深める 歴史文献で訪ねる奈良

大和名所図会で見る
今昔
一言主神社(御所市)

一言主神社は正式名称は「葛城坐一言主神社」(かつらぎにいますひとことぬしじんじゃ)であり、葛城の地に現れた一言主神を祀っています。日本書紀には、「雄略天皇が葛城山で狩をしていると、天皇と同じ姿をしている者がおり、それが一言主神であった」という記述があり、図会でもこの故事を引いています。一言主神社は、地元では「一言さん(いちごんさん)」として親しまれ、一言の願いならば何でもかなえてくれると信じられています。一言主神を祀る神社は全国にたくさんありますが、ここはその総本社となっています。

奈良県立図書情報館所蔵 大和名所圖會より
一言主神社 乳銀杏

ここが見所

一言主神社の境内には、樹齢約1200年の銀杏の木があります。幹から気根と呼ばれる乳房のようなものがたくさん出ていることから、「乳銀杏」と呼ばれています。古くから、この木にお祈りすると子どもを授かり、お乳がよくでると伝えられています。紅葉の時期に黄色に色づく様は、まさに圧巻です。