令和4年12月12日(月曜日)知事定例記者会見
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令和4年12月12日(月曜日)知事定例記者会見
【質疑応答】
○第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム奈良大会について
○次期知事選について
○県域水道一体化について
○奈良県・市町村長サミットについて
○障害者福祉に関する条例の制定について
○リニア中央新幹線について
○国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について
司会:
おはようございます。
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
本日は、発表の案件はございませんので、皆様からご質問をお受けする形で進めさせていただきます。
第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム奈良大会について
司会:
それでは、早速でございますが、ご質問ございます方は、挙手にてお願いいたします。
司会:
NHKさん。
記者:
今日からガストロノミーツーリズム世界フォーラムが奈良で初めて開催されます。改めて、この会議に向けての狙いと、どういった成果を期待されているか、お願いします。
知事:
ガストロノミーツーリズム世界フォーラムというのは大変大きな会議です。スペインのサン・セバスチャンと世界の各地とで交代交代にやって、スペイン以外の地域でやったのは奈良で4回目ですね。日本での開催は初めてで、アジアではほかにタイのバンコクで開催されました。それほど観光の世界では大きな会議です。競争もありましたけども、それを奈良でしていただき、うまく今日までこれた。それと、前回、ベルギーのブルージュで開催されたときは、コロナで1年延期になりました。対面で開催できて、奈良県に来ていただけるというのは、大変ありがたいことです。そのようなきっかけになりましたのは、一つはUNWTOという国連の観光機関の事務所がマドリード以外、奈良県にあるということであります。誘致について私も少し関係したことがありました。当時は19番目の国際機関だったんですけれども、運輸省で観光部長のときに誘致にいろいろ競争があった中で、日本へ誘致することができました。その事務所が関西国際空港にできて、その後大阪府から奈良に受け入れたという経緯で、不思議な事務所の縁があって、それも関係していると思います。ガストロノミーツーリズムというのは、おいしいもので観光振興しようということで、今世界中で流行りになってます。赤羽元国土交通大臣に、奈良県がやるのかと冷やかされたんですけども、奈良県もそこそこよくなってきています。こういう国際会議はどこがやっても、おいしいものがあるからと自慢するのではなく、そういうおいしいものを食べて、長く滞在するのが大事だという意識を共有化しようという世界の大きな流れです。おいしいものを食べるときに、廃棄物やサステナビリティということが大きな意味になってきますので、そのような世界の潮流を確認しようということになります。意見交換がとても大事です。それは奈良県でやっても、どこでやっても同じようなことで、東アジア地方政府会合もそうでしたが、国際会議の意味というのは、物事を決める大きな政治折衝の場じゃないんですね。意識共有化、情報の共有化、アイデアを持ち寄る、インスピレーション、インスパイアをしてもらうというようなことがこういう会議の大きな目的です。COP27もそういうことで、あれは政治の決定を目標にしてますけれども。その意識共有を醸成するというマルチの会議というのは、とても大事なもので、日本ではあまりそういうマルチの会議のイニシアチブを取らなかったんです。TICAD(アフリカ開発会議)や、太平洋・島サミットの島嶼会議などでイニシアチブを取っておりましたけれども、非常に少ないですね。ヨーロッパや、中国がやっておられるマルチの会議の推奨に比べて、日本は大変少ないですが、奈良県は、奈良時代にマルチの国際社会で大変恩恵を受けたという歴史があり、国際会議をいろいろ提唱するときに歴史を売り物にできるというメリットがありますので、そのような意味があると思っています。奈良県でやることについての意味を確認させていただいています。それはいいことだと思いますし、奈良県でこのようなレベルの国際会議をさせていただくと、コンベンションセンターもできましたし、何よりも奈良県は歴史が残っているというのがすごく大きくて、こんな場所はなかなかないので、コンベンションと歴史遺産というのはとても大きな組合せで、それにおいしいもの、それといい宿泊が加わればとてもいい会議になるということを確信しています。県庁の職員も頑張っていますので、国際会議の勉強になればと思っています。国際会議は、もう慣れです。OECDで、小さな国際会議ですけども、毎日といってもいいほどしておりました。とにかく慣れで、仲間と知り合って顔見知りになるということはとても大きな意味があります。いろんな分野で、初対面ではなく顔見知りになる。こういう会議でもそうです。顔見知りになると、言われる前に発言の内容が大体分かってくるというぐらいにまでなってきますので、それは大きな意味になると思います。あれやこれや申し上げましたけども、楽しみにしています。
司会:
よろしいでしょうか。
ほかにご質問いかがでしょうか。
読売新聞さん。
記者:
ガストロノミーツーリズム世界フォーラムに関連してなんですけども、やはり最終的にはG7の関係閣僚会合といったところを目指しているわけですが、この国際会議を奈良県で手がけるということの意義というのは、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事:
