という意味が大分減じてきているということを反映しています。入院して治療を受けていただく方は、新型コロナの治療または基礎疾患の治療のために入院が必要な方ということでいいのではないかという判断でございます。新型コロナの治療のための入院は、先ほど実例があり、ここに書いてありますように、呼吸器障害、対抗するために抗ウイルス薬、中和抗体薬の投与という治療のための入院になるのではないか。血中酸素飽和度の低下に対しては、これにありますような治療のための入院、その他では点滴治療、精密検査などの入院、事例を集めてみますと、入院目的がコロナ対策、入院目的がかくかくの治療ということが明確になってきているというのが現在の状況でございます。そのような方を入院させるというトリアージ方針で、まず、どうかということが1つでございます。
 その次に、29ページ目になりますが、基礎疾患の治療のための入院という分野がございます。妊婦さんと透析患者さん、7割ありますが、帝王切開、相談の入院、人工透析のための入院、手術、投薬治療のための入院、治療目的がはっきりしておりますので、このような方を入院していただくということはいいというように判断をされます。ただ、妊婦については、医療関係者から、妊娠前期の妊婦は必ずしも入院が必要ないという意見が出ております。また、人工透析のための入院は、透析患者がコロナ軽症や無症状の場合は、経口治療薬などの治療が早期に開始できれば、必ずしも人工透析の治療のためだけの入院は必要ないのではないか。まして、コロナ病床に入られるわけでございますが、コロナ病床の逼迫に寄与する可能性もございますので、必ずしも入院が必要ないのではないかという意見がこの協議の中で出ております。これをどのように考えるかというのが、トリアージの一つの方針でございます。
 30ページ目になりますが、トリアージの方針で、入院が必要でないと判断される方は、自宅、また高齢者施設での療養ということになりますが、その際、自宅、また高齢者施設での療養は、重症化を防ぐことができるということが条件になってくるように思います。また、重症化を防ぐことで、重なる場合もあると思いますが、無症状で即時の治療が必要のない方は自宅での経過観察を好まれますので、入院をして経過観察をするというよりも、自宅で経過観察したほうが生活の維持、ADLについては高度になりますので、そのようなトリアージ方針でどうかというのが本日のお諮りする大きな点でございます。
 31ページ目でございますが、以上をまとめますと、これまでのトリアージ実績と往診・電話診療の対応できる診療体制や、経口治療薬の投与体制の拡充強化が行われてまいりましたので、自宅等における医療提供体制が一定整ってきたことを踏まえまして、今申し上げましたような療養先トリアージ、入院か自宅または高齢者施設かというので、トリアージ基準を、今述べました30ページまでの方針のようにしたいというようにお諮りをいたします。
 その上で、まだ課題としてはみんなクリアできたわけでございませんので、医療関係者の意見を踏まえまして、さらに検討・協議を進める事項が少し残っております。妊婦につきましては新型コロナ病床に入院され、そこで妊婦さんに対する併診といいますか、専門医が確保できないケースも出てきておりますので、妊娠前期の方には自宅等での療養はどうかという意見が出ております。関係医療機関と検討・協議をさらに進めていきたいと思います。
 透析については、無症状、軽症で外来透析が可能な患者には、自宅等での療養はどうかという意見が出ております。新型コロナには感染していても人工透析ができるという病院の確保も必要でございますので、関係医療機関との検討・協議を進めたいと思います。
 また、宿泊療養施設の役割についても問題が残っております。これまで感染者全員を隔離するという、隔離に重点を置いた感染症対策でございましたが、入院できない、入院治療が必要な方以外、軽症、無症状で自立した療養生活が可能な方は、入院代替というような意味で宿泊療養施設を用意してまいりました。ピーク時には約80%の使用でございました。
 第六波の状況は、稼働率と表現しておりますが、約30%でございます。重症化リスクが低くなっているので、宿泊療養に入るよりも、同居家族と一緒に過ごしたいというような方のほうが増えており、宿泊療養に入っていただけないかという入所調整には、なかなか困難が発生している状況でございます。
 そのような状況を踏まえまして、宿泊療養の役割論でございますが、宿泊療養の意味が残っておりますのは、家族内感染が防ぐため、同居家族等から隔離した生活を希望される方には、感染者の入所を、当然でございますけども、優先して認めたいと思います。すると、3割の稼働率でございますので、要らないのではないかという意見が当然出てまいりますが、今までの観察は、オミクロン株に基づく、同居に基づく観察でございますが、今後の株の特性はまだ不明でございます。第七波に備え、第七波、オミクロン、BA.2か、次の株が出てくるかもしれません。この宿泊療養施設はなかなか確保するのにも手間がかかり、一度なくなると再確保は難しくなってくる可能性もございますので、現状の施設規模を当面維持し、見直しは今後の株の特性を踏まえて判断するということにしたいと思っております。
 以上がトリアージ方針のこれまでの検討経緯でございます。
 34ページ目以降は、第六波の感染動向を含めました、医療提供の充実の課題でございます。医療機関、自宅、高齢者施設での医療提供体制ということになります。
 35ページ目、まず、医療機関での新型コロナの患者への提供体制でございます。基礎疾患、専門医の一つのポイントは、新型コロナの治療だけでいいのか、基礎疾患あるいはADLのための治療・ケアが必要かどうかという点が大きな課題でございました。基礎疾患をお持ちの方が入院されるならば、入院であれば基礎疾患をそのまま放置するというような病院は困るわけでございますので、基礎疾患治療を並行して進めていただきたいというのが出発点になると思います。それと、後の調査で出てまいりますが、併診ができる病院ばかりでないという点が課題になってまいります。さらに、認知症の方、リハビリが必要な方は、これは割としていただいているようでございますが、新型コロナ病床でリハビリのサービスをしなければいけないという課題もまた、出発点になろうかと思います。
 そこで、現実をどのようになっているのかを伺ったのが、今回の調査の内容でございます。その結果、どのように扱うのかということ、またどのような体制で扱うのかということについて課題が残っていることが分かりました。その点について36ページ目以降の調査の分析を展開をしております。
 36ページ目、1つは、基礎疾患を有する新型コロナ患者の入院受入れでございますが、29全ての病院で新型コロナ病床での治療が原則になっております。
 37ページ目でございますが、併診、専門治療、コロナ病床に行かれてもほかの基礎疾患がおありになる方の、専門診療科の医師の併診が行われているのかどうかという観点でございます。行われていたのは29病院のうち9病院にすぎない状況でございます。併診が行われていない病院のほうが倍ほどあるんでございますが、併診が困難、専門診療科の医師が駆けつけてくれない理由としては、そのような基礎疾患の診療情報が不足というのは意味が多岐的ですけども、基礎疾患の情報が主たる治療対象でなかったと思われます。また、専門診療科の協力は得られなかったというように正直に報告されている病院もございます。下のほうに書いてございますが、基礎疾患に関する診療情報不足ということは、基礎疾患は多少なおざりにならざるを得なかったというようにも思われます。それから、その理由の一つにもなりますが、専門診療科、医師の協力が得られなかった、あるいはおられなかったというようなことが理由として上げられます。
 38ページ目でございますが、ADLが低い患者さんの入院受入れ体制でございますが、これはリハビリや認知症の方への配慮ということでございます。これは、新型コロナ病床で配慮治療を行ってきていただいているのが分かります。28病院が新型コロナ病床でございますけども、新型コロナ病床の担当医がそのような主治医として活躍されているのが分かります。
 39ページ目でございますが、ADLを低下させないための取組は28のうち18病院で行われてきております。リハビリ専門職によるリハビリ、またADLの評価などが行っていただいているのが分かります。具体的には、39ページ目の取組の下のほうの欄の項目になります。ただ、一方、10病院ほどはADL低下のための取組は行っていないと回答されております。
 40ページ目でございますが、このようにADLを低下させない取組を行わなかった理由ということを調べましたら、リハビリ専門職等の確保が困難であるとか、患者情報が不足している、知らなかったということになろうかと思いますが、そのような報告を受けております。ADLの低下は深刻にならなければいいんですけども、認知症や寝たきりになりますと歩けなくなるということが予想されますので、配慮の必要な項目であろうかと思います。
 そのような事項の調査をした上での今後の対処方針ということになりますが、41ページ目、基礎疾患をお持ちの方の入院の場合には、基礎疾患専門医の参画が必要かと思います。並行治療ということが必要です。また、ADLが低い場合には、可能な限りリハビリ、認知症対策を行っていただきたいというのが基本であろうかと思います。
 また、でなぜできなかったかということも聞いたわけでございますけども、特に中小病院では専門医の確保がなかなか難しいと言われておりますので、かかりつけ医療機関で可能な限り新型コロナ患者の入院治療に対応していただくというのも一つの新しい方向になるのではないかということでございます。コロナ病床に入院して、その基礎疾患治療、ADLケアということは行うことが難しいのであれば、そこに入院をするよりも、コロナ感染であるけども、かかりつけ医で、ADL低下しない、あるいは基礎疾患治療する、透析をするというようなことを対応していただけないかという大変新しいポイントを、41ページ目の中のコラムで提案をしているところでございます。
