はじめての万葉集


県民だより奈良
平成26年10月号



 お米は、食卓に欠かせないもので、日本では大昔から作っていたと錯覚しがちです。
 日本列島で稲の栽培が始まったのは、縄文時代の終わり頃ではないかと言われています。
 やがて、米作りが定着してくると、税として徴収されるようになりました。万葉の時代には、王族・貴族や一部の人を除くほとんどの人たちが、米作りをしています。
 おそらく歌の詠まれた藤原京(橿原市)を一歩出ると、あたり一面には水田が広がっていたことでしょう。
 しかし、意外なのは、皇族ですら稲のようすを気に掛けていたことです。但馬皇女(たじまのひめみこ)は、稲穂の向きが、風で片側に寄っているさまを見ていたようです。そして、その光景を自分の恋心に譬(たと)えて歌にしました。
 歌の最後の「言痛(こちた)く」は、うるさく噂(うわさ)を立てられることを意味しますが、それでもあなた(穂積皇子(ほづみのみこ))に心を寄せていると、曲げない気持ちを伝えています。
 すでに夫(高市皇子(たけちのみこ))のいる身であるだけに、「言痛(こちた)くありとも」には、ある種の覚悟を込めていたのかもしれません。
 稲穂の「かた寄り」という表現を、万葉集で最初に用いたのは但馬皇女でした。してみると、この歌の「穂」は、あえて穂積皇子にかけて詠んだのではないかと想像したくなります。
(本文 万葉文化館 竹本 晃)



藤原宮跡(橿原市)
 今回の歌が、詠まれたとされている藤原宮跡では、季節ごとに美しい花が植えられ、秋はコスモスを楽しむことができます。また、大和三山の絶好の眺望スポットとなっています。秋空のもと、一面に広がるコスモスと万葉の人々も楽しんだ大和三山の景色を楽しみに行きませんか。
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