奈良県は、国際都市でありまして、当時の該当帝国の中で遣唐使を派遣したという国はそんなに多くなかったと思いますけども、国を挙げて遣唐使を派遣した、国際社会に乗り出したというのは、大きな意味がありました。そのような歴史の遺産を負ってますので、奈良県が国際会議をするというのは、奈良県の歴史のみならず、日本の国際社会に向けての歴史を証明するきっかけ、問わず語りに知ってもらうきっかけになると思います。そういう国際社会に乗り出した時代というのは、奈良時代と明治時代、その2つだけです。日本はどちらかというと鎖国傾向がありましたけども、その2つの時代は開国だったわけですね。この辺りには外国人がたくさんおられました。新撰姓氏録という貴族の名簿が残ってますけど、その3分の1以上が外国人、渡来人ですね。だから、渡来人が大活躍してた。懐風藻という、その為政者は、もう自由自在で、そういう時代はなかなかないと思います。今なかなか英語が自由自在という政治家ばっかりじゃないですから。だから、明治、昭和よりも、ものすごく国際性が豊かだったというようなことがありますので、それを奈良県の一つの売り物といいますか、その地域の資源の掘り起こしと経済再生につなげていくという目標でやっているところもございます。さらにG7とか、いろんな国際会議の場所になるように考えています。今まではコンベンションセンターもホテルもないというところで、大きな国際会議ができませんでした。やっと揃ってきました。あと、大極殿院ができると、あそこも国際会議のセレモニーの場になってくると思います。大きな場所になってくると思います。そのようなアセットといいますか、セッティングのできる奈良県ですので、これからこの分野が伸びていけばいいと思っています。
記者:
国際会議というと、関西ですと、やはり大阪府、京都府がこれまで中心だったかなと思うんですが。
知事:
そうですね。
記者:
やはり知事の中で、そういう国際会議の誘致というのはずっと頭の中にあったんでしょうか。
知事:
今まで、大都市、首都で大体やるんですけど、それはアクセスがいいからですね。奈良県には空港がありません。空港があると、外国から多く来られます。そうすると、世界のコンベンションをする場所というのは、必ずしも国の真ん中だけじゃないんですね。例えばトルコのイズミールというところは、南はエーゲ海に面した立派なまちですけど、そこで会議をした。それと、離れたところでは、G20が開催されたバリというのは、施設がありますが、あれもリゾートだけですけど、ホテル施設があるからコンベンションできたということであります。もしかしたら、日本は大都市でしかできないという思い込みがおありなのかもしれませんけど、そうじゃないと。世界では、田舎のリゾート、例えばダボス会議なんかはもう小さな村でやってますから、そのような内容が大きな意味になると思います。大きな会議場で大きな会議ということだけではなく、会議は来る人の質や雰囲気が大きな要素です。奈良県はそういう思考をしておりませんでした。世界の会議の潮流というのはそういうふうになってきています。読売新聞さんの質問は大都市しかしないのにどうしてかという質問なのかな。あんまり深い意味はないと思いますけれども。今みたいな反応になります。
記者:
そういった場合、このホテルというのは一つ大事かと思うんですね。関係者の方に聞くと、JWマリオットホテルが奈良県にできたというのは、国際レベルでいうと非常に都市の格を上げると。そういった中、今度、知事公舎のほうにもまた新しいホテルの建設が予定されていますが、宿泊数も全国最下位を脱しましたが、知事の考えてるホテル戦略についてお聞きできないでしょうか。
知事:
国際会議をするときには、国際級のブランドホテルが不可欠だと思います。奈良ホテルのようなクラシックホテルもいいんですけども、いいレベルだと思いますけども、そのレベルが知られていない。JWマリオットホテルは、そのレベルの評価はもう世界中で知られていて、マリオット系でもトップランクだということを知られています。それがあるということは、それだけで信用になる。それはブランドということになると思います。そのレベルによりますけども、日本は総じて、こういう国際会議するときは、それほど間違いないわけであります。どんな名の知られてないところでも間違いないということは割と信用がありますけども、しかし、国際級のブランドホテルがあったほうが安心されますよね。あそこがあるからって。こちらが外国に行った場合でも同じようなことですけれども、そのレベルだと大体、設備の水準が、分かります。そういうホテルが奈良県にはあんまりなかったわけですけども、やっとできかけたという感じがします。コンベンションセンターと、会議のできるブランドホテルというのはセットになる。あとは、いろんな周りのセッティング、環境ですね。セッティングに関しては、奈良県はとてもいいと思います。歴史資源がたくさんありますので、来ると皆びっくりされます。これだけ残ってるところはめったにないです。それを活用してなかったという面はあろうかと思います。国際会議の場で活用するというのは、国際会議は、国内会議でも同じですけども、オフシーズンに開催するんですね。ニースやカンヌの南フランスは、冬になると閑古鳥が鳴いている。ニース、カンヌでの国際会議はよく行きましたけども、冬なんですね。もうカジノも閉まってるし、いろんなホテルが閉まってる中で、国際会議というのは、ホテルの中でできる。リゾートでいうと、国際会議というのは大きなことで、バリのG20の時期を思い出されますと、夏だとお客さんでいっぱいだから、国際会議があると邪魔なんだけど、冬だと歓迎だということになるのがマーケットの状況です。奈良県は冬でもそこそこお客さんがいますけれども、それでも、今までだと12月、1月というのは、ホテルがオフで、春、秋が奈良県の観光シーズンとしてはオンですので、オフの国際会議というのは、一つのマーケッテングの狙い目というのが定番です。
記者:
ちょっと最後に、長くなって申し訳ないんですけども、私が知りたいのは、知事の構想の中で奈良県を観光都市にするために、今回のような国際会議であったり、世界の一流のホテルの誘致だとか、そういうのはいろいろセットとして考えていらっしゃったんでしょうか。
知事:
そうですね。国際観光都市って名前だけ随分昔から言ってたんだけど、あまりそういうことじゃなかったなと思います。ずっとそれは思ってました。
記者:
分かりました。
知事:
これも、いろんな場所での国際会議に出席した経験があったので、奈良県も随分資格はあるなと、この立場になって思ってきたことです。奈良県もそういうことができるのに、あまり手をつけてないなという思いはありましたので、やっとその分野に手をつけ始めたということです。うまくいくと思いますが、ほかの地域の観光都市、会議都市、国際会議都市ということになりますと、これだけ歴史遺産が揃っていて、まちの形がまだ残っているという場所ばかりではありません。バリなんか、当時、仲間だった、スハルト大統領の側近で観光大臣のヨークアベさんという方が、何もなかったところを開発したんですけどね。インドネシアの会議でヨークアベさんの話しをしたら、向こうの西ジャワ州の観光大臣も来ておられたけども、大分昔の話ですけども、インドネシアもそういう、バリがあったからG20ができたと思います。また、今度はバンドンも発展しますね。観光地で国際会議というのは、すごく流行りですから、まちの中や大都市だけじゃない。