令和5年2月1日(水曜日)知事定例記者会見

【質疑応答】
○新型コロナ対策について
○総務省の2022年住民基本台帳人口移動報告にかかる住民の県外流出について
○国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について
○知事のSNSでの発信について





司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、発表の案件はございませんので、皆様からご質問をお受けする形で進めさせていただきます。



新型コロナ対策について





司会:
 それでは、早速でございますが、質問ございます方、挙手にてお願いをいたします。
 毎日新聞さん。




記者:
 おはようございます。毎日新聞です。早速コロナのことなんですけども、政府が5月から今のコロナの感染症法上の分類を5類に下げるということを決めましたけど、それに対して知事は率直にどういうふうに思われますか。




知事:
 コロナの感染症法の扱いをどうするかというのは、国の全面的な役割だと思います。それは、コロナ対策の基本になることでありますので、国が決めてほしいということで、このように各地方の役割もありますが、それについて意見も聞かれるんですけど、私、終始一貫して、国がアメリカのCDCみたいに、ファウチさんが、大統領が決めるというのが、決めるのは政治家ですけれども、専門性を持って決めてほしい、専門家や地方に投げるのではなく、決めてほしいという気持ちを強く持ってきました。今度は政府が明確に方針を示されるということで、それには歓迎です。それが基本的なスタンスです。
 政府がコロナの扱いを感染症法上どのように扱うかということを決めるのに、政府としては、アカウンタビリティーが必要だと思います。どうしてそうしたのかということをちゃんと説明してほしい。それがどういうことを意味するのかということのアカウンタビリティーはなかなか地方でできませんので、そのアカウンタビリティーをはっきりしてほしいということがまだ引き続きの願いであります。はっきりしてないかどうかは、私は分かりません。やっただけということであれば、我々も含めて、どのような経緯からそうなったのかということを、エビデンスに基づいて適切ですよということを、アカウンタブルな説明をしていただければ、よりありがたいというふうに思います。それが2つ目です。国が決めてもらって歓迎する。国のアカウンタビリティーを期待します。
 そこから、3つ目は、その前後のプロセス、これまではこうでした、これからはこうなりますよというプロセスは、これは国が全体のプロセスの統合性を指示していただければありがたい。国はこの役割ですよ、県、あるいは市町村の役割はこうですよ、このコロナは、皆、パニックになる傾向がありますので、それぞれ百家争鳴になるといけないように私は思っています。冷静に判断の軸、エビデンスの軸や信頼できる軸があったほうがいい。危機管理はいつもそうだと思いますので、そのように思ってきました。危機管理は、情報を集めるのは我々現場に近いところ、その情報を分析して判断するのは中枢の方、国の専門家が中心におられるわけですから、そのように基本政策は中枢で決めるのが望ましい。危機管理の鉄則だと私は思っております。このように5類に変わるということは、国が決められたこと自身は大変歓迎しております。




記者:
 その5類になるのを前提に、県として何かいろいろな体制を変えたりとか、国に先駆けて何か体制を変えていったりとか、そういうような予定はないですか。




知事:
 その5類、感染症法の扱いを決めるのは国ですねということをご理解願ったといたします。その上で、県の役割を、より明確に示していただければありがたいんですけども、我々奈良県が思っていますのは、感染症法上の扱いにいいとか悪いとかという役割よりも、医療提供体制をしっかりするというのが基本的な役割という、とても大事なことがありますので、それに全力を挙げるということは従来からやってきたつもりでありますが、変わりません。医療提供体制が大事だというのが一つあります。それと、社会生活との調和というのは、国の大きな方針の下での、それぞれ地域の工夫、努力ということになります。2つ目は社会経済対策を維持するというのは、国も地方も大きな役割がありますが、国が右向けば、左向く人がいるとなれば、危機管理は一番困りますので、その全体の統合性が取れた危機管理の方針が進むことを期待していました、危機管理の鉄則でありますので。すると、2つのミッションが地方にあると思います。医療をちゃんと遺漏なきようにする。その医療については、毒性が変化してきておりますので、毒性の変化はどのように変化してきたかというエビデンスは国のほうで、いろいろなサンプルがありますので、まだ強いか、低いか、ちょっとしゃべる人が多過ぎたような気がいたしますけれど、権威あるアカウンタブルな説明がこれからも出ればありがたいと思います。それを基に、我々が現場で努力を重ねるというパターンが望ましいと思います。
 それは今後も、奈良県はそのように心がけてきたつもりですけども、その点については、今、5類に変わることでどう変わるかというご質問ですけども、基本的役割は変わらないというように、医療と社会経済生活との調和と、2つの大きなミッションがあるという認識の下に努力をする。その中で、医療については、その毒性が低下したというのが大きなことだと思います。5類に変わるというのは大きなことと判断できますので、毒性が低下するのを踏まえますと、県がやっておりましたトリアージ方針、通常医療に圧迫をかけないという方針は正しかったなと今では思います。毒性が低下している過程をいち早くトリアージ方針で入院の必要な人だけ入院してもらって、通常医療を圧迫しないという方向がやっぱりよかったなというように思います。それは、コロナ医療とともに通常医療を両立させるというミッションが地方にあるように思います。それを奈良県は心がけてきました。それから、経済社会との調和ということについては、冷静に対応する中で、経済社会をできるだけ維持すると、ウィズコロナということを率先してやってきたように思います。いろいろ口が多かったと思いますけど、やっぱり奈良県は必死で流されないように、危機管理の鉄則にのっとってと私は思ってまいりました。今となっては、それでよかったのかと思いますが、皆様の評価を待ちたいと思います。