 また、新型コロナ治療に関わっておられない医療機関でも、抗ウイルス薬や中和抗体薬の投与などの重症化予防の治療には参加していただける可能性もございますので、新型コロナの医療提供体制の一翼を担っていただけないかということも提案をしております。41ページ目は、幅を広げ、新しい医療機関でのコロナ患者への医療提供の対応を、というような提案を41ページ目でしているところでございます。
 42ページ目でございますが、一方、自宅や高齢者施設での療養ということをトリアージされ、選択をしていただく場合の、医療提供体制の充実というのが課題でございます。自宅での療養は、医師会や病院協会の活躍の場でございます。どのように進めていただくかが大きなポイントであります。
 43ページ目は、これまでの実績調査でございます。自宅では、270の医療機関が往診や電話、新型コロナ感染者家庭への治療を取りかかりますと、医師会に言っていただいておりましたが、実績はどうかと聞いておりましたら出てまいりまして、これまで1月、2月の診療分で、往診が140件、電話等による診療が1,620件ということのご報告がございました。高齢者施設では、嘱託医等がおられるわけでございますが、新型コロナの治療をされております29の医療機関による往診等の体制は、現在、実績はございません。宿泊療養施設では、中和抗体薬の投与が可能性の体制は構築済みでございますが、実績は4件のみでございます。このような実績を踏まえ、今後の対応の検討が必要かと思います。
 44ページ目でございますが、今後の医療提供体制の充実について、医療・介護関係者から意見を交換をさせていただいた際の意見でございます。1つ目は、病院の中の治療でございます。手術室の中に、通常の陽圧の手術室ではリスクがあるので、陰圧手術室を用意しなければいけないかという発言がございました。今までのそのケースについての深刻度、または量的な把握ができておりませんので、関連情報を県が収集・整理して、情報を提供して、また医療関係者と議論をしたいというテーマに扱わさせていただきたいと思います。
 2つ目のポイントは、新型コロナ肺炎を防止するだけではなしに、高齢者あるいは認知症の場合、誤嚥性肺炎が進行することがあるから気をつけよということでございましたので、そのような情報について適宜情報を提供するという体制にしていきたいと思います。
 45ページ目の3つ目の提案・意見でございますが、医師数の少ない中小病院では併診の体制が難しいということです。新型コロナ病床として手を挙げていただいているわけでございますが、基礎疾患の患者を受け入れた場合、病院内併診は難しいということでございます。どのような併診をできるか、協力をお願いしたい、課題克服のための協議を重ねたいと思います。
 また、新型コロナ軽症の場合には、新型コロナ病床でなくて一般病床でも受け入れられる可能性を探って、新型コロナへの治療にも参加していただきたいという、新しい課題も提起していきたいと思います。
 その次の課題でございますが、今の課題の再掲であろうかと思いますが、新型コロナ治療に当たっていない医療機関に、例えば透析について参加していただく、新型コロナ患者さんにも外来透析をしますという病院があればそちらへ行ってもらったり、基礎疾患で人工透析の必要な方はそちらに回ってもらって、透析のための治療だけで新型コロナ病床に入院していただくことを避けられるのではないかという観点の提案でございます。そのような参画をしていただくのもよい考えだという意見が出ているということを反映したものでございます。
 46ページ目は、妊婦さんについて、妊娠前期の自宅療養が望ましいという意見が出ておりましたので、そのような方への、どのような方がトリアージでどうするか、また、自宅での妊娠前期の治療をどうするか、観察どうするのかということは、かかりつけ医あるいは近所の産婦人科病院などの参画が必要かと思われますので、そのようなケースをどう扱うかについての検討・協議を進めたいと思います。
 透析についても同じでございます。外来透析であれば、新型コロナ無症状・軽症の場合は、入院されなくてもいいのではないかというトリアージ方針と治療提供、医療提供ということをどうするかという課題を検討したいと思います。
 リハビリについては、病院の入院された場合のリハビリということはやはりしていただかないと、割としていただいているんですけども、感染対策をしていれば、新型コロナ病床に入らなくても違う場所でリハビリをしていただければどうかという提案でございます。これも働きかけと協議を進めたいと思います。
 それから、47ページの次は、症状が軽快した患者の後方移転、これは必要でしょうと言われたんですけども、どのように受入れが進められるか、受入れ体制、受入れの基準についての協議を進めたいと思います。
 48ページ、認知症患者でございます。高齢者施設で認知症患者の方の療養、難しい面がありますよ。そのような場合には、一旦高齢者施設外に移って療養してもらってはどうかというようなことが提案されました。引き続き関係者と、高齢者施設での、いていただいて往診等の体制をできるかどうかということの検討と、高齢者施設外での療養が可能かどうか、受け入れている療養施設があるのかどうかということを検討していきたいと思います。
 以上がトリアージ、次の医療提供体制の病院、自宅、高齢者施設への課題を整理して提言したものでございます。
 49ページ以降は、クラスター対策の推進になります。
 50ページ目が、クラスター対策については、笠原先生(奈良県立医科大学感染症センター長)が作成・監修していただきました感染対策マニュアルというのがございます。これは大変立派なものでございます。その実践責任者を新型コロナ感染対策責任者として施設ごとに定め、県に登録、実践していただくことはどうかということを提案いたしました。医療機関75機関、高齢者施設640施設、障害者施設39施設でございます。
 その役割でございますが、医療機関については、このような院内感染対策の責任者になっていただくことになります。また、事前点検の責任者になっていただきます。さらに連絡調整の窓口になるという機能が大きいことかと思います。
 高齢者施設、障害者施設でございますが、52ページ目でございますが、基本的に同じでございますが、具体的な行動手順の検討、その院内での普及、また研修の徹底というような役割があろうかと思います。また、連絡を取れる窓口になっていただきますと、その会議をするのにも大変効率的な会議ができるというようなことで、これを進めたいと思います。
 53ページ目からは、ワクチン接種の促進でございますが、54ページ目、4回目の接種の準備を進めているということでございます。
 それから、55ページ目は、ワクチン接種の現状ということでございますが、奈良県は、3回目の接種率は5割になっておりますけれども、全国20位、近畿2位の数字でございます。65歳以上は接種率が88%でございますが、12歳から64歳の接種率は37%でございます。低調でございますが、これは、この年代の感染者増につながっているということも予測されます。
 56ページ目は、それを図示したものでございますが、20代から40代までのワクチン接種率はやはり相当低いものでございます。
 加速化の取組でございますが、接種会場の確保、情報発信というような、また、「いまなら。」キャンペーンでも、接種があれば割引率が伸びるというようなこともしていきたいと思っております。
 また、4回目接種への準備は、国のほうで4回目接種をしますよということでございますが、3月から2か月程度を目途に準備をしなさいということで国から通知がありましたので、その準備を始めております。接種券の準備、会場の確保等は順調に進んでおります。市町村でございますが、県におきましては集団接種への医師派遣、また広域接種会場の早期設置に向けて実行したいと思います。
 最後になりますが、60ページ以降、感染防止対策の徹底ということでございますが、61ページに基本的な感染防止策の継続、笠原理論でございますが、マスク、換気、消毒、距離ということでございます。これをしていれば相当リスクが低減されるということでございます。
 62ページ目は、リスクの高い場所では特に注意をしてください。また、飲食・会食に当たって、また、連休中の移動などには、このように注意をしてください。若い世代にも、やはり同じような注意をしていただくとありがたいということでございます。
 それから、64ページ目でありますが、リスクの低いと思われるとこでは、多少リラックスをしてマスクを外してもいいんではないでしょうかというようなことも提言をしております。外の距離が離れている場合にはマスクを取られてもいいでしょうということも提言しております。
 「いまなら。」キャンペーンの利用でございますが、ワクチン3回接種の割引で優遇して、4月15日から始めております。
 それから、地域のイベントの継続ですが、やはり適切な感染防止を継続しながら、イベント開催される、またイベントへ参加されることを呼びかけたいと思います。
 また、県立学校における感染防止対策は継続をさせていただきたいと思います。ただし、濃厚接触は防止するということ、また、教育実習や介護等体験の取扱いについても注意を促しております。
 保育施設、若年者の感染が増えておりますので、保育施設の感染防止を継続していただきたいということをお願いしたいと思っております。
 大変長い説明になって申し訳ございませんでしたが、今回の第七波に備える対策の内容は以上でございます。お諮りをさせていただきたいと思います。以上です。

