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石造雪丸像(所在:達磨寺) せきぞうゆきまるぞう

記入年月日 2016/07/13

石造雪丸像
所在地
奈良県北葛城郡王寺町本町2丁目1番40号
区分
彫刻 | その他
指定内容
町指定有形民俗文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 平成28年(2016年)3月25日付けで王寺町の有形民俗文化財に指定されました。達磨寺で聖徳太子の愛犬として伝承される「雪丸」の石造物です。花崗岩製、総高65cm。江戸時代の石造狛犬との共通性が認められ、寛政3年(1791年)『大和名所図会』の挿絵と文政9年(1826年)「道中日記」(池田市・吉野甫彦氏所蔵)の記述から、雪丸像が江戸時代後期に存在していたことが判明しています。雪丸は、人の言葉が理解でき、お経を読み、臨終の際に自分を達磨墳の艮に葬るよう遺言したと伝えられ、聖徳太子信仰との関わりが深いものです。元日に鳴けばその年は豊作に恵まれるとの言い伝えもあり、フクマル呼びという正月迎えの行事との関わりも注目されます。いずれにしても、雪丸像は聖徳太子信仰と犬に対する民間信仰が習合した点で重要です。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
 聖徳太子ゆかりの町にふさわしく、聖徳太子の愛犬として伝えられている石造物です。王寺町のマスコットキャラクターである「雪丸」は、この達磨寺の石造物をモデルにして誕生しました。
「記紀・万葉集」との関連とその概要
 達磨寺は、『日本書紀』推古天皇21年(613年)12月条に記される聖徳太子と飢人による飢人伝説がもとになり、飢人が達磨大師の化身であると考えられるようになって開基されました。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
 聖徳太子。達磨寺は聖徳太子が片岡を遊行した際に飢人と出会い、助け、葬ったことから開基されました。飢人は達磨大師の化身とされています。雪丸像には聖徳太子信仰と達磨信仰が関わっています。
当資源と関連する文献史料
 寛政3年(1791年)『大和名所図会』の挿絵に雪丸像が描かれています。文政9年(1826年)「道中日記」(池田市・吉野甫彦氏所蔵)には、達磨寺に太子の愛犬である石像があり、雪丸というと記されています。
当資源と関連する伝承
 聖徳太子の愛犬であるという伝承があります。王寺町のマスコットキャラクターである「雪丸」は、この達磨寺の石造雪丸像をモデルに誕生しました。
問い合わせ先
王寺町 地域整備部 地域交流課 文化資源活用係
電話番号
0745-72-6565

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