歴史文化資源の概要

　石棺仏は大和高田市大字池田に所在する地蔵堂内に安置されています。古墳時代の古墳に埋葬された石棺の蓋石の内面に、右手に錫杖を持った地蔵菩薩立像が彫り出されています。制作年代は鎌倉時代後期と考えられます。発見当初から尊顔が欠損していることは認識されていましたが、近年、お像の足下以下の劣化が著しく、大きく崩落しています。
　なお、隣接する春日若宮神社の本殿脇には、石棺の底石と考えられる石が保管されており、両者はもともと同じ石棺の蓋石と底石であったと考えられています。
指定年月日：令和２年７月30日

地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由

　石棺仏は県内でも類例が少ない資料であるほか、大和高田市内出土の古墳時代石棺としても高い学術的価値を有する歴史文化資源です。