 

 

司会:
 そのほか、この場で共有すべき事項、確認事項等がございましたら、ご発言をお願いいたします。
 それでは、本日の会議の確認事項としてお諮りをいたします。
 知事からご説明がございましたように、県では、第六波での振り返りを踏まえた医療体制の整備など、第七波に備える対策を実行するとともに、大型連休を控え、県民の皆様に引き続き適切な感染防止対策をお願いすることを、本会議の方針として決定してよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、以上をもちまして第33回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を終了いたします。
 本部員の皆様はご退席願います。ありがとうございました。
 引き続き、知事定例記者会見の中で、報道機関の皆様のご質問をお受けいたします。

 

 

[本部員退席]

 

 

司会:
 報道機関の皆様、よろしいでしょうか。
 それでは、これから知事定例記者会見に移らせていただきたいと思います。
 本日は、まず新型コロナウイルス感染症対策本部に関するご質問をお受けしました後、定例記者会見の発表案件のご質問、その他のご質問という形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、まず、ただいまございました新型コロナウイルス感染症本部会議に関しましてご質問をお受けしたいと思います。ご質問ございます方、挙手にてお願いをしたいと思います。
 NHKさん。

 

 

記者(NHK):
 NHKです。よろしくお願いいたします。それでは、本日の会議の内容と若干変わるかもしれないんですが、知事の現在のコロナの感染状況のご認識についてお伺いしたいです。ここのところ見てみますと、おおむね1週間弱程度前の週の同じ曜日より感染者の数が少ない状況が続いていると思うんですが、現在の感染状況についてのご認識を改めてお願いできますでしょうか。

 

 

知事:
 感染状況というのは、実は多岐的な意味があるんですね。ところが、感染状況というのは数ですよと、こういうことを暗に言っておられるような。NHKさんの関心は数だけですか。

 

 

記者(NHK):
 そういうわけでは。

 

 

知事:
 ほかちょっと、数のほかは何かおっしゃって。

 

 

記者(NHK):
 病床の使用率とか。

 

 

知事:
 感染状況ではないですね、病床の使用率というのは。あまり関係ないんじゃないかと。それは今までの見方というように私は思います。病床の使用率と感染状況を結びつけるのは、あんまり関係なかったこと。自宅療養がこれだけ増えていると言いましたでしょ。病床使用率は感染状況に入るのかどうかっていうことですよね、今のポイント。どうでしょうかということが今のポイント。ダイアログの意見交換のつもりですが。だから、数の中で、自宅療養が増えてきたと。自宅療養が9割超えているわけです。病床使用率という、どういう意味があるのかという観点があるんですよね。国から方針が出ないで、皆さんも病床使用率が重要だ、基準になっているよと、そういうことならあんまり関係ないなと、こういうようにも思えますが、どうでしょうかということをちょっとこう申し上げました。議論ですから、面白いですよね。オミクロンでいろいろ様子変わっているということを申し上げているので、ちょっとあえて申し上げたようなことです。

 

 

司会:
 よろしいでしょうか。

 

 

知事:
 ニュースにならないですね。

 

 

記者(NHK):
 県内で、あとオミクロン株のBA.2株への置き換わりというのも進んでいると連日、県のほうから発表がありましたけれども、その辺りはどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

 

 

知事:
 今回定義しています問題点は、第五波と第六波の違いということをいろんな角度で、こう言っているわけでございます。デルタ株あるいはその前のアルファ株、重症化リスクは防止する、死亡率を下げるというのが、世界的にも大きなことでありました。
 ところが、死亡率が下がってくると、世界では、感染ということをどのように捉えるかということに変わってきておりますけど、日本では、国のほうは、あんまりそういう意識のチェンジというのは、日本人苦手なのかな、あんまり言われないですよね。ご質問も感染者、感染状況、感染者の数をどう思いますかというご質問だから、ちょっと反駁した次第、お許しください。そのような議論を、環境が変わってきているのにチャレンジしようかということを今、アピールしたいというだけのことでございますので、それをどのように捉えるか、国ももう少し考えないといけない。地域は、及ばずながら、このように考えてますよということが大きなことでございます。
 今日の資料の大きなところは、そういうことでございます。不十分でありますけれども、オミクロン株になってその感染状況をどのように捉えるかということ自体が課題ですよと、そのことをご質問されたのかもしれません。察しがよければそのように答えたんですけど、ちょっと議論を踏まえないと、今までの従来どおりのご質問か、新しい観点を持ち込まれた上でのご質問かということがちょっと分からなかったものですから、県が出そうとしております資料は、新しい状況ではないかという意識がありありだというふうに見ていただければありがたいということでございます。その上で、どのようにオミクロン株、あるいはそのアフターオミクロンにどう対応するかということは、知恵を出さなければいけないという状況でございます。
 すると、その感染症法の扱いとか、原則入院の扱いはどうなのかという論点になってくるわけでございますが、感染状況をどう思うかという意見、ご質問に集約されているように思うんですけれども、このような議論を踏まえないと、なかなか答えづらいなというのが正直なところの第一感でございましたので、ちょっと余計なことを申し上げましたけれども、そのような議論が必要かなというのが、今回のペーパーの本旨でございますので、ご理解いただければと思います。記事にならないことをぬけぬけと言っておりますけれども、申し訳ありません。

 

 

司会:
 よろしいでしょうか。
 そのほかに。
 毎日新聞さん。

 

 

記者(毎日新聞):
 毎日新聞です。療養するときのトリアージ基準なんですけれども、今日、了承を得たトリアージ基準は、原則として重症化、これを見ると中等症以上の方に入院していただくと、原則、そういうふうにしていこうという、そういうことなんでしょうか。

 

 

知事:
 今までは、国のほうもそうですが、入院というのは重症化予防ですよということがずっとありました。ところが、コロナの重症化予防というのは肺がやられるということで、コロナで死に至るのは肺がやられた、肺が白くなってますねということですから、肺をよく見るというのが重症化予防の大きなことでございます。コロナの重症化率が、そういうケースが少なくなってきたというのが背景にあります。入院の意味が違ってきている。
 すると、基礎疾患で入られた方あるいは経過観察で入られた方というのが実例で出てきているわけでございますので、みんな入院すればいいよというわけでもないでしょうというのが問題点で、原則入院と書いてある、国のトリアージ方針は国に対して問題提起をしているというように受け取っていただければと思いますけれども。
 すると、原則入院、ただし云々ということは、毎月といってもいいほど基準が変わっているんです。このような国は珍しいなと私は思いますけれども、皆さんもそのような感覚を持っていただいて、いろんな見方があるなという状況になってきているということを感じていただければありがたいなというように思います。
 すると、今までの入院方針と、これからは違うことになってもいいのかどうかということを、断定できませんが、そういう論点を提起しているというように受け取っていただければありがたいと思います。

 

 

記者(毎日新聞):
 これを見ると、酸素飽和度が93以下というのが、いわゆる中等症の2なんですけれども、重症か中等症2の人を原則的に入院させようと。それ以外の人は基礎疾患のある方を除いて、もう自宅で療養していただこうという、そういうふうに奈良県としてはしていきたいという、そういうことでいいんでしょうか。

 

 

知事:
 いや、そう単純ではないですね、正直に言うと。そういった今までのフレームで延長するということをちょっとやめようとしておりますので、中等症、重症というのは、肺の中等症、重症ということではないでしょうかということですね。基礎疾患重症ということであれば、コロナを考えて基礎疾患重症になれば、それは今までどおりの重症とは呼べないような気がいたしますけれども、そうではないでしょうか。

 

 

記者(毎日新聞):
 つまり、今現在もこれまでも、高齢の方は軽症であっても入院させたりしてましたけれども、そういうケースが結構多かったことが分かったので、そういうのはちょっとやめていこうということなんですか。

 

 

知事:
 まとめて言うのは、ちょっと難しいような気もするんですけれども。

 

 

記者(毎日新聞):
 いや、この資料27ページと28ページを読むとそう取るんですけど、いわゆる重症の人は入院させる、この93%以下って書いているのは、中等症2ということを表していると思うので、明確にある程度の基準をつくって、入院基準とすると。

 

 

