歴史文化資源の概要

37×51cm。奈良県立図書情報館が所蔵する松川半山画、井上治兵衛彫刻による旅亭金波楼の木版色刷の引札（広告）です。松川半山(文政元～明治15年)は、挿絵などで著名な大坂の絵師で、左上に「文久3年癸亥年春新刻」とあります。上段では奈良の名所の概略が紹介されており、「是等の眺望吾楼より一眼に居ながら見渡す、其絶景云ハんかたなし。故不相変御入来を奉希上候」と記されています。旅館の立地の良さを強調するため、三笠山・春日四社・若草山・手向八幡・二月堂・大仏殿を猿沢池の南に配置し、現在は跡が残るのみの興福寺南大門が描かれています。

地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由

猿沢池周辺の名所が詳しく描かれており、建物や参拝者の様相を知ることができます。