講師の須賀英道さんは精神科医です。ある患者さんが、病気が治ったということだけでは幸せにならないことに臨床現場で気づいたそうです。その患者さんに「その日あった良かったこと」や「達成できたこと」などを面談で取り上げるうちに、患者さんの表情が明るく変わっていきました。その出来事をきっかけに、ポジティブ心理学を研究されるようになりました。
ポジティブ心理学では、「人は気分が良くなると行動が変わる」「問題を認識しながらも、良い点に注目していく」と考えます。
この講座では、3回にわたり気分を良くする具体的な方法をお話しいただきました。
第1回目:平成27年9月26日(土)10:00~12:00
「木を見て森を見ず」になっていませんか
問題が起きたとき、多くの人は問題に注目し、なんとか解決しようと努力します。しかし、問題に注目しすぎると、視野が狭くなり、問題解決のためのヒントにも気づかなくなりがちです。そこで、問題があると気づきつつ、あえて問題以外の「良いこと」「楽しいこと」「強み」などポジティブな面に注目します。ポジティブな面に注目すると、気分が良くなります。すると、何かをしようという意欲がわいてきます。行動したら、良い結果が出て、達成感を感じます。そして、もっと良い気分になります。このサイクルをくり返していくことで、幸福度が上がっていきます。
普段の会話でもポジティブな面を話題にすると、気分が良くなります。「自然な笑顔」「相手の話を肯定する」「ポジティブな言葉を使う」「相手の良いところをほめる」などを意識すると楽しく会話できます。
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