いろんな都市機能があったほうがいいですけどね。地方の都市で国際会議というのは、運輸省の観光部長のときに国際会議法みたいな法律をつくったんですけど、それは民間で会議するときに、事前に登録して積み立てると、損金算入ができるという税制控除の法律だったわけですけど、それで組織もできて、地方都市の振興を国際会議でやろうという法律をつくった。35年ほど前です。それを受けて、仙台市とか福岡県も随分進みました。あと、何といっても沖縄県が進みましたね。沖縄県でサミットをしたんですから。沖縄振興もしましたけれども、ほとんどそういう外国の方が来るまちじゃなかったです。旅行会社と航空会社と一緒に沖縄振興会議をしました。随分よくなってきた。もう見違えるようによくなった。北海道の知床、ウトロというところでも、田舎ですけど、観光の会議をするようなイベントをして、だんだん施設ができてくると伸びると思います。それが、大変遅れましたけど奈良県でもそういう時代になってきた。奈良県も後ればせながら、この世界に足を踏み入れることができてきたのかなと思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
次期知事選について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
産経新聞さん。
記者:
次期知事選について、知事からは、この前も熟慮するというお話がありましたけれども、その後、思いのほうは固まりましたでしょうか。
知事:
いえ、まだまだ熟慮中です。熟慮しております。
記者:
決断を出すタイミングといいますか、どのあたりで決めたいと思われてますか。
知事:
それも熟慮中です。タイミングを熟慮してます。
記者:
とはいえ、知事選の投票の期日も近づいてまいりますが、例えば少なくとも年内だったりとか、決められてる時期がありますでしょうか。
知事:
それも熟慮中です。
司会:
毎日新聞さん。
記者:
今の産経新聞さんの質問に関連してですけど、知事は来年の1月の下旬に政治資金パーティーを奈良市内で開かれる予定と聞いてまして、実際パーティー券も案内状も送付してるようですけれども、この1月下旬にパーティーを開くというのは、それは知事選と関係するものなのでしょうか。知事選を意識したものですか。
知事:
「励ます会」を通常、年に1回、お願いしております。励ます会と後援会、年3,000円の後援会費で私の事務所を運営してきました。小さな事務所ですけど、その2つの収入で運営しており、励ます会は定例的なものですので、させていただこうかと思っています。当然ですけども、知事選に出ることもあり得べし、出ないこともあり得べしということでお許しを得てます。いずれにしても励ましてあげるよと言っていただいているというふうに聞いてます。ありがたいことだと思っています。そういう励ます会であります。
記者:
熟慮中ということですが、このパーティーがある1月27日、これぐらいの時期までにはどうするか決めたいというような考えですか。
知事:
それも含めて熟慮したいと思います。
記者:
もうそのときは1月18日を過ぎて78歳になられていると思います。
知事:
そうそう、そうです、78歳。
記者:
こういう78歳になるという節目を意識してということは全く考えてないですか。
知事:
年齢については、毎日新聞さんがいつも年齢、年齢とおっしゃるので、気にされてるんだなと思いますけどね。この前も言いましたように、アメリカではあんまり年齢って気にしないなと思います。バイデン大統領は僕より年上だし、トランプ前大統領も似たような年かな。だから、健康のことについては、知事といっても、大統領といってもやっぱり兵隊さんだから、働けるかどうかというのは大きいと思います。それと、昔の年齢と今の年齢ではまた違ってくると思います。要は頭も体も動くかどうかというのが、私の主観的には大事です。世間がどう思われているのかというと、元気でも年齢は問題だよと思う人もおられると思いますし、毎日新聞さんもその一人かもしれません。そういう反応は当然あると思いますけれども、私が気にしていることは、自分自身が働けるかどうかというだけの話で、意欲と体力ですね。気力、体力が奈良県の役に立つかどうかというだけで、今までもずっとそれだけの話でしたから、いつまで続くのかということもあんまり考えたことありません。その都度の仕事、この期の仕事、というだけの話です。次の期の仕事が私にあるのかどうかというだけの話です。それは熟慮の一番大事なことであります。私がやるべき仕事があるのかどうかという点がほとんど全ての熟慮の中心でありますので、その中で、年齢については私自身の考慮にはあんまりなりません。元気で役に立たなくなったらやめなければいけないというぐらいに思ってますので、年を取ったけど、働く限りやりなさいと言われたら、それもミッションかもしれないというような思考方法です。毎日新聞さんのご意見は、いつも年齢、年齢と、世間は問題にしてるよとおっしゃってるのかなと思いますけど、自分自身はあんまり年齢ということは問題にしていません。元気かどうかということはいつも私自身も家族も心配してます。元気でいないとお役に立ちませんからということは確かであります。それだけですね。元気かどうかのほうが大事かというように思っています。
記者:
ありがとうございます。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
司会:
朝日新聞さん。
記者:
知事選に関してお伺いします。
記者:
先日も知事は、お役に立てる限り、お役に立っていきたいというようなことをおっしゃっていまして、もちろん選挙で県民の審判を仰ぐという方法もあると思いますが、選挙によらず、ご自身で、この辺でお役に立てないかもしれないと判断するとしたら、どのような基準というか、きっかけで判断される可能性があるのでしょうか。
知事:
それも熟慮しないといけない点ですね。お役に立つかどうかという判断は大きな判断だと思いますので、どのような判断になるのかということも、シチュエーションということにも関係すると思います。あなたはもう働かなくていいんだよという天の声が来るかもしれませんので、そこら辺はよく分かりませんが、選挙ですから、周りの人と一緒にやるのが選挙運動だと思いますので、その辺りも熟慮のポイントになってくるとは思います。それは個人の、本人の役に立ちたいという気持ちがないと、こういう仕事に出てはいけないとずっと思っています。立場が欲しいだけでは絶対出てはいけないと思っていますので、役に立つ、自分なりの役に立ち方ということを考えた上で、役に立ちたいよというだけの話だと。しかし、それでも、いや、そこまでしなくていいよという天の声もあるかもしれない。よく分かりませんけども、今までは、役に立て、働けよといって言っていただいたので、この仕事をさせていただいた結果になったと思っています。今度は、さて、どうなのかということは、ひとつ熟慮しないといけないポイントだと思います。そのとき、どのようになるのか、ちょっとよく分かりませんので、自分でシナリオを書いているわけでもありませんので、状況ということにもなると思い、いろいろ教えてください。こういうふうに考えるべきだというお考えもあるかもしれませんし、参考にはいたしたいと思います。
