歴史文献で訪ねる奈良
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- 當麻寺(葛城市)
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絵の左上には、芭蕉が當麻寺を訪れた際に詠んだ句があります。
「僧朝顔 幾死かへる 法の松」。朝顔は時が来れば枯れ、僧も代替わりをするが、仏法の松だけは
ずっとそこにありつづけている、という意味です。芭蕉が詠んだ松と同じように、
創建当初の中心伽藍(本堂、講堂、金堂、東西両塔など)が、おおむね規模と場所を変えずに現在まで残っています。
一方、本堂と講堂の間にある建物は今では池になっており、その池の真ん中には中将姫像がたたずんでいます。
本堂には當麻曼荼羅が納められていますが、
それを一夜にして織ったとされるのが中将姫です。
中将姫は曼荼羅を織った後、阿弥陀二十五菩薩により
西方極楽浄土へ迎えられたといいます。
この伝説を再現した「聖衆来迎練供養会式」が、
中将姫ご縁日として毎年5月14日に本堂を舞台に行われます。