ウォッチャーからの主な質問について

平成17年度食品表示ウォッチャーよりの質問と回答

1.生鮮食品について
【カット野菜、果物の表示】 【見切り品の表示】 【野菜の表示】

2.加工食品について
【漬物の表示】 【牛乳の商品名】 【水煮野菜の表示】 【豆腐の表示】

3.期限表示について
【アイスクリームの賞味期限】 【賞味期限切れの表示】



1.生鮮食品について

【カット野菜、果物の表示】
質問質問
 スイカやメロン、キャベツ、かぼちゃなど1玉のものを半分や1/4などに切ったの は加工食品の表示でしょうか?
 名称、原産地のみの表示でいいのでしょうか?
回答回答
 単に半分や1/4にカットしたものは生鮮食品に分類されます。
 よって表示義務があるのは名称と原産地となります。
根拠根拠
生鮮食品品質表示基準  別表(第2条関係)
1農産物
 (4)野菜 (収穫後調整、選別、水洗い等を行ったもの、単に切断したもの及び単に冷凍したものを含む。)
 (5)果実 (収穫後調整、選別、水洗い等を行ったもの、単に切断したもの及び単に冷凍したものを含む。)





【見切り品の表示】
質問質問
 見切り品の野菜には産地の表示はしなくてもよいのですか?
回答回答
 表示義務は見切り品にももちろんありますので、 産地の表示がないのは不適正表示ということになります。




【野菜の表示】
質問質問
 プレートに産地の表示がありますが、ラベルには産地表示がありません。
 両方に産地表示が必要ではと思うのですが。
**ラベル例** 
  人 参
内容量  283g
スーパー □×
奈良市◇▲・・
回答回答
 JAS法において生鮮食品(農産物)の場合 「名称」と「産地」について表示義務があります。 以下に国の表示に関する考え方を示します。
 表示の方法ですが、消費者にわかりやすく誤認を与えないように表示することが必要です。具体的には、容器又は包装の見やすい箇所に表示するかあるいは製品に近接した見やすい箇所に立札等の掲示により表示することが必要です。
 表示の場所については、特に規定はもうけられていませんが、消費者にわかりやすくという点から、名称及び原産地の表示は同一面になされることが望ましいと考えられます。しかし、消費者にわかりやすく表示されていれば、名称は容器又は包装に、原産地は立札に表示してもよいこととされています。
 また、壁やボード等に全商品を一括して原産地表示を表示することも、消費者にわかりやすく表示されていればよいものと考えます。
 質問のケースでは、プレートに産地名、ラベルに名称の表示がありますので問題ありません。 




【漬物の表示】
質問質問
 漬物のラベルの原料原産地名に国産とあるが県名はいらないのですか?
回答回答
下記のとおり、国産である場合は「国産」と記載することとなっています。
(ただし、県名を記載してあってもかまいません)

根拠根拠
農産物漬物の原料原産地名 (個別品質表示基準 より抜粋)
(ア)農産物
 国産品にあっては国産である旨を、輸入品にあっては原産国名を記載し、その原産地名の次に括弧を付して、当該原産地を原産地とする主な原材料を原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載すること。ただし、国産品にあっては国産である旨に代えて都道府県、市町村名その他一般に知られている地名、輸入品にあっては原産国名に代えて一般に知られている地名を記載することができる。




【牛乳の商品名】
質問質問
 以前に○▲高原で飲んだ牛乳がとても美味しかったので何種類もの並んだ牛乳から「これっ!!」(商品名:○▲高原牛乳)と思い購入しました。しかし、製造所所在地が大阪なので驚きました。どういうことなのでしょうか?
回答回答
パッケージの表示からは関東地方の○▲高原で生産された生乳を使用して大阪で製造した牛乳となります。 根拠は以下のとおりです。
根拠根拠 
1.  牛乳の産地の表示に関するルールは全国乳飲用牛乳公正取引協議会が定めた「飲用乳の表示に関する公正競争規約施行規則」にあります。(以下 抜粋)
「飲用乳の表示に関する公正競争規約施行規則」( 抜粋 )
 牛乳、特別牛乳、成分調整乳、低脂肪牛乳及び無脂肪牛乳に原産地名を折り込んだ商品名又は説明文を使用する場合は、次の条件を充足するものとする。 
表示した原産地の生乳を100%使用し、その生乳量に応じた限定製品であること。
当該製品に当該生乳を使用したことを工場の帳簿類で証明できること。
当該製品の毎日の製造量及び月間の最高・最低・平均値を工場製造記録により明確化されていること。
原産地名称については、生乳の生産が行われてる地であって、かつ、行政区画、旧国名、山麓、高原等社会通念として広く一般に認められている名称又は酪農家名、牧場名等の名称とすること。