記者:
 今の最後のところにも関わるんですが、日本で人から人に初めてコロナの感染が確認されたのが奈良県で、これが3年前の1月終わり頃でしたが、それから3年がたって、今、コロナから3年ということで、いろいろ紆余曲折、さっき右に倣えというようなこともあったかと思うのですが、奈良県の知事として振り返ってみて、どういうようにこの3年、捉えていますか。




知事:
 それぞれが、また3年振り返って百家争鳴になってはいけないと思います。まだ危機がありますので、百家争鳴にならないようにとお互いに気をつけていきたいというふうに思っています。百家争鳴になって、あおるようなことはあってはいけない。正当に対処するのが危機管理では大事だと思います。そのときは、中枢の方のアカウンタビリティーが大事なんですね。危機管理は、中枢の方のアカウンタビリティー、納得感が大事なものですから、国に対しては引き続きそのような、この3年間を振り返った中でも、中枢の方が分からないままにしてると、危機が増幅されるということが鉄則です。中枢の人ができるだけ情報を集めて、正確な分析をしてもらうというのが危機管理の鉄則です。それを3年間振り返って検証していただきたいと思います。今、3年間を振り返って論評を軽々しくすべきじゃないと思っています。そのように論評は重ねてもいい結果が出るとは思いません。ワイズに対処してきたかという検証が大事かと思います。それをどのような角度かで検証するドキュメントが必要かと思います。その場その場の担い手の印象を集めるだけでは、ワイズに対処したかという検証はなかなかできないのが通常でございますので、ワイズな対処がどうかということをワイズに検証していただきたいと強く願います。以上です。




記者:
 ありがとうございました。




司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 NHKさん。




記者:
 NHKです。コロナのことで聞きたいんですが、まず一つ、現時点での県内のコロナの感染状況はどのように考えていらっしゃいますか。




知事:
 コロナの感染状況で、従来から感染者数と死者数という発表になっているんですけれども、ずっと見てますと、死者が減ってきてるということは、重症者が減ってきて、毒性が下がってきたという証拠だと思います。これは医療を主たる役割にしている奈良県にとって一番注目すべき数字だと思ってきています。その死者数の中で、コロナにかかっておられた90歳の老人が亡くなられて、医者がコロナが主因じゃないですよと書いておられるのもコロナの死者に計上されています。これは少し誤解を生む可能性がありますので、5類に変わるのに関係して修正されるべきだと、私は思います。コロナの死者というのをもっと正確に取るべきだと思います。統計は国の役割、統計基準は国の役割ですので、そのようにしていただきたいと思います。それは、コロナが死因じゃないと医者が判断してるのは除外したほうがいいと思います。コロナにかかっておられても、5類になれば、なおさら、インフル死者と言いますかということになります。そういうことではありませんというふうに思います。それと、コロナ感染者数総数については、毒性が低いと、医療で間に合っているかどうかという関心がありますので、その多い少ないの関心は薄くなっていると思います。だから、統計は統計でありますけれども、まだ検証して分からないのは、同調する波がずっとありましたね。大阪と奈良は全く同調してきましたけど、その比率が変わってきています。そのコロナ感染者数の変化があるのをどう見るかということを、何か滋賀と奈良、和歌山が並んできたりして、京都も並んできて、大阪も減ってきてというような状況。今まで大都市がコロナの発生源で、伝播したということは如実でありましたけども、それが感染の仕方が変わってきてる。今、感染者数とおっしゃいましたけど、数の分布というのが大きなことだと思います。それをもう少し広いリージョンで分析するほうが望ましいと思っています。奈良県は力不足かもしれませんが、広域リージョンでコロナ感染者の動向、伝播の様子ということをずっとデータを取ってきました。それをリージョンで取る主体がない。本当は厚生局かもしれませんが。国のほうで集めて、リージョン別に出すとか、そういうことをしたほうが危機管理の効率性ということではよかったかなというように、これも検証の対象ですけども。だから、そのようにコロナの様子が変わってくるのに合わせて、今まで、従来型のやり方がワイズだったかどうかということを改めて検証するのが望ましいかと思います。




