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藤岡家住宅ほか3件の登録有形文化財登録について

藤岡家住宅ほか3件の登録有形文化財登録について

 平成27年11月20日(金)に開催された国の文化審議会において、奈良市内の藤岡家住宅主屋ほか3件の建造物を登録有形文化財(建造物)として登録するよう答申がなされました。



藤岡家住宅主屋ほか画像(pdf 1472KB)


●藤岡家住宅主屋(ふじおかけじゅうたくしゅおく)

  所在地      奈良市紀寺町(ならしきでらちょう)
  建築年代     昭和3年/昭和30年代・同40年代・平成25年改修
  構造・形式・規模 木造2階建、瓦葺、建築面積99平方メートル

 藤岡家は、明治期に紀寺村(現奈良市紀寺町)に屋敷を構えた農家である。通りに北面するつし二階建。正面大戸口の東には格子窓、西には出格子と出窓格子を設け、つしの窓には山形鋼製の縦格子が入る。内部は東側の二列分を土間として、床上部は食違い四間取として西奥を座敷とする。屋根を当初から瓦葺とするなど旧奈良町周縁部の近代農家建築の特徴をよく示す。

●紀寺の家縁側の町家(きでらのいええんがわのまちや)

  所在地      奈良市紀寺町(ならしきでらちょう)
  建築年代     大正末期/昭和中期・平成22年改修
  構造・形式・規模 木造平屋建、瓦葺、建築面積71平方メートル

 路地奥に西面し木造平屋建、前面の下屋に出格子窓をたてる。平面は手前一間通りを土間の玄関と台所、奥にトコと違棚を備えた八畳の座敷や食堂など四室を配し、背面の庭に面して縁を通す。前土間式の奈良市貸家の典型的な形式をよく残す。

●玉や主屋(たまやしゅおく)

  所在地      葛城市當麻元當麻(かつらぎしたいまもとたいま)
  建築年代     江戸末期
  構造・形式・規模 木造2階建、瓦葺、建築面積142.41平方メートル

 「玉や」は葛城市當麻に所在し、當麻寺門前の角地に建つもとは旅籠であった建築である。
 主屋は参道に南面し、木造二階建、西面入母屋造、東面切妻造、起りのある桟瓦葺で、正面一階は東方通り土間位置で入口を開き、西方に格子戸を入れる。正面二階外壁に「松に鶴」の鏝絵、軒の持送りに「波上に宝珠」、「破魔矢」を彫刻した化粧材を飾り、西妻壁には屋号である「玉」の字を漆喰で立体的に成形するなど、装飾性のある意匠が配されている。江戸時代末期の様相を伝える旅籠建築であり、門前町の歴史的景観に寄与している。
 現在は食事処として活用されている。

●玉や離れ座敷(たまやはなれざしき)

  所在地      葛城市當麻元當麻(かつらぎしたいまもとたいま)
  建築年代     江戸末期/平成22年頃改修
  構造・形式・規模 木造2階建、瓦葺、建築面積41.93平方メートル

 主屋北西側に南北棟で建ち、西面は通りに面し、主屋とは廊下で接続する。木造二階建、南面入母屋造、北面切妻造、桟瓦葺で、二階は坪庭に面して南東面に高欄付の縁を廻らす。一階の板間はもと二室の客室で、それぞれ西面にトコを備え、旧室境に透彫欄間を飾り、すっきりとした意匠でまとめられている。

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