奈良のむかしばなし

 






 今回は、『日本書紀』に見える、倭姫(やまとひめ)が巡幸(じゅんこう)された時の、今の宇陀郡御杖村に伝わるいくつかのお話。
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 昔、昔のこと。三輪山麓に宮があったとされる十一代垂仁(すいにん)天皇。その皇女の倭姫が、天皇の仰せを受け、天皇家の祖神である天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りするのにふさわしい場所を求め長い旅をされた。最後は伊勢の地にお決めになり、これが伊勢神宮の起源とされる。
 その旅の途中、倭姫が菅野川のほとりにある四社(ししゃ)神社の境内の井戸で手を清められた。この時「ああ、すがすがしい野」と仰せになり、この地を「菅野」と名付けられた。
 倭姫は、御杖村で一泊された。ここで古い杖を新しい杖に替えられたが、村人は「杖を置き忘れて出立(しゅったつ)された」と思い、杖は神様の杖ということで「御杖」「神末(こうずえ)」と呼ぶようになった。これが「御杖村」「神末」の地名の由来とされる。また別に、天照大神をお祀りする候補地のしるしとして杖を残されたという説もある。  
 その杖をお祀りしたという伝承をもつ神末の御杖神社。実は、四社神社も、御杖神社も大阪、奈良と伊勢を結ぶ伊勢本街道近くにある。
 姫はさらに旅をつづけられた。神末の東北にある、敷津の地には「月見石」が残り、近くの姫石明神では、姫が婦人病の全快を祈願したとされる。
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 御杖村でひときわこんもりとした緑の森の中にある御杖神社。拝殿と、その奥の本殿。拝殿の前、天に向かって聳(そび)える二本の杉のご神木は樹齢六〇〇年とか。
 静寂の境内を一歩出ると、一面、ゆったりとした棚田が広がり、豊かに育った稲の葉波が風に揺れている。遠く、山々が重なったその向うに三峰山(みうねやま)が淡く望める。まさに、日本の原風景を見る思いである。

御杖神社秋祭り
 毎年11月の第1日曜には、五穀豊穣を祈願する秋祭りが行われる。太鼓をたたく子どもたちを乗せた御神輿(太鼓台)が地区内を練り歩く。境内練り込みは迫力満点。

敷津七不思議
 村内の敷津地域には、倭姫が婦人病の全快を祈願したことから、婦人病や安産の神とされる姫石明神をはじめとした7つの不思議スポットがある。


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