記者:
 ウィズコロナに関してですが、全国旅行支援の「いまなら。キャンペーン」が、今月いっぱいという期限かと思いますが、3月以降、県独自として続けられるのか、または、国の指示を待って、他府県と同様の形でやっていくのか、その辺り、観光支援策についてはどのようにお考えでしょうか。




知事:
 3月まで延長します。今、状況は、69億の「いまなら。キャンペーン」の予算を取っていました。余るのかなと思って心配してましたが、12月中の消化額は大体30億です。69億は3月まで延長してもいけそう。もっと使っていただけたらと思いますので、3月以降、4月以降はどうするか、またこれからになりますけども、3月までは延長します。まだ発表していないので驚きましたが、今日、3月まで適用するということを明確にしたいと思います。やはり「いまなら。キャンペーン」は、助かってると思います。「いまなら。キャンペーン」をすれば、感染者数が5類になってきた。「いまなら。キャンペーン」をしたせいでもないと思いますけども、不思議なことですね。




記者:
 知事ご自身はこのキャンペーンにどのような期待を寄せていますか。




知事:
 コロナにも対抗できる観光地というのが今世界中で必要でありますので、そのコロナ対抗性が強い観光地ということが、この「いまなら。キャンペーン」の中で実証していけたらと思います。また観光の原点に返って、安全・安心で帰ってもらう、ツアーの言語ですから、家に無事にお帰りになって、ご機嫌ようお帰りになるのが観光地の使命ですので、奈良の観光が楽しくして、無事にお帰りになられるということに徹していただければと思います。そうすれば、必ず、もうけに走らないで、もうける口につながると思います。




記者:
 ありがとうございます。




司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 読売新聞さん。




記者:
 コロナに関してですが、先ほど国のアカウンタビリティーということで、ご指摘ありましたけれども、例えばデータに基づいた説明というのは日本に不足しているという意味なのか、専門家が多過ぎてまとまっていないという意味合いなのか、その辺り、ご説明いただけないでしょうか。




知事:
 コロナの対策は、有効、適切であったかということは、危機管理が去ったら終わり、喉元過ぎれば熱さ忘れるという、日本は割とそういうことが多いですが、忘れないのがいいというのが、先ほどの検証が必要だということの意味合いです。危機管理はとにかく検証から始まるということを教え込まれてきましたので、検証していただきたいと思います。そのときの検証をどのようにするかということも、私が言うことではありませんけれども、奈良県の検証においては、今までコロナの振り返りをしてきました。既にドキュメントもできています。国もドキュメントを出していただきたい。国がドキュメントを出すと立場があるので、なかなか明快に書けないことが多いと思いますけれども、一つの検証の仕方は、エビデンスに基づくということと、その変化、跡をどうロジックでたどるかということと、各国の比較で日本はどのようにやってきたか、危機管理においては、あそこが押されてる、やり方がおかしいというのか、押されても、最後は勝つというような方法がいい戦い方でありますので、その戦い方をまとめて振り返るということは、とても大事だと思っています。それをエビデンスに基づいて公正な検証ができるかが、次の危機管理に備える上でもとても大事だと思います。喉元過ぎればと思わないほうがいいと思います。それは各都道府県同士でやると自己正当化ということになります。国が第三者の立場を入れて検証するのがいいかと思います。政治家を検証するのはなかなか難しいことは間違いありませんけれども、なるべく自己正当化しない検証になればありがたいと思います。




記者:
 分かりました。
 そういった国での検証作業は必要だということではあろうかと思うんですけども、知事ご自身のお立場から振り返っていただいて、いろいろと災害というのはこれまでもあったと思うんですが、このコロナ対応の特殊性というのはどの辺りにあったかと、今お感じになられますか。