知事:
 今までの中等症というのは、ここに全然名前出てないではないですか。中等症はどうこうという言葉も使ってない。放棄したのかということの論点はあるんですけども、今までと違ってきてるという様相を出しているというふうにご理解願いたいと思います。
 中等症というのは、今までの中等症を、これからも使うかどうかということを提起しているので、使わないのかと言われたら、使わないほうがいいんではないかというところまでは来てるというようにご理解願いたいんです。中等症、重症というのは、コロナの中等症、重症ではなかったでしょうかということですね。デルタまではそういうことでしたが、今度の新しいコロナはみんな、圧倒的に軽症、無症状の場合が多いというのは、中等症、重症ってコロナではないですよということが前提である。ところが、いっとき死亡者が増えたケースがありましたよね。それはどういうわけか。中等症、重症がないのにコロナ感染の死亡が増えた、どうしてかというのが、この今回の資料の原点です。いかなる理由であっても、死亡者をなくしたいというのが基本的なことでございます。
 すると、今日の資料には入ってませんが、コロナが主因で死亡したという割合は、5割か、そのぐらいなんですね。コロナが主因でないと、原因でないと医者が言っておられるのは、4割から5割になっているんです。だから、コロナでの対応を中等症、重症で言っていると、死亡を減らすというのに直結しないんではないかという問題意識がありありとあるんですよね。それはなぜかと。それは軽症でもコロナだから無理に入院をさせて、無理にという言葉は変ですけれども、入院させて基礎疾患の治療を怠ってしまい、死亡に至っていたんではないかという問題意識が根っこにあり、すっきりとした対応、どういうことか言えと言われてもすぐに言えないので、もごもご言っているような感じがいたしますが、どのようにアプローチするかということに格闘しています。

 

 

記者(毎日新聞):
 28ページとこの29ページ、(9)まで書いてますけども、基本的にこの基準に沿って入院させる人を決めていこうということを今日決めたという認識なんですけど、違いますか。

 

 

知事:
 トリアージは、ここの言っていること、もしかいつまんで、今の、どういうつもりでこういうことをするのかということの意味の一端を申し上げるということになれば、コロナの治療、基礎疾患の治療、治療目的がはっきりしていれば入院させるべきだということが第一原則。そうではなく、自宅療養でも可能で、そのほうが望ましいならば、入院させるべきではないんではないかというとこまで言っているから、今までのトリアージ方針とまたちょっと質が違ってきている。だから中等症ですか、重症ですかとおっしゃったので、そうは考えてなかったなという、そういうふうには考えてなかったなということを申し上げているつもりなんです。
 すると、コロナ病床に入院させる意味がどこにあるのかということを追求し始めているということなんですよね。コロナ病床で基礎疾患の併診ができない場合だと、自宅でコロナの感染防止を図りながら往診を受けたり外来されたりするほうが、腎臓透析なんかにはADLが維持していいんではないでしょうかということを問題提起しているんですけど、このような事例がありますが、このような事例にはどう対処すればいいでしょうかということを、私、専門医ではありませんが、お医者さんも必ずしも、こういうような扱いの専門性を全幅持っておられるわけではないというふうにお見受けいたしますので、文殊の知恵を集めないといけないというのが県のやり方で、ずっとやっていることです。そういたしますと、割り切って言えと言われても、割り切れませんよというふうにも言わざるを得ない面もあると思います。

 

 

記者(毎日新聞):
 一応、28ページ、この29ページ、30ページあたりは、今日、方針を決めたっていうことでいいわけですか。

 

 

知事:
 そうそう、このようにトリアージしませんかというようにして、これを決めました。

 

 

記者(毎日新聞):
 そうですよね。それを読むと、基本的に入院、あるいはそれ以外は自宅療養ということにして、あと宿泊施設については、これは見直しの視点ということで33ページにあるけども、言ったら同居家族にうつしたくないなという人について、宿泊施設に入ってもらうと。それ以外は入院か自宅療養、そういう大きなくくりにしていこうというふうに、これを見たら読めるんですけど。

 

 

知事:
 そのようにもなってきてますね、宿泊療養の意味が不明になってきたというようなことがあります。入院代替という意味があったんですけれども、それはなくなってきているというような。それを、しかし、意味が全くなくなったかというと、そうでもないかもしれないということと、次の株がどんな性格か分からないので維持しておこうということに宿泊療養はなっているんですけど、今度は入院か自宅かというと、どちらがいいのかというのはトリアージ方針にもなるし、どちらにしろ重篤化しないということをしなければいけない。国も地方もしなければいけない、病院、医療関係者はしなきゃいけない、それをどのようにしますかと。
 今までのコロナが重篤化するということにも、感染症重篤化を防止するというのに国も地方も走ってきたわけです。しかし、コロナ軽症だと放置しておいていいのかと、いや、基礎疾患とかいろんなことが、コロナにかかったということで隔離病床、コロナ病床で治療ということになっても、治療は基礎疾患治療の場合もあるし、コロナ治療の場合もある。コロナ治療の場合はコロナ病床に入ってもらってしかるべきでしょうというのが、28ページ目のことでございます。
 そのときに、基礎疾患のとき、妊婦、透析で7割占めるわけですけども、これが提供されないと入院の意味がないですねというところまで踏み込んで言っているわけでございます。それは、妊婦、透析など、併診は病院でちゃんとしてくださいねというところまで言っているわけでございます。それが大きなことであります。コロナ病床であっても、コロナの治療だけでは駄目ですよというとこまで言っているということでございますので。入院させるには、どんな病気も治してくださいねと。
 そういたしますと、コロナ病床の中で同一病院内で非コロナへ転床するということも、コロナが軽症になったら、コロナ病床でその減圧ばっかりしているところではなくても、ほかの病床に行って、その妊婦治療とか透析をしてもらうということも考えられますねということも入っているわけですね。これは新しい局面で、病院のコロナ病床の役割、入院の役割論がちょっと変わってきているんではないかということを、これは国から全然下りてこないもんだから、こちらでむしろ提言しているんですよ。それを感じていただければありがたい。

 

 

記者(毎日新聞):
 はい、それは感じましたし、この中に、28ページ、29ページ、30ページで、(10)までトリアージ基準を分かりやすく書いているんで、これは、これまでやってなかったけど、県が明確化して、基準を決めていくという。

 

 

知事:
 そういうことですね。まとめてトリアージ基準というのは、国から出ているのはあんまりはっきりしてなかったという意識がありますので、実例を示して、このようなトリアージ基準でどうかということを、国の方針を代替するということを試みていると。ちょっと大げさに言えばということですけれども、そのようなことです。

 

 

記者(毎日新聞):
 その中に宿泊施設が入ってなかったので、次のページを見たら、同居家族にうつしたくない人は、隔離的な意味合いで宿泊施設は使っていこうという。

 

 

知事:
 そういうことですね。

 

 

記者(毎日新聞):
 だから、宿泊施設の利用がずいぶん減ってくる可能性はありますけれども。

 

 

知事:
 そうですね。

 

 

記者(毎日新聞):
 でも、今後につないで残しておこうということでいいですか。

 

 

知事:
 そうですね。頭いいですね。

 

 

記者(毎日新聞):
 いやいや、そのとおり書いてますんで。

 

 

知事:
 そのおっしゃるとおりに思います。

 

 

記者(毎日新聞):
 そういうことでいいでしょうか。だから、これまでこういう基準はなかったんですよね。局長にじかに聞いて申し訳ないですけど、(1)から(10)みたいな基準というのは、これまでなかった。

 

 

知事:
 国になかったということ。

 

 

記者(毎日新聞):
 奈良県としてはつくった、奈良県としても。

 

 

知事:
 いや、国になかったということをまず言いたい。国になかったから、こんなのをつくったということを言いたい。もちろん奈良県もなかったです。奈良県だけなかったわけでないということを言いたい。奈良県だけなかったのかと書かれると不本意ですよ。

 

 

記者(毎日新聞):
 責めてません。だから、すごいなということで、独自につくられたんで、今回の基準でしたら。

 

 

知事:
 国にないからつくったとでも言ってもいいぐらいですよ、そのぐらいの勢いです。

 

 

記者(毎日新聞):
 国にちょっと怒りを、怒っているわけですか。

 

 

知事:
 だから、これを国に言えないかとまで言っている。

 

 

記者(毎日新聞):
 そうなんですね。

 

 

知事:
 そう、国にないでしょうと言っている。

 

 

記者(毎日新聞):
 国に示していくのですか。

 

 

知事:
 国のトリアージ基準はないです。原則入院、ただし云々としか書いてない。それが毎月といっていいほど変わっているからおかしいなというのがあって、こうして作りました。国にこんなのないですよ、それを言いたい。そんなの、国に対抗して言うとは書けないではないですか。奈良にこんなのなかったのかとおっしゃって、奈良にだけなかったと書かれると嫌だからこういうことを言っている。

 

 

記者(毎日新聞):
 そんなことは言ってないですよ。だから、奈良県が独自につくりましたということですね。

 

 

知事:
 そう、独自にと。ほかに、国にないからということを付け加えておきたいという、そういうことです。

 

 

記者(毎日新聞):
 ありがとうございます。

 

 

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 産経新聞さん。

 

 

