私たちのチャレンジ

 
自分の好きなことから起業へ 
今や奈良県で一番古いブルーベリー摘み取り農園になりました。



 ブルーベリー農園 
  エトファルト 代表 
 笹岡 美喜子さん(宇陀市在住)


  -笹岡さんは、結婚を機に奈良県に来られたのですね。
 しばらく主婦をされていたと聞きました。-

はい。主婦をしていた頃、地元の農業試験場で安くシクラメンが買える!という情報を聞きつけ、買いに行ったのです。そこで、先生の話を聞いているうちに、種をまいたらできるからやってみたらと勧められ、自分でもできそうな気がしたのがきっかけです。せっかくなので、もらいもので庭にハウスを建て、シクラメンの栽培を始めました。



-慣れない花の栽培は、大変だったのではないですか?-

近くの農家に1年間研修に行きました。午前中は研修で、午後から自分のハウスで作業をする日々でした。研修のおかげで、種まきから出荷までの一巡の流れが分かるようになりました。
余ったハウスの部分で花を売ったり、バザーに出荷したりしているうちに、家に持って帰っても元気だということで、大阪の人にも評判になり、注文が少しずつ入るようになりました。



-その後、シクラメン以外にもいろんな花に挑戦されたのですね。-

シクラメン以外にもパンジーなどたくさんの花を植え、寄せ植えやかごを編む教室を開催したりしました。友達が友達を呼び、楽しんでもらえたことに喜びを感じました。
ただ、以前行った研修先では、ハウスとハウスとの間にブルーベリーが植えてあったんです。そこで摘ませてもらったブルーベリーをジャムにしてみたら、すごくおいしかったので、いつかブルーベリーをしてみたいと思っていました。
そして、あるとき、試験場に相談をし、花の栽培と並行して、ブルーベリーに挑戦しました。



-ブルーベリーは順調にできたのでしょうか?-

最初800本あったブルーベリーの木も、土が合わなかったのか一時500本ぐらいになりました。試行錯誤を繰り返し、今や1本の木からブルーベリーが10㎏、収穫できるようになりました。2010年にエトファルトオリジナルのブルーベリージャムの試作も開始し、今や商品として販売できるまでになりました。



-他にも困難なことがありましたか?-

花の栽培を始めてから、10年ほどたった頃、台風でビニールハウスがつぶれてしまいました。シクラメンは無事だったのですが、もうやめようかと思っていました。
しかし、「もったいないから頑張って」という声もいただき、新しいハウスを注文して、一から出直して頑張ろうと気持ちを切り替えたのです。当初、つぶれたハウスを撤去した土地に、新しいハウスを設置しようと考えていました。しかし、つぶれたハウスは、お客さんが直してくれたので、急遽、隣の土地を整地し新しいハウスを設置したため、さらに作業場が広がりました。



-息子さんも力になってくれたと聞きました。-

息子が1年間岐阜に研修に行って、帰ってきました。
ブルーベリー農園も大きくなっていたので、ハウスは息子に譲り、自分はブルーベリーに専念するようになりました。
お客さんに自由に入ってブルーベリーを摘んでもらい、重さをはかって、お金をもらう摘み取り農園をしていましたが、9月になると手が空くので、空いた時間にサフランの栽培を始めました。



-また新しい挑戦ですね。-

サフランを調味料や香辛料などに使ってもらいたいと思っています。まだ、大量に出せるほどの収穫はありませんが、レストランで採用してもらったり、みんなに興味を持ってもらえるよう頑張っています。
いつか、宇陀市の産物になってくれたらいいなとも思います。 
 
 



   笹岡さんから女性へのチャレンジメッセージ

起業は、あまり構えず身近でできることから目を付けた方がいいと思います。私の場合は、近くに田んぼか畑しかなく、たまたまシクラメンに出会ったのです。無理をしないでできることが長続きすると思います。
それと、夢をまずもつこと。夢なんだから大きくもっていただきたい。
大きく掲げても半分くらいしか叶わない。だから、その3倍ぐらいの夢をもったほうがちょうどいいんです。後ろを見ないで前へ前へ頑張って欲しいと思います。 
 

      

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