知事:
 コロナは、最初は正体分からなかったんですね。皆、手探りで、先ほど毎日新聞さんがおっしゃった、3年前に発生した、奈良の人がかかって、そのときは、どんな正体か、正体の分からない敵とどう対処するかという課題でもあったわけです。正体の分からない対象には、危機管理の鉄則では、まず、じたばたしないということ。こちらが右だ左だと言えない状況なので、じっと敵を観察するというのが第一でした。それをしていたつもりですが、すると、早く騒がないといけないというような風潮があった気がいたします。それは危機管理の法則と違うと思って、とにかく冷静観察から入りました。その冷静観察して、正体が分かるまでは、要は避難してかからないようにするというのが危機管理の第一の鉄則です。その相手が攻めたらやっつけられる敵か、やっつけられない敵かという判断が大事ですね。すると、やっつけられない敵、ワクチンみたいな武器がない、武器がないと引くしかないわけです、逃げるしかない。マスクをするなり、集まらない。これはそのとおりだと思います。敵が分からない間は、とにかく引いて、命を落とさないようにというやり方は、ある面、正しかったと思います。それがいつまで続くのか、どうなるのかという判断が難しかったというように思います。
 だんだん毒性が低くなってくると、行動基準も緩んできたということになりますので、行動基準も、これも一部の外国のように徹底するのがいいのか、若干個人の方々の判断に任すのがいいのかというのは、それぞれのやり方になると思いますし、日本は割と同調性が強いので、ある程度周りを見て行動される傾向が強いと思いますが、それが正しい方向なのか、パニックを引き起こす方向なのかということは、中枢の人が冷静に見る必要があろうかと思います。とにかくパニックを引き起こすのが一番、危機管理ではいけないということが鉄則ですので、指揮者は、こちらは中枢だったかどうか分かりませんけれども、どのようなパフォーマンスをすればよかったかというのは、こちらが検証しないといけない立場にあろうかと思います。とにかく冷静にして、医療は守るということが大きな役割であったというようには思っていますし、それはある程度、役目は果たしてきたと思います。ウィズコロナの社会生活を両立するかというのは、まだまだどうなればよかったのかということは検証対象になってくるのかなという印象を持っています。幅広い検証があって、次に備えるということは、できたらいいというように思っています。




記者:
 分かりました。ありがとうございます。



総務省の2022年住民基本台帳人口移動報告にかかる住民の県外流出について





司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 時事通信さん。




記者:
 先日、総務省が発表した人口移動報告についてなんですけれども、奈良県が約1,200人の転出超過だったんですが、知事はかねてから脱ベッドタウンについて取り組むとおっしゃっていましたが、今後、県の人口を増やすためにどのような取組をしていきたいかを改めて教えていただけますでしょうか。




知事:
 人口の東京集中が再加速という、日本経済新聞の記事にありますけれども、この人口の中には外国人が入ってないです。日本の人口には、外国人は入らないのかと一瞬思ったのですが、外国人も入れたほうがいいかと思いますけれども、その外国人が入ってないということの中での分析です。この日本経済新聞の記事で、グラフが分かりやすく描いてありますので、外国人は入ってなくても、この見出しだけ読んでてもちょっと分かりにくいなという感じは、私はいたします。その基になったデータを見ますと、転入と転出の差ということになりますけれども、その差がマイナスになっているところが多いです。プラスになっているところが、ここに書いてありますように、東京都はじめ、11都府県あり、そのほかはマイナスです。その11都府県の中で、転入超過というのが東京都で3万8,000、神奈川県は2万7,000、埼玉県が2万5,000ということで、結構関東圏が多い。この図のとおりですが、東京集中というのか、このグラフを見ますと、東京圏集中というような感じがします。埼玉県、東京都、神奈川県に多い、棒グラフが立ってますので、埼玉県、東京都、神奈川県に人口集中が加速というような感じがいたします。そのほかの都道府県の中で、京都府がマイナスになったり、愛知県がマイナスになったりしてるんですよね。それは、まだまだ分析が要るように思います。転入、転出の差なんですけれども、大小差があるということを書いておられると思います。外国人が入ってないということと、転入、転出差が大きいということになって、その中での奈良県の状況でございますけれども、この転出者は、毎年2万5,000人ぐらいいます。転入者もいますが、転出が減ってくるというのが願いでありました。転出者が2019年は2万7,000、2020年は2万6,000、その後2万5,000、2万5,000というように減ってきて、対前年度比でずっとマイナスが続いています。2022年はマイナス197になってます。対前年度の転出した人数の減少ということは著しいと思います。2022年で対前年度の転出者数がマイナスになっている県が4県ぐらいしかなかったかと思いますが、ほかの都道府県は転出が増えている。奈良県のほか、東京都は転出が少ない、減っている。あと、転出が減っていますのは、この1年限りでは、宮城県がマイナス38、東京都がマイナス1万2,970、これは多いんですけど、奈良県がマイナス197で、秋田県がマイナス97です。だから東京都はマイナス1万2,000、そのほかは僅かな差ですが、転出減県は、東京プラス3県、宮城県、秋田県、奈良県ということで、奈良県が一番マイナスが多いということで、これで転出が止まってきたというわけにはいかないんですけれども、そのような傾向にあるということ、この流れをその数字で読めたら、流れが止まってきているのかなという感じがいたします。この過去4年間の減少は411、1,230ですから、420、197と、こう続いておりますので、197の2022年、取っても、マイナス都道府県が東京都以外3県だけということでありますので、その転出減が割と著しい県になってきたかなというように思います。
 その転出減、人留めを心がけてきましたが、そこが雇用ということ、特に社会増減に注目しています。外国人も入れた社会増減が大事かと思います。それとともに、2020年に初めて、外国人も入れた人口の社会増減では、奈良県が社会増になりました。社会増にあるということは、とてもうれしいことなんですけれども、この転出が減ってきたと、社会増減、大体、増減入れますと、ちょっと日本人だけでも社会増になってますけど、外国人が主流です。奈良県の社会増の主役は外国人です。ほかの県も社会増を入れますと、外国人が大きな役割を果たしていると思います。外国人がどこに行くかで人口の配置が決まってくるような状況になってきていると思います。外国人も入れた人口の配置ということはこれから注目していく必要があると思います。それは働き手が集まるということであります。就職口のないところに外国人は来ませんので、住んでいる人は無職になってもその現地に住まざるを得ないわけです。だから、脱ベッドタウンを標榜して16年になりますけれども、奈良県がその就職口、雇用を発生させるということで努力をしてきたのが実ってきているのかなという感じがありまして、この方法はよかったと思っています。このような数字が現れてきて、よかった。東京都の集中を止めるとか、それほど大きな数字でもありませんが、ただ、地方で雇用を発生させるというのが日本の課題であるように思います。富士山型で、東京都の富士山が高ければ日本が潤うという時代はもう終わったと思います。日本アルプスのように、地方地方で小さくても、低くても山ができ、アルプスの高いとこもできという、山脈形式の人口配置、経済産業構造になればいいというように思ってきましたので、そのように願っています。




