深める 歴史文献で訪ねる奈良

大和名所図会で見る
今昔
宮滝(吉野町)

絵の上部に「宮滝は滝にあらず。両方に大岩あり。(中略)屏風を立てたるごとし」と記されているように、
宮滝には滝はありません。滝は「たぎつ」(川水がたぎり流れるところ)の意味です。
そして、屏風のように切り立った岩は宮滝の特徴であり、この景観は今でも変わりません。
ここ宮滝では江戸時代に、「岩飛」といって、お金をもらって岩から飛び込む見世物が行われていました。
図会には、飛び込む里人たちが躍動感のあるタッチで描かれており、左上には見物人たちの様子もうかがえます。

奈良県立図書情報館所蔵 大和名所圖會より
現在の宮滝

ここが見所

吉野川にかかる柴橋から下流を望むと、
今も往時の面影を伝える 「たぎつ瀬」の様子を
ご覧いただけます。ちなみに、川底に向かって岩が突き出ており、流れも複雑であるため、現在は飛び込み大変危険です。