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【vol.184】
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年末年始の救急医療を守るために
昨年度の年末年始は感染症の流行と長いお休みが重なったことで、休日診療所の受診に非常に時間がかかってしまい、救急車の受け入れ先もなかなか見つからないといった事態も発生しました。これをふまえて、今年度の年末年始に向け、私たちができることについて、奈良県立医科大学附属病院高度救命救急センター長・教授の福島英賢さんにお話を伺いました。
昨年度の年末年始、救急の現場ではどういったことが起きていたのでしょうか。その要因についても教えてください。
昨年末から今年の年始にかけて、全国で救急搬送が逼迫(ひっぱく)する事態となり、県も医療機関によっては2倍から3倍の救急搬送件数となりました。この背景には冬季のインフルエンザの感染拡大があったと考えられます。新型コロナウイルス感染拡大の間にインフルエンザに罹患(りかん)する人が減り、社会全体としてインフルエンザに対する免疫が低下していました。このような状態でインフルエンザが流行したので、多くの人が罹患し、また9日間という長い年末年始のお休み期間のため医療機関も十分ではなく、救急搬送が逼迫したものと考えられます。
では、そうした事態にならないよう、一人一人ができることなどについて、メッセージをお願いします。
この救急搬送が逼迫した状況は、緊急治療を必要とする重症患者への治療が遅れてしまうことから、避けなければなりません。今年も年末年始は9日間という長いお休みです。昨年と同様に救急搬送が逼迫する状況となり得ます。医療機関を受診できないという状況は皆さん本当に不安だと思います。このため、個人でできる対応が重要となります。外出した際の手洗いやマスク装着はもちろんのこと、予防接種も多くの人が接種されることで社会全体として効果が出ます。一人一人がこれらの対策をとることが、今年の冬には必要です。
奈良県立医科大学附属病院
高度救命救急センター長・教授
福島 英賢 さん
一人一人のご協力が、安心して暮らせる地域の医療を支えます

相談できるかかりつけ医を決めておきましょう

手洗い・うがい・マスク着用を心がけましょう

インフルエンザ・新型コロナウイルスの予防接種はお早めに

持病のある人は、連休までに受診・薬の確保を

常備薬や体温計を準備し、体調に気をつけて過ごしましょう

受診に迷うときは、下記の相談ダイヤルもご活用ください
おとな #7119 または 0744-20-0119
こども #8000 または 0742-20-8119
※あくまで相談・助言を目的とするものですので、症状が重篤な場合など、すぐに救急車が必要な場合は119番通報をお願いします。
詳しくは県HPをご覧ください