記者:
 ありがとうございました。




記者:
 先ほどの人口動態のお話がありましたけども、やはり国でも次元の異なる少子化対策という言葉が今出ておりますが、すごく間口の広い話になろうかと思うんですが、少子化というのは今後ますます進むのはおおよそ間違いないとは思うんですけども、そういった中での少子化対策というのは今どのようにお考えか、お聞かせいただけないでしょうか。




知事:
 今、読売新聞さんがおっしゃったように、コロナと少子化対策ということを思わぬところで結びついたというのがちょっと検証されています。それは、一昨年、2021年の出生率、合計特殊出生率は、奈良県プラス0.02になって、全国3位の上昇なんですね、プラスで。なぜ奈良県はその出生率低かったのが上がってきたのかという、出生率は、今まで出生率そのものが全国平均より相当低かったんです。これは構造的には適産期の人が外に行って働かれるということは、構造的には女性の働く場が少ないというのが大きな原因だというように見てました。それが構造的要因です。だから、その女性の働き場をつくるということを念願してきまして、その女性の働く場ということは、奈良県内の就業率ということになりますけど、就業率のこの5年間の上昇率は全国1位になってます。女性の働く場が急速に奈良県では増えてきたというのが、その少子化対策にもいい影響があったのかなと思います。
 それと、コロナに関係しては、まん延防止等重点措置を出さなかったのが、コロナに、出生率の上昇にも寄与したと。それだけでは、今言ったみたいに、ないと思いますけれども、寄与したのでないかという説があります。それは、出生率が比較的高い県は、緊急事態宣言の期間が短い県だというような全体の報告があります。だから、コロナもコロナ対策で時短とか、雇い止めが発生するのをできるだけ防止したほうがいいということは、少子化対策にも影響したかというように思います。
 それと、人口との関係で、先ほどの日本経済新聞の記事ですけど、東京集中とか、東京の出生率が全国一低いんですね。全国一低いのに、その上に、出生率の低下が全国一高いと。ということで、これは少子化対策上は、子供の産みにくいところに人が集まってるということをより深刻に見ないといけないというように思います。すると、就職ができて、子供が、奈良県なんかになりますと、子供を育てやすいことは確かだと思います。女性の就職の場がないのが最大の構造的欠点だと思います。それに努力をしてきて、追いついてきたと。女性の就業率が今まで低かった。全国平均まで寄りついてきたということでありますので、それを上げていくというのを、やっぱり女性の就業率も、奈良は男女の役割、固定的性別役割観念が強かったというように、言い訳みたいなことを言ってましたけど、就職の場がなかったということが大きな原因だったと思います。それが確保できてくる結果になって、工場でもやっぱり女性の就業が出てきてますので、女性ばっかりの就業というか、ロートみたいな化粧品の会社もできてきてますので、奈良は労働力は、就業率が低いということは労働力が豊富というように裏返しになりますので、工場誘致とかホテル誘致で就職の場を確保するのが勢いがずっと出てきたのが、出生率のその平均まで来たのに大きな役割があったのかなと思っています。少子化対策全体にとってみれば、子供の産みにくい東京に行くのは、構造的になかなか難しい、あんまりいい傾向じゃないと思いますけれども、地方地方が働き場があって、女性も働き、子供も育てやすい場をつくると、必ず出生率が回復するというように思います。出生率が一番高いのは沖縄ですけれども、沖縄のメンタリティーと、その動きはすごいことだと思います。沖縄みたいな県が方々で出てくると、出生率は必ず回復するのかなという感じがいたします。