記者:
今ご回答いただいた中で、天の声というと、具体的に何ですか。
知事:
具体的には天の声は、いつも天とは私流の対話をさせていただいている。よく言うのですが、「天は見てござる」という言葉が、私の生涯にわたる大事な言葉、おばあちゃんの言葉なんですけども、「天は見てござる」という、天に恥じることしてはいけないよということと、いろんなことを天がいろいろ指図してくれるよという意味があろうかと思います。ということは、そのようなつもりで天は見てござるというつもりでやってきたという意味で、見ておられる天はどのようにおっしゃるのかなという気になっているという、ただ単純な話だけです。元はおばあちゃんの「天は見てござる」というところの"天"ということでありますので、特別の"天"ではありませんので、もうごく普通の、皆さん、割とそういうように思われる人もおられると思いますけども、その程度でございます。
記者:
いわゆる天、上の立場の人という意味ではなく、スピリチュアルな意味合いを含むニュアンスという理解でよろしいでしょうか。
よくお役所言葉で天の言葉というと、例えばトップの方からのトップダウンの意味があったりしますが、そういう意味ではなく、スピリチュアル系のお話ということですか。
知事:
天というのはいろんなあれで使われますけども、私は、先ほどちょっと天と口走ってしまいましたけど、おばあちゃんの言った天は見てござるという程度の天ですので、ごく庶民感覚の天というふうにご理解願えたらと思います。その程度のことでありますので、そんなに深い意味でございません。
記者:
先日、平木省さんが正式に立候補の会見をされた際に、荒井知事にも面会できるよう、努力という言い方は違うが、しておられると。あと、もう少し前に、田原本町の森町長は、もし荒井知事が出なければ自分が出たいというようなお話もされてたそうで、このお二方とお会いになられたことは、その後、ありますか。
知事:
最初に言われた方とは会っていませんし、あまり私は会わないほうがいいんじゃないかと思います。それは、選挙の前の談合というようなことが思いよぎります。どういう話をしたのかって、談合したようなイメージになると、私は嫌ですから、それぞれの個人の判断で役に立ちたいということを表明されるかどうかにすぎませんので、面会の意味がよく分かりませんけれどもですね。田原本町長は別に面会ということではなく、日頃仕事で付き合って、よく分かっていますので、その選挙についての面会、談合ということになるのは私の嫌うところでありますので、あんまり選挙について会う気はありません。
記者:
ありがとうございます。
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
日経新聞さん。
記者:
知事選に関して。知事が最初に初当選されたときに、知事は、たしか前任の柿本知事から公認、要するに荒井さんを後継指名するよということがあったのではないかと思うのですが、今回はそういう後継指名というのは、ご自身の中で考えていらっしゃらないですか。
知事:
私がこんな知事になるのは予想もしてなかったこと、よくご存じですね。政治にもご関心があった。16年前に柿本知事に公舎に呼ばれて、行ったら、五選目は出ないから、あなたがやりなさいというので、その時点で参議院の自民党公認候補でしたので、古賀議員に相談しますといって引き下がった。古賀議員にご相談すると、やめとけとおっしゃるかと思ったら、知事選に行けとおっしゃったので、行くことになったという経緯がございます。そういう経緯ですので、やるからにはとにかく一生懸命、1期、1期、一生懸命やらなければいけないというので、もうしゃかりきになって走ってしまったという思いがございます。そのときに、柿本知事も後継指名という言葉は使われなかったんですけども、何か事情があって引くから、あと、やりなさいとおっしゃったという意味は、その真意についてちょっと分からないところもあります。では、おまえはどうするのかということになりますが、選挙ですから、この立場は、私のものでも何でもないですから。後継指名ということ自身は何かちょっと変な感じもします。だから、私の立場で後継を指名するというのは、ちょっとおこがましいという感じがあります。もうちょっと選挙というのはオープンなものだというようなイメージがありますので、私から後継指名ということはないと思います。今回もありませんし、将来もないと思います。役に立つ人は一生懸命頑張りましょうねということだけであります。それが1人しかない立場ですので、コンフリクトするわけですね、競合するのは当然です。それは日本は選挙という形がありますので、選挙に訴えて、本当に役に立つ、働く人が通れば、それにこしたことはない。それは国の幸せ、地域の幸せということになると思います。なった人は一生懸命働くべきというのは私の考えですので、どういう経緯でなられても、こういうのは私物化したら絶対にいけない。国会議員でもそうですが、世襲非難につながる考えですけども、やはり知事でも公の立場ですから、後継指名というようなことは普通はあり得ないというように考えます。
記者:
ありがとうございました。
県域水道一体化について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日新聞さん。
記者:
毎日新聞です。県域水道一体化ですが、一応12月中に参加するかどうか、文書で回答する期限ですけど、今現在のところ、参加、不参加の意思表明したところがあるのかどうかということと、あと、大和郡山市については、県に対して何らかのアクションはあったんでしょうか。
知事:
ご存じのように11月29日の協議会で、具体的に12月中に文書で回答ということなので、まだ私のほうには来たという報告は受けていませんが、文書で、年末ぎりぎりになるのではないかと思います。それと、課題になっていた大和郡山市がどうするかというのは焦点ですけども、一緒に出てくるかどうかということになります。12月中には文書で回答した結果をご報告できると思います。時々、折衝の状況の報告を受けています。大和郡山市は、感じとして、とても前向きにはなっていただいていると思います。大和郡山市長さんと、議会対応が大事だと思いますので、議会のご反応をどう見るかということは、軽々に言える話ではありませんけども、事務方、大和郡山市長さんには前向きに、真摯に検討するとおっしゃったとおりに検討していただいていると思います。生駒市も、緑ケ丘浄水場の連絡管がなくなりましたけども、余剰分(リダンダンシー)が確保されるというので、前向きになっていただいていると思います。そのような状況ですので、そのうち、年内には首長のご判断ということは分かると思います。最終的には、2月議会で議会のご判断があって、法定協議会に進む。ここまでいけば、その参加については確定すると思います。具体的な広域行政の内容については、まだ令和5年度に残ってる仕事もございますけれども、それはテクニカルな仕事が多いと思いますので、うまくいくと思います。今の協議会の雰囲気だとうまくいくと思います。
奈良県・市町村長サミットについて
記者:
それと、もう一つ、奈良モデルの一環ですけど、市町村長サミットというのを、最近あんまり県としてはやっていないですが、次はいつぐらいに何かやる予定というのは決まってるんでしょうか。
知事:
市町村長サミットは、年内に1回あります。まだ発表していませんが、リニア中央新幹線をテーマにします。
記者:
分かりました。
障害者福祉に関する条例の制定について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
読売新聞さん。
記者:
先日、障害を持たれてる井上さんが水泳でギネスの世界記録に認定されたということで知事表敬されましたけど、その際に知事が来年2月、障害者に関する条例を考えているという言葉がありました。どういったものか、示せる範囲で、骨格のようなものを教えてください。
知事:
来年の2月議会で、いろいろ今まで考えてきた条例をたくさん出します。今、10本ぐらい出るんじゃないかなというように聞いてます。よく検討を進めていただいている。そのうちの一つが障害者福祉の条例です。障害者の会でそういうような条例をつくりますよということを言いました。障害者の方との付き合いで、それこそインスパイアされてるところがありますので、そういう方にはこういう条例もつくりますよ。障害者の方の条例は、条例名が長いのですが、障害のある方とその家族に寄り添って、その生涯にわたって障害福祉を推進する条例とか、キーワードは、「障害のある方と家族に寄り添って」、「生涯にわたって障害福祉」、その2つがキーワードです。日本の障害者施策は、学校時代の特別養護学校とか、障害者手帳とか、そういうふうに分野を限ってやるという福祉の体系なんですね。1950年にできた社会保障4法の中で、福祉が一番遅れてましたけども、それぞれ保険であるとか、対象を持ち上げるとか、そういうような分野を限ってすると。すると、障害という意味が、今は多様性という中でも出てきます。障害じゃないけど、多様性をどのように社会で包摂するかというのが大きなテーマになっています。それは、障害者福祉と隣接ですけど、またちょっと違います。多様性の包摂ということになると、もう生活そのもの、全生活、あるいは生涯にわたって包摂されているという感覚のある国のほうがいいかと、地域のほうはいいかということで、障害者だからこうしてあげるよというのはちょっと違うんですね。すると、そこは排除とか差別にもメンタリティー的につながる。寄り添って一緒にやりましょうと、ワークウィズでやりましょうというのを奈良県の条例にしたいというように思っています。障害者の固まりの対策を広げるというのではなく、もう一緒にやりましょうという条例ですので、これはまたユニークな、国の法律ではできない条例だと思っています。それは、現場の方々がそのようにされているから、それを条例の形で県は進めようということにしたものです。それは奈良モデルの福祉条例というのが、既にありますけど、それと対をなすものです。奈良モデルの福祉条例は、別に障害者に限った福祉ではなく、全ての困った人を助けようという条例ですので、困ったというのは、主観的でもあるし、客観的でもある。客観的に困っておられるのを主観的に困ったことを表明されないということが現場で分かってきて、そういう人には一次接触者という概念をつくって、とにかくアプローチしようと。困っているかどうかを接触して考えようと。すると、フィンランドにラヒホイタヤという制度があるのですが、一次接触者は、その資格を看護師だとか、保健師だとか、介護士だとか、資格があって接触する。私は詐欺師だといって接触する人はいないわけで、違う名前で接触する、これが怖いんですけども、接触できる資格を与えようというのがラヒホイタヤという制度で奈良県版ラヒホイタヤをつくろうかというのが奈良モデル福祉条例のこれからの進路の方向です。困ってる人に寄り添うということが、そこから出てきてます。支援して、下から支えるというのではなく、横から寄り添うという、これは全然概念が違います。そのような寄り添うという福祉の概念が奈良県では出てきています。国でもまだなかなか出ないですが、横から寄り添うということで、そのような条例は、条例でこそできますので、障害者の福祉条例は障害者と家族に寄り添ってという言葉が題名に入って、生涯にわたって福祉を進めよう。狭い意味の福祉ではなく、寄り添うといろんな課題が出てきますので、一緒に暮らそうねという条例になってくると思います。そのような条例を担当がつくってくれますので、それは2月に上程する。あとは、経済振興で、三方よしの条例とか、働いてよし、商ってよし、世間によしの三方よし条例も出てきます。これもユニークな条例。新しい地域資本主義、ニューローカルキャピタリズムというような思想に基づいて条例を出します。それから、地域において良い人材を集め育成することを目指した良い職場づくりの推進に関する条例です。良い職場づくりに関する条例を制定して、それを地域に広げていきましょうということです。保育士による虐待がありましたけど、園児は何も言えないわけですから、保育士の働く環境、境遇が悪かったのかなと推察します。保育士の職場環境を良くしようというようなことにもつながる条例を上程しようと思っています。県庁では西田さんの自死事件がありました。県庁の職場環境を良くしようということで、それ以後、ずっと条例を出そうということを心に決めて、勉強してくれてました。県庁の働く環境と場所を良くしようと話は進んできています。良くすると、とても働く人の意欲が増します。病院がそうでした。記者の皆さんの働く場所も、昔は大変しんどい場所が多かった。最近は良くなったかなと。パソコンがあるから良くなったのかな。そのようないろいろな条例が10個ぐらい出ると聞いています。楽しみです。
