基本方針

人権教育の推進についての基本方針

平成20年2月15日
奈良県教育委員会


 人権教育は、自他の人権の実現と擁護のために必要な資質や能力を育成し、発展させることを目指す総合的な教育活動です。
 私たち人間は、生まれながらにして自由かつ平等であり、だれからも奪われることのない様々な権利を等しくもっています。これらの権利は、人類の長い歴史にわたる努力の成果として確立されてきました。日本国憲法においても、侵すことのできない永久の権利として基本的人権が保障され、国民は不断の努力によってこれを保持し、公共の福祉のために利用する責任を負っていることが明記されています。すべての人が幸福を追求できる社会の実現に向けた取組が求められているのです。
 しかし、自他の尊厳が自覚されず、差別的な観念にとらわれたり、権利を侵害したりしている現実があります。人権が尊重される社会を築いていく上で、教育は大きな役割を担っています。倫理観や道徳性を培うとともに、人権についての知識を学びこれを主体的に活用することができる技能を伝え、人権を尊重する態度をはぐくむことが一層必要となっています。
 国際社会では、他者の尊厳を尊重する手段や方法を学び、人権の共存を図る努力が求められており、日本においても、人権教育の推進が国、地方公共団体の責務となっています。
 県教育委員会はこれまでの成果の上に立って、人権が尊重される社会や地域を築く人間の育成を目指し、以下の事項に留意しながら、すべての教育活動を通じて人権教育を推進します。

自分の大切さとともに、他の人の大切さが認められていることを実感できるような環境づくりを、あらゆる教育の場で進めること
教育の機会均等を保障し、一人一人がもつ可能性を伸ばすとともに、自己実現を目指すことができる能力を育成すること
人権についての理解を深める学習を進め、自分の権利だけでなく他の人の権利もともに守り、お互いをかけがえのない存在として尊重していく技能や態度をはぐくむこと
豊かな人権感覚を育成するとともに、人権問題についての確かな見方や考え方を育てる指導の充実を図ること
様々な人々や文化との出会いを大切にし、開かれた対話と交流を通して積極的に相互理解を図ろうとする態度をはぐくむこと
生涯にわたる学習を通して、社会の向上のために創造的に取り組み、協働できる人間づくりを目指すこと
人権教育資料等の充実を図るとともに、学校、家庭、地域の連携を大切にし、計画的・組織的な取組を行うこと

「人権教育の推進についての基本方針」リーフレット(PDF:4,279KB)