出会う 奈良県歴史文化資源データベース

志賀直哉旧居(奈良学園セミナーハウス) しがなおやきゅうきょ(ならがくえんせみなーはうす)

記入年月日 2020/04/07

奈良県指定有形文化財 志賀直哉旧居
所在地
奈良市高畑町1237-2
区分
建造物 | 住居建築
指定内容
奈良県指定有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
志賀直哉旧居は、直哉が自ら構想し、京都数寄屋大工の下島松之助が昭和4年(1929年)に竣工させた住宅です。敷地は旧春日社家郷のうちにあり、四周を土塀で囲み、北側西寄りに棟門形式の表門を構えます。主屋は北・西・南・東棟の4棟をコの字形に配しています。主屋の中心は南棟に設けられた食堂とサンルームで、直哉を慕って奈良に集まった文人達の交流の場でした。食堂は洋間で板敷き、東側にソファーを造り付けます。一段床を下げたサンルームは瓦製の四半敷とし、天井は張らず架構を見せ、棟際に採光窓を開きます。食堂とサンルームの意匠は数寄屋造を基調とし、近代的な洋風意匠を加えますが、各要素は破綻なく調和しています。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
奈良県内の近代住宅建築は純然たる洋館や洋室を設けずに、全体構成は和風を主とし、和洋折衷の部屋を内に組み込むものが多くあります。旧居はこの特徴を示す代表例であり、県内近代和風建築の形成を示す貴重な遺構です。
また、志賀直哉を慕って多くの文化人が来住、来遊し、志賀邸は「高畑サロン」と呼ばれる文化交流の中心となりました。旧居は、当時の高畑の文化的雰囲気を伝える建物としても重要です。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
志賀直哉
近代日本を代表する小説家のひとりで、白樺派の作家として活躍しました。代表作に「暗夜行路」「和解」「小僧の神様」「城の崎にて」などがあります。唯一の長編小説である『暗夜行路』はこの地で完成させています。
問い合わせ先
奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居
電話番号
0742-26-6490

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。