11月21日(木曜日)、奈良県立高等養護学校において、「保育園演習」が行われました。
高等養護学校1年生6名が宮森保育園を訪れ、園児との触れ合いや施設見学を行いました。「保育演習」は6年前から始まり、福祉の心得を学び、福祉の精神のもとに必要なコミュニケーション能力を習得することを目的としています。1年生はグループに分かれて演習に取り組んでいます。
当日は、2歳児のブロック遊び、1歳児の中庭でのシャボン玉やボール遊び、5歳児の交通安全教室の参観と施設見学を行いました。最初に参観した2歳児のブロック遊びでは、生徒たちは緊張をしていましたが、園児と関わる中で、徐々にリラックスし、笑顔で接することができるようになりました。園児からの「このブロック見て!ひこうき!」と声をかけられると、生徒は「すごいねぇ、上手に作ったね」と褒めていました。次に、1歳児の中庭でのシャボン玉やボール遊びの参観をした際には、生徒たちは園児と同じ目線になるためにかがみ、積極的に声をかけていました。5歳児の交通安全教室では、安全確認をしながら模擬的な横断歩道や踏切等を渡れた園児を拍手で褒めました。施設見学において、ユニバーサルデザインの観点から、園児が指を挟まないように工夫された教室のドアや、園児に合わせた小さなサイズのトイレなどを見学し、福祉に対する理解を深めました。演習後、生徒たちは「園児と触れ合うって楽しかった。」「子どもたちが好きだから、子どもたちと関わる仕事に就きたい。」と言っていました。
高等養護学校では、他にも様々な演習が行われており、目的はすべて、卒業後の「就労」に向けた資質や能力を高めることにあります。これまで「支援を受けてきた」生徒たちが、卒業後には「支援をする」立場になれるよう、学びを深めています。
学校に戻った生徒たちは、演習を振り返り「園児とコミュニケーションがとれたか」「スタッフの仕事はどうだったか」「演習でわかったことや感じたこと」について考えました。ワークシートには「スタッフの方が園児を笑顔にしていてすごいと思った。」「園児が活動でがんばっていたので、自分もがんばらないといけないと思った。」といった感想が書かれていました。