記者(産経新聞):
 ちょっと先ほどの質問の続きになるかもしれないんですけれど、コロナ病床に限らず、基礎疾患のある方を併診できない場合、一般病床に、というところなんですけど、もう一方で、知事の中で、コロナを受け入れてない病院でも、陽性であっても症状がなければ、基礎疾患の治療のために受け入れてもらうように要請するというのは、これは感染法上とかでも問題はないということでいいですか。感染法上、そういう陽性であっても別に、それは問題ないですね。

 

 

知事:
 その感染症の方をどう扱うかということですが、これは今、産経新聞さんがおっしゃったのは、とても新しいことを言っているわけです。コロナ病床ということを決めて補助金を出して確保してもらったら、ほかの患者さんと隔離するということは、感染が広がるから。ところが、透析とか、そのほかの治療は、かかりつけ医とかかかりつけ病院があれば、そちらに行ってもらってもいいですよと、感染者の予防ということが割とできるようになればということを提言しているわけで、いや、そんなこと、今までコロナ患者を受け入れるというのは怖くて、うわさにもなるし嫌だという病院が多かったのですけど、コロナの見方が、病院に来られてもいいというふうになってきたかどうかということにも関係すると思います。一般病院で、コロナ患者がおられても、多少の病院内通路を分けるとかいうことをすれば、コロナ病床ということに確立しなくても、一般病院でも治療が可能かどうかということを提言しているということで、それは治療の内容にもよろうかと思います。
 例えば、治療の中で、透析患者は半日ほど時間かかります。コロナ病床に入って透析すると、透析終わるとまたずっとそのまま閉じ込めになってしまう。一般病院でコロナ対応しながら透析してもらうと、外来にもなりますけれども、家に帰れるとかということでも、コロナ患者への扱いとして適切かどうかということを提起しているわけです。これは新しい話ですので、すると、医療の対応の先生からは、コロナ病院あるいはコロナ病床以外の方にも、コロナ患者への対応に参画してもらうことはいいですねという意見が出てきてるわけです。
 すると、世間のコロナ病床、コロナ患者を受け入れている病院やめておこうという、訪問忌避になると病院が困るからということはあったんですけれども、だんだんそれは薄れてきているのかどうかということとの関係があると思います。いや、そんなの受け入れてもいいと病院が出てくる可能性もあるわけです。
 すると、通常医療の体制に戻る可能性もあるというような可能性を探っているということにもなります。ちょっとお見通しのとおりだと思いますけど、それがこうだということを上から言うわけにもいかないし、手探りでやるしかないというふうに思っています。ただ、提言していることは、大変新しいことだというふうに思います。

 

 

記者(産経新聞):
 それについて、今、コロナ対応しているのが29病院あるんですけど、県内のほかの病院に県として意識調査みたいなアンケートとか、受け入れられますかという調査を今後考えているんですか。

 

 

知事:
 そうですね、そのようにしていくことになると思います。受入れ、そんなのやはり嫌だという病院ばかりかもしれませんが、いいですねと言ったお医者さんもおられますので、ちょっと展開していけたらと思います。

 

 

記者(産経新聞):
 それをもしできれば、全国であんまり聞かないんですけど、それも奈良県独自にということになりますよね。

 

 

知事:
 そういうことになります。

 

 

記者(産経新聞):
 分かりました。あと、コロナの感染で、オミクロンになって10歳以下の感染が増えている中で、やっぱりワクチン接種というものがなかなか進んでないというところに対して、知事としてどういうふうな思いがありますか。

 

 

知事:
 そうですね、先ほどNHKさんに、感染者、感染状況についてどう思うかと言われた。感染者数ならば、10代未満とか、10代、20代増えてますねということが感染者数の動向なので、そちらで特化して言うという論点もあったと思いますけれども、そういたしますと、10代の感染者をどう見るかという本質的な問いが出るわけですね。高齢者の感染者はいろんな命に直結するかもしれないのでということで、とてもセンシティブに扱ってきたわけでございますけれども、10代未満、10代の感染者数というのは、なかなか重篤化しないという状況があります。油断はできませんが。
 だから、極端に言えば、感染者が増えてもあまり気にしないで、10代未満、10代についてはあまり気にしないでいいですよと、これは専門家が言う話で、私が言う話ではないと思いますけれども、そのような見方もあり得るかもしれない。しかし、感染者は感染者だから、やっぱり減らさないといけない。いうと、あるいはむしろ若年者でも重篤化するからワクチンを打っておきましょうと、重篤化予防のワクチン接種というのが大きな意味になってくるのかなと個人的には思うところがございます。
 だから、今まで感染者の感染予防のために、あるいは感染されないためにワクチンを打とうというのが大きな主流でありましたけれども、10代までは、いや、感染しても平気だとワクチンも打たれないということになれば、それをどのように思うのか。それは困ったことだ、深刻なことだというのか、ワクチン打ったほうが重症化しないという点は確かですので、重症化予防のために打ってくださいと。あるいは、人から感染させられると重症化のリスクが僅かでも発生しますから打ってくださいと言うか、言い方については違う言い方が要るのかなと思っています。
 しかし、それは国の方針とやっぱり同調しないといけない面があろうかと思っています。コロナの4回目接種もしましょうということで、最初の質問もそうで、感染者数というのにセンシティブになっておられますので、どのようにセンシティブになるのかという点がこの資料で示した大きな課題であります。まだちょっと議論の途中の要素が随分あるので、若年のコロナワクチン接種率についても同じことだと思います。ワクチン打たなければどういうことなのかということについての判断は、多少不明確なところが残っているように思います。
 国がワクチン接種をしましょうという点については、県も同じです。ワクチン接種をしたほうがいいなと思いますんですけれども、一般の人の感覚は、打たなくてもいいではないかという感覚が出ていることは確かだと思います。高齢者はやっぱり打たなければ怖いということも感覚としてあると思いますので、その辺りをどうするのかは、まだ悩みがあるというのが正直なところです。

 

 

記者(産経新聞):
 5歳から11歳のワクチンも始まりましたけど、やっぱり保護者は、副反応という不安から、ちょっと様子見というのが長く続いているのかなと思うのですが。

 

 

知事:
 そうですね。

 

 

記者(産経新聞):
 以前も知事から、ちょっとそこまで推奨しないみたいな話を伺ったと思うんですが、現在はどうでしょうか、5歳から11歳。

 

 

知事:
 重症化リスクと副反応リスクと、両方トレードオフですので、それを見ておられるような気はいたしますね。若い人は、やはり副反応が怖いよと言っておられる方が結構おられるように思います。しかし、副反応が多少あっても乗り越えて、重症化リスクが怖いと。いや、重症化あんまりしてないからと、こういう反応があるように思います。そのときにどのようなメッセージ出せばいいのかなということは、ちょっとすぐに頭に浮かばないんです。どのように考えればいいのかなと思っているところです。

 

 

記者(産経新聞):
 現状、その10代未満、10歳代、5歳から11歳で、県内でワクチン接種に副反応という報告とかっていうのは上がってきてたりするんでしょうか。

 

 

知事:
 副反応自身の、あんまり私自身、データ見たことないです。

 

 

担当部局:
 5歳から11歳の方の接種について、副反応報告として明確に上がってきているもの、今、手元にデータ持ち合わせておりませんので、詳細なご説明はこの場で控えさせていただきます。

 

 

知事:
 おっしゃるように、副反応リスクの感覚は、センシティブな感覚が残っているというのは、そのとおりだと思います。それはあまり取り上げてこなかったので、ワクチン接種は進めるほうがいいというラインでずっと来て、今回のペーパーもそのようなことでございますので、重症化リスクを下げるという点では、4回目接種も含めて、したほうがいいと。特に高齢者については、したほうがいいということは、国のラインと同じように思っております。若者の接種はどうかという産経新聞さんの質問された点について、副反応リスクをどうアセスするかということは大事な点で、ちょっとその副反応リスクをどのように県民の皆様に提示していくか、ちょっと検討しなければいけないと思います。ありがとうございました。

 

 

記者(産経新聞):
 最後に、10代を抜いて、20代、30代、40代の接種も低いのですが、これに関しては社会経済活動の維持という意味では、ここは接種を推進やっぱりしてほしい、3回目打ってほしいということでしょうか。

 

 

知事:
 そうですね、今までその伝わってきているのは、20代、30代、40代の低いけども、やはり打ったほうがその重症化リスクは低くなりますよということと、やっぱり感染の拡大というのは、総じての全体のリスクが上がってきます、高齢者にうつすことにもなりますので、うつすリスクを下げるという意味があると思います。ワクチン接種のメリットといいますか、意味との裏腹だと思います。それをどのようにお伝えするかということになると思いますけれども、ワクチン接種のメリットは、副反応にもかかわらずあるというのが、まだ今の県のスタンスであります。国もそのようなスタンスでありますけど、もう少し詳細に言わないと、20代、30代、40代の接種率が、上がってこないんではないかなという感覚を持っております副反応も含めますと、産経新聞さんの言うとおりの感覚にどう対峙するかというテーマになってくると思います。