2. 「公正マーク」がついています。
このマークは全国乳飲用牛乳公正取引協議会が適正な表示をしていると認められるものにつけられる。=公正競争規約を守っている




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2.加工食品について

【水煮野菜の表示】
質問質問
 メンマ、山菜ミックス、里芋、ぜんまいなど袋詰めされたものは、産地表示の必要性はありますか?
回答回答
 平成16年9月にJAS法に基づく加工食品品質基準が改正され、生鮮食品に近い加工食品にも原料(←重量の割合が50%以上しめる主な原材料)の原産地の表示が義務(平成18年10月まで経過措置)となったところです。
 質問のあった メンマ、山菜ミックス、里芋、ぜんまいの水煮ですが、メンマ、さといも、ぜんまいの場合は、単にゆで、または蒸したものであり、かつ重量で50%以上の商品であればその50%以上の原材料の原産地表示が必要となります。
 山菜ミックスの場合は、ミックスされている山菜のうちで50%以上をしめる山菜があればその原産地の表示をする必要があります。しかし、どの山菜も占める割合が50%未満の場合は表示義務はありません。
 なお、現在は経過措置期間中ですので、原産地の表示がないことをもって直ちに違反であるとはいえません。
根拠根拠
加工食品品質基準の別表2(第3条関係)抜粋

ゆで、または蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん
(缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く。)

【豆腐の表示】
質問質問
 豆腐の表示ににがり100%又は国産大豆100%とか表示方法が統一されていませんが、どういう表示が正しいのでしょうか?
回答回答
豆腐の表示につきましては、食品衛生法やJAS法に基づく加工食品品質表示基準や遺伝子組換えに関する表示に係る表示基準によるルールがありますが、これらは主に義務表示(表示しなければならない)事項《←一括表示欄の中身》について規定しています。
 ご質問のような一括表示欄以外の任意表示につきましては、
◇表示禁止事項(加工食品品質表示基準第6条)として「第3条の規定により表示すべき内容と矛盾する用語」「産地名を示す表示であって、産地名の意味を誤認させるような表示」
◇特色のある原材料等の表示(加工食品品質表示基準第5条)として「特定の原産地のもの、有機農産物、有機農産物加工食品その他使用した原材料が特色のある旨を表示する場合または製品の名称が特色のある原材料をしようした旨をしめすものである場合は、「特色のある原材料の製品の原材料に占める重量の割合」を表示
◇景品表示法での規制(優良誤認、有利誤認)
をうけることなります。
   (なお、豆腐については牛乳のような公正競争規約はありません)

よって、一括表示欄外の任意表示については、統一的な表示方法はありません。
(禁止事項等に抵触せず、かつ表示に確かな根拠があれば自由に表現してよいことになります)





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3.期限表示について



【アイスクリームの賞味期限】
質問質問
 アイスクリームに賞味期限がないのはなぜでしょうか?
 冷凍食品にはあるのにアイスクリームにそれがないのは不思議です。
回答回答
アイスクリームに関する表示については
   JAS法では 加工食品品質表示基準と
     個別ルールであるアイスクリーム品質表示基準
食品衛生法では 乳等省令「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」
公正競争規約では 「アイスクリーム類及び氷菓に関する公正競争規約」
                       で規定されています。

 ご存じのように加工食品の場合は・名称・原材料名・内容量・賞味期限・保存方法
・製造業者の表示が必要ですが、 加工食品品質表示基準や乳等省令において「賞味期限」は省略できることとされていますし、公正競争規約においても賞味期限の規定はありません。
省略できる理由は
・通常-20℃以下で冷凍保存されます。このような低温ですと細菌は減ることはあっても増えることはありません。
・一般冷凍食品と比較して、アイスクリーム類は原料が単純で安定的であり、長期間の化学的な品質変化は極めてわずかです。
等です。



【賞味期限切れの表示】
質問質問
「賞味期限切れのため安価」とPOPにて表示して商品を販売することは
お客さんも納得の上、購入するのでOKなんでしょうか?
回答回答
表示された期限をすぎた食品を販売してよいか?については国の見解は以下のと おりです。
加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集)q27 抜粋
 食品等の販売が禁止されるのは、当該食品等が食品衛生法上問題がある場合、具体的には食品衛生 法第4条、第6条、第7条、第11条等に違反している場合ですので、仮に表示された期限を過ぎたとしても、当該食品が衛生上の危害を及ぼすおそれがないものであればこれを販売することが食品衛生法により一律に禁止されているとはいえません。
 しかしながら食品衛生を確保するためには、消費期限及び賞味期限のそれぞれの趣旨を踏まえた取り扱いが必要です。
 まず、消費期限については、この期限を過ぎた食品については飲食に供することを避けるべき性格のものであり、これを販売することは厳に慎むべきです。
また、賞味期限については、この期限を過ぎたからといって直ちに食品衛生上問題が生じるものではありませんが、期限内に消費されるよう販売することが望まれます。

よって
「賞味期限」ですから、設定された期限を過ぎたとしても、品質を保持していると
考えられますが、それを販売することには注意が必要です。
(参考)
   「消費期限」と「賞味期限」については平成15年7月に食品衛生法・JAS法 において用語・定義の統一がおこなわれました。


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