記者:
 分かりました。
 ちょっと私も女性の就業率が、これ、出展元、忘れてしまったんですけども、女性の就業率が高い国は出生率が高い傾向にあるというデータを見た記憶がございまして、恐らくそれはすごくリンクしてるんではないかなと思うんですが、そうなると、次に、仕事場と同時に、保育園等の子供を育てやすい環境をいかにつくるかということになろうかと思うんですが、その辺りの知事の今のビジョンというのはいかがでしょう。




知事:
 保育園の待機児童数は、保育園の待機児童解消は、メインは市町村の役割ですけども、保育園の待機児童数は激減してきています。今まで奈良市、生駒市なんかが待機児童が多かったので、もう随分減ってきています。むしろ田原本町は、若いお母さんが増えてきて、赤ちゃんの数が増えているというのですね。やっぱり子育て環境というのは大事だと思いますので、子育てのクオリティー、子育てするクオリティー、その自尊心、育みということで、クオリティーを上げるということと、保育は預かればいいのか、働く前に預かってくれればいいという、最小限の要求ということになりますが、預かるだけではなしに、立派に育みたいという願いもつけたいと思っていますけれども、育みをどうするかって、先導的な役割を果たすのが県の役割だと思ってきています。そういうことは重ねて重ねてやってきて、少子化対策にも実を結ぶ傾向が見えてきたかなという感じがいたします。そのような努力を地方でもできるということだと思います。今度、こども家庭庁ができて、子供、家庭にどういう支援をするか、財政支援があることはありがたいと思いますが、その実行をどのようにするかということは、これからの関係だと思います。地方の役割はどうなるのかということが大きな関心事項です。地方は地方でできることもあることは分かってきましたので、国の少子化対策、地方の少子化対策、バッティングするわけではありませんけども、うまく相乗効果になりますようにと願っています。地方でもそこそこのことはできるということは見えてきましたのはうれしいことだと思っています。




記者:
 ありがとうございます。



国道168号助人トンネル死傷事故の対応状況について





司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。ご質問よろしいですか。
 それでは、中島南事務所さん、お願いします。




記者:
 昨年5月2日の助人トンネルの中間報告について、知事は12月の会見で、1月の早い段階でもという話をされておりましたけれども、結果的に何も出ませんでした。公表する予定はあるのでしょうか。たった今、知事は危機管理は検証から始まるとおっしゃったばかりなんですけれども、それが出し惜しみされている現状をどうお考えでしょうか。これが1点です。
 それから、60年前にできたトンネルというのは、既存不適格の構造物になると思います。今新しい適格な構造物もできておりますけれども、それと工事の施工についてのマニュアルといいますか、対応をもうお考えになっているんでしょうか。これは内容に関することです。
 もう1点だけ、あと、事故当事者への説明を県はされていると。実際にされるので、公表のめどが立たないんだということをおっしゃっていますが、私が取材する限りでは、こうした説明を出先の事務所に任せて、本社といいますか、県庁は何もしていないんじゃないかと思われます。この実態をどういうふうに考えていますか。この3点をお願いいたします。