 

 

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 読売新聞さん。

 

 

記者(読売新聞):
 コロナが直接死因ではない方がかなりの数いらっしゃるという一方で、本日のデータの中で、新型コロナ病床の担当医が診られているケースが20病院あると。となると、コロナ以外の病気に関して、適切な透析等の治療が受けられなかった可能性があるというふうにご指摘されているように感じるんですが、そのような問題があるという認識でよろしいでしょうか。

 

 

知事:
 さっき言いましたように、コロナ病床に入れたがために適切な治療あるいはケアを提供されてないのではないかというのは、問題意識の発端であります。それはそのとおりなんですけど、例えば、認知症の方があるのに、コロナ病床に入れたら、ほとんど閉じ込め型になって、認知症の方はいろいろ引き出し型でいろいろ接触をして認知症予防を図るということが治療されていますので、その方に認知症の治療を提供されてないんではないかということが問題意識の発端であることは間違いございません。それは認知症に限らず、コロナ病床での基礎疾患治療の提供が十分かどうかということにもなろうかと思います。それが重篤化の死亡率の大きな向上の原因であったかどうかというところまでまだ調べられておりませんが、疑いがあるかなというところからこういうことをしたわけであることは間違いございませんが、今、読売新聞さんの言うような結論がコロナ病床で十分な治療をしなかったから死亡率が上がったとか、不十分な結果でちょっと深刻化してたというところまで結論は至っておりません。それにはもう少し深い調査が要るというように思います。
 また、それを追求するのが主としたる目的ではなくて、そういう疑いがあるけど、それは正しい疑いかどうかということを今回、提示しているところでございます。それは分からないのですけども、それが正しいかどうか分からないが、併診しないとかということがあると、それは課題だというように認識をしております。コロナ病床で、その他の必要な治療がもし受けてられないならば問題ですよというところまで提起することができていると思います。それは併診ができていないとか、専門医の治療ができていない、それでどういう結果になったかというところまでフォローできてないのですけども、その必要な治療の診療科が駆けつけてないと、コロナ病床の能力あるにしても、コロナ病床医が全てカバーするというのは限界がある場合もあるのではないでしょうかという問題意識の基に、こういう調査をしたということは確かでございます。
 それを提起して、医療界の方からも、併診するのは難しいのだと、専門医が確保できないのだと。そのときにこれは問題だったなと医者さんが思っておられるケースも場合によってはあるかもしれませんが、そのような調査をしてもなかなか聞き出せないということもありますので、また、数もそんなにないようには思います。病床では、病床医が一生懸命やっていただいていることは確かでございますので、それを冒涜してはいけないとは思っています。ただ、問題意識を共有しようと、そんなことであれば問題になりますねというとこまで踏み込んで提言したことは確かでございます。それについて、課題はありますねというところまで同調していただいたという状況でございます。
 さすれば、コロナ病床での必要な医療提供はかくかくかということにまた議論を進めなければいけないと思っていますので、するとコロナ病床では十分でなければ、かかりつけ医に外来透析に行くとか、初期に妊婦さんは自宅でかかりつけ医の往診をしてもらうとか、訪問してもらうとか、体を動かすのも大事ですので、かかりつけ医に行ってもらうとかのほうがいいのではないでしょうかということまで、具体的に提起をしたものでございます。だから、読売新聞さんの言うような問題意識から入っていますが、それを、過去危なかったのではないかということでなしに、当然ですけど、将来に向かって、我々はどうするかを提起をしているということでございます。反応は、大事なポイントだねというようなとこまで感触は出てきております。さらにコロナ病床で一辺倒だと危ないケースも出るかもしれないというところまでは、問題共有ができてきたように思います。もう少し用心して、そんな遺漏なきようにしなければいけないというところまで議論を進めていきたいと思います。

 

 

記者(読売新聞):
 分かりました。もう1点、全体的なところで、今日の前半のこのいろんなデータを示されている中でお話があったんですけども、知事がこの専門家が不足していると。恐らくそのデータ分析に関する専門家というニュアンスかと思うんですけども、ちょっとその辺りのことを詳しく、知事の認識を教えていただけますか。

 

 

知事:
 県は、不十分ですけど、このようなデータ分析をずっと続けております。国のほうの専門家会合のデータを集めてみたのですけど、物すごい量があるんですけども、そのデータをつなぐロジックが見えないんですね。このデータはどういう意味があると判断しようという議論が、あれだけのデータだと議論できないのではないかなというような感じがいたします。国の専門家会合ですけれども、大変な量のデータ、数字が並んでいるのですが、どのように読み解いておられるんだろうという、これは日本の弱点です。データを読み解く、データ分析能力が、国でいろんなところで低いのではないかということの問題意識は持っております。県ができているということではなしに、しかし、データ分析が大事だということの意識は持っています。
 国のほうも、持っていてもなかなか、持っておられる方もおられるけども、感染症は今のところ、データ分析に尽きるんではないかなと私は思います。コロナの性格の顕微鏡で見るのではなしに、世の中の数字を見てどうだこうだということを言われていますので、そうなるのではないかと思います。感染症は、データ分析が命のはずです。
 笠原先生は素晴らしいです。奈良県でもって、その現場に向けて、現場のここが悪かったということを現場でされていますので、データと現場というのが分野が違いますけど、現場も大事です。国のほうの専門家は、現場に行かれてないのではないかという感覚がいたします。データ分析が不十分で現場に行かないとなると、あんまりいいことおっしゃれないのではないかとちょっと心配をいたします。だから、データ分析をもっとしてほしいなと。奈良県が、この近隣、大阪、近畿のことを中心に少しやっているぐらいですけれども。
 国のほうで大きなデータ分析やると、その方向に間違いがないし、人心が安定して、安心して専門家の意見をもっと聞かれるようになると思います。マスコミに出られる、テレビなんかに出られる方は、専門家でない方もいっぱししゃべられますので、また惑わす原因になるのではないかと思います。
 これは危機管理のときの鉄則ですが、いろんな危機管理が発生するとパンデミックという危機管理のときに人心を動揺させるという手口がありますので、そのようなことに驚くようでは将来心配だというような、危機管理上の観点をいつも持っております。すると、確かな情報に基づく、確かな分析に基づく情報を提供してもらったらありがたいと思っています。

 

 

記者(読売新聞):
 ちょっと最後に1つ、突飛な質問かもしれないんですけども、個人的な関心があって伺いたいんですが、第六波のときには、恐らく第五波を想定して対策を取られたと思うんですよね。想定以上の感染力のオミクロン株が来てしまった。第七波を想定したときに、例えば第六波の感染力と、デルタ株の特性を持った場合とか、そういったことを想定してシミュレーションを立てるものなんでしょうか。

 

 

知事:
 読売新聞さんがおっしゃるように、第六波の対策は、今でもそんなとこが残っておりますけれども、第五波のデルタ株の対策を延長したという形になって、オミクロンを想定して、デルタでこんなに増えたら物すごく死亡率が増えるはずだというので、みんな最初は驚いたわけですが、それほどでもなかったという結果になって、オミクロンは、感染力強いけど重症化率が低いということは、総じて今分かってきたということです。それでは作戦が違ってくるのではないかというのがまだ続いていると。もうこの山の終わり頃になって、やっとそういうことも考えられるようになったというのが、多少情けないですけども、そのような状況です。
 すると、第七波の株がどんな性格か分からないうちに、第六波の延長ということは、決めつけることができないと思います。もし悪いシナリオであれば、感染力はオミクロン、重症化率はデルタと、悪い悪いが重なるとすごい量で致死率が上がるということは想定できますけども、ただ、逆に、感染症が広がっていくと致死率が、毒性が低くなるという研究もあると聞くが、そんなのは専門家が言ってくれて、それが確かだったら少し安心するということなんですけど、専門家は言わないですね。外国の情報として伝わってくるだけなんですけども。感染が広がると毒性が低くなるということは、もしそのとおりであればありがたいなと思います。
 それは、今までの第五波から六波に行くのは、感染力は強いけども、毒性が弱いということが今まで実証されてきており、すると第七波が、アフターオミクロンは、感染力は弱くなって重症化も低いとなると、特別の感染症じゃなしに、インフルよりも軽いんではないかという認定ができるかどうかという、楽観的なシナリオが出てくるかと。重篤なシナリオと、楽観的な、これちょっとまだ分からないので私ごときが言えないのですけども、そのような第七波の株の性格ということをなるべく早めに、オミクロン、第二波の様子というのは、オミクロン、BA.1と同じような傾向だというように言われておりますけれども、BA.2でも同じような延長だとすれば、BA.2が第七波であれば、第六波と同じように扱ってもいいではないかということになりますけれども、BA.2ではなしに、CA.1になると、C.1になるとちょっと全く違ってくるので、それが登場しないとも限らないと思いますが、これは出てみないと分からないし、まだ世界で、日本が最初に出るというよりも、世界のどこかに出て、それが広がるということになりますので、ぱっと出たときに、新しい株だということをWHOなどが、まず関心持ちます。それに早く関心持って、その特性はどうかという情報収集して、その対策の可能性を素早く並べるというのが危機管理の大事なとこであります。
 そういうことをしてもらっていると、県民の方、国民の方が安心感が増すというような危機管理のパンデミック対策になるというように思いますけれども、そのような体制を国で取っていただくとありがたいなと思います。