記者:
ありがとうございます。
リニア中央新幹線について
司会:
よろしいでしょうか。
ほかにご質問いかがでしょうか。
奈良テレビさん。
記者:
ちょっと話が大きく替わるんですが、先ほどのリニアの関係で、静岡県内で平行線といいますか、工事がなかなか進まない。JR東海の金子社長も先日の会見で、名古屋までの開業の見通しが立ってないから、環境アセスメントの開始時期のめども立ってないというようなお話がありました。知事は、以前から岸田総理から、知事同士のリーダーシップの発揮を期待するというようなお話もありましたけども、そういう知事同士のリーダーシップといいますか、やり取りであったり、また、JR東海さんとの最近の近況、そういった辺りはどうなってますでしょうか。
知事:
JR東海さん、私、国鉄の仕事も随分しましたので、故葛西名誉会長をはじめ、いろんな方と知り合いはたくさんおります。それは、助かる面が大変あります。引退されてますけれども、山田さんとか、社長、会長した人、その昔のお付き合いの中で、気風はよく分かっています。その中で、沿線同盟会があって、静岡問題に金子社長は没頭されてます。静岡問題が大変だなというので、知事は進める力はないけど、断る力は強いんだと前から、知事が断ると大変でしょうといって金子さんは冷やかしているんですけれども、静岡問題も、知事になる前、川勝静岡県知事とは東アジアの未来を考える委員会の委員長代行になってもらった経緯があるんです。平山郁夫さんが委員長で、代行を入れてくれというので川勝静岡県知事になってもらって、それからの付き合いなんですけれども、だから、仲よくしてる関係もあって、運輸省の関係もあって、川勝静岡県知事から静岡問題で時々電話かかってくるんですけども、だから、私なりの静岡問題のアイデアはあるものですから、ちょっとそれを連絡したり、JR東海に行ったりして、出口になるようなことを、立場はそんなに、直接的な立場はありませんけど、沿線の知事の一人として多少のアドバイスができるという程度の立場ぐらいしかありませんけども、役に立つようなことが言えたらと思っています。その単なるアイデアですけども、静岡問題、水問題が中心ですけれども、実はリニアの駅がなく、リニアの駅で、その近くにある駅は、富士山の向こう側の長野の飯田というところと甲府という駅なんです。その2つの間に実は富士山の麓、裾野から西、浜松があって、その辺りの何となく空白地なんですね。そこら辺をうまく高速道路で結ぶとか、その辺りの地域開発をするとかといったほうが、リニアの意味が、飯田、甲府のリニアの便益を静岡県に均てんする道はないものかといったようなアイデアをちょっと提言してます。提言というほどではありませんけれども。それで、静岡県が動き出すかどうかということなんですけども、川勝静岡県知事は、そういう交通体系から見たリニアの意味というのを、おまえ、もっと言えよと、こうけしかけられるもんですから、それに従って、ちょっとそういうアイデアも言い出したりすることもあるということでありますが、単なる西側の沿線都市ですので、静岡の出口が見えたら、それにこしたことはないといったタイプのアイデアで、あと、静岡空港を活用して、静岡空港の地下駅を造るというのはあんまり、東海道新幹線が上にあるんですけども、地下駅だけだと、あんまりお客さんも少ないだろうなという予測をして、それよりも静岡空港とリニアの飯田と甲府をうまく結んで、富士山の南西の裾野、うまくリゾートとワーケーションのまちができたらいいなという、あまり調べない程度のアイデアだけをちょっと申し上げた経緯はあります。まだ何も動いていません。そのような西のほうの沿線の知事としても、気が気ではありませんので、多少の動きをかつてしたことがあるんですけど、川勝静岡県知事から、おまえ、もっと動けとか言われるんですけど、いや、立場もそんなにありませんし、アイデアがあれば、役に立つ道があれば、やりますよという程度にしてます。そういう流れの中の一環で、飯田、甲府、静岡空港、三角を結ぶ中の富士山裾野、南西裾野、ワーケーションリゾート開発といったような、それを高速道路で結ぶといったアイデアはどうだろうかというようなこと、ちょっと内々、内々をこんなところでべらべらしゃべったらいけませんけれども、そんなことを、最近ですけども、言い出してます。何かのアイデアできっかけができたらというだけの思いでございます。
記者:
ありがとうございました。
国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について
司会:
ほかにご質問いかがでしょうか。
記者クラブの皆さん、よろしいでしょうか。
幹事社さん、中島南事務所さんのほう、質問していただいて。
それでは、お願いします。
記者:
助人トンネルの事故から7か月、本来であれば11月30日にはトンネルの工事も、補修工事も終わっていた時期だと思います。実質上、中断をしました。そして、警察からの年内の原因究明というのも不可能だというようなことも取材では伺っています。知事の事故への受け止めをお願いしたいというのが1点です。
それから、2点目として、この7か月の対策、何があったかというと、看板を立てましたという話なんですけれども、既に国土交通省道路局のほうからは、これの事故を参考にした事務連絡というのも出ていると思います。その事務連絡と照らしても、看板を立てるというようなことはむしろ事故前にあったほうがよかったことで、やはりもう少し事故に対する県の道路保全の分析が足りないんではないかと思いますが、この点について、2点お願いしたいんですが。
知事:
事故の受け止めですけども、事故というのはとても教訓になる意味が深いもの、今まで何度も事故対応をしてまいりましたけども、特に交通事故、対応したことがあります。今度の事故もそうであります。道路管理者は県です。管理責任をどのように果たすかということに尽きます。管理責任は、その事故対応の当座のこともありますし、今後のことについての予防対応、それから、他所の同種のトンネルをどうするかといったようなことも管理責任の範囲です。それは指示をしています。一つは、管理責任者として果たすべきことは果たせよということを強く言ってます。中島南事務所さんから見れば十分じゃないということがあると思う。私から見ても、時々きつい言葉を言ってますけれども、それは具体的には事後処置ですね。先ほどの看板というのは事後処置の一つだと思います。この場所は事故が起こったところだから、気をつけなさいと、事後処置の単純な一つの処置にすぎません。そこからもう一つは、他所対応ですね。同じようなトンネルがあって、同じような事故がないか、同種事故は起こさないというのが同種事故再発防止というのが一番大事なことです。同種事故再発防止ということになると、他所で電線がかかってるところがないかということをこの際調べるということはできる、最初にやることです。他所対応。もう一つは、再発防止、これらのことはどうして起こったのか、その3つがもうとにかく基本的に大事なことです。それを繰り返し口酸っぱく言ってます。今日も、もうちゃんとしてるのかということを再度言いました。もうこれは事故対応の鉄則です。耳がタコになっても繰り返し言おうかと思っております。今のおっしゃった事故の事後処置というのは、看板を立てたと聞いてますけど、それだけかと言われてはいけないので、他所でどうしたのか。多少してるようですけれども、それで十分かどうかって、切りがないから、他所の対応をどのようにしたか。再発防止がなかなか難しいんですけれども、難しいということは、事故原因と同種事故再発防止ですから、電線のぶら下がりというのがどうして起こったか。電線がなければ、同種事故再発は絶対起こらないと。電線がないとこで電線がぶら下がるわけがないと。だから、電線があるところで、万が一ぶら下がらないだろうなということが再発防止になりますので、それはどのように徹底するのかということを、徹底したから安心だということ、管理責任のトップに私がいますので、管理責任者にちゃんと説明できるように持ってきてくれと、それは来年1月を目途に持ってきてくれということを改めて、言いました。やってくれてる面はあるんですけど、徹底するという点は私から、管理責任者のトップにいますので、何度言ってもいいかと思って、ちょっと悪いけど、厳しく言うよといって言っております。それがまたちゃんと進むようにと、ここまでしたけどもということはまた報告できると思います。それは管理責任の延長で、事後処理、他所の対応、再発防止という、3つをちゃんとするようにということ、またまとめてご報告できると思います。それが第一であります。もう一つは、捜査、なぜぶら下がったのかという捜査が進んで、なかなかそれも出てこない。トンネル内は防犯カメラみたいなものがない場所ですので、ぶつかったようだけど特定できないまま、年内過ぎそうだということは、中島南事務所さんも書いておられますけども、そのような状況であると聞いてます。これは捜査になると、協力する立場になる。自分で捜査するわけではありませんので、それは警察の対応に協力するということに尽きるから、捜査が進んでいるということから、まず、言うのではなく、まず、管理責任からやってますよと、ここまで進んだということがほとんど全てだからということを道路保全課長に言ってます。捜査については警察がしてくれるわけであります、協力しますというしかなかなかないので。しかし、捜査は限界があって、誰がぶつかったかということは分かるだけであります。しかし、誰がということが分からなくても、ぶつかるところにケーブルがあると、ぶつかったら下りるというところまで推察できますので、車がぶつかっても下りないところにかけておけというのが鉄則です。それは予防につながります。だから、捜査は誰がということになりますけど、当時の管理責任、ぶら下がった責任を過去を問うということです。これはもう警察にお任せするしかないなと思う。我々の管理責任者としてできることは再発防止ですので、そういうことの、誰がぶつかっても、あるいはトンネル内で事故が起こっても、そういうぶら下がりがないように、しっかり止めるとか、ぶつからないとこに止めるとか、それが再発防止になる。それがちゃんと明確に考え方を言えというように指示を改めていたしました。捜査は私ども、間接的な協力体制にすぎませんので、それが再発防止につながる捜査結果に出れば、それにこしたことないんですけど、普通は捜査ではなかなか出ないことが多いです。調査でないと出ないわけです。捜査がある間は調査しないのかというと、そうではなく、分かってることはもう再発防止に走れと、こういうことを指示してますので、まとめて中島南事務所さんに言う機会がなかったようにも思ってますけど、せっかく来ていただいたので、まだ十分ではないかと思いますけど、事故の教訓をどう生かすかということが一番管理責任者として大きなことであります。このように果たそうと思っているということを明確に言えよと、俺にも言えよというようなことを、今日、改めて言っております。日頃からのことでございますけども。具体的にはまたいろいろご報告できたらと思います。
記者:
そうすると、いわゆる中間報告みたいなものが1月には出てくるであろうということですか。
知事:
そう今指示してます。これまでの教訓をどのように考えて、どのようにしたかということを、年内と言おうと思ったんだけど、年内出るかもしれないし、年内ばたばたしますので、年明けて、できるだけ早い間にもその事故の教訓をどう捉えたかというような報告を、その捜査と別にやればいいかと思います。それをまとめるということは今後の再発防止につながる道路保全課の考え方ということ、はっきり言えよと、まとめてないというのがちょっと不満ではありますね。それは中島南事務所さんも同じように思っておられると思います。それはよく分かりますので、私からもそういうことを言いました。
記者:
それと、もう1点だけお伺いしたいんですけれども、現場に行きますと、せっかく立てている看板に、トンネル対向注意という看板が立ってます。ただ、冷静に考えると、対向してぶつかるというようなことは通常運転手は期待をしていないものですから、注意をした上でこういう事故が起こっているんだと思います。事故前に、別の工事箇所で、交通規制を行うときには、高さ3メートル、幅2メートルの車の交通規制を行うというように具体的に数値にして書いてます。事故の起こったトンネルは、いまだに幅が何メートルなのか、有効な高さが、有効長がどのくらいあるのかということも数値としては分かりません。そうすると、今まで走ってる方にとっては分かる道路だったとしても、よそからやってきたドライバーが大型トラックに乗って、その幅がどのくらいあるのかということはあまりよく分からないと思います。その中で、今のような事故を教訓とした看板がトンネル対向注意というようなものであっては、あまりこれは意味がないと思います。つまり、もし調査をするとしても、深みが足りないと思います。この点について、どう思うのかということと、もう1点、協議を警察と地元の事務所で行うと思うんですけれども、現時点でいえば、事務所も当事者、交通規制を行う交通担当者も捜査を行っていると。当事者同士が行っているということで、今言った深みという点では、あまり教訓が生かされてこないと思います。やはり第三者的な委員会をつくって調査をすることが教訓になり、深みが得られるものだと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
