はじめての万葉集

日本に現存する最古の和歌集『万葉集』をわかりやすくご紹介します。

vol.23 因可の池の物思い 

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因可(よるか)の池の物思い   
 池を見つめながら物思いにふける女性のイメージイラスト
 今月の歌画像  
 

今月の歌

斑鳩の因可の池の宜しくも君を言はねば思ひそわがする(巻12の3020番歌)
斑鳩の因可の池のように宜しくも、世間は君をうわさしないので、何かと物思いすることよ。

本文

 この歌は、斑鳩(いかるが)の因可という池を題材にして、恋の物思いを詠んだものです。ここに詠まれる「斑鳩」は、現在の生駒郡斑鳩町付近を指していると考えられています。斑鳩は聖徳太子が宮をおいた場所であり、法隆寺をはじめとした聖徳太子ゆかりのお寺があることでも有名ですね。

 その斑鳩には、かつて因可という名前の池があったようですが、現在の場所も、現存しているかどうかも不明です。ですが、この歌では因可の池の場所が問題なのではなく、ヨルカという音から、ヨロシという言葉が導かれていることがポイントです。さらにいえば、イカルガのヨルカという音の続きも、リズミカルで口ずさみたくなります。『万葉集』には、こうした音を楽しむ歌がたくさん残されています。

 リズムよく詠まれた上句(かみのく)ですが、下句(しものく)では一転して作者の恋の悩みが打ち明けられています。「宜しくも君を言はねば」とは、世間の人があなたのことを良く言わないので、という意味です。この作者の恋人は、世間からの評判が悪く、作者はそのために物思いをしているのです。恋人の悪い噂がどのような内容か、またこの作者が何を心配しているのか、この歌からだけではわかりません。誠実な人ではないのかもしれない…とか、浮気をしているのではないか…など、「思ひ」の事情はさまざまに考えられます。それを想像してみるのも、歌を読む楽しみの一つです。古代の人々の恋愛模様も、案外複雑だったのかもしれません。
(本文 万葉文化館 大谷 歩)

万葉ちゃんのスポット紹介

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上宮(かみや)遺跡公園

 奈良時代の建物群跡が見つかった公園。聖徳太子にゆかりのある葦垣宮(あしかきのみや)があったといわれていますが、平城宮跡と同種の瓦が出土したことから、称徳天皇ゆかりの飽波宮(あくなみのみや)ではないかともいわれています。遺跡は埋め戻され公園として整備されました。遺跡説明板や聖徳太子像、今回の歌の万葉歌碑などがあります。

かみやいせき公園の画像と地図
アクセス

JR大和路線法隆寺駅下車 北東へ約1.6km 

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