知事:
 助人のトンネル事故ですね。ありがとうございます。よく来ていただきました。
 大変遅れまして、申し訳ございませんでした。27日にやっと中間報告を出すことになりました。その中間報告の内容は、結局ケーブルが倒れて、それに引っかかられたというのが直接の原因であることは分かっています。そのときに、どうしてそのケーブルがそんなところにぶら下がることになったのかというのが原因究明の最大のポイントでございました。一番上にあったのが横に移設してて、それがぶら下がったということまでは、これは分かっています。そのときに、自然に落ちたのか、何かの原因で落とされたのかということは、その調査の焦点でございました。自然に落ちたというのであれば、その移設したときの止め方が悪かったということに必ずなります。それと、しかし、何かがぶつかった跡もあるということが、ちょっとぶつかったということが実証されないものですから、その2つが問題でありました。原因については、多少、ぶら下がった原因が分からないことが残っているということはございますけど、しかし、残っているにしても、ケーブルがぶら下がったということは大きな事故の原因であったことは、最大の原因であったことは間違いございませんので、それがどのようなことであっても、再発防止につなげるということが大きな使命でございます。その衝突にしろ、自然落下にしろ、衝突の可能性は強いように聞いておりますけれども、誰が衝突したかというのは分からないままなので、すると、その衝突者は不明だけども、衝突によって落ちたということが実証されれば、それもまた一つですので、衝突を防ぐには、ケーブルをそんな衝突できない上につけるべきということに当然なります。それは実行して、そのように、天井まで届くようなトラックが走るわけではありませんので、揺れても衝突しないというところにつけるということは再発防止で実行しようということになってきています。事故の原因と防止というのはリンクしていますので、そのように聞いています。
 そのときのその自然落下に、施工事業者の原因かどうかということは分からないにしても、そういうこと、遺漏なきように注意はすべきだということは当然だと思います。それをどのようにチェックするかという、これはあらゆるところで、施工業者任せじゃなしに、チェックするということは、その発注者の責任でもございますので、今度の事故を受けますと、それがちゃんとぶら下がらないような強度があるか、ぶら下がらないような仕組みがあるか、ぶつかっては、もう落ちないようにしますよと、離れたところに置きますからということにしますと、今度は自然に落下しないことは大丈夫かということに当然なりますので、それは施工事業者が責任ということになりますけど、施工事業者は10年たって落ちたときは、天井にぶら下がっているのが落ちたということで、めったに今まではないことなんですけれども、落ちたということになれば、施工がおかしかったと。そのトンネルのコンクリートの一部が剥奪したということも時々ありますので、剥奪したとこにケーブルの留め金があったということになると、ぶら下がる可能性が高いということになります。そのようなことはないようにできるのかということは、これはチェックも含めて、大事な再発防止の大事な要点だと思っています。そのようなことを議論しながら、中間報告まで至りました。
 この中間報告で、まだ、中島南事務所さんの言うように足りないポイントがないのかということは、これからまたチェックに入りたいと思いますので、ぜひ意見を言っていただければと思います。また、担当には、こんなに追及していただく中島南事務所さんのような方の意見をよく聞くようにということを指示してますので、ぜひ意見を言っていただければと思います。私も一緒にフォローしていきたいというように思っています。




記者:
 そうすると、中間報告は公表されるんでしょうか。




知事:
 公表いたします。まだ公表してないの。




担当課:
 まだしていません。




知事:
 まだですか。公表します。もう公表したかと思ってたぐらいなものですから。当然公表します。




記者:
 それはいつ頃される予定なんでしょうか。




知事:
 もうすぐにということを指示します。何か手続があるのかどうか分かりませんけど、公表しないということはあり得ません。私のところに報告がしばらく前にあったので、もうすぐに公表したかと思っていたんですけども、改めて、すぐに公表するように指示します。
 それから、もう一つご質問がありました。トンネル自体の工事についての不適格性ということは、そのケーブルだけではなく、ケーブルを横につけたのも、トンネル全体の構造が劣化、老朽化してきたのも原因だったというふうに思います。日本のトンネルというのは、どういうわけか狭く造って、またトンネル全体を広くしないといけないと。工事がどんどんどんどん積み重ねで、アメリカみたいに、ちょっと経費はかかっても大きな道路を造っておくということをなかなか日本はしないところなんです。何か無駄だと言われる勢力があるからだと思いますけど、アメリカは何十年も残るんですけど、日本はその半分ぐらいで、もう役に立たないというふうなことが多いんです。工事のやり方というのは、いつも後の定期点検ということでフォローすることにしていますけれども、工事のそのときに定期点検をしますと、その定期点検をする中で、時間が経たないと、工事のやり方が適切か不適切か分からないところもありますね。完成検査というのがありますけども、完成検査のときには見抜けないことも多いように聞いています。時が経つと、どうも不適切、不適格であったということが分かるケースもありますので、定期点検というのはとても大事なことであります。橋とか、市町村の持ってるインフラは市町村に任せていましたけれども、土木技官がいない市町村が、10以上、奈良県にはありますので、県が代行してやるということをもう10年以上前からやり始めました。定期点検の費用は県に下りていますので、それを任されるということでやり始めて、県の土木部署が発注して定期点検を行っています。定期点検というのは大事だと思います。完成検査だけでは不十分だというふうに思われますので、そのようなことをやっています。
 それから、事故当事者へのご説明については、ご遺族の方へは報告にもう間もなく行くように聞いていますけれども、事後の対処は、やっぱり中間報告として客観的な報告を出して、これで中間報告としてよかったのかどうかを公表して見てもらうということから始めなければいけないと思います。中間報告というドキュメントがあります。個人が行って説明するのではなく、ドキュメントで説明するということになりますので、これがそのコミュニケーションの一番軸となる大事なことだと思います。これは、当事者がご説明に行くことになっても、そのドキュメントでの説明内容は、概略でありますけれども、私は報告を受けておりますし、それをご説明したときの反応とかいうのはまた報告が来ますので、任せっきりということではないというようには思っています。そのコミュニケーションの過程をフォローするのは私の大きな役割でもあろうかと思っています。ご質問はそんなことでした。




