はじめての万葉集

 







 みなさんは「山」といえばどんな山を思い浮かべますか?エベレストなどの世界的にも有名な山を思い浮かべた人もいれば、日本最高峰の富士山や、生まれ育った家の裏山を思い浮かべた人もいらっしゃるかもしれません。万葉歌にもさまざまな山が詠まれていますが、その中のひとつに、香具山(現在の地名は天香久山)があります。
 香具山は『万葉集』の中で唯一「天の」と表現されています。歴代の天皇が登って「国を見る」ことで国土を治める儀式をしたという場所であり、天から降ってきたという伝説もある山です。天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れて地上は闇に閉ざされた、という『古事記』や『日本書紀』にある神話の中にも、天上世界の山として同じ名が登場します。実際の香久山は、わずか百五十メートル程の高さしかありませんが、天に続く神聖な山だと考えられていたようです。
 この歌は、少し違うことばづかいでむしろ「小倉百人一首」の一首としてよく知られていますが、もともとは『万葉集』の歌です。持統天皇の頃に中国式の暦が導入され、四~六月が夏とされました。そうした季節をテーマにした、当時としては斬新な歌だったようです。香具山に白衣がほしてあることで、夏の到来を認識したとありますが、ここでいう白衣とは、白い花または冬の雪のたとえだという説もあります。いずれだとしても、初夏の空の青と山の緑、そこに映える白、と鮮やかな大和の風景が目に浮かんでくるようです。
(本文 万葉文化館 井上さやか)


奈良県
橿原総合庁舎
屋上庭園

 大和三山が一望できる絶好のロケーション。万葉集にゆかりのある草花と芝生で整備されていて、各所に設置されたベンチでゆったりとくつろぐことができます。屋上から見える風景を詠んだ万葉歌14首を解説するスクリーンも設置されています。

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