 

 

記者(読売新聞):
 ありがとうございます。

 

 

司会:
 よろしいでしょうか。
 朝日新聞さん。

 

 

記者(朝日新聞):
 先ほどの質問にちょっと続くんですけれども、コロナ病床に入ったことで、逆にコロナ以外の病気が十分に診られなかったケースがあるのではないかという問題意識があるとおっしゃっていたんですけども、その逆で、ご自身であったりご家族の意向で、感染が分かったけど高齢者施設に入ったまま療養を続けていて、容体が急変して病院に運ばれて、その日のうちにお亡くなりになるというケースも第六波では複数あったかと思うんですが、そういったケースの分析はどのように見ておられますか。

 

 

知事:
 コロナ病床での医療提供の不十分さということが今の議論になってたのですけども、高齢者施設に残った場合の医療提供体制の不十分な深刻化というケースはないのかということは、それも注意をしています。その高齢者施設でなったので、よく自宅で死んだとか、数は少ないように思うのですけど、よくマスコミでわっと大きな、見出しはこうだけど数は少ないというのをどう扱うかという課題はあろうかと。データですけど、数が多いほうから問題だなと思うのが我々、基本的には。しかし、少ないけども大事だよというのも、大事な観点かと思います。だから、数が少ないから無視しろとか、そういうことでは全くないんですけれども、そのようなケースはどうして起こったのかという原因対策が一番大事です。
 すると、自宅ないし高齢者施設で、するとね、もう一つの要素は、そういう方がコロナが原因で亡くなられたかどうかという情報が物すごく大事なんですよね。それが亡くなられた場所とか、その発生した場所と、コロナが原因かその他の原因か、基礎疾患重篤化が原因かということは、はっきり分からないんですね。それをコロナにかかっていると、今のところ統計上、コロナ死者ということに皆統計されますので、これは用心しなければいけないところなのですけども、例えば高齢者施設で心筋梗塞で亡くなられたと。これはコロナにかかっておられたと。すると、心筋梗塞だったらお医者さんはコロナが原因でないと、もうはっきり書かれるケースが4割以上出てきているわけです。それは、入院されていれば亡くならなかったかというと、その仮の問いにどう答えるかという課題はあると思います。割と難しいのです。
 入院しても心筋梗塞は、別にコロナ病床で心筋梗塞だという、情報不足だというデータもありますので、コロナ病床で心筋梗塞で亡くなられるケースもあるかもしれません。すると、それはコロナが原因でないというように報告されて、亡くなられる。しかし、コロナで亡くなられたということになります。亡くなられたとこがコロナ病床か、高齢者施設か、自宅かということで、その原因と相関して分析するのがなかなかできないわけで、それも試みましたけれどもできないわけでございますが、おっしゃいましたように、高齢者施設で亡くなるケースもないわけではないのですけども、それがコロナに感染したのが原因で、感染したのに、そこにおられたのが原因で亡くなられたかというところまで結びつくロジック、データはまだ見つかりません。だから、いいんだというわけでもないのですけども、そのような検証をしなければいけないという意識は持っています。
 なかなか検証が難しい面があろうかと思いますが、県がそういう場合を全部教えてくれよといって教えてもらったら分析はできるように思うのですけれども、もう少し強力な調査体制が要るかなと思います。国のほうでやってもらったほうがありがたいような、強制的な調査にも結びつきますので。県は、今出てきているデータを、なるべくその解析をして利用しようということの程度でございますので、調査自身を相当強力にするという権能もあんまりないものですから、ちょっと調査を試みたことはあるんですけど、すぐには難しい、人的にも難しいなということでございました。ただ、論点は、大事な論点だというふうに思っています。

 

 

記者(朝日新聞):
 もう1点。クラスター対策に関して、感染対策マニュアルの実践責任者を認定するとのことなんですが、第六波に入って、報道発表されているだけでも医療機関で6か所ぐらいクラスターであったり院内感染が再発しているんですけれども、やってくださいという、責任者を決めてよろしくお願いしますだけでは、なかなか本当に感染対策簡単にはいかないだろうなと思うんですが、県のほうから、さらにそのバックアップであったり、今後さらなる対策というのは考えておられますか。

 

 

担当部局:
 ご指摘ありがとうございます。第六波において、院内感染ですとかクラスター含めて病院内での感染者が発生した事例複数ございまして、そういった中で、3月29日に笠原先生のほうに病院関係者の中でのクラスター対策のマニュアルを作成していただいたということが、まず感染対策の中で大きなお話かなと思っております。こちらの周知につきましては、75病院全てと、病院協会ですとか医師会等々関係機関のほうにも周知してございまして、まずはこちらの徹底を図りたいと思っております。
 そういった中で、もともと感染症対策のほうが医療法のほうでも求められておる中、委員会等ありましたので、そういった仕組みはありますけれども、新たにポイントを整理させていただいた上で、今回責任者というものも登録していただくという中で、しっかりと今後の対策のポイントですとか、周知しながら強化に努めていきたいと思っておるところです。

 

 

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかに対策本部会議関係のご質問、よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、本日の知事定例会記者会見の発表案件のほうへ移らせていただきたいと思います。

 

 

【発表案件】近畿日本鉄道株式会社による鉄軌道旅客運賃の改定申請に関し、公聴会の開催を要請します

 

司会:

 本日、発表案件が1件ございます。近畿日本鉄道株式会社による鉄軌道旅客運賃の改定申請に関し、公聴会の開催を要請しますにつきまして、荒井知事より発表をいただきます。
 それでは、知事、よろしくお願いいたします。

 

 

知事:
 報道資料に書いてあるとおりですけど、近鉄が運賃改定の申請をされました。国のほうには、公聴会というのがございます。公聴会というのが、運賃の改定は国土交通省の、特に大手私鉄は処遇になりますけれども、そのときに公聴会を開く必要がある、あるいは開くことができるというように設置法では書いてございます。この公聴会を要求するということにしたいと思います。本日、公聴会開催要請書を持って担当部長が国交省のほうに行っております。公聴会が開かれました場合には、私が出かけて、公聴意見の陳述をさせていただきたいと思っております。以上です。

 

 

司会:
 ありがとうございました。
 ただいまの発表案件につきまして、ご質問ございます方、挙手にてお願いします。
 日本経済新聞さん。

 

 

記者(日経新聞):
 公聴会で意見を述べられるということなんですけど、どんな意見を述べられるのですか。

 

 

知事:
 意見の内容。まだこれから考えますけども、知事が意見を言うということに、その動機といいますか、意味ですけども、今度の近鉄の運賃改定についての県民の負担増という、県民が運賃で負担増、試算ですので分かりませんが、50億ぐらいなんですね。50億ぐらいの負担増になりますので、その意味を問わなければいけないと、利用者を代表した意味を問わなければいけないというような関係がございます。その県民負担の意味は、もう一つは、これ運賃増高額が50億円ということでございますけども、県内の乗車は、近鉄乗車、大体1億3,000万人ぐらい県で乗っておられます。県民だけではなしに、大阪、京都から来られて、帰るときに乗車券をタッチされると県内乗車人員ということに計上されます、それが1億3,000人おられます。県内の乗車ということになりますので、そのようなことが動機でございます。
 それと輸送人員減少が大きな原因だと思いますけども、2019年と2010年の輸送人員の推移で、近畿、全国の私鉄は大概輸送人員が上がっているんですけども、2010年から2019年と、この間10年間の上がりが、定期の輸送人員は上がっているんですが、唯一近鉄だけが減少しているんです。近鉄だけが減少している意味をどのように捉えておられるのかというのが大きなことです。関西の増加に比べて、その他の地域、関東なんかの増加は高いんですよね。近鉄はマイナスですけども、定期の近畿の私鉄の増加は108%、ところが、その他の全国は113%、この違いは何なのかということを追求したいと。
 私の推察ですけども、関東の私鉄は、東急とか小田急とか、地域との共存共栄を図るというセンスがずっと前からあるのですけども、関西の私鉄はどうなのか、近鉄はどうなのかということを確かめるというのが、地域との共存共栄でこの輸送人員の確保を図るということに向かわれない、向かってこなかったのかということを検証してもらうというのが、運賃で負担だけを求めるということであれば、地域との共存共栄ということは、私鉄サービスの改善なしに運賃の負担だけを求めるんですという論点にもなると思います。
 それから、もう一つは、バリアフリー化が近鉄は遅いのですけども、近鉄の奈良駅は下りのエスカレーターがないのですけども、方針でないのかよく分からないのですけども、バリアフリーしないで運賃の負担を増すというのは、県民感情からはあまり歓迎されないことのように私は思います。そのような県民の感情を踏まえた意見を申し述べられたらと思って、これは意見の全てではありませんけれども、今、日本経済新聞さんのご質問があったので、ちょっと思いつく点を申し上げたのみでございますので、ほかにもあるように思います。