知事:
この事故が起こったときに、この注意、この先、二輪車の事故多しとか、曖昧ですよね。具体的にもっと言えたほうがいい。事故が起こったとき、よく看板があるのは、事故多発地域、事故多発地点という看板、そんな恥ずかしいの出さないでくれ、これは警察の話ですけども。事故多発地点だと、事故の多発する原因を除去しましたと言えばいいじゃないかと。交差点とか、いろんな事情で事故が起こった。その事故原因を突き止めて除去すれば多発しないじゃないか。多発地点という看板は恥ずかしいなと、こう思っておりました。だから、トンネルの事故でありますので、トンネル内の減速、スピードを出さない、路肩走行注意というのは当然のことでありますので、それは、恥ずかしながら書くとすれば、このトンネルは狭いから気をつけましょうと書くのが普通かもしれません。今狭いトンネルはたくさんあるんですよね。トンネルはすぐに幅を広げられないので、もっとアメリカみたいに最初からトンネルを造るの、余計にお金かかっても広いトンネル造ったほうがいいに決まってるんですけど、もう節約して造るもんだから、車両が大きくなるともう全然駄目。アメリカのテレビ番組で、DHLみたいな、あんな大きなトラック、トレーラー、トラックは日本は走れないんですよね。曲がれないし、路肩が狭いし。だから、そんな対応、大きな車、日本は走らせないという規則になっているんですね。だから、だんだん人が少なくなってくると、トラックが大型化してくるんですよね、当然ながら。すると、そういうことを見越してトンネルなり、橋なりを大きくしておくというセンスは、日本はないので、今頃言ってもしようがないんですけども、そのようなことはよくしていません。そうすると、狭いトンネル、狭い橋、狭い道路、通行、学童の事故なんか、あんな道路の走ってるところに歩道のないところを歩かすということ自身がもう事故が起こる確率がものすごいリスクの高いことを平気でする国柄ですので、それは困ったことなんです。注意だけで済めばいいですけど、なかなかそうもいかないし、だから、注意の仕方というのを、トンネル対向注意って、どう注意すればいいのかということですよね。こんなにぶつかるんだったら、そもそも入っちゃいけないのかということになります。本当にぶつかるんだったら、ずうたいの大きい車は、通行禁止にしないと、高さは通行禁止にしますけど、ずうたいの大きい車も通行禁止で、幅がここを通らないと入っては駄目だよというような入り口の制限は日本ないですから、これは国の全体の規則でしないと、高さ制限が、上に鉄道が走ってるから、この上だとガードにぶつかるから駄目よ、これは割と分かりやすいんです。トンネルの容積をこれ以上駄目だというのは、今だとテレビで映して、駄目ということをどっかでチェックできるかもしれませんけど、どの程度まで入っていいのかということもないんですよね、規則がないからできないというのが実情だと思います。そのようなことは、探求する課題ですね。
それは、この安全規則は、私は持論ですけども、国が中心になってやってもらわないと、ここだけで解決できる話ではありませんので、ここだけ絞っても、ほかの隣のトンネル、通り放題だと、これは事故の起こる場所が変わるだけですので。高速道路の天井崩落がありましたけど、あれは国の管理だから、国が出てきていただいたんですけど、道路の安全については、国が全部全面的に責任を持って、ああだこうだと言っていただくのが一番いいかと思います。ほかの類似の場所はないのかどうかと、今みたいな、こんなことでですね。これは県が多少やってもいいけど、それほど安全のことについて知見というか、経験があんまりないです。事故が、たくさん情報が集まってるところが対策を練るのが基本です。だから、それに県が協力するのは全くやぶさかではありませんけれどもという感じがいたします。だから、第三者委員会も普通なら、国の役人だったら直ちにやるんだけれども、自動車局長のとき、道路の環境と安全の答申を出したんですよね。2年間かかって第三者委員会をつくって、答申を出しました。それで、道路の一般の安全は警察なんですね。道路交通局があって。その運輸省の安全は、事業者のトラックの安全。だから、車両の安全になってくるんですよね。だから、道路と車両と交わるところの安全というのは権限としては、道路局、それから、警察の交通局、自動車局、3者が集まって協議しないといけないものですから、いつも3者集まって、よく懇親はしてました。お酒は飲んでましたけども、それも一つ、担当が仲よくするきっかけです。上が仲よくしてると、課長級が角突き合わせる権限争議しないという経験がありますので、それで随分進んだところ、仲よく警察と道路局と自動車局、仲よくしよう。役割分担決めて仲よくしよう。運輸省の自動車局は事業用自動車の安全基準を上げるということをいたしました。事業用自動車の交通事故死者数を3分の1ぐらいに下げるというのが目標だった。そのとおりになりました。やっぱり目標を掲げるというのは大事です。しかし、運輸省の権限が事業用自動車の事故ということに限られてしか発言権なかったので、そのようにいたしましたけど、これについても、道路管理の実態はそうなんですけど、研究、安全については、国が出てもらったほうがありがたいなというように思います。それについて陳情してもいいけども、また国でもちょっと分かれてきますので、捜査の事故原因が出たら、それをもって、こういうことを国全体で、どの場所でも起こらないようにする指針をつくってくださいねという陳情ができると思います。今のところ、そんな感じがするんです。中島南事務所さんの情熱の使い走りになるぐらいは喜んでいたします。今までもそんな経験ばっかりしてますので。どこで誰がしてくれればということを明確にするのは大きなことだと私は思います。県がやることであれば、喜んでいたしますけれども。中間報告を見ながら、また考えませんか。
記者:
分かりました。ありがとうございました。
司会:
よろしいでしょうか。
幹事社さん、よろしいでしょうか。今日の質問のほうはよろしいでしょうか。
それでは、本日の定例記者会見はこれで終了いたします。ありがとうございました。
知事:
ありがとうございました。ご質問ありがとうございました。
※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。
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