奈良少年刑務所の重要文化財指定について
平成28年10月21日(金)に開催された国の文化審議会において、奈良少年刑務所(指定名称「旧奈良監獄」)を重要文化財として指定するよう答申がなされました。
この結果、奈良県内の国宝・重要文化財(建造物)は、264件、403棟(うち国宝64件、71棟を含む。)となる予定です。
指定される旧奈良監獄の概要については、以下のとおりです。
【旧奈良監獄の概要】
1. 名称・員数 旧奈良監獄(ならかんごく) 19棟
中央看守所及び事務所、第一分房監(第一寮)、第二分房監(第二寮)、
第三分房監(第三寮)、夜間寝房(第四寮)、雑居監(第五寮)、 雑居監附属工場、
夜間寝房附属工場、構内仕切兼男拘置監浴場接見所、構内仕切兼病監浴場接見所、
南倉庫、北倉庫、拘置監、醫務所、病監、精神病躁狂監、表門、周囲煉化塀(二基)、
土地
2. 所在地 奈良市般若寺町
3. 所有者 国(法務省)
4. 説明 旧奈良監獄は、明治政府による第一期監獄改築計画の一つとして計画されました。
設計は司法省営繕課長の山下啓次郎(やましたけいじろう)とみられ、 明治41年に
完成しています。敷地中央に建つ中央看守所及び事務所を中心として5棟の舎房を扇形に
並べるほか、敷地内には附属工場や拘置監など一連の施設が良好に保存されています。
中核となる建物群は、ロマネスクを基調とした煉瓦壁の外観で統一され、左右対称の
整然とした計画で配置されており、意匠的にも優れています。明治政府が刑事施設の
国際標準化を目指して計画した監獄の希少な遺構として歴史的価値が高く、土地と
あわせて保存が図られます。

旧奈良監獄全景、東より