医療機器修理業について(医薬品医療機器等法)

医療機器修理業を取得するためには

1.医療機器修理業とは
 ・医療機器とは
 ・医療機器を修理するのに必要な許可
 ・医療機器修理の定義
 ・医療機器修理業許可が必要な場合・不要な場合
 ・修理区分について

2.医療機器修理業を取得するためには
 ・医療機器修理業の許可要件
 ・修理場所の構造設備
 ・申請者の欠格条項
 ・責任技術者の資格要件

医療機器とは

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条第4項)


 医療機器とは、以下のようなものをいいます。

 
「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるもの」

医療機器を修理するのに必要な許可

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第40条の2)

 
 医療機器修理業許可が必要となります。

医療機器修理の定義

(平成17年3月31日付け 薬食機発第0331004号)

 医療機器の修理とは、以下のような行為をいいます。

 

 医療機器の修理とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させること(当該箇所の交換を含む。)をいうものであり、故障等の有無にかかわらず、解体の上点検し、必要に応じて劣化部品の交換等を行うオーバーホールを含むものである。この修理を業として行おうとする者は、事業所ごとに地方厚生局若しくは都道府県知事許可を得なければならない。

 

 ただし、清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検は修理に含まれないものであり、修理業の許可を必要としないこと。なお、修理業者を紹介する行為のみを行うにあっては修理業の許可は必要ないが、医療機器の修理業務の全部を他の修理業者等に委託することにより実際の修理を行わない場合であっても、医療機関等から当該医療機器の修理の契約を行う場合は、その修理契約を行った者は修理された医療機器の安全性等について責任を有するものであり、修理業の許可を要するものであること。
 また、医療機器の仕様の変更のような改造は修理の範囲を超えるものであり、別途、医療機器製造業の許可を取得する必要があること。

医療機器修理業許可が必要な場合・不要な場合

医療機器修理業の許可が必要な場合と不要な場合は以下のとおりです。

医療機器修理業の
許可が必要な場合

・医療機器(自社製造製品以外)を持ち帰って修理する場合。
・医療機器(自社製造製品以外)を医療機関等で、出張修理する場合。
・医療機関等と医療機器(自社製造製品以外)を修理する旨の契約を行う場合。
  (修理の責任が当該修理業者に発生する場合。)

医療機器修理業の
許可が不要な場合

・清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検のみを行う場合。
・修理業者を紹介する行為のみを行う場合。

(※参考 医療機器修理業に関連するQ&A 平成17年4月1日事務連絡  Q3など)

修理区分について

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則別表第2)

修理の区分は第一区分から第九区分の9つの区分に分かれています。

さらに9つの区分は特定保守管理医療機器と特定保守管理医療機器以外の医療機器の2つに分かれています。

修理する物及びその修理する方法に応じた区分に従った許可を、事業所ごとに取得する必要があります。

 

特定保守管理医療機器(特管)

特管第一区分:画像診断システム関連 

特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連

特管第三区分:治療用・施設用機器関連

特管第四区分:人工臓器関連

特管第五区分:光学機器関連

特管第六区分:理学療法用機器関連

特管第七区分:歯科用機器関連

特管第八区分:検体検査用機器関連

特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連

特定保守管理医療機器以外の
医療機器(非特管)

非特管第一区分:画像診断システム関連

非特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連ステム関連

非特管第三区分:治療用・施設用機器関連

非特管第四区分:人工臓器関連

非特管第五区分:光学機器関連

非特管第六区分:理学療法用機器関連

非特管第七区分:歯科用機器関連

非特管第八区分:検体検査用機器関連

非特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連

※例えば、特管第一区分の許可を取得していても、非特管第一区分に該当する医療機器は修理することはできないので、両方の区分を取得する必要があります。

※「特定保守管理医療機器」とは、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものです。(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第8項抜粋)

医療機器修理業の許可要件

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第40条の2)

 医療機器修理業を取得するためには以下の要件を満たす必要があります。

 

 1.事業所(修理場所)の構造設備が、薬局等構造設備規則に適合している。

 2.申請者(法人であるときはその業務を行う役員を含む)が欠格条項に該当しない。

 3.責任技術者の設置

修理場所の構造設備

(薬局等構造設備規則第5条)
医療機器の修理業の事業所の構造設備は以下の基準を満たす必要があります。

一 構成部品等及び修理を行った医療機器を衛生的かつ安全に保管するために必要な設備を有すること。 

二 修理を行う医療機器の種類に応じ、構成部品等及び修理を行った医療機器の試験検査に必要な設備及び

器具を備えていること。ただし、当該製造業者の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己

の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。

三 修理を行うのに必要な設備及び器具を備えていること。

四 修理を行う場所は、次に定めるところに適合するものであること。 

 イ 採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。

 ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。

 ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。

 ニ 防じん、防湿、防虫及び防そのための設備を有すること。ただし、修理を行う医療機器により支障が

ないと認められる場合は、この限りでない。

 ホ 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。ただし、修理を行う医療機器に

より作業の性質上やむを得ないと認められる場合は、この限りでない。

 ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。

五 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。

申請者の欠格条項

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第5条)

 申請者が以下のいずれかに該当する場合は、製造販売業許可申請ができない場合があります。
 
 イ.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者

 ロ.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第75条の2第1項の規定により登録を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者

 ハ.禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、三年を経過していない者

 ニ.イからハまでに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から二年を経過していない者

 ホ.成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤の中毒者

 ヘ.心身の障害により医療機器の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者

責任技術者の資格要件

(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第188条)
医療機器修理業の責任技術者になるためには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

1.特定保守管理医療機器の修理業の場合
 イ.医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習

及び専門講習を修了した者
 ロ.イと同等以上の知識経験を有すると厚生労働大臣が認めた者

 

2.特定保守管理医療機器以外の修理業の場合
 イ.医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を

修了した者
 ロ.イと同等以上の知識経験を有すると厚生労働大臣が認めた者