 

 

記者(日経新聞):
 京都とか、三重とか、近鉄が走っているところがあると思うんですけど、それと横並びでという今回要請するというわけではなくて、奈良県単独でということですか。

 

 

知事:
 それは、三重県も一緒にやるというのは、それぞれの地域のことでございますけれども、別におかしいことではないと思います。

 

 

記者(日経新聞):
 奈良県だけでやるということですか。

 

 

知事:
 もちろんそうです。私のキャパは、奈良県知事としての公聴会意見陳述でありますので、奈良県民の負担が妥当かどうかという観点でさせていただきたいということを申し上げたいと思います。

 

 

記者(日経新聞):
 分かりました。

 

 

司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 NHKさん。

 

 

記者(NHK):
 ちょっと不勉強で制度が分からないところもあるんですが、この間、JRも運賃の値上げを行ったかと思うんですが、その際はこういうことは求めてこられなかった。

 

 

知事:
 JR運賃は、さらに広域的ですので、JRの運賃の値上げは、今までは担当したこともあるのですけども、国会の認可だったんですね。国会の議決だったんです。それはもう古い国鉄時代です。そこから変わったのですけども、国鉄、JRになって分割されたけども、やはりその地域の反映というよりも、幹線鉄道中心でありますので、そのようなことがあったと思います。
 だから、JR西については、言ってることはよく分かるので、そこまで公聴会ということは、JR西の公聴会開催というのはあったのかどうかもちょっと分からないのですけども、公聴会は、地域との関係、密接なときは公聴会というのはふさわしいかと思いますので、奈良県にとってみれば、近鉄のほうが県民の意見を反映すべきと思ったところであります。JR西のほうは広いですので、そのうちの一部について申し立てる必要があるかどうかという判断だったと思いますけど、それほど申し立てる必要性が近鉄ほどではなかったかというように今では思います。

 

 

記者(NHK):
 分かりました。

 

 

司会:
 ほかに発表案件の関係、ご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 

 

データ分析人材の育成・確保について

司会:
 それでは、その他のことも含めましてございます方、挙手にてお願いをいたします。
 読売新聞さん。

 

 

記者(読売新聞):
 先ほどコロナのときもデータの話が出ましたが、コロナだけではなくて、データと政策を結びつけるというのは、非常に最近強くなっているように感じるのですが、コロナの中でデータをどう解釈するかという、ちょっと専門家が足りないのではないかというご指摘がありました。これはコロナだけではなくて、何かそういう人材の必要性、育成みたいなものを、知事はお考えでしょうか。どうお感じでしょうか。

 

 

知事:
 ものすごくうれしい質問です。NPM、ニュー・パブリック・マネジメントという言葉がありますが、データをエビデンスにするという過程が必要じゃないかということをおっしゃって、EBPMとは、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングということになりますが、医療についてはエビデンス・ベースドでないといけないと。このコロナだけでなくてもということを厚生省の医療部会というところに入って盛んに、ほかの人も言っていましたが、私も、エビデンス・ベースドが必要なのは医療政策だと思います。
 そのほかでもエビデンス・ベースド、経済でもエビデンス・ベースドという、そのエビデンス・ベースドは日本は割と弱いんじゃないかなと。危機管理のときに弱いと、これは致命的になるというのが私の問題意識のすごく根っこにあるものですから、不十分だと思いますけれども、コロナでもエビデンスを重視しております。
 だから、エビデンス・ベースド、データというと、データは単なる数字なんですよね。エビデンスにするには分析が要るというのがかねてからの持論ですので、その分析をするのは誰がするのか。それは専門家ができるのか。専門家がすべき、参謀がすべきですけども、そのときのデータ分析というのは、もう私から見ると、県庁の人のデータ分析、エビデンス化というのは非常に進んできていると思います。いろんな地方の役所、国のデータ分析力を凌駕するぐらいの分析力を今持ってきていただいていると思います。それを専門家という、データ分析、プロパーの専門家ってあんまりいないのですね。その分野分野の専門家はおられるのですけども、なかなか地方の、この我々のフィールドに関心持っていただいているデータ分析の専門家というのはあまり見つからない実情です。もっとテレビに出てしゃべるなら、データ分析をしてエビデンスにしてほしいなとつくづく思います。特に危機管理のことについてはですね。
 ウクライナでは、随分今まで勉強している方が出てこられているように思いますが、コロナはどうかなとか、そんなふうに、あまり皆さん、能力を出されないから。しかし、おっしゃるようにエビデンス・ベースドというのは、日本では非常に必要性があると思います。そのときにどのように能力アップするかということを心がけています。日本全体はまだまだという感じがしますが、奈良県は努力はしているということは言えると思います。

 

 

記者(読売新聞):
 ありがとうございます。

 

 

ガソリン税のトリガー条項の凍結解除について

司会:
 ほかにご質問はいかがでしょうか。
 時事通信さん。

 

 

記者(時事通信):
 ガソリン税を一時的に引き下げるトリガー条項の解除について中央で議論がありますけれども、地方、奈良県への税収への影響もあると思うのですが、それについての知事のお考えはありますでしょうか。

 

 

知事:
 うちは、実家がガソリンスタンドを経営してたので、もっと関心持って勉強しなければいけないのだけど、申し訳ないですけど、あんまり考えないのです。ガソリン税のトリガー条項ということについては、あまりちょっと勉強してません。むしろ資源の移動が円滑に行われず物価上昇を招いて、円安とか物価上昇を招くということについてどういうことかというようには関心を持ってきております。
 その中のガソリン税、ガソリン価格、全体の物価の中でガソリン税というのは、税金を安くするということにいつも政治は動くんですけど、物価全体を捉えたほうがいいのではないかというような感覚ですので、トリガー条項自身がどうこうということは、あまり正直関心持ってこなかったんですけど、物価上昇についてどう思うのか、もしそれがロシアのせいなのか、あるいはもう少し違うせいなのか。
 むしろ日本は、物価を上昇させるのに、物価上昇率2%と、こう言ってました。物価の上昇と、実は賃金の上昇と、生産性の向上と、どのようにかみ合わすのかということが経済政策の要諦だ思っていますので、物価上昇というのに弱い、それだけで終わってしまえば生産性も向上しない、賃金も上がらないという結果になるとつまらないという感じはいたしますが、物価が動き出しますといろんなこと、このガソリンを安くするというような小さな政策だけではなしに、所得を上げるとか、賃金を上げるとか、経済を成長させるとかというので克服するということも、経済政策の手としてあるように思います。それは、参議院選に向けても各党、大きなポイントだと思います。トリガー条項は今の政治の中で議論されておりますけども、もっと大きな捉え方をしてほしいなと私は思っておりました。ちょっと捉え方がいいのかどうか分かりませんが、経済の在り方、危機管理においても物価だけではなしに賃金の上昇は割と大きいと思います。
 そうするとこのような状況でも、企業によってはとても最高益を出しておられる企業とそうでもない企業とがあり、一律ではないということが分かってきておりますので、その一律ではないのをどのように読み解いて、日本の経済の馬力をつけるかというように議論がいったほうがいいのではないかという感じは持っています。物価だけではなしに賃金と成長、成長の原因になるようなものは長期的には教育だと思いますけども、短期的には何なのか。昔は、公共投資で回復しようということが主力でありましたけども、今は10万円をやってと。これは効くというよりも生活扶助ですよね。生活扶助のようなものは経済政策とも言えないと思います。それは麻生さん(衆議院議員)が言われたように、貯金に回すのかというのに端的に表れます。すると、クーポンのほうが、消費に回って経済を刺激するんじゃないかという議論になってくると思います。
 トリガーというガソリン税をやるよりも、負担軽減をして、もっと使ってもいいよというほうが上等な政策のように思いますけども、トリガーのことをあんまり勉強してないということがその実態でありますけれども。すみません。

 

 

記者(時事通信):
 ありがとうございます。

 

 

司会:
 ほかにご質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、本日の知事定例記者会見、質疑のほうを終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 

※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
 また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

 

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