深める 歴史文献で訪ねる奈良

西国三十三所名所図会でみる
今昔
益田岩船(橿原市)

貝吹山(橿原市)の東峰に所在する巨大石造物。大きさは東西約11m、南北約8m、高さ約4.7m。制作年は不明。益田池を讃える石碑の台座部分であるという説に基づき、図会では「益田池碑趾」と記されていますが、現在では「益田岩船」と呼ばれています。石碑部分は「高取の城の石塁につみこみありと古く言ひ伝へり」(高取城の石垣に使われたという古くからの言い伝えがある)とされていますが、真偽のほどは定かではありません。昭和51年(1976年)に奈良県の史跡に指定されました。

早稲田大学図書館所蔵 西国三十三所名所圖會より
益田岩船

ここが見所

現在でも、図会に描かれたままの姿で残されています。岩船の前には案内板が設置されています。誰が何の目的で造ったのか――まわりの竹林と相まって、ミステリアスな雰囲気を体感できます。