記者:
 しかし、説明については、亡くなった方だけではなくて、当事者は3人いるわけですから、それがなされているのかという問題があります。
 それと、知事が管理する前に、管理職の方が出ていって、きちっとやらなければいけないんじゃないかと思うんですが、そこは進んだのでしょうか。10か月目に入るわけですけれども。




知事:
 説明の対象と説明者ということですね。説明の対象は、関心を持たれる方には全て説明したらいいと思っております。説明に行くのは、中間報告の内容を一番知ってる人が一番いいと思いますけど、我々はバックヤードになりますけれども、その反応をちゃんと受けて、またそれに反応して、最終報告につなげて、再発予防につなげるということは一番大事かと思っています。




記者:
 分かりました。ありがとうございます。




司会:
 よろしいでしょうか。




知事:
 これからもどんどん関心を持って、聴取と発信をしていただければありがたいと思っています。こういうのは、とても大事な会話だと思っています。



知事のSNSでの発信について





司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。
 読売新聞さん。




記者:
 ちょっと余談的な話になるんですが、最近、知事、ツイッター等のSNSを始められたんでしょうか。




知事:
 始めました。




記者:
 何か狙いがあるんでしょうか。




知事:
 ツイッター、フェイスブックを始めました。たまたまこの選挙の時期と重なりましたけど、政策発信をSNSでやろうということをずっと広報広聴課と研究しておりました。政策発信のSNSということになります。だから、これからできるだけ政策発信がうまく届きますようにということでやっていきたいと思っています。慣れないことでありますけれども、やっぱりSNSは大事ですので、マスコミも大事だと思いますけれども、何せ紙面が限られてますので、いろいろやってきたこと、やりたいこと、政策発信ということになると思いますけど、それを直接見ていただくと、県政への理解も広がり、深まるということを期待しています。県庁のホームページも改修していきたいと思っています。




記者:
 SNSは前からご関心があってということでしょうか。




知事:
 そうです。




記者:
 分かりました。ありがとうございます。




知事:
 ずっとアナログ派ですけど、SNSをしていきたいなとずっと思っていました。県庁のホームページというのも一つのSNSですけども、ホームページは固定的ですので、なるべく繰り返しやるように、もう1年ほど前からずっと相談していましたので、時間がかかりましたけども、そろそろ、その中で私も政策発信の手助けの一助になりたいというふうに思っています。




司会:
 毎日新聞さん。




記者:
 ということは、あのツイッターは知事がご自身で書き込んでるんですか。




知事:
 そうです。




記者:
 ちょっと日本語が違ってるというか、表現が違ってるときが。あれ、直接知事が書き込まれてるのかなと思って。てにをはがちょっと違ってたりとか。




知事:
 大体鉛筆族ですけど、鉛筆で書いて、それをワープロ化してもらって、発信すると。




記者:
 知事が手書きで書いて、事務局がワープロというか、あれに打ち込んで。




知事:
 ワープロ化してもらって、そういう仕組みになってます。




記者:
 ワープロですか。




知事:
 ワープロぐらいは、あのぐらいできるのでワープロ化してもいいんですけど、鉛筆で書いて、それをワープロ化してもらって、それで発信するというようなことをうちの事務所でやってもらってます。




記者:
 正直、知事選と時期が重なってるとおっしゃいましたけど、知事選を意識されて始めたのかなと思ったんですけど、正直、そうじゃないんですか。




知事:
 政策発信が主であります。たまたま知事選が重なってきたというふうに思っています。とにかく発信力は弱かったというふうに思っています。皆さんに依拠してきたような立場でした。政策発信を強化するという一環だというふうに思っています。予算もありますし、この際ちゃんと聞いてもらったほうがいいかなということで重なってきた。しかし、重なってきたからといって、しないというのも変だなというような気持ちですね。今までやろうとしてきたことがたまたま選挙と重なってきたということであります。重なったからやめたらというふうにはおっしゃらないと思うんですけどね。そのように言われても、政策発信ですから、させてくださいという気持ちですね。




記者:
 分かりました。




司会:
 ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。




※発言内容については、読みやすくするために質疑テーマごとにまとめています。
また、発言の趣旨を損なわない範囲で文